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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[260]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:50:07 ID:??? 皆様、久々の選択にご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>257の選択については…… >>258 ◆W1prVEUMOs様、>>259 さら ◆KYCgbi9lqI様、お二方の案を採用させていただきます! それぞれCP3を進呈いたします。 >>258 はい、現状での実力差はかなり開いていますが、それでも願わなければ差を詰めることはできません。 その支えになってあげて下さいませ。 >>259 森崎の応援する側には、決勝前に何らかのイベントが発生するかも……? まずは予選に勝ってもらわないといけませんが。
[261]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:51:08 ID:??? *** B 「教え子が大会に出るんだ」 少しだけハンナに肩入れしてみる。 「ま、お前のこった、知り合いが出てるとかそんなとこ……って、教え子ォ!?」 「はっはっは! 流石は隊長さんちや」 目を丸くしたネイと裏腹に呵々大笑したのはカルツであった。 「隊をまとめるゆう者ン、そんくらいの甲斐性がなくてはのう」 「そういう問題か? ……ま、いいけどよ。休みにヨロシクやってんのはお互い様だしな」 一瞬天を仰いだネイが、気を取り直したように森崎へと向き直る。 「で、可愛いのか?」 「ぐっ!? ……何で女だって決め付けるんだよ」 事も無げに言い放つネイに、顔色を変えたのは森崎だった。 『……そのロコツなリアクション、もう答えてるようなものだと思うよ』 呆れたようなピコの声にも反応する余裕がない。 そんな森崎に大きな黒い目をぱちぱちと瞬かせたネイが、カルツと目を見交わして言う。 「何でって、そりゃあお前。今日は短距離走が目玉の日だけどよ」 「おう。男性の部はもう、予選始まっちょるからのう。教え子が出るゆうなら、こがいなところで 油売っとる暇なんぞありゃせんじゃろ」 「なにィ!?」 言われてみれば、遥か眼下のトラックでは幾人もの選手が定位置については駆け出し、 その度に周囲からは怒号のような歓声が響いている。
[262]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:52:08 ID:??? 「女性の部の予選はもう少し後だからな。関係あるとすりゃそっちだろ」 「ぐぬぬ……」 『……キミ、全然時間とか気にしてなかったよね。遅刻してたら大変だったよ』 小さな相方の呆れたような声が耳の後ろから伝わってくる。 「ま、間に合ったからいいんだよ!」 「……?」 思わず言い返した森崎に向けられたのは、ネイの怪訝そうな顔である。 「くぁ……」 『久々にやったねえ、こういうの』 「変なヤツだな。……ま、いいか。とりあえず前の方で席、探そうぜ。ついでにモリサキのお目当ても」 「ほうじゃのう。こがい遠くては隊長さんの子飼いもよう見えんきに」 「そういうんじゃねえよ! って、おい、聞いてるのかお前ら! 待てってば!」 にやにやと薄笑いを浮かべながら階段を下り始める二人の背を、森崎は慌てて追いかけるのだった。 ******
[263]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:53:09 ID:??? 「さあて、そろそろ女性の部だな」 「まずは予選じゃのう」 「結局お前らと並んで観る羽目になるんだな……」 森崎たちが陣取ったのはすり鉢状に設置された観客席でも前列の、トラックにも程近い一席である。 この辺り既に大混雑で、さすがに席など取れなかろうと諦めていた森崎に救いの手を差し伸べたのは 見も知らぬ一般客であった。 「いやー、しかしお前って知らん内に結構有名人だったのな、モリサキ」 「イリハや剣術大会で活躍した傭兵隊長やち言われたと思うたら、すんぐに席が空いたきにねえ」 「……まあ、ありがてえ話だけどよ」 当の森崎はといえば、照れくさいやら実感が湧かぬやらで複雑な顔である。 周囲の視線はいまだにちくちくと森崎の横顔を刺激している。 『ほらほら、そんな顔してたらせっかく譲ってくれた人に申し訳ないでしょ! 