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【バグサッカー】きれぼしサッカー【やりまーす】
[757]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/14(日) 20:09:22 ID:??? 短いですが、本日はここまでにいたします。 753さん、乙感謝です!
[758]森崎名無しさん:2014/09/15(月) 21:40:50 ID:??? 乙です。 次の更新も楽しみにしてます。
[759]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:28:09 ID:??? これより投稿を開始します。私の調子では後1か月はあずみの回想で費やされるでしょうが、 どうか今しばらくお待ちくださることを願っております。 なお、以下に挙げる情景はあずみの回想のイメージではありますが、この全てを見上監督に 語ったという訳ではない事に注意してください。 758さん、乙感謝です。 あなた方の乙のおかげで人生に潤いが感じられ、幸いです。
[760]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:31:40 ID:??? ―――――― ――――――――― ――――――――――――― あずみ「ひい、ふう、みい……」 フランスはパリのとある大通り。フランス国際Jrユース大会が開始されるまで 1か月を切った7月のある日、1組の日本人の少女と少年が歩いていた。 岬「嬉しそうだね」 あずみ「そりゃあそうよ、今日は合わせて1000フランも稼いだんだから!はい、岬くんの分」 半分の500フランを岬に渡した後も、自分の取り分であるフラン札の束に目をらんらんと輝かせている。 岬「(笑顔がこぼれちゃって、本当に嬉しそうだなあ)いつも汚れ仕事を引き受けてくれてありがとう、 おかげでいつも順調に『資金調達』ができてるよ」 あずみ「いいのいいの、岬くんがいないとこんなに長く続けられなかったんだから (岬くんと会ってからの3年間で10万フランも入ったもんね)」 岬「そっか、それならいいんだ。ただ、収入のためとはいえ、退屈だよ、賭け試合って」 あずみ「そうだよねー、チームメイトは勿論、もう随分前から相手側の方も、思いっきり手を抜かないといけなくなったからね」 岬「うん、全力でいくと相手が勝負を諦めて、そして次から 試合をしなくなっちゃうからね、程々にしないと続けられないよ」 あずみ「確かにそんな試合詰まんないよね。ああいう試合を見てて、あたしも入って さっさと試合決めちゃいたいって、いつも思っちゃうんだよね」 岬「うん。だから、これから久しぶりに2人でサッカーする?」 あずみ「うん!」
[761]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:34:30 ID:??? しばらく歩いて、2人はブローニュの森の運動場へたどり着いた。 岬達の通う日本人学校は校庭が異様に狭く、体育の授業の際は毎回バスに乗せられて来ていた場所でもある。 バスを使うほど遠い場所でもあるため、他の同級生が授業以外で来る事はなく、岬とあずみが密会する格好の場所にもなっていた。 からりとした風がミズナラの葉をゆらし、岬とあずみの体へそよぐ。 あずみは大きく体を伸ばして、涼しい風と穏やかな光を浴びている。 あずみ「んー、ようやく着いた、やっぱりここがいいや。気持ちいいし、余計な事考えなくてすむし」 岬「いつ来てみてもパリとは大違い、別天地みたいだ」 あずみ「ほんとリラックスできるよね、岬くんなんかこの間芝生の上で熟睡してたし」 岬「そう言うあずみちゃんだって隣で一緒に寝てたじゃなかったっけ?髪に草がいっぱい付いていたし……」 あずみ「そうだっけ?まあそんな事よりサッカーよ、はやく、はやく!」 岬「…やれやれ、じゃ、はじめようか。いつものように、まず僕がドリブルで向かっていくよ」 あずみ「オッケー、それじゃ、今度こそ止めてみせるわよ!」
[762]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:36:27 ID:??? 荷物を自らの足元に置き、互いに見つめあった後、岬があずみ目がけて走り出した。 あずみの射程範囲内に入ったところで、小刻みな左右のフェイントをし始める。 あずみ「(どっち……?)」 切り返しの減速などほとんど感じられない、流れるような連続フェイント。 突破されないようにしきりにマークしながら、相手の動きを観察していた。 左足からボールが離れた。右足はまだ上がっていない。 あずみ「(右からくる!)」 トラップする気がない以上、蹴り出したボールの勢いに乗って、岬から見て右側から突破を図るに違いない。 そう考えたあずみは重心を傾けはじめる。だが。 岬「(かかった!)」 あずみが釣り出されたのを見て取った岬は、件の右足でシュートするように、 しかしほんのりと軽いタッチでボールを浮かせ、あずみを飛び越えようとした。
