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【再会?】ファイアーモリブレム41【再会!】
[480]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/01(木) 20:54:02 ID:??? ビクトリーノ「イスラス。お前こそお嬢ちゃんの気持ちを分かってやれよ。 マッハーはあの娘の血を分けた兄貴なんだろ? きっと咎められることなんて承知でここにやってきたんだよ」 イスラス「……ビクトリーノ。一つ頼みがある。いざとなったらアイツを連れてお前だけ先に行け」 ビクトリーノ「イスラス……お前……」 ビクトリーノはイスラスの右足に目を落とす。マッハーと同様に、その足にも黒い斑点が浮かび始めていた。 イスラス「俺もさ。一時期だけだがあの力に溺れていた。この力さえあれば どんな奴にも負けやしねぇ。俺が世界ナンバーワンのドリブラーだとさえ思い込めた。 ……だが、この闇のかけらは自分を前に進ませるものじゃない。 他者をその場に縛り付け引きずり下ろすことに使われるようなものだった」 ビクトリーノ「……そうだったな。お前もあの仮面の組織のメンバーだったっけ。 この3日間、こうして普通に話したり遊びに出かけたりしてたからつい忘れてたぜ」 イスラス「………だから、さ。もしも薬が見つからなかった場合、最後までアイツの暴走に付き合う奴が必要なんだよ。 誰よりも先に、誰よりも速く走ることに目覚めた。マッハーのドリブルにな」 ビクトリーノ「…………OK。それがお前の覚悟だってんなら了解した。 だが、悪いが俺は最後の最後まで諦めねぇぜ。俺の名はビクトリーノ。 最後にかならず勝利を呼ぶことが義務付けられてるんだからよ。 明日の試合のブレーメンの勝利も約束されてんだ。お前をぶちぬくことでな」 イスラス「……ああ。楽しみだ。明日の試合が今からどんなものになるか……楽しみでたまらない」 ビクトリーノ「それじゃあおしゃべりはここまでだ。探そうぜ。俺たちの明日を切り開く希望をよ!」
[481]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/01(木) 20:56:12 ID:??? ★ビクトリーノの意地→!card イスラスの賭け→!card シャルの希望→!card★ !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します ダイヤ・ハート→薬を見つける! スペード・クラブ→薬は見つからない! JOKER→謎の青年が薬を見つけ、手渡してくれる! ※誰か一人でも薬を見つけると…?
[482]森崎名無しさん:2012/11/01(木) 20:56:27 ID:??? ★ビクトリーノの意地→ ハート2 イスラスの賭け→ クラブ8 シャルの希望→ スペードJ ★
[483]森崎名無しさん:2012/11/01(木) 20:56:38 ID:??? ★ビクトリーノの意地→ スペードQ イスラスの賭け→ ハート5 シャルの希望→ クラブ6 ★
[484]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:19:04 ID:??? ★ビクトリーノの意地→ ハート2→薬を見つける! イスラスの賭け→ クラブ8→薬は見つからない! シャルの希望→ スペードJ→薬は見つからない! ★ =========== ビクトリーノ「あった!あった!あったーーーっ!!」 見た目はグミ状のお菓子だが、強力なドーピング剤でもあるイリュージョンストライク。 しかしこの薬には闇のかけらによる身体への悪影響を抑える効果もあるらしい。 イスラス「でかしたビクトリーノ!」 シャル「よかった……これで兄さんは助かるのね」 3人はすぐさまマッハーの下へと駆けつける。 リュウの術も限界が近く、脂汗を垂らしつつマッハーから印を解く リュウ「…よくやってくれた。君たちの努力が実ったのだな」 イスラス「よし、俺が飲ませてくる」 薬をマッハーの口に含ませ、鼻を摘み無理やり胃の中に流し込ませる。 マッハーの黒ずんだ顔色は徐々に彼本来の白さを取り戻していく。 マッハー「…………うっ……お、俺は…………」 シャル「リュウさん、兄さんを見守っていてくれてありがとうございました…!」 ビクトリーノ「いよっしゃー!あとは皆で脱出するだけだ!さァ、出口へ急ごうぜ!」 元気よく脱出を促すビクトリーノ。しかし、マッハーに薬を飲ませるために 彼の側に近づいたイスラスが、しゃがんだまま動かない。