笑って応える!』 「……」 肩に乗ったピコの言葉に、森崎はふうと溜息ひとつ。 呼気とともに感情を押し流して、気分を切り替える。 トラックに目をやれば、いよいよ最初の出場選手たちが控え室から出てくる頃合いだった。 思い思いに体を伸ばし、心身ともに最後の調整を始める彼女たちを見やりながら、ネイが言う。 「まあ、知り合いが出てるってんなら今更言うまでもないかも知れないけどよ、今日の競技についちゃ このネイ様が一応ひと通り解説させてもらうぜ」 「へえ……お前、スポーツ詳しいのか」 「意外やねあ」 「この日のためにちょっと勉強してきたんだよ! ……まさかモリサキとおっさん相手に披露することになるとは 思わなかったけどな……とほほ」
[264]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:54:09 ID:??? そういうことか、と肩をすくめて目を見交わす森崎とカルツ。 気のない様子にネイが食って掛かる。 「馬鹿野郎、陰での地道な努力とマメなフットワークがここぞってときに実を結ぶんだよ!」 「……そういうとこ、尊敬するぜ。実際」 「ワシにはわからん世界じゃのう」 「くっそォ……」 力説にも薄い反応に、ぐったりと肩を落とすネイ。 「もう解説してやんないぞ……」 『あ〜あ、拗ねちゃった』 「おい、悪かったって。機嫌直して、いっちょご披露願うぜネイさんよ」 「ほうじゃ、隊長さんと違うてワシは素人やき。詳しいもんがおると助かるぜよ」 「……そうか?」 口々にフォローする二人に、ネイが疑いの目を向けながらも口を開こうとする。 「まあ、そこまで言うなら……せっかく勉強してきたんだしな」 「おう、頼まあ」 「……んじゃ、簡単に行くぜ」 言ったネイが、トラックを見下ろして身振りを交えながら話し出す。 「まず、この競技は予選と決勝の二回に分けて行われて、優勝者を決めるんだ。 決勝も今日やるけど、今から始まるのは予選だな」 「ふんふん」 頷く森崎。 実際のところ、ハンナにコーチをしたとはいえ競技や大会については素人同然である。
[265]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:56:05 ID:??? 「予選は全八組に分かれて行われる。それぞれの組で一等になった選手だけが決勝に進めるんだ」 「ほいたら、強いもん同士が予選で当たったら運が悪いゆうことになるがか」 「そこんとこは、過去の実績なんかに応じて組み分けされてるみたいだぜ。 ま、去年の一位と二位が予選で潰し合ったりしちゃ盛り上がらねえしな」 なるほど、と頷いた森崎が内心で胸を撫で下ろす。 リンダもハンナも、子供の部では実績を残していると言っていた。 ならばいきなり予選から当たる心配はないだろう。 そんな思考がそもそも勝利を信じきっている者のそれであるかどうか、森崎は深く考えることをやめて ネイの解説に耳を戻す。 「決勝は八人で、もちろん一発勝負だ。泣いても笑ってもここで決まり。 勝てば英雄扱いだが、負ければ来年までリベンジの機会はないぜ」 「スポーツの世界ゆうがも、えっころ厳しいのう」 「で、肝心の競技だけどな」 と、ネイが再び身振りを交えて語り始める。 ******
[266]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:57:07 ID:??? ****** ※システムメッセージ※ 競技はミニゲーム形式で行われます。 6つのセクションで判定を行いながらスコアを稼いでいくシステムで、ゴール時点で最もスコアが高い (=タイムがいい)選手が優勝となります。 それぞれのセクションは 1.スタート 2.コーナー1 3.バックストレート1 4.バックストレート2 5.コーナー2 6.ホームストレート という名称となっており、セクションごとの基本スコア判定式は セクションスコア=基礎値*{1+(!numnum/100)} ※端数切り捨て。またダイスの00は100として扱う。 となっています。 またここに各種スキルの補正が加わります。 スキルによるダイス値の補正には上下限を定めません。 補正値は0以下、もしくは100以上となる場合があります。 つまりダイスの目によって基礎値の1.01〜2.00倍、スキルによって それ以上もしくは以下のスコアが出ることになります。 それぞれのセクションスコアがすべて加算されることで、最終的なスコアとなります。 ******