[763]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:38:22 ID:??? あずみ「(いけない、抜かれちゃう、なら)えええいっ!」 パアンッ! ズサアアアアッ! 咄嗟に右肘を芝生に叩きつけ、それを軸に回転し足をボールへと持ち込んだ。 岬「なにィ!(速い!こんな事をおそらく即座に閃いて、そして間に合わせるなんて…でも!)」 バシイッ! 岬「(抜き去る事はできなくても、せめて奪われないようにする)」 あずみ「(と、取れなかった……)」 ポン、ポン、ポン…… 岬とあずみの意気が伯仲し、ボールは両者の足からこぼれ、芝生の上を転がって行った。 片桐「(凄い!あのレベルは日本はおろか、同年代のヨーロッパの選手とも引けを取らない。 それがろくに試合経験もないであろう日本人学校でいるとは……それも、2人も!)」 この光景はたまたま休憩のため公園を訪れていた片桐の目にとまった。 その後1時間にわたる2人の白熱した2人のやり取りを遠くで観察した後、 大急ぎで日本サッカー協会に連絡を取り、岬太郎の全日本入りが決定される事になった。
[764]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:40:27 ID:??? あれやこれやとサッカー勝負が終わった後、2人は売店で買ったソフトクリームを舐めながら、公園内のベンチに腰かけていた。 岬「それにしても随分上手くなったんじゃない、本気を出しても5分5分の勝負になってるよ」 あずみ「まあね。まっ、敵に塩を送り続けたのがいけなかったんじゃない? 3年間ずっと、岬くんがマンツーマンで色々教えてくれたからよ」 岬「そうかもね。でも、こうして全力で戦える相手と、 サッカーに関する『いろんな事』を話せる相手が出来たんだから、後悔はしてないよ」 あずみ「そう?良かった。岬くんと出会ってなかったらサッカーで 『いろんな』楽しい事に出会えなかっただろうし…ありがとね」 あずみは岬に向かい、ニコリとほほえんで話しかけている。 岬もいつものような万人向けの「天使のほほえみ」ではなく、どこか満足げな笑みをあずみに向けてさらしていた。
[765]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:43:19 ID:??? 岬「そう言えば、今日は大事な話があるって聞いたけど」 しばらく和やかに、和気あいあいとして談笑を楽しんだ後、賭け試合の前にあずみから言われた事を思い出して、岬が尋ねた。 あずみ「うん、岬くんJrユース大会が終わったら、日本に帰るんでしょ」 岬「そう、だね。父さんの裏の仕事が、どうも嗅ぎつけられそうな 気配を感じるって言って、ほとぼりを覚ますために日本へ行く事になりそうだよ。 折角いくつかのクラブから誘いが来るようになってきたのに……」 あずみ「何とか岬くんだけフランスに残る事はできないの」 岬「フランスに残ったら警察が僕を集中的に監視してくるだろうし、 そうなったらたとえ無罪となって釈放されてもクラブにはいられなくなるよ、だから僕は日本に行かないと」 まあ、日本で今後の夢のために人脈作りに励むよと、珍しく岬が声をあげて笑ったが、 あずみにはそれが空しい響きを感じずにはいられなかった。 場の空気が沈み込む。取り分けあずみは話題が話題であるだけに、なかなか話を切り出せずにいた。 思うところがある事を察した岬は、助け船を出すべく声をかける。
[766]きれぼしサッカー ◆5qvYBJdbJQ :2014/09/21(日) 14:45:20 ID:??? 岬「それで、話ってなんだっけ」 あずみ「う、うん。岬くんが日本に帰る事が分かった後すぐにこんな事言うのはあれだけど…… あたし、来年からパリのサッカークラブに入る事になったの」 岬「えっ!?」 あずみ「ほんとよ。この間、シャンゼリゼFCの入団テストがあったんだけど、あたしそこで合格したの」 岬「ええー…それは、凄い。いや、そこまで行けるなんて、 シャンゼリゼっていえばサンジェルマンFCのユースクラブじゃないか」 あずみ「うん。そこで何とかしてサンジェルマンFCにプロ入りして、 年棒やらなんやらでいっぱい稼いでやるんだ、きっと、やってみせる」 岬「(顔がギラギラしてきたなあ。ん、そういえば)それにしても女の子がやってきて 大丈夫だった?相当話題になったと思うんだけど」 あずみ「その事なら大丈夫よ。ちょっと待っててね」
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0ch BBS 2007-01-24