[485]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:20:35 ID:??? イスラス「……悪い。どうやらまだ……終わっちゃいねぇみたいだな」 リュウ「馬鹿な…!」 マッハーの右足から伸びた触手は、イスラスの左足にしっかりとこびりつき離れようとしない。 何度か立ち上がろうと足腰に力を入れては見るが、強い力で上から押さえつけられているかのようにビクともしない。 イスラス「ビクトリーノ。頼む」 全てを覚悟したイスラスは、ビクトリーノに先ほど頼んだ約束事を任せる。 ビクトリーノ「なんでだよ!薬も飲ませた。アイツの暴走も収まった! だのになんでまだ触手が出てきやがるんだよ!」 マッハー「…言わなかったか?イリュージョンストライクは『併用剤』だって。 これ単体じゃただの元気になる気付け薬だ。 …もう、なにもかもオシマイだ。どうしてすぐに俺を見捨てなかったイスラス…!」 イスラス「……多分、お前から預かっていたこの『右足』がそうさせたんだろうさ」 マッハー「…………結局奴ら『ヨハン』の思うがままってか。くそったれ…………」 ビクトリーノ「……まだだ!この薬が併用剤ってんならその薬を探せばいいだけだ!」 リュウ「時間があればそれも出来ただろう。だが……もう待てん」 実験場の地下に闇の力で完全に縛り付けられたイスラスとマッハー。 辺りはいよいよ崩れ始め、もはや一国の猶予もならなかった。 シャル「そんな……こんなのいやだよ……兄さん!イスラス!」
[486]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:22:11 ID:??? 二人の隣に立って支える資格が無い今の自分に何ができる? いや、支えられなくてもいい。自分には多分そこまでの力もないから。 でも、せめて隣に立つことくらいだけはしてあげたい。 彼らと同じ速度で走れる自分にしかできないことがきっとあるはずなのだ。 シャル「くっ……ふんぬぬぬ……」 マッハー「お、おい…何やってんだよ…」 シャルはマッハーを縛り付ける闇の触手を掴むと、それを地面から引き剥がそうと件名に引っ張る。 もちろん彼女の腕力ではびくともせず、そもそも人の手で何とかできそうなシロモノではない。 それでも何かの役に立ちたいというシャルの想いが、触手から彼らの足へと伝わるのが物悲しい。 ビクトリーノ「ちいっ……目の前で女の子があんなに必死になって……見過ごすわけにはいかねぇって!」 リュウ「何をしている!死にたいのか!?」 ビクトリーノ「死にたかねぇよ!だけど俺の足は…アイツに負けたままじゃ死んだも同然なんだ!だから助けに行くんだよ!」 ビクトリーノは揺れ始める地面にしっかり足を食い込ませ、ダッシュでマッハーたちの所に駆けつける。 そしてシャルと同様に、イスラスの足を這い、地面に根付こうとしている闇の触手を握り締める。 イスラス「ビクトリーノ…!」 ビクトリーノ「勘違いすんなよ。俺はお前ともまだ決着をつけちゃいねェんだよ。 俺とお前。そしてマッハー。いや、まだ俺が知らねぇ世界中のスピードスター。 ソイツらを全員倒して…俺は堂々と世界最速を名乗りてぇだけだかんな!」 マッハー「……‥…」 グググッ……ズッ……
[487]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:23:38 ID:??? イスラス「(触手が……剥がれていく?)」 その時イスラスの頭の中に一つの仮定が浮かんだ。この闇の呪縛は、 二度と自分の足で走ることのできないこの世界に対しての憎しみ。 まだ走りたい。風になりたいというマッハーの執着心を表しているというのなら。 もしも『併用剤』があるとするならば、それはきっと―― イスラス「……マッハー」 マッハー「どうしたイスラス……」 イスラス「ある男がこんなことを言っていた。