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【変化する戦術】Another-CU_6【ロベルトの章】
[700]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:19:08 ID:??? この問いにロベルトは首を振った。 翼はますます首を傾げるしかなくなるが… ロベルトが何か重要な事を言わんとがしているのだけは理解出来た。 翼は唾を飲み、ロベルトが次に発する言葉を待った。 ロベルト「翼…… 伝説のストライカー、ジャイロの名を知っているか?」 翼「ジャイロ…? 誰だい?」 ロベルト「そうか、知らないか… ジャイロはペレが活躍するより遥か前の世代のストライカーだ。」 翼「ペレよりも前…。 ごめん、サッカーの歴史について勉強してなくて…」 ロベルト「いや構わん。 ジャイロとはブラジルサッカー、伝説の男。 ヘディングの苦手なプロ選手だったが、未公認も含めば1000ゴール以上の得点を上げた 記録を持つエースストライカーなんだ。」 翼「1000ゴール…。 とんでもない記録だね。 年間30試合、毎回ハットトリックを上げたとして、それでも10年以上かかるよ。 しかもヘディングが苦手でそれなんて、もはや想像もつかないや。」 ロベルト「そうだな。 その大記録はジャイロ自ら編み出したシュート… サイクロン≠ノよって築かれた物とされている。」 翼「サイクロン…?」
[701]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:20:51 ID:??? ロベルト「サイクロンを捕れるGKキーパーは誰も存在しない。 ジャイロは自らのハンデを補う無敵のシュートを編み出したんだ。」 翼「誰も捕れないシュートか…」 ロベルト「伝説は雄弁だ。 しかしサイクロンがどんなシュートだったかは記録に残っていない。 今では誰も知らない、誰も撃てない幻のシュートと呼ばれ、伝説として伝えられるのみだ。」 翼「そうなんだね。」 そう頷きながら、しかし翼は何も合点が行っていなかった。 何故ロベルトに呼び出されたのかという、元々の疑問が何も解消しなていないからだ。 翼「ロベルト… 何故そんな話を?」 待ちきれず、とうとう翼は直接的に訊ねていた。 ロベルト「ああ…。 翼、お前の生きる場所が前線である事は今日の試合で伝えたな? 攻撃に専心… しかしFWであってはならない、そういう選手だ。」 翼「うん、それは理解したよ。 MFと言っても、全てやろうとしてはいけないんだ。 連携も上手く取れる訳でないし、何より欲張れば体力がもたない。 一試合を通して最大に力を発揮できるよう、仲間と正しく分担しなければならない。」 ロベルト「うむ。 …だが、それが出来た所でお前はまだ俺の掌の上に過ぎない。」 翼「え……?」
[702]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:22:13 ID:??? ロベルト「お前は一を教えれば十を身に付ける、紛れも無い天才だ。 今日の試合だけで、遠からずお前は俺の望む選手に成長するだろう。」 翼「ロベルト…」 ホッ ロベルト「しかし教え過ぎれば、お前は『ロベルトあっての選手』止まりとなってしまう。 評価だけでなく、選手の本質としてな。 自らどういう存在になるべきか、 そこが全て俺次第となっては、お前はプロで生きていく事が出来ない。」 翼「………。」 翼「そう……だね。 確かに中学時代も、今日までも。 俺はロベルトの言葉とノートだけを頼りに道を決めてきた。 何も言えない。」 ロベルト「だから俺は敢えてお前に言う。」 ロベルト「翼、スーパーストライカーを目指せ=v
[703]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:23:15 ID:??? ガチャリ 扉を閉め、翼はミーティング室を後にした。 最後のロベルトの言葉… その真意を翼は自分なりに解釈した。 つまりは以前からロベルトが公言していた『俺を越えたければ、俺に教えを請うな。』である。 翼(自らのハンデを知り、そのハンデを覆す技を編み出したスーパーストライカー、ジャイロ。 ロベルトは『ジャイロのように、何もかもを自らの頭で考え尽くせ』と言いたかったんだ。 俺のサッカーの土台となっている、ロベルト教えを捨て、一から考えるんだ。) 翼は自らの判断でプレイスタイルを決めた事がなかった。 そんな翼に、ロベルトは『俺から卒業しろ』と言った… それが翼には解った。 翼にはロベルトの言葉がそのように聞こえたのだった。
