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【夢幻泡影】黄金のジノ13【エンドレスエイト】
[47]森崎名無しさん:2012/10/29(月) 17:52:12 ID:F/L1jSe+ A
[48]森崎名無しさん:2012/10/29(月) 18:28:58 ID:XUxCbfZk C
[49]森崎名無しさん:2012/10/29(月) 19:29:14 ID:X6I0dmZ2 C
[50]黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2012/10/30(火) 06:42:14 ID:hi9OwjE2 C 長門に連絡するか。 こんな時は、長門だな。 ……ハルヒについて、何か知っているかも知れないし…この頭のもやを、払ってくれるかも知れない。 長門『………もしもし。』 キョン「長門か?俺だ。……少し聞きたい事があってな。」 長門『………何?』 キョン「涼宮ハルヒについて、だ。」 長門『………………』 長門は、押し黙った。………何か都合が悪いのだろうか……… 長門『………齟齬が発生する可能性がある。電話でなく、直接話をすべき話題。だが、彼女については、聞かない事を推奨する。』 ……何か気になる言い方だな。 キョン「…………そうか。」 長門なりに考えを纏めていたのか。 長門『どうしても聞きたいのであれば、今から私の自宅に来る、若しくは翌日の昼休みに話す。この二つが現状としては良いと考えられる。 ただし、聞いた後について、あなたがどんな感情を抱くかまでは、責任が持てない。なので聞かない事を推奨する。 ………回答を願う。』 『2』票にて。 A 今から聞く B 明日聞く C 聞かない
[51]森崎名無しさん:2012/10/30(火) 08:25:11 ID:3Km6NLFQ A
[52]森崎名無しさん:2012/10/30(火) 09:52:38 ID:JKFBa/I+ A
[53]黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2012/10/30(火) 10:44:54 ID:??? A 今から聞く キョン「今から聞きたい。」 納得のいかない話は、早目に解決するに限る。 長門『…………了解した。』 俺は、すぐに自転車に乗り、長門の家に急いだ。 ――――――――――――――――― 長門は、急須にお茶を注ぐ。 長門「…………………まず、謝らせて欲しい。」 キョン「?」 何を、だ? 長門「貴方の記憶……涼宮ハルヒに関する記載を奪ったのは、私。」 ……となれば、俺はハルヒと面識が…… 長門「貴方と涼宮ハルヒは、かつて想い合う仲だった。しかし、イレギュラーが発生した。それは、猜疑心。」 キョン「……………?」 長門「ここからは、多分に仮説を含む。正確な情報と言い難いが……… 涼宮ハルヒが、貴方に猜疑心を持った時、佐々木○○の願い…貴方の側にいる事…これが二重に働いた。 涼宮ハルヒは、相乗作用により、貴方を消滅させようとした。」 キョン「……………はぁ?」 長門「事実。古泉一樹、朝比奈みくる、この両名が死力を尽くし、貴方の消滅は回避された。 古泉一樹は機関を裏切り、朝比奈みくるは、未来の自分を犠牲にして、貴方を救った。 私は、涼宮ハルヒに対抗すべく、涼宮ハルヒと同じ系統の能力を持つ佐々木○○を、私達の仲間に引き込んだ。」 キョン「ま、待ってくれ。」 頭が痛い。 長門「記憶を戻す。詳しい話は、貴方が知る。」 長門の手が光る。 キョン「……………………………………………」 あ、な、なんだ、こりゃ…………。国木田………谷口………阪中…………ハルヒ……………あの木の下で……… 絶望の中、立ち尽くす自分。機関に拉致されようとした俺を、古泉が………朝比奈さん(大)が…… 古泉『僕は、現時点を持って機関を抜ける。死にたい方は前へ。』 みくる(大)『もう付き合ってられっか!オメェだけは意地でもあたいが助けてやる!』