もしも志半ばで夢を諦めなくては行けない時がきたら。 ソイツは次の世代の連中に自分の夢を預けると。自分のすべてを託したいと言っていた」 マッハー「…………」 イスラス「お前の無念。お前の魂。お前の足。……お前の全てを俺に託せ。 マッハー。お前の足は闇に負けて二度と動かなくなるかもしれない。だけど……」 ガシッ!グググッ…… シャルとビクトリーノ。そしてイスラスの3人はマッハーの触手に全力で力を込める。 イスラス「お前の夢だけは絶対に消えない。絶やさせやしない。俺が歩みを止めない限り、決して。 俺がお前の分まで走る。お前の分まで風になる。だから……後は俺に任せてくれ」 マッハー「…………」 誰かに夢を託し、託される。自分もそうありたいものだ。 イスラスは願った。そして誓った。自分だけでなく、もう一人分の夢を背負い走り続けていくことを。 その道は決して楽なものではない。いつ自分もマッハーのように限界が訪れるかもわからない。それでも。
[488]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:24:53 ID:??? イスラス「マッハー。俺は今までも、これからもお前と一緒に……走り続けていく!」 ズズッ……ブチンッ!! シャル「触手が…!?」 ビクトリーノ「ぬ、抜けた!」 地面から引き剥がされた触手は、イスラスの左足へと結びつくように絡みだす。 イスラスはマッハーを左肩で担ぎ、彼の重みを感じながら立ち上がる。 マッハー「……離せよ。俺の中に眠る闇は……結局ずっとお前のことを恨んでいた。 ポーランドに帰ったのも治療のためじゃない。全力で走れるお前の姿を見たくなかったからだ。 今でもそうだ。こうしてお前を逃がさないように縛ろうとしている…… それに、俺の右足はもう動かない。もう……走ることは……できない……」 イスラス「走ることなら、できる」 グイッ。ダダダッ! マッハー「えっ…?」 マッハーの右足が地面を蹴る。いや、性格には彼の足から伸びた触手に絡むイスラスの『左足』だ。 マッハー「二人三脚ってか?こんな不安定に揺れるところを…無茶すぎるぜ」 イスラス「今の俺ならやれる。お前はずっと俺の『右足』として一緒に走ってきてくれた。 そして……その足に引きずられるようにずっと走り続けてきた『左足』も」 ガッ……ビュンッ!! シャル「あれは……!」
[489]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/11/02(金) 05:26:29 ID:??? シャルは思わず息を呑んだ。イスラスは今まで『右足』にのみ重点して倍速移動を行なってきた。 地面を蹴り始めるのも右足から。スピードを抑えるブレーキも右足のみでしかできなかったはず。 ビクトリーノ「自力で覚醒したんだ。誰かの手によるものじゃなく、自らの足で。『倍速』の才能に!」 イスラス「俺だけの足じゃないさ。今まで共に走ってきてくれたこいつの右足。 そして毎日欠かさず足のケアに尽くしてくれたシャル。お前のおかげだ」 シャル「え…?」 イスラス「これからは右足だけじゃなく左足も診てもらうことが増えそうだからな。 ……その、なんだ。お前が良いって言うなら……これからも側にいて欲しい。それだけだ」 シャル「…………うん。うんっ!!」 そうか。隣に立つ必要なんか最初から無かったんだ。わたしとイスラスは違う。背の高さも、性別も、国籍も。 当然走るペースだって。同じ『倍速』といえども、歩幅が違えば大きく変わるのが当然なのだ。 隣を一緒に走ることにずっとこだわっていたけどそうじゃなくてもいい。 心はずっと一緒だったことに気がつけたから。だから、これからも一緒に走り続けていこうね。 ビクトリーノ「ヒューヒュー!お熱い事この上ないねチッキショー! そうと決まれば早速脱出だぜ!シノビの兄ちゃん、道案内宜しく〜!」 リュウ「(……彼らは今、前に進みだした。彼らにとっての新しい今日が、今始まったのかもしれないな)」 外はもうすぐ日が昇り始める頃だろう。闇が消え、光が溢れる夜明けが彼らを祝福しようと待っている。
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0ch BBS 2007-01-24