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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[148]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:10:23 ID:??? 「奇跡の常勝軍団がドルファン側で参戦……か。そりゃ頼もしいこった」 「参戦……するのか、やはり」 「ああ、正式には来月の頭からって話だ。……だな、カイル?」 「あ、えと、は……はい!」 目まぐるしい状況の推移に棒立ちとなっていたカイルが、森崎の問いに首肯した。 トニーニョたちの目が向けられるのを待って、先を続ける。 「編成部より、十二月一日付で外国人傭兵大隊に第二大隊を新設すると通達がありました」 「なにィ!? 新設だと!?」 大きな目を更に大きく見開いたネイに、カイルが生真面目に頷く。 「はい。員数は三百。指揮系統は我々第一大隊とは完全に独立したものとなります。 モリサキ隊長にも命令権はありません」 「同格……ってわけか」 噛み締めるように呟く森崎。 「第二次徴募は我々のようにスィーズランド経由で個人の傭兵を集めるのではなく、 西洋圏から傭兵団の丸抱えという条件で大規模な増員を企図したようです」 「つっても、俺らみたいな流しだけ集める方が珍しいからな」 森崎の言葉は、この外国人傭兵大隊の特異さを端的に示している。 原則として戦時の傭兵はその一団ごと国家、あるいは領主との契約によって雇用される。 規模はそれこそ数人単位からヴァルファのような数千人といった巨大傭兵団まで様々ではあったが、 個人を大量に雇い入れるのは余程頭数が足りず、質を問わずに数をかき集めたい場合か、 もしくは経験豊富な傭兵団と契約できるだけの経済的な余裕がないかのどちらかである。 しかし森崎の見るところ、このドルファンにおける事情はそのどちらでもない。 貿易港を抱えるドルファンの懐具合は悪くないように見受けられるし、イリハでその弱体化を 露呈したとはいえ、戦前の騎士団は無駄な自信に満ち溢れていたはずだ。 であれば、何故か。
[149]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:11:53 ID:??? 考えを巡らせることは何度かあったが、答えが出たことはない。 たとえば相手がヴァルファであると判明していた場合、その威名に契約を躊躇う傭兵団は多いだろう。 契約後でも勝てぬ相手とわかれば中小の傭兵団は違約金を払って契約を解消したかもしれないが、 しかしプロキアがヴァルファの雇用を発表したのはドルファンが傭兵を徴募した後だった。 辻褄が、合わぬ。 と、そこまでを考えて、森崎は益体もない思考を打ち切る。 いま考えるべきことは他にいくらでもあった。 「まあ、最初から同じ釜の飯を食ってる連中なら再訓練の必要もないってわけだ。 上も俺たち寄せ集め部隊の扱いづらさに懲りたのかね」 「……」 冗談めかす森崎にカイルはただ困ったように目を伏せるばかりだった。 肩をすくめて先を促す。 「騎士団は再編成中で慣熟にまだ時間が必要であること、またダナンの早期奪還について 王室会議の背中を押す意図もある、と」 「例によってルーカスのおっさんのオフレコ分析か」 「はい。報告は以上です」 「……ってわけだが」 トニーニョたちに向き直る森崎。 「さっきの様子だと、団長の他にも知った顔があるみたいだったな」 「あー……」 問われ、ネイが渋面を作る。 「まあ、俺らは向こうでも傭兵やってたんだがよ。そんときに、何度かな」 「一応、味方ではあったんだけどね〜」
[150]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:13:03 ID:??? ネイの表情、そしてジェトーリオの一応、という言葉の選び方。 あまりいい感情を持っていないことは明らかだった。 代表するようにトニーニョが続ける。 「とにかく身内大事の意識が強い連中でな……それが強みでもあるのだろうが、 裏を返せば、それ以外は味方であろうと省みようとしないということにもなる」 「目の前のピンチなんか、平気で無視するからね〜」 ジェトーリオの声音にも珍しく苦いものが混じっている。 「それと、特にあのザガロ……赤い肌の彼はね、ちょっと手段を選ばないとこがあるから」 「確か、”城焼き”……とか言ってたな」 出会い頭にネイが口にしていたのは、あの狂犬じみた男の異名であっただろうか。 「イカれてんだ、アイツぁ」 吐き捨てるように言うのはネイだった。 「糧食を断つために街を焼く、村を焼く……そのくらいはどこだってやらあ。 けどよ……城ごと蒸し焼きにしちまうのはあの野郎くらいだろうぜ」 「……」 確かに、と森崎は内心で考える。 遥か遠い故郷には山城、それも木造の城が多く、籠城に対し時には火攻めも有効とされた。 しかしこの欧州では一部の堅固な要塞を除けば、広大な城塞都市という形態が一般的である。 籠城といっても城単体ではなく、石造りの街そのものを拠点として抵抗するのが常であった。 油を撒いて火をつけたところで大規模な延焼は望めず、位置づけとしては主に心理面での圧迫という 搦め手の戦術に留まっているはずだった。
[151]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:14:04 ID:??? 「ああ、向こう……西洋圏じゃあよ」 森崎の難しい顔をどう受け止めたか、ネイが付け加えるように言う。 「こっちと違って山と森が多いからな。城っても石積みのは珍しいんだ」 「なるほどな。……それで”城焼き”か」 納得する。 西洋圏での城攻めは比較的故郷のそれに近いのだろう。 「一度だけ、アイツが焼いた砦に入ったことがある。……今でもたまに夢にみるぜ」 「まあねえ、あれは強烈だったねえ」 「……」 焼かれた街はいつだって悲惨なものだ。 逃げ場のない砦ともなれば、その惨憺たる有様は想像に難くない。 記憶の底から、ツンとした異臭が鼻の奥に蘇ってくるような気がして森崎が話題を変えようとする。 「……で、あのバビントンってのはどんな奴なんだ。子供みたいに見えたが」 「あー、あれは……」 「まあ、そこの彼みたいなものだね〜」 と、ジェトーリオが指さしたのは扉の側に直立していたカイルである。 目を白黒させるカイルに手を振って、 「可愛い顔して結構えげつないんだよね。なにせ副団長だし」 「おお、そうだ。それ、本当だったのか」 「マジもマジ、大マジよ」 森崎が訝しげに訊くのへ、応えたのはネイだった。
