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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[86]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/10(土) 13:18:24 ID:??? 「ま、そんな連中の常識じゃ、無理も無茶もまず単に様子見でふっかけてるだけ、 鵜呑みにする奴が馬鹿ってなもんでよ。袖にするフリされるフリ、段々と見返りをチラつかせて、 ようやくそこから話が始まるってわけだ」 「……」 ふん、と息をつく森崎。 言葉を返すことはない。 「あん時、お前があっさり話を蹴ったのも……蹴ったんだよな? まあ当然だとは言ってたぜ。 今の時点で、しかもあの要求でザクロイドが用意できる対価は、お前の立場じゃ大した益がねえ。 実は交渉の材料がありませんでしたの、なんて笑ってやがったよ」 「……何だそりゃ」 「ま、そんな顔すんなって」 森崎の渋い顔に、ジーンが破顔する。 「直感だか計算だか知らねえが、あれで顔繋ぎの印象は悪くなかったってことみたいだぜ。 俺としちゃ、単に面倒を避けただけって札に銀貨一枚だがよ」 悪戯っぽく言うジーンに、森崎は―――
[87]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/10(土) 13:21:19 ID:/ZNkLYhM *選択 A「……さてね」 煙に巻く。 B「俺の勘も捨てたもんじゃねえな」 勘だという。 C「ま、そんなとこだろうとは思ってたよ」 計算だと主張する。 D「大当たりだ。ほれ、持ってけ」 銀貨を取り出す。 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『11/10 24:00』です。 ****** こんな感じで10月はあっさり目に過ぎていきます、といったところで まだ早い時間ではありますが、本日の更新はこれまでとさせていただきます。 お付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[88]◆W1prVEUMOs :2012/11/10(土) 15:20:27 ID:x6/rndoU B 勘ピューターのスキルがゲット出来れば有利かもと思い
[89]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/11/10(土) 21:14:57 ID:??? B傭兵が最後に頼るのは勘と言うか嗅覚ですからね。
[90]◆9OlIjdgJmY :2012/11/10(土) 23:59:09 ID:??? A まあ実際、勘でも計算でもなく、正直な心情喋っただけですし。
[91]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:26:17 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>87の選択については…… >>90 ◆9OlIjdgJmY様のご回答を採用させていただきます! ですよねー、ということでズバッと斬っていただきましたw CP3を進呈いたします。 >>88 スキル名:勘ピューター Lv1 種別:パッシブ 消費ガッツ:- 効果:行動判定の際に!numnumダイスを振り80以上が出れば結果が一段階良くなる。 69以下の場合は結果が一段階悪化する。この判定にはCP/EPによる数値加減ができない。 成功時に経験値が加算され、一定値が貯まるとLvアップする。 イベントで『ミスター』と呼ばれる偉大な人物に会うことができれば更なる強化も……!? ……勘をスキルにするのは、やってみると難しいものですねw しかしながら面白いご提案ありがとうございます。 CP1を進呈いたします。 >>89 はい、危機察知能力は経験に裏付けされた勘、とでもいうべきものですしね。 実際のプレイ上においても、難しい局面で最後にモノを言うのはプレイヤーの皆様の 冴え渡る勘働き、という部分はあります。
[92]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:27:43 ID:??? *** A「……さてね」 煙に巻く。 言った森崎の、しかしそれは偽らざる本音である。 結果的にどう評されているにせよ、あの時点で相手方の事情を汲み取って話をしていたわけではない。 さりとて直感と呼べるような閃きに従ったわけでもなく、ただ当然と思える対応をしただけである。 あさっての方を向きながら空惚ける森崎に、今度はジーンが渋い顔をする番だった。 「何だそりゃ」 「はは」 笑った森崎が、ぐ、と背を伸ばす。 凝り固まった筋が伸びていく感覚を楽しみながら、だしぬけに口を開く。 「で、俺はどこに連れてかれてるんだ?」 「お、気づいてたのか」 「当たり前だ」 がたごとと、馬車が揺れる。 「わざわざ城の北側を回りやがって、キャラウェイ通りなんざとうに通り過ぎてるだろ。 もうマリーゴールド近くまで来てるじゃねえか」 「お前、この春にドルファンに来たんだろ? よく分かるな」 「そりゃな……」 と、辺りを見渡した森崎の目に映るのは、閑静な、というよりは独特の静謐に包まれた邸宅街である。 道の両脇にはどこまでも高く続く塀、点在する緑は手入れの行き届いた生垣だった。 猥雑なシーエアーや庶民の家々が立ち並ぶフェンネル、牧歌的なカミツレではありえない光景であり、 かといって城央近くの喧騒や人通りもないとなれば、いかに新参者の森崎といえど迷う余地がない。
