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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[61]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:06:00 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>57の選択については…… >>60 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます! そうですね、状況的に相手が誰なのかは察知してもおかしくありません、ということで その辺りを本編に反映させていただきました。 CP3を進呈いたします。 >>58-59 はい、この相手はともかく、本当に危険な相手にノリや思いつきで喧嘩を売っていくのは 猛獣に徒手空拳で挑むようなものですね。 そういった行動に対してご都合主義的フォローは入りづらいので、気をつけたいところです。 勿論、状況を見て戦力差を判断し、それを埋める策を用意した上で挑むのであれば別ですけど。 負けられない戦いは、負けないようにして勝ちましょう!
[62]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:07:01 ID:??? *** B「知ってるといえば、知ってるが……」 誤魔化しても無駄だと判断し、森崎が答える。 調べをつけた上で問うているのは、単なる枕詞か、それとも何かを試しているのか。 そもそも名指しでこちらを捜しあてたという相手だ。 組織力、資金力には疑問を差し挟む余地がない。 言葉を濁したのは相手の意図が読めないからだが、しかし森崎の返答に馬車の中の少女は 小さく首肯しただけで悠然とした笑みのまま、眉筋ひとつ動かさない。 埒が明かない、と内心で舌打ちした森崎が、一石を投じるべく口を開く。 「そういうあんたは……リンダ・ザクロイド、か?」 「あら、わたくしをご存知でしたの」 少女の、成熟した女性を思わせるような切れ長の目がぴくりと動く。 やはり少女はリンダ・ザクロイド。 ハンナが唯一勝てないという、国内最速の女で間違いないらしい。 投じた石の、水面に起こした波紋を確認して森崎が首を振る。 「いいや、俺はハンナからそんな奴がいるって名前を聞いていただけだ」 思わせぶりに、ちらりと目線を送る。 少女、リンダは先を促すような視線を返してきた。 幾ばくかの興味を引くことには成功したらしい。
[63]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:08:02 ID:??? 「ただザクロイドといやあ、この国の燐光石市場を仕切ってる大商人だ。 外様の俺でもそこかしこで聞く名前だからな、さすがに引っかかってたんだよ」 「……」 一瞬、リンダの表情が曇ったように見えた。 大商人、と森崎が口にした刹那のことである。 ほんの僅かに下がった眉尻は、しかし森崎が目を凝らして確かめるより早く、元に戻ってしまう。 気にはなったが、しかしおくびにも出さず言葉を続ける森崎。 「そこへ、そのすげえ馬車ン中からお嬢様が出てきて唐突にハンナのことを訊かれたわけだ。 そんな金持ちの心当たりはあんたしかいなかった、ってことさ、リンダお嬢さん」 「……」 言い終え、肩をすくめてみせた森崎をじっと見ていたリンダが、す、と手を動かす。 どこから取り出したのか、白い指に摘まれていたのは豪奢な扇である。 薄紫の絹張りにレースの装飾、縁を彩る毛皮の純白は白貂だろうか。 それ自体がひとつの作品と呼べるような扇が、リンダの口元を隠すように広げられる。 「多少の目端は効くようですわね。無礼な物言いには目を瞑りましょう」 「そりゃどうも。……で、何の用だい」 扇で口元を隠されれば、表情は途端に読めなくなる。 なるほど上流階級かと感心しながら森崎が問い返すと、リンダが目を細めて言う。 もとより細く切れ長の瞳が下弦の月のように弧を描くその様は、銀色の長い髪も相まって、 どこか伝説に謳われる狐を連想させる。 「ハンナ・ショースキーに今の練習を指示したのは貴方、ということですが」 「……」 蒼を纏う狐が、断言する。 どこから調べたのか見当もつかないが、あるいはハンナ自らが聞かれるままに答えた可能性もあるか、 などと考えていた森崎の沈黙をどう捉えたのか、リンダの瞳が僅かに気色ばんだように見えた。
[64]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:09:02 ID:??? 「あの娘、貴方の言葉を真に受けてそればかり練習してましてよ。 毎日毎日、体力任せの追い込みばかりで技術を磨く気配もありません」 言葉にするうち苛立ちが増してきたのか、リンダの声音は次第に厳しいものになっていく。 「飾らずに言いますわ―――あのままでは、わたくしと勝負になりませんの」 傲然とすら呼べる言葉を、しかしリンダ・ザクロイドという少女は一片の迷いも驕りもなく言い放つ。 彼女の口から出るとき、それは単なる事実なのであろう。 そんな風に、耳にした者すべてに思わせる響きがあった。 「歯がゆくてよ、ユーゾー・モリサキ」 しかしまた同時に少女の目は、そんな事実の存在を許せぬとばかりに激しい炎を宿している。 ぎり、と手にした扇の骨が軋む音が聞こえた。 「わたくしは、わたくしを超えようとするものにその全力を要求します。 そうでなければならないと、わたくしはこの世の条理を差配しますわ、モリサキ」 リンダの瞳は、その名を呼びながらも既に森崎を見てはいない。 その目から燃え上がった炎が銀色の髪を伝い白い喉を焼いて漏れいづるような、それは言葉である。 少女が、ついには赤い布張りの椅子から腰を浮かしかけたとき。 「お嬢」 短く声をかけたのは、それまでじっと馬車の扉の脇に立っていた黒服の女性である。 効果は覿面だった。 「……失礼、つい取り乱してしまいましたわ」
