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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[255]さら ◆KYCgbi9lqI :2013/03/16(土) 13:51:35 ID:??? スペードは出したいけど、ハートが出たし良いかなとは僕は思います。
[256]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/27(土) 10:10:20 ID:??? *** ハート→ 「おんや、隊長さんかい」 珍しい。カルツと一緒のようだ。 「……カルツ?」 「なんじゃい、その顔は」 ネイの横にどっしりと存在感を示しているのは、果たしてオースティニア出身の傭兵、ヘルマン・カルツである。 色味の薄い麻の上下はいかにも質実剛健を旨とするこの男らしいが、洒脱に決めた褐色の優男の傍に立つ姿には どうにも違和感が拭えない。 思わず怪訝そうな表情を浮かべた森崎に、カルツが軽く眉を寄せた。 言い訳をするほどのことでもない、と森崎が素直な言葉を口にする。 「いや、休みの日のネイの横に、ジェトーリオ以外の野郎がいるなんて珍しくてよ」 「おい、ヘンな名前出すなよモリサキ! そこら辺から涌いて出るかもしれないだろ!」 「成る程のう」 ほとんど反射的に抗議したネイを無視して、カルツが得心したように頷く。 「ま、ワシもたまたま、そこで会ってのう。独りやいう話やき、どうせなら一緒に観んかと誘ったんじゃ」 「独り? ……そりゃまた」 驚いたようにネイを見やると、優男はバツが悪そうに目を逸らして足元の小石を蹴る真似をしてみせる。 「うるさいなあ。俺だって百発百中ってわけにはいかない日もあるんだよ」 『要はフラレたんだね』 「へえ。約束がなけりゃナンパでもしてるのかと思ったぜ」 「お前は俺をなんだと思ってるんだよ! ……ま、しようと思ってたけど」 ぼそりと付け加えたネイが横目でカルツを見やる。
[257]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/27(土) 10:12:02 ID:tXNS8Ias 「良さげな女のコ探してる内に、おっさんに捕まったってわけさ」 「やちもないのう」 カルツの殆ど首の見えぬまでに筋肉の盛り上がった肩をすくめる様は、積まれた岩塊がごろりと転がるようである。 「で? お前もナンパか?」 「ほう。隊長さんも若いのう」 「一緒にすんな! 俺は―――」 *選択 A 「知り合いが大会に出るんだ」 無難に答える。 B 「教え子が大会に出るんだ」 少しだけハンナに肩入れしてみる。 C 「気になるお嬢様がいてな」 まさかのリンダ推しである。 D 「頼まれたから顔を出しただけさ」 クールに答える。 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『4/27 17:00』です。 ****** 一旦ここまで。 大変お待たせいたしました。 月一更新にすらなっていない体たらくでお詫びのしようもありませんが、 再開させていただきます。
[258]◆W1prVEUMOs :2013/04/27(土) 10:19:50 ID:??? B 天才に勝ちたいと願うハンナの手助けをしたい
[259]さら ◆KYCgbi9lqI :2013/04/27(土) 12:09:45 ID:??? B素人とはいえコーチをした以上、ささやかながらでも応援してやらないとね。
[260]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:50:07 ID:??? 皆様、久々の選択にご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>257の選択については…… >>258 ◆W1prVEUMOs様、>>259 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます! それぞれCP3を進呈いたします。 >>258 はい、現状での実力差はかなり開いていますが、それでも願わなければ差を詰めることはできません。 その支えになってあげて下さいませ。 >>259 森崎の応援する側には、決勝前に何らかのイベントが発生するかも……? まずは予選に勝ってもらわないといけませんが。