[93]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:29:03 ID:??? 「そもそも、お前が俺なんかを送ってくれる理由、ないだろ」 「まあな」 長い銀髪を夕陽の朱に染めながら、ジーンはどこまでも悪びれない。 口笛すら吹き始めたその横顔に、森崎が小さくため息をついた。 肩から伝わる体温は、それでも秋の夕暮れどきには心地いい。 *** 純白の馬車がようやくその足を止めたのは、とある広大な敷地の片隅である。 国立公園の一角のような光景に、森崎がジーンに尋ねる。 「……ここは?」 一体どれほどの広さを持つのだろうか。 面積では森崎たちが日々の鍛錬を行なっている訓練所に勝るとも劣らないように見える。 決定的に違うのは、その質である。 荒れ放題の訓練所とは違い、この敷地には小石一つ見当たらない。 一面に広がった芝生は丁寧に刈り込まれ、整然とその背を揃えていた。 「ここか? ま、ザクロイドが持ってる運動場だ」 「なにィ!?」 愕然とジーンを見やる森崎。 嘘や冗談を言っている顔ではなかった。 「デカいことはいいことだ、ってのがお館様の信条でな」 「それにしたって……」
[94]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:31:17 ID:??? 見渡す限りの芝生は、夕暮れの下で奇妙な紫色へとその姿を染め変えている。 紫の絨毯は遥か視界の果てまで続くようにすら思えた。 「ハデなことはいいことだ、ってご主人様の信条が出てねえだけマシさ」 「……?」 そう言ったジーンの声音は、どこか苦々しいものを含んでいるように聞こえた。 しかし森崎が何かを聞き返すよりも早く、ジーンがそのなめらかな曲線を描く顎で遠くの方を指す。 「ほら、あっちだ」 「……あれは、リンダ……か?」 陽は既に落ちかけている。 薄暗い視界の中、言われてみれば動く影がかろうじて幾つか見える。 目を凝らせば、件の少女であるようにも思えた。 「……よくは見えねえが、そうなのか?」 「ここからじゃ遠いか。よし、もう少し近づくぞ」 言うが早いか、ジーンは手綱を手近な樹に括りつけると芝生の縁を沿うように歩き始める。 「何やってんだ、置いてくぞ」 「おい、俺には何がなんだか……」 「しっ、ここから先は大声出すなよ。お前に気づかれると話がややこしくなるからな」 「はァ!?」 胡乱げな森崎の態度を気にすることもなく、ジーンが先に歩いていく。 仕方なくその後を追いながら、森崎が問う。 「……で、何がしたいんだ、お前は」 言われた通りに声を潜めるあたりが人の好さというものであっただろうか。
[95]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/13(火) 19:33:04 ID:??? 「一度、見といてほしかったんだよ」 「あ?」 「天才ってやつを、さ」 何を、と問いを重ねようとした森崎の耳に、そのとき飛び込んできたのは男の声である。 森崎の無論知らない、しかし妙に耳に馴染んだ声音。 怒号だった。 それも、感情に任せたものではない。 相手の精神にどう響き、どう動かすことができるかを計算し尽くした大喝。 「……教練か」 「ああ」 聞き覚えがあるのも当然である。 それは森崎自身もまた毎日のように発している種類の声だった。 叩き込む、という言葉の意味を、身体のみならず精神にも浸透させるための大音声。 あるときは限界に近い疲労から半ば強引に奮い立たせ、あるときは無駄な反骨心や自尊心を打ち砕いて 無意識のレベルにまで機械的な反復を刷り込む、ほとんど人格の改造に近いそれは、 日常に生きる人をいくさという非日常へと適応させるための儀式である。 人が己で定めた枷を打ち壊し、環境が厳格に要求する新たな枠をその首に嵌めてやって初めて、 多くの人間は情動の外側で人を殺せるようになる。 裏を返せば、そうでなければ大多数の人は、人の外側に出られない。 「―――、―――ッ! ―――!!」 そして今、人をそうでないものに変えるための声音をその身に受けているのは、一人の少女である。
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0ch BBS 2007-01-24