[704]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:25:33 ID:??? ガチャリ 扉が閉まり、翼がミーティング室を後にした。 翼が自分の言葉に何を思ったか、ロベルトには容易に想像が出来ていた。 ロベルト(俺から卒業しろという意思は伝わった筈だ。 しかし…) スパーストライカーを目指せ ロベルトはその言葉に、もう一つの意思が潜んでいた。 そちらは伝わっていない、伝わる筈がない。 そう思っている。 ロベルト「完成されたスーパーストライカー、ジャイロ… いやアルトゥール・フリーデンライヒか。 その血統を継ぐ者、スーパーストライカーとはあれ程のものなのか。」 翼を自分から卒業させるだけならば、今日でなくとも構わなかった。 緩やかに時間をかけて依存を解いてゆけば良いと思っていた。 だがその思いを一変させるほどの衝撃を受けてしまった… ロベルトの行動理由はシンプルに只それだけである。
[705]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 16:29:27 ID:??? ロベルト(ヴィオラとの試合で、俺は自ら目指すチームの姿を垣間見た。 …垣間見た筈だった。 だが、確固たると思ったそれは、あの少年に一瞬にして打ち砕かれてしまった。) 一日でも早く、翼は自分(ロベルト)という常識から羽ばたく必要がある、と思わされた。 殻を破る日は一刻も遅らせられない… ロベルトは自らの見立てが尚も甘かった事を知り、更なる過ちを退けたかったのである。 大空翼という才能を預かった責任として。 …こうしてサンパウロの夜は更けてゆく。 戦いの後の休息を許さぬほどのうねりを帯びて。 先着で ★その他のモノローグ→!card★ と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ、ハート》 アナーキーな世界の話 《スペード、クラブ》 ファンタジーな世界の話 《JOKER》 ???
[706]森崎名無しさん:2013/01/22(火) 16:36:36 ID:??? ★その他のモノローグ→ ハートJ ★ ん? これは「ウィオラとの試合の後に」何かあったってこと?
[707]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 17:53:54 ID:??? > その他のモノローグ→ ハートJ > 《ハート》 アナーキーな世界の話 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― シーザー「…ったく、どうにもとんだ思い違いをしていたもんだぜ。」 ピンガを注いだグラスを傾けながら、シーザーは部屋で一人、思いに耽っていた。 ???『オレの夢はツェペリの血統に挑戦し、勝つことだけだった。 曾祖父に始まり、祖父も変わらず敬意を忘れなかったツェペリ… その教え子がサッカーをやっているとは、これほど運命を感じた日はない。』 シーザー(誇りを共にする、同じ血統の奴と会えると思っていたんだがなぁ…) 試合後に係員から渡された一片の紙切れ。 ジャイロの末孫を名乗る人物による『人が出払った後のピッチで会いたい』という殴り書き。 自分を一点で指名していた事から、イタズラの類ではないと確信出来た。 三杉達と別行動を取り、書かれていた通りに待っていた。 予想外の客人があったものの、時間通りに相手は現れた。
[708]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 17:55:37 ID:??? その少年に知らされた事実… まさに衝撃、シーザーは驚いた。 シーザー「サイクロンとは黄金の回転に非ず…か。 まさか消えるシュート≠セったとはな。」 ジャイロの伝説が同属のものと信じていたシーザーにとって、ちょっとした落胆であった。 何度となく耳にした逸話は余りに誇り高く、尊敬の念を絶やす日がなかったのである。 それが単なる勘違いだった…… シーザー(しかし不思議なもんだ。 聞いた直後はそりゃあ落胆したが、今は逆に嬉しさがこみ上げてきやがる。 オレはああいう奴が嫌いじゃねえ。 精神テンションの塊みたいな奴がな。) それが夢であるというならば、受けてやりたいと思った。 そして、その上で退けてやりたいと思った。 シーザー(念願や夢などと言うものは、簡単に叶っちゃあいけない。 簡単に叶えば抜け殻みたいになっちまう事もあるからな。) 『その為には…』とシーザーは彼なりの一大決心をした。 そこまでこのチームにかかわずらう気は毛頭なかったが、そういう事ならそれでいいと思った。 シーザー「どいつかに仕込んでやるとすっかね… 回転の偉大さってやつを。」
[709]アナカン ◆lphnIgLpHU :2013/01/22(火) 17:56:39 ID:??? すみませんが一旦ここまで
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0ch BBS 2007-01-24