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【ヤベッチュ外伝も】Another-CU_4【超よろしく】
[653]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:35:09 ID:??? 翼「お互い無事にジュニオールへ昇格できたね。」 森崎「当然ってトコだ、カッコ悪く日本に帰る訳にもいかないしな。」 翼「また今季も対戦があるかと思うと少し気が重い。」 森崎「おっ? ふふん、俺に恐れをなしての発言か?」 翼「まさか。 奇行ってのは傍で見てる方も疲れるってだけさ。」 公の場で喧嘩をするつもりはないか、当たり障りなく会話を繰り広げる二人。 しかし徐々に会話内容に棘が含まれ始め、互いの微笑は氷のようになっていた。 陽子(あーあ、一応笑顔は保ってるけど……毒々しくなってきたワァ。) 当然ながら陽子の頬はヒクついている。 これ以上二人の世界で会話を続けさせるのは、正直宜しくないだろう。 陽子は頭の中を整理し、言うべき事をそらで再確認すると… 陽子「コホン。 それでは、二人揃った所で本題に入ります。」 森崎「ん?」 翼「本題?」
[654]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:36:25 ID:??? 陽子「まずは(ry」 目を丸くする翼と森崎に対し、陽子は事務的な口調で全日本サッカー協会からの祝辞を述べた。 祝辞とは二人が共にプロ予備軍ジュニオール≠ノ昇格し、あまつさえキャプテン就任した事に対してである。 正直二人が昇格してから時間が経っているが、恐らく二人揃った席で伝える事が決まっていたのだろう。 森崎「…話ってのはそんだけかい?」 陽子「ううん…話はここからよ。 二人には来年、Wトーナメントの代表になって貰う予定がほぼ確定してるけれど… その前に、全日本ユースの強化試合の相手となって貰うのも予定されています。」 翼「強化試合?」 陽子「具体的には、年明けに開催される全国大会リオカップ≠ノて、より優秀な成績を収めたチームに 来年2月に日本で開催されるジャパンカップ≠ノ参加し、全日本ユースと戦ってもらいます!」 森崎「な、なにィ! 全日本ユースとだぁ!?」 翼「ジャパンカップだって…!?」
[655]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:37:52 ID:??? 陽子「ええ。 規模は小さいですが、一応FIFAにも認定を貰ったユースクラスの国際大会です。 そして目的の第一は国内組に世界と自分達の実力差を認識させる所にあります。」 森崎「ほほぅ…」 ニヤリ 弱者を甚振(いたぶ)るビジョンでも見えたのか、森崎は悪そうにほくそ笑んだ。 翼の方は特に何も口を挿まずに耳を傾けている。 陽子「パルメイラスかサンパウロ、どちらかのチームにブラジルのレベルをみせつけてもらう訳ですが… 更に西ドイツからハンブルガーSV…若林源三くんが所属するチームの招待が決まっています。」 森崎「ハンブルガーSV…!」 翼「若林くんも…!」 ハンブルガーSVについては過去に対戦歴があり、因縁のあるチーム。 そして若林源三については今更言うまでもなく良く知る相手である。 流石にこれは小さくないニュースだったか、森崎だけでなく翼も思わず言葉を漏らした。 だが陽子の衝撃発言は更に加速する。
[656]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:39:04 ID:??? 陽子「翼くん、本当はこれに三杉くんのチームも招待される筈だったのよ?」 翼「!!」 森崎「はっ? 三杉?」 どういう事かと言わんばかりに森崎は二人の顔を交互に行き来させた。 陽子「森崎くんは知らなかったようね。 まあ私も翼くんから聞かされて初めて知った事だし、仕方ないか。」 森崎「どういう事だよ翼。」 翼「どういう事も何もないさ。 三杉くんは心臓病を治し、今はイタリアでプロ予備軍に所属している。」 森崎「なっ、なんだってーーー!?」 陽子(素直な反応ね。) やはり三杉淳が心臓病を治した事、更にはイタリアでプロ予備軍である事は森崎にとっても大きかったようだ。 そんな森崎の反応を満足気に見詰め、陽子はコーヒーを一口すすった。
[657]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:40:19 ID:??? 陽子「プロジェクト・カウンターウィングの事は覚えている? 翼くんと森崎くんを競い合わせ、日本サッカーの レベルを劇的に上げる為のヒーローを作り出す計画…あれの一環で、森崎くんにも伝えておくわ。 今度サンパウロが三杉くんのチーム、フロレンティア・ヴィオラと練習試合を行うの。」 翼「………」 森崎「な、なにぃーっ!?」 陽子「どういう経緯でそうなったか私は知らされていないし、日本サッカー協会もこれに関わってないわ。 でも三杉くんとの試合で、翼くんだけが刺激を受けるのはプロジェクト的にも宜しくない…と言うのが上の判断。 森崎くんにも試合をぜひ観戦して貰いたいみたいなのよ。」 森崎「(チッ、相変わらずお偉いさん達の勝手な言い草だな。 だが…) 確かに蚊帳の外ってのは気分が悪い。 是非とも観戦させて貰いたいぜ? まさか…」 森崎は横目で翼を見た。 翼も気重そうに横目を向けていたらしく、二人の視線が交差した。 森崎「文句はないよなぁ、翼?」