[65]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:12:09 ID:6O72Var6 冷水を浴びせかけられたように、はっと女性を見やったリンダが、すぐに表情を消す。 代わりに浮かんだのは、元通りの悠然とした笑みである。 その変遷を見やって小さく息をついた森崎が、ゆっくりと二呼吸ほどを置いてから口を開いた。 「……で、結局あんたは何が言いたいんだい。用がないなら仕事に行きたいんだが」 「モリサキさん。貴方、責任持ってあの娘をしつけ直してくれませんこと?」 明快な即答だった。 対する森崎はといえば――― *選択 A「わかった、引き受けよう」 安請け合いする。 B「気にはかけておくさ」 やや肯定的に答える。 C「こう見えて忙しい身なんだ」 否定的に答える。 D「心配しなくても、あいつはいつも全力だぜ」 話をそらす。 E「報酬でも出るのか?」 即物的に答える。
[66]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:14:28 ID:6O72Var6 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『11/6 24:00』です。 ****** 妙な部分でレスが切れてしまい失礼いたしました、といったところで 本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[67]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/06(火) 23:22:45 ID:??? Bハンナにアドバイスしたのはハンナがあまりにも酷い練習や心構えをしてたからだ。 一応アドバイスした以上多少気には懸けるが正式なコーチになるつもりはないし出来ない。 それに自分は傭兵だと付け加えたいです。
[68]◆9OlIjdgJmY :2012/11/07(水) 00:55:02 ID:??? 投票機会を逃してしまいましたけど 「それは人にものを頼む態度じゃねえだろ」とか 「ハンナの知らないところでアンタが敵に塩を送っちゃダメだろ」とか いろいろツッコミどころが多いお嬢さんだと思いましたw
[69]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 19:58:03 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>65-66の選択については…… >>67 さら ◆KYCgbi9lqI様のご回答を採用させていただきます! そうですね、素人が正式なコーチになると安請け合いしたところで、本作の世界には ネットもなければ陸上の教本が売っている本屋さんもありませんからね……。 台詞の付け加え、多少アレンジしつつ本編に組み込ませていただきました。 CP3を進呈いたします。 >>68 ツッコミどころ、山ほど搭載してますねw まあ、たぶん頼みごとをしているという意識はないんですよあの人。 一般的なラインからエキセントリックな方向に踏み出しているという意味では、 ヒロインズよりもむしろ傭兵たちの方に近いメンタルの持ち主かもしれません。
[70]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 19:59:40 ID:??? *** B「気にはかけておくさ」 やや肯定的に答える。 明言も確約もする気はないと言下に匂わせながら、さりとて正面から否定することもしない。 我ながら煮え切らぬ態度だ、と内心で苦笑する森崎の、しかしそれは偽りなく本心に近い。 自分には専門的な技術も知識もない、何よりそれに割ける時間がない。 しかしハンナのことを頭から無視することもまた、できなかった。 できる限りのことはしてやりたいと思うが、できることはもうやってしまったと、森崎は考えている。 それはつまり、後は遠くから見守るだけということに等しい。 「……」 すわ激昂するかと見上げた馬車の中の少女は、しかし意外にも静かに森崎を見ていた。 手にした扇が、二度、三度と開かれては閉じる。 絹の擦れる微かな音が、爽やかな朝の空気に混じってひどく長閑に響いた。 四度目に開いた扇で口元を隠して、リンダがようやく声を出す。 「貴方は、傭兵でしたわね」 「ああ、俺は傭兵でね」 「わかりましたわ」 短いやり取りは、しかし必要十分な重みをもって双方を首肯させた。 「時間を取らせてしまいましたわね」 「この程度なら構わんさ。半日がかりで練習に付き合わされたわけじゃねえ」
[71]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 20:00:45 ID:??? 諧謔は、しかし少女には通じなかった。 眉筋一つ動かさぬまま、リンダが問う。 「祭典には、おいでになって?」 「ああ、そのつもりだが」 「では、その折にまたお目にかかりますわ。月桂の冠を戴く者として」 「剛毅な話だ」 月桂冠といえば、古来より各種競技の優勝者にのみ贈られる栄光の証だった。 紫水晶色の瞳を細めた笑みは、己が勝利を微塵も疑わぬ自信と自負とに満ちている。 しばらくそうして森崎を見つめていたリンダが、やがて満足したように視線を移した。 はたりと、扇が畳まれる。 それが合図であったかのように動いたのは、黒服の女である。 「ジーン。いいわ、出して」 「へいへい、お嬢様。閉めますよ」 ジーンと呼ばれた女が投げやりな言葉とは裏腹に洗練された所作で馬車の扉を閉めると、 赤の世界が、蒼を纏う少女と共に、白の装飾の向こうへと消える。 外鍵をかけると、御者台に乗り込んだのはジーンであった。 慣れた仕草で手綱をとって、微動だにしない芦毛の馬たちの尻をひと撫で。 「さ、仕事に戻るぜ、お前たち。……どいてくんな!」 愛おしむように口にした前半は、手綱の先にいる馬たちに。 乱暴に言い放った後半は勿論、馬車の傍に立つ森崎に告げたものである。
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0ch BBS 2007-01-24