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【変化する戦術】Another-CU_6【ロベルトの章】
[88]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:32:25 ID:??? ドトール「それならば私からも一つありますよ。」 スッ 翼「ドトール?」 ロベルト「何だ? 言ってみろ。 ドトール「相手チームのF番…ミハエル・ドノヴァンと言いましたっけ? 奴は怪我を非常に恐れています、この試合中はもう使い物にならないでしょう。 ボールを繋ぐにせよ、回収するにせよ、間違いなく狙い目です。」 暗い瞳を光らせ、口許を僅かに釣り上げた笑みを浮かべるドトール。 石崎などは反射的に嫌悪感を覚える話である。 石崎「(うお、気付いても言うかそれ…)」ボソリ アマラウ「(当然よ。 我らがやっているのはお遊戯ではなく戦争だからな。)」ボソリ 石崎「(いや、ま、理屈じゃわかっててもな…)」ボソリ アマラウ「(甘さを捨てろ、でなければお前はそこまでだ)」ボソリ 石崎「(むむむ…)」ボソ 提案自体は至極尤もで、有用には違いない。 相手が弱点を見せたなら、徹底的に突くのが南米…いや、世界基準のサッカーなのだ。 石崎もそれをアマラウに窘められて納得してしまう。 またロベルトも翼も当然黙って頷くだけだった。
[89]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:33:39 ID:??? ・ ・ ・ ・ ロベルト「他にはないか? ……………ないな?」 選手の顔をグルリと見渡しながら、ロベルトは念を押すように確認を終えた。 ロベルトの頭の中はクリーンだった。 雑多に情報が詰め込まれ過ぎ、カオス状態だった昨日までとは違う。 昨日までのあらゆる情報が整理され、見えなかった物が見えている。 それと共に、胸には喩えようもない激しい後悔が渦巻いている。 改めてジョアンの手紙の内容を想い浮かべると、 ロベルトは俯いて、誰にも気づかれぬよう感謝の言葉を呟いた。 そして再び選手達の方へ視線を向けた。 ロベルト「バビントン、お前の言うロングボールも選択肢に入れる。 ストラット、お前の馬力があればそうそう競り負ける事は無い筈だ。 ロングボールの際は翼と共に受け手になれ。」 バビントン「えっ……」 ストラット「ハ…ハイ!」」 翼「監督!? しかし三杉くんは…」
[90]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:35:34 ID:??? スッ 驚いて反論しようとする翼をロベルトは手の動きで抑えた。 翼は勿論、他のメンバー達も目を見開いて驚くが… しかしロベルトは反応の一切を無視し、尚奇妙な事を言い出す。 ロベルト「ところでお前達、この試合本気で勝ちたいと思っているか?」 「えっ?」「はい?」「そりゃ…」「当然だよな」 翼「と、当然です! 俺はこの試合、絶対に勝ちたいです! (どうしたんだいロベルト? そんなの当然じゃないか…)」 あまりに予想外過ぎたか、選手達の反応は唖然以外の何物でもなかった。 だがその中でも翼だけは(表層だけは)凛として真っ直ぐだった。 ロベルトは僅かに目尻を綻ばせたが、すぐに厳しい物に戻した。 ロベルト「ならば時間を定めよう…お前達のゲームプランを認めるのは後半XX分までとする。 それ以降は今から告げる指示の通りに動いて貰わなくてはならない。」 ((( ゲゲッ、マジ!!!!? )) 翼(ろ、ロベルト……) 呆然。 そして絶句。 サンパウロ控え室に漂う空気は、いつしかそればかりとなっていた。
[91]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:36:38 ID:??? ――――――――――――― ――――――――― ―――――― ジャイロ「おいお前ら、そろそろ時間じゃねえのか?」 三杉「…ですね。 よしみんな行こう、Forza Fiorentina!」 「「「 Forza Fiorentina!! 」」」 時間いっぱいまで休息を取った、彼らの気合いのおたげびがあがる。 アタッカー陣は体力に懸念を感じながらも、それを吹き飛ばす勢いを込めた。 2点のリードを守りきる事を期待してはいけない、追加点で引き離すのだ…と。 ※ハーフタイムで両チーム共にガッツが200回復しますた。 【チームガッツ:信頼補正(LV)】 残り/最大 610/780 Q新田[ブンブン(1)、三杉(1)] 670/900 Hブンナーク[三杉(1)、新田(1)] 590/800 Fミハエル[三杉(1)] 490/890 I三杉[ブンブン(1)、新田(1)、ミハエル(1)、オジオ(1)、ダラピ(1)、ミュラー(1)] 770/790 Gオジオ[スペル(1)、三杉(1)] 760/770 Lレントゥルス[ダラピ(1)] 720/720 Bダラピッコラ[三杉(1)、レント(1)、スペル(1)、オワイラ(1)] 720/720 Eスペルマン[オジオ(1)、ダラピ(1)] 850/850 Nオワイラン[ダラピ(1)、ミュラー(1)] 750/790 Cミュラー[三杉(1)、オワイラ(1)] 620/880 @ラムカーネ[???]