[658]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:41:52 ID:??? 翼「…別に無いよ。 スタンドで大人しくしてくれるんならね。」 森崎「へっ、抜かせよ。」 陽子(ふう、どうやら任務完了みたいね。 どうなる物かと思ったけど、なんとかなったわ。) 正直この話をする事で森崎が激昂する懸念があったが、どうやらそんな事態にはならなかった。 翼についても少々ヘソを曲げたかも知れないが、それだけである。 陽子は結果に満足し、安堵の息をつく事が出来た。 森崎「…しかしアレだ、あの三杉が心臓病を治したってんなら、そいつは面白い話だぜ。 あの憎たらしく思えるくらい完璧なドリブルが久々に見れるかも知れねえのか。」 翼「やっぱり…」 森崎「あん?」 翼「やっぱり三杉くんの存在は森崎にとっても大きいようだね。」 森崎「うん? ああ、まぁな。 …って、どうしたお前?」
[659]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:43:36 ID:??? クール…というのを越えた、ドンヨリしたオーラが翼から発せられているのを森崎は気付いた。 恐らく過去に翼をよく観察し、その性質を知り抜いているが故の敏感さだったに違いない。 森崎(弱気…いや、嫉妬か? こいつが? …いや、まさか。) カップに手を伸ばし、コーヒーをすする翼。 そんな翼の一挙手一投足に森崎は目が離せなかった。 『俺の知ってる翼と違う…』そんな心積もりであったのだろう。 森崎「お前…そんなんだったら、その試合に出るんじゃねーよ。」 翼「はぁっ? 一体何だ突然。」 森崎「気が乗んないまま試合に出て、無様なプレー見せられたら俺様が困る。 そんな無様なお前と俺が競い合ってるって思われたら、俺の評価まで下がって迷惑なんだよ。」 陽子「ちょっ…!」
[660]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:44:52 ID:??? 翼「お前にそんな事を言われる筋合いはないし、気が乗らないとか勝手に決め付けるな!」 森崎「だったら試合で見せてみやがれよ! 三杉がどんだけ成長してるか知らねえが… 俺だってブラジルで3年間、血反吐を吐く思いでプロ目指してきたんだ! その俺の顔を潰す事は許されねえ!」 翼「なっ…! 勝手な事を!! お前の為になんかやる筈がないだろう! 俺は俺の為に全力を尽くす! この3年間の成果を見せつけてやるのさ!」 森崎「へっ、どうだかな。」 ガタっ 翼も更に激昂の構えを見せたが、森崎はその前にコーヒーをグイッと一気飲みして席から立ち上がった。 陽子(あら…これって。)
[661]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:46:02 ID:??? 森崎「…ご馳走さん。 陽子さん、さっきのジャパンカップのオファーの話だけどさ。 もしパルメイラスとサンパウロが同じ順位で終わってしまったらどうなるんだ?」 陽子「え? うーん…そうね…その場合は互いのクラブチームとの交渉条件で決まるんじゃないかしら。 実はサンパウロともパルメイラスともまだ交渉中で、完全に参加が決まったって言う訳じゃないのよ。 と言っても日本サッカー協会はお金だけは有り余ってるから、断られる事は無いと思うけどね。」 森崎「分かった、そんじゃあ俺はこれで失礼させてもらうぜ。」 翼「待てよ森崎、好き勝手言うだけ言って逃げるのか?」 森崎「ケッ、いつだって相手になってやるよ。 取り敢えず3ヶ月後にはリオカップで叩き潰すけどな。」 翼「それはこっちのセリフだよ。 三杉くんに勝ってみせて、リアカップへは勢いをつけて望むさ。」 語気は多少和らいだが、互いの眼光は先程よりも鋭くなっている。 バチバチと音が聞こえそうな程に熱視線が向き合うが…
[662]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:47:14 ID:??? 陽子「あの〜、二人とも…熱血は時と場所を選ばないと変な噂が立つわよ?」 森崎・翼「…あ」 周囲を見回すと、喫茶店のマスターがニヤニヤと聞き耳を立てているし、 他の客についても全員がこちらに大注目していた。 森崎は入ってきた時よりもバツが悪そうに、そそくさと店を出て行った。 翼もその後ぶつくさと森崎への文句を零したが、間もなく帰路へとついた。 陽子は翼を見送ると、疲れた顔で伸びをした。 陽子「う、うーーーん。 …やっぱりあの二人が揃うと大変なのね。 南葛や全日本ジュニアユースでチームメイトだった子達の苦労が偲ばれるワァ…」 しかし仕事が終わった解放感からか、すぐに彼女の顔には眩しい笑顔が戻った。 陽子(…でも、なかなか好いトコあるじゃない、森崎くん。) 彼女も足早にその場を去って行った。 恐らくこれから一杯やるのだろうが、それについては直ちに描写する予定がございません。 そしてそれから数日後…
[663]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/08/26(日) 07:48:42 ID:??? <ブラジル・グアルーリョス国際空港> レントゥルス「着いたーーー!」 ダラピッコラ「はっはっは、おいでやすだぜブラジル!!」 三杉(ふう、相変わらず酷い目にあった…。 ロングフライトでのエコノミーは本当に勘弁して下さい…) フロレンティア・ヴィオラの面々はブラジル・サンパウロ最寄りの空港に降り立った。 フライトの疲れを色濃く残している者、元気いっぱいに残している者と様々であるのだが、 ちなみに… キンコーーーーーーーン 係員「すみません、身に付けている金属は外して頂かないと入国は…」 M沢「そんな事を言われてもな…」 約1名、チェックアウトも入国審査も通らない可哀相な奴もいた。 シーザー「チッ、仕方ねえ……悪いがM沢、お前次の復路便で帰れ。」 M沢「そっ、そんなぁーーー!」 シーザー「次回からお前には船便のチケットを用意してやるから。」
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0ch BBS 2007-01-24