[261]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:51:08 ID:??? *** B 「教え子が大会に出るんだ」 少しだけハンナに肩入れしてみる。 「ま、お前のこった、知り合いが出てるとかそんなとこ……って、教え子ォ!?」 「はっはっは! 流石は隊長さんちや」 目を丸くしたネイと裏腹に呵々大笑したのはカルツであった。 「隊をまとめるゆう者ン、そんくらいの甲斐性がなくてはのう」 「そういう問題か? ……ま、いいけどよ。休みにヨロシクやってんのはお互い様だしな」 一瞬天を仰いだネイが、気を取り直したように森崎へと向き直る。 「で、可愛いのか?」 「ぐっ!? ……何で女だって決め付けるんだよ」 事も無げに言い放つネイに、顔色を変えたのは森崎だった。 『……そのロコツなリアクション、もう答えてるようなものだと思うよ』 呆れたようなピコの声にも反応する余裕がない。 そんな森崎に大きな黒い目をぱちぱちと瞬かせたネイが、カルツと目を見交わして言う。 「何でって、そりゃあお前。今日は短距離走が目玉の日だけどよ」 「おう。男性の部はもう、予選始まっちょるからのう。教え子が出るゆうなら、こがいなところで 油売っとる暇なんぞありゃせんじゃろ」 「なにィ!?」 言われてみれば、遥か眼下のトラックでは幾人もの選手が定位置については駆け出し、 その度に周囲からは怒号のような歓声が響いている。
[262]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:52:08 ID:??? 「女性の部の予選はもう少し後だからな。関係あるとすりゃそっちだろ」 「ぐぬぬ……」 『……キミ、全然時間とか気にしてなかったよね。遅刻してたら大変だったよ』 小さな相方の呆れたような声が耳の後ろから伝わってくる。 「ま、間に合ったからいいんだよ!」 「……?」 思わず言い返した森崎に向けられたのは、ネイの怪訝そうな顔である。 「くぁ……」 『久々にやったねえ、こういうの』 「変なヤツだな。……ま、いいか。とりあえず前の方で席、探そうぜ。ついでにモリサキのお目当ても」 「ほうじゃのう。こがい遠くては隊長さんの子飼いもよう見えんきに」 「そういうんじゃねえよ! って、おい、聞いてるのかお前ら! 待てってば!」 にやにやと薄笑いを浮かべながら階段を下り始める二人の背を、森崎は慌てて追いかけるのだった。 ******
[263]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:53:09 ID:??? 「さあて、そろそろ女性の部だな」 「まずは予選じゃのう」 「結局お前らと並んで観る羽目になるんだな……」 森崎たちが陣取ったのはすり鉢状に設置された観客席でも前列の、トラックにも程近い一席である。 この辺り既に大混雑で、さすがに席など取れなかろうと諦めていた森崎に救いの手を差し伸べたのは 見も知らぬ一般客であった。 「いやー、しかしお前って知らん内に結構有名人だったのな、モリサキ」 「イリハや剣術大会で活躍した傭兵隊長やち言われたと思うたら、すんぐに席が空いたきにねえ」 「……まあ、ありがてえ話だけどよ」 当の森崎はといえば、照れくさいやら実感が湧かぬやらで複雑な顔である。 周囲の視線はいまだにちくちくと森崎の横顔を刺激している。 『ほらほら、そんな顔してたらせっかく譲ってくれた人に申し訳ないでしょ! 笑って応える!』 「……」 肩に乗ったピコの言葉に、森崎はふうと溜息ひとつ。 呼気とともに感情を押し流して、気分を切り替える。 トラックに目をやれば、いよいよ最初の出場選手たちが控え室から出てくる頃合いだった。 思い思いに体を伸ばし、心身ともに最後の調整を始める彼女たちを見やりながら、ネイが言う。 「まあ、知り合いが出てるってんなら今更言うまでもないかも知れないけどよ、今日の競技についちゃ このネイ様が一応ひと通り解説させてもらうぜ」 「へえ……お前、スポーツ詳しいのか」 「意外やねあ」 「この日のためにちょっと勉強してきたんだよ! ……まさかモリサキとおっさん相手に披露することになるとは 思わなかったけどな……とほほ」
[264]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:54:09 ID:??? そういうことか、と肩をすくめて目を見交わす森崎とカルツ。 気のない様子にネイが食って掛かる。 「馬鹿野郎、陰での地道な努力とマメなフットワークがここぞってときに実を結ぶんだよ!」 「……そういうとこ、尊敬するぜ。実際」 「ワシにはわからん世界じゃのう」 「くっそォ……」 力説にも薄い反応に、ぐったりと肩を落とすネイ。 「もう解説してやんないぞ……」 『あ〜あ、拗ねちゃった』 「おい、悪かったって。機嫌直して、いっちょご披露願うぜネイさんよ」 「ほうじゃ、隊長さんと違うてワシは素人やき。詳しいもんがおると助かるぜよ」 「……そうか?」 口々にフォローする二人に、ネイが疑いの目を向けながらも口を開こうとする。 「まあ、そこまで言うなら……せっかく勉強してきたんだしな」 「おう、頼まあ」 「……んじゃ、簡単に行くぜ」 言ったネイが、トラックを見下ろして身振りを交えながら話し出す。 「まず、この競技は予選と決勝の二回に分けて行われて、優勝者を決めるんだ。 決勝も今日やるけど、今から始まるのは予選だな」 「ふんふん」 頷く森崎。 実際のところ、ハンナにコーチをしたとはいえ競技や大会については素人同然である。
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0ch BBS 2007-01-24