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【主人公】鈴仙奮闘記【永琳に交代?!】
[421]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:33:10 ID:??? ――19●●年、3月1日。 中山「あれからもう、半年か…」 人の住む気配の全く感じられない山奥に、中山は居た。 うっそうと茂った森、手の加えられていない小川。 彼は杖をつきながら、ふと顔を上げる。 中山「某県某所にあると言われる廃神社、か。 これで合っていると良いんだが――」 そう一人ごちながら、中山は振り返る。 今までの自分を。自分がそこに至った経緯を――。
[422]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:35:03 ID:??? (*2さんの文章を流用、改変して使っております。ご了承ください) ――19●★年、夏。 ジリジリと蝉の声の聞こえる街中。森崎達にとっての夏は、とりあえずの一区切りを迎えたが。 日本の息苦しい夏はまだまだ終わる気配を見せなかった。 それでも、木陰のベンチにいると、息苦しさは感じられず。爽やかな夏の伊吹を楽しめた。 ひとしきりの談笑の後。森崎は車椅子の少年――、中山政男に一転落ち着いた様子で話し始める。 森崎「リハビリ…どうなりそうなんだ?」 その口調は、普段は嫌味と自信に満ち溢れたそれとは違い、友人の様態を心底心配する、 年相応の少年そのものだった。 中山「Jrユースに間に合うのかって言う意味なら、100%ノーだ」 中山は、自身の身体についての質問だと言うのに、まるで医者かの様に淡々と答える。 森崎「そうか…」 それを聞き、森崎は落胆を隠せない。 森崎は中山の賢明さと同時に、彼の熱さ、そしてサッカーにかける執念を知っていたからだ。 そんな彼が、こうまで冷静に事実を述べる。それはつまり、それは事実なのだろうと 森崎に厳しく告げているのに等しかった。 中山「高校に入る頃には杖を使って歩ける位には回復するらしい」 ふと、中山は語気を明るくする。森崎を励まそうとしているのか、 それとも、親友に自身の絶望を共有してもらいたいと思ったのだろうか。 森崎「杖を使ってだと!?お前まさか…!」 中山「……………」
[423]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:36:03 ID:??? 森崎の問いかけに対し。中山は無言。それはつまり――。 森崎「中山!」 中山「ああ、その通りだ。俺はもう走る事も、ボールを蹴る事も出来ない」 森崎「そ、んな………」 残酷な現実。それを意味していた。
[424]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:37:03 ID:??? 中山「今なら三杉の気持ちが分かるぜ。翼の師匠のロベルトって人も居たな… サッカーが、大好きなサッカーが出来ないって…こんな気分なんだよ」 中山は、遠くの空を見上げる。 人は実際に同じ境遇に合わないと、その人を理解できないとは良く言われるが。 中山もまた、こうした身となって、彼らの事を始めて理解したのだろうか。 森崎「……………」 ジリジリ、ジリジリ…。 最早何も言えない森崎。蝉の鳴き声がやけに大きく聞こえる中、二人はそこに座り続けていた。 中山「それじゃ…あんまり外に長くいちゃいけないんだ。もう帰るぜ」 今でさえ、医者に無理を言って外出を許可されただけなのだ。 恐らく、帰ってはまた小言を言われてしまうだろう。 森崎「あ………ああ」 さすがの森崎も、重症人に軽口は聞けない。 また、五体満足で恵まれた状態で、世界に挑戦しようとしている立場の森崎が、 中山にどんな言葉をかけられるだろうか。 それを必死に思索している最中でもあったからだろう。 中山「じゃあな、森崎。Jrユース、頑張れよ…」 中山を乗せて遠ざかっていく車椅子。森崎はやっとの思いで口を開き…
[425]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:38:39 ID:Rct6VSCA 森崎「中山…!」 中山「…なんだ?」 先着1名様で、 ★森崎の言葉→!card★ と書き込んでください。マーク・数値で分岐します。 ダイヤ→「わさビーフ、持っていけよ」 ハート→ 「俺はJrユース大会、必ず優勝してみせる!」 スペード・クラブ→「諦めるなよ!リハビリし続ければ、何時かきっと…!」 クラブA→「生きてたなら香典返せよ」 JOKER→森崎「コレ、読んどけよ」中山「蹴球…超人伝?」
[426]森崎名無しさん:2013/03/27(水) 22:40:32 ID:??? ★森崎の言葉→ ダイヤ3 ★
[427]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:42:18 ID:??? ★森崎の言葉→ ダイヤ3 ★ ダイヤ→「わさビーフ、持っていけよ」 森崎は、リュックに仕舞っておいたわさビーフの袋を取り出し、 中山に押し付ける。 中山「なんだ、お前が食べれば良いのに…大体俺は食事制限中だぞ?」 一体何事か、と一瞬身を強張らせるが、わさビーフの袋と気付き、 今までで一番自然な笑みを見せる中山。 森崎「それなら食事制限が無くなってから食べろよ。俺はあんまり好きじゃないんだよ」 やや強引に中山にわさビーフの袋を手渡す森崎。 森崎「そいつを食いながら、俺の活躍をテレビで見てな」 中山「お前、テレビに出る予定なんかあるのか?」 森崎「Jrユースで勝ちあがっていけば、注目されるだろ」 中山「相変わらず自信タップリだな…じゃあもらっておくぞ」 キコキコと音を立てながら遠ざかっていく車椅子。それを見送った後、森崎は帰路へついた。 中山「(…森崎。俺はお前に追いつく。そして再び、お前と並びプレーをしたい。 そのためなら、どんな奇跡だって、起こしてみせる)」 そんな森崎の背中を見送りながら、中山はそう決意をする。 そう。『奇跡』を信じて――。 *中山と森崎との互いの評価が、中山→(友情)←森崎に変化しました。
[428]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:45:05 ID:??? 別の時間軸では、中山のひたむきな姿勢が奇跡を生み、 中山は再びサッカーを出来るまでに、そして全日本でもトップクラスのDFとなるまでに回復する。 ――だが、『この時間軸では』 中山に奇跡は起こらなかった。 外科医「うん。治療は順調だ。このままなら、予定通り来年の春には杖をついて――」 中山「どうしてですか! 俺はリハビリも人一倍こなしている!! 杖をついて歩けるだけじゃあ意味が無いんです! 俺はサッカーを――」 外科医「…何もサッカーだけが、君の人生の全てではないだろう? 君は勉強も人一倍