[54]黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2012/10/30(火) 11:41:49 ID:??? キョン『ハルヒ!お前は俺の……!』 俺は…………全てを思い出した。 長門「涼宮ハルヒの目的は、SOS団の再結成。彼女は鍵を作ったが、鍵は不安定。 再び彼女を望む世界に導けば、このループは消滅するだろう。しかし…… 私という個体は、それを望んでいない。」 キョン「………長門………」 長門「しかし、それでも貴方が望むのであれば、私は貴方に協力するだろう。………決断を。」 ※分岐。今回は佐々木ルートの為、投票無し。 キョン「………決まっている。長門と同じだ。」 長門「………感謝する。」 キョン「俺は決めたんだ。ループする世界というなら…佐々木と旧SOS団で、そんなもんぶっ壊す。」 ハルヒが佐々木になると………あ、やっぱりSOS団になるのか。 長門「ユニーク。」 記憶を取り戻してみると、顕著にわかった。長門は、以前より遥かに表情豊かになっている。 おい、情報統合思念体。多分長門が自律進化の鍵を握っているぞ。 キョン「さて、帰るか。」 長門が説明してくれたが、ハルヒにしても、佐々木にしても悪意があったわけじゃない。たまたま起きた不幸な事故だ。 こんな騒動になるのが、実にハルヒらしいんだが。ただ、ハルヒに力は貸せない。俺は佐々木を選ぶ。 キョン「…………佐々木。」 名前を呼んでみた。それだけでもドキドキする。うん、こりゃ立派な精神病だ。
[55]黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2012/10/30(火) 13:20:59 ID:??? 木曜日。試合まであと三日間。 俺は、通学路で佐々木を待った。佐々木には、話をしておかないとな。 キョン「おはよう、佐々木。」 佐々木「…………おはよう、キョン。」 佐々木は、俺を一目見て俺が記憶を取り戻したと悟ったようだ。 ………まぁ、隠すつもりもないけどな。 キョン「佐々木。」 佐々木「………軽蔑しただろ?僕の願いのせいで、こうなってしまったんだ。」 キョン「………いや、誰のせいでもない。」 本心からだ。誰のせいでもない。仮にそれが佐々木のせいだとしても、恨む気はないぜ。 結果として、俺が佐々木に救われた事実は変わらない。SOS団の団員、皆が佐々木に救われたんだ。 ハルヒ不在のSOS団は、いつ崩壊してもおかしくなかった。それを繋ぎ止めたのは、紛れもなく佐々木の力だ。 贖罪のつもりだったのかも知れんが、俺は見ていた。長門や朝比奈さん、朝倉、古泉の安心した表情を。 佐々木。お前は悪くないよ。それは、あいつら自身が一番知っている。無論、俺もな。 佐々木「…………少し話が長くなるが、いいかい?」 キョン「ああ。」 佐々木は、佐々木の観点からのハルヒを語った。 ハルヒ自身、俺の消失を願ったわけではなく、ただ、俺と距離を置きたかっただけなのかも知れない、と。 そこに、佐々木の願いが加わり、邪魔となった俺を消滅させる方向に向かったのではないか。 佐々木「新しい恋人の為に、過去自体を消すという発想なんだがね。」 キョン「そこ自体が不可解だな。出来れば詳しく教えてくれ。」
[56]黄金のジノ ◆a5vIUIiqDI :2012/10/30(火) 13:54:01 ID:??? 佐々木「思春期頃の少女なら、誰しも愛し愛されたいと願う。その究極系みたいなものさ。 一番大切な人に、自分の身も心も捧げたい。 しかし、涼宮さんには、キョンがいた。となれば?納得はしていても、無ければ無かった事にしたいものさ。」 キョン「………不愉快だな、それは。」 乙女心にしても酷いぞ。しかし、ハルヒにしても心変わりが猜疑心だなんて、思わなかったんだろうな。そして、SOS団の消失も。 佐々木「多分、彼女は今、中学時代よりも孤独だといえる。国木田くんの性質は穏やかだが、果たして彼は彼女についていけるかな?」 うん、無理だ。断言出来る。 佐々木「それを結果的に願い、彼女に押し付けたのが、僕なんだが? 君が当時味わった絶望、喪失感、怒り……全て僕のせいだ。」 キョン「………………」 佐々木「言い換えようか?君を奪う為に、僕は何もかも捨てて彼女を利用した、と。友情を三人で誓ったのにね。とんだ裏切者さ。 そして彼女が起こしたループに則り、君を自分のものにしようとしている。僕は一番の卑怯者だ。 キョン、こんな奴が君を思っているわけだが?」 …………こいつは………。いつもこうなんだよな。相手を考えすぎる。 その論理なら、国木田だって裏切者だ。あいつがハルヒを受け入れなかったなら、こうなってないわけだしな。 やっぱり、誰が悪いわけでもねぇよ。そもそもの原因は、ハルヒに疑われた俺なんだ。もはや今更だけどな。 だから、そんな泣きそうな顔すんな。佐々木。 それに、こんな話聞いても、俺の返答は決まっている。
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0ch BBS 2007-01-24