[92]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:38:08 ID:??? 【サンパウロ(5−3−2)】 −−−@−−− @レナート −−B−A−− Bワグネス・アマラウ A石崎 了 −E−D−C− Eマリーニ Dマグノ・オリベイラ Cリマ −−−−−−− −G−−−F− Gマウリシオ・ペレイラ Fエセキエル・バビントン −−−I−−− I大空 翼 ー−−−−−J Jジョゼ・タハマタ −−−H−−− Hチェザーレ・ストラット −−−−−−− ===◎=== −−−−−−− −−Q−J−− Q新田 Jブンナーク −−−−−−− −G−−−F− Gオジオ Fミハエル −−−I−−− I三杉 N−−L−−B Nオワイラン Lレントゥルス Bダラピッコラ −−−−−−− −−C−E−− Cミュラー Eスペルマン −−−@−−− @ラムカーネ 【フロレンティア・ヴィオラ(3−4−3)】 [チームBGM] ・ヴィオラ:キャプテン翼5 味方チーム イタリア・カルチョフェスタ http://www.nicovideo.jp/watch/sm7713628 (4:01〜5:24) ・サンパウロ:キャプテン翼2 敵チーム ブラジル・リオカップ決勝 http://www.nicovideo.jp/watch/sm14266393 (33:34〜34:35) ※再生、もしくはNFB(脳内フィードバック)システムでお楽しみ下さい。
[93]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:40:11 ID:??? <エスタジオ・ド・バカエンブー 観客席> 「そろそろだな…」「前半を終えて2点差か」「結構離されたが…こっから逆転してくれるさ」 「ああ、ツバサとストラットならやるさ」「ドトールも今日は気合い入ってるしな」 選手達が退いて間もなく25分。 ハーフタイム終了が目前となり、サポーターも俄かに騒ぎ始める。 特に今回は追いかける側とあって、互いに励ましを交わす姿が多く見られる。 そのサポーターの中において、異質なほど冷めた目で虚空を見つめる人物がいた。 時折前髪が目元に被さってくるのを、彼は鬱陶しそうに払いのけている。 赤みのあるストレートなブラウンヘアーを無造作に伸ばしたままにしておいているせいだろう。 ???「よっと、調べてきましたよ。」 ???「早いな。 流石にジャーナリスト風を吹かせているだけあるか。」 ???「ふふん、情報収集においては最速を自負してますからね。」 ???「…まあいいさ。 それで?」
[94]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:41:17 ID:??? ???「現監督とコーチ、それから前監督とコーチの名前まで聞き出せましたよん。」 ???「…勿体つけるな。」 ???「はいはい。 そのかわり例の件、宜しくお願いしますよ? ええと…現監督はアーバックル、コーチはシーザー・ツェペリ。 そして前監督はシュワーボ・アンザーニ、コーチはジョアン・ウェンガーです。」 ???「………」 ???「おや、その顔…どうやらお目当ての名前があったようですね?」 ???「まあな。 今回ばかり感謝するよ、アヤソフィア。」 アヤ「ふっふー、もっと恩に着ていいんですよ? ちゃんと回収しますから。」 ニンマリとした笑顔には打算が見え隠r…いや、丸出しだった。 彼女の名はアヤソフィア・シェマリー。 うら若き乙女ながらスポーツジャーナリスト兼カメラマンを生業とした人間である。
[95]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:42:47 ID:??? ・ ・ ・ ・ 翼「…………」 フィールドに通じる廊下を歩きながら、翼は先程のミーティングを思い返していた。 受けた衝撃は大きく、あの場ではなかなか受け止め切れなかった。 だが内容はシッカリ耳に入っており、こうして内容を反芻している。 サッサと切り替えねばならない事は彼も理解していた。 ―――――― ――――――――― ――――――――――――― (記憶回想) 翼「待って下さい監督! 一体それはどういう意図なんですか!?」 ロベルト「どうした、納得がいかないか?」 翼「それはそうですよ! だって、こんな…!」 ロベルト「翼。 お前は何だ?」 翼「え…!?」
[96]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:44:48 ID:??? ロベルト「キャプテンだ、このサンパウロのな。 それならばオレは何だ?」 翼「監督は……監督です…。」 ロベルト「そうだ。 ならばお前はオレの指示に従わなくてはならない。 出来ないというならば交代させるだけの事だ。」 翼「!!」 ロベルト「…………」 翼「…………了解です。」 ロベルト「…………」 翼「…………」 ロベルト「オレはお前に謝らなくてはならない。」 翼「え…」
[97]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:45:58 ID:??? ロベルト「このままだと、近い将来お前はフィールドで孤立する事になる。」 翼「えっ…! な、何を言い出すんですか?」 ロベルト「それどころか、いずれオレと同じように大怪我をするだろう。」 翼「どういう意味だよロb…! …いや、どういう意味ですか、監督!?」 ロベルト「全てはオレの責任だ。 お前ほどの原石をこうしてしまったのは…」 翼「ロベルト…」 ロベルト「お前は遠からずトップチームに上がり、世界基準の闘いに身を投じるだろう。 その前にオレは学ばなければならない。 お前に示さなくてはならない。」 」 翼「何を…」 ロベルト「プロのサッカーを、だ。」 ―――――― ――――――――― ――――――――――――― (回想終了)
[98]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/11/21(水) 18:47:03 ID:??? ペペ「ツバサ、大丈夫か?」 翼「あっ……ぺぺ。」 石崎「どうしちまったんだろうな、ロベルトのやつ。 急にあんな事を言い出すなんてよぉ…。」 翼「うん……。 でもロベルトにはきっと考えがあるんだよ。」 石崎「ならいいんだけどさ…。」 翼(ロベルトを超える為にはロベルトを頼ってはいけない。 オレはあのフランス戦の屈辱以来、そう信じてきたけど…) ロベルトの指示を聞いた瞬間、翼はそれがメチャクチャな物と思った。 正直に今でも納得していないし、疑っているのは確かだ。 …なのに今、心の反対側に、安心に似た気持ちを覚えている。 翼はそれを捨てた筈の『ロベルトを頼る気持ち』と考えていた。
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0ch BBS 2007-01-24