[267]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:58:08 ID:??? 「……てなわけだ」 「ふうむ、聞いておいてえかったちや。分かると分からんとでは身の入り方が違うきにねえ」 「ま、そう言ってもらえると解説した甲斐があるってもんだぜ」 得意げに胸を張る褐色の優男に、森崎も内心で感謝を贈る。 (おさらいしてくれて助かったぜ) 『……キミ、すっかり忘れてたね?』 「おっ、始まるぜ」 相方の小さな手が耳たぶを引っ張る感触を指先で払う森崎の眼前、選手たちがトラックの端に集合していく。 「予選一組か。さて、どんなもんかな」 『まあ、ハンナの話からするとお互い以外は目に入ってないみたいだったけどね』 スタートラインに立ち並んだ選手が見据えるのは楕円を描くトラックの対岸、六アルパン先のゴールライン。 その瞬間の栄光を目指して、自らの脚にすべてを賭けた女たちの戦いが始まる。 係員の持つ白旗が、雲ひとつない青空に向けて高々と掲げられ―――振り下ろされた。 ******
[268]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 11:59:15 ID:??? ここまでの予選結果 予選一組 一位:ピエラ・ディリービオ(スコア699 基礎値85) 予選ニ組 一位:スザンナ・ラバネッリ(スコア772 基礎値87) 予選三組 一位:シルヴィ・プティ(スコア771 基礎値82) 予選四組 一位:テレーザ・タッキナルディ(スコア694 基礎値81) 予選五組 一位:デボラ・タルデッリ(スコア885 基礎値83) 予選六組 一位:ナタリー・リザラズ(スコア796 基礎値84) ※事前にGM側で各6回のダイスを振った結果です。 ここまでの予選一位であるタルデッリ選手にはスキル『ディフェンディングチャンピオン』が付与されます。 レース後半(バックストレート2・コーナー2・ホームストレート)でダイスにプラス15の補正が加わります。 ******
[269]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 12:00:15 ID:??? 「やっぱ去年の優勝者は違うな……別格の走りってやつだ」 「ほうじゃのう、ワシら傭兵隊の男どもの中に入ってもええ勝負になるゆうがは大したもんぜよ」 「……」 ネイとカルツが褒めるのは予選五組に出場したタルデッリという名の選手である。 事前の予習を欠かさなかったネイによれば、彼女は昨年度大会の優勝者であるという。 その実績に違わぬ見事なレース運びで、ここまでの予選を通じて圧倒的なタイムを残している。 「ん? どうしたモリサキ、微妙な顔して」 「いや……なんでもねえ」 言った森崎の脳裏を過ぎるのは、疾走する二つの影である。 ひとつは、ハンナ。 彼女の走りは、練習を見た限りでは今のトップ選手にも殆ど遜色ない。 森崎のアドバイスによって改善された部分も含めれば、八割方の勝利は望めるだろう。 しかし、と。 森崎は思う。 もう一つの影は、次元が違う。 そのことを、改めて思い知らされていたのである。 リンダ・ザクロイドの速さは、昨年度の優勝者ですら一蹴する。 それほどの差が、あった。 『何考えてるかはわかるけどさ……勝負は時の運っていうじゃない。キミにできるのは精一杯応援するくらいだよ』 「……かもな」 小さく頷いた森崎の声は、周囲の歓声にかき消されてネイやカルツには届かなかったようだった。
[270]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 12:01:24 ID:??? 「しかしモリサキ、お前の教え子とやらはいつ出てくるんだ? もう二組しか残って……おっ」 「次が出てきたのう。……と」 「……? どうした、おっさん」 「ネイちゃんよ、どうやらお目当てが来たらしいねや」 「なにィ? どうしておっさんにそんなことが分かるんだよ」 「見てみい。これまでと目ぇが違うきに」 「……なるほどな」 一見して納得するネイの様子も、それ以前の会話も、森崎に通じているかどうかは怪しい。 彼の耳目が誰に集中しているのか、誰の目にも明らかだった。 予選第七組。 エントリーの中に、その名があった。 「ハンナ……頑張れよ」 見つめる先に、少女は立っている。 ******
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0ch BBS 2007-01-24