[152]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:15:04 ID:??? 「あの傭兵団の実質的な仕切り役はあの坊やだって話だぜ。……坊やつっても、俺らと 大して歳は変わんねえらしいけどな」 「なにィ」 「団長のカルロス・サンターナが戦略と指揮を、副団長のバビントンが参謀役として 戦術と実務を担当しているらしい。本人の剣の腕も相当なものだと聞いたことがある」 「ほう……人は見かけによらないってわけだ」 感心したように頷く森崎。 「ま、俺らの知ってることは大体こんなもんだ」 「そうか。助かった」 「ああ……で、よ」 ふと声を落とし、森崎から視線を離して、ネイが言う。 「……聞かねえのか」 「何をだ」 「そりゃあ、その……」 口ごもるネイに、森崎が苦笑する。 ザガロが口にした『お尋ね者ども』の件を気にしているのだろう。 ネイの背後ではトニーニョが眉間の皺をいつにも増して深く刻み、ジェトーリオはそんな二人を見て お手上げとでもいうように小さく肩をすくめ、森崎に目配せをしている。 ネイに気付かれないように顎の先だけで頷いて、森崎が口を開いた。 「ワケありなのは誰だって同じだ」 「え……」 予想外の言葉だったのか、ネイが弾かれたように森崎を見る。 何事もないように軽く、森崎が続けた。
[153]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:16:23 ID:??? 「この因果な商売、お互いつまらねえ詮索はご法度、ってな。聞いたことねえか」 「……そういや、最初に会った時もそんな事言ってたっけ」 「はは、よく覚えてるじゃねえかよ」 小さな笑いは、話を打ち切る合図だった。 「ま、どうしても言いたいってんなら聞いておくぜ」 「……いや、今はやめとくよ」 首を振るネイ。 その背後、ちらりとジェトーリオが視線を動かした理由は、森崎にも理解できる。 今は、と。 ネイはそう言ったのだった。 「……」 ふと、森崎が肩越しに窓の外を見る。 がたがたと窓を揺らす風は収まる気配もない。 曇天は更に厚く、今にも冷たい雨を降らせようとしているように思えるのだった。 ******
[154]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:17:23 ID:??? *D26.11月 訓練選択 『今月は何をするの?』 森崎有三 称号:親切な傭兵団のエース 個人パラメータ 現在のガッツ:165 剣術:146 馬術:66 体術:62 魅力:78 評価:84 ATK:212 DEF:218 SPD:128 ini:25 部隊パラメータ 兵数:289 騎馬:103 練度:35 所属隊員: トニーニョ(威圧Lv2) ネイ(鼓舞Lv1) ジェトーリオ(撹乱Lv1) カルツ(針鼠Lv1) レヴィン(破壊Lv1) 剣術・馬術・体術・魅力・礼法・墓守・休養・部隊訓練・陳情の中から『二種類』選んで下さい。 同じ訓練を二つ選んでも構いません。 陳情を選ぶ際は何を陳情するのかを付記して下さい。 また「剣術・馬術・体術」を選んだ場合は所属する隊員の中から共に訓練する相手を 一人だけ選ぶことができます。誰と訓練をするのかも付記して下さい。 隊員の所持スキルの強化・変化や、イベントによる森崎自身の称号取得が起こる可能性があります。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願い致します。 期限は『11/29 24:00』です。
[155]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/29(木) 18:19:28 ID:u5P3LaeY ****** カリブ海には入植した欧州人が建造した普通の城塞も沢山あります、 といったところで本日の更新はこれまでとさせていただきます。 お付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[156]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/29(木) 18:52:10 ID:??? 馬術レヴィン体術トニーニョ SPDの数値が低いので上げる事を考えました。この組み合わせなら攻撃力と守備力もバランスよくあげられると思います。
[157]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/29(木) 21:28:21 ID:??? 馬術レヴィン体術トニーニョ SPDの数値が低いので上げる事を考えました。この組み合わせなら攻撃力と守備力もバランスよくあげられると思います。 レヴィンとは一度は喋った方が良いかなと思います。トニーニョとは喋らなきゃいけない事が多いと思います。
[158]◆9OlIjdgJmY :2012/11/29(木) 22:35:16 ID:??? 魅力 馬術トニーニョ 関係性の微妙なキャラも増えましたし、ここらで魅力上げておこうかなと。 実質副隊長のトニーニョともいろいろ話しておいたほうが良さそうかと。
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0ch BBS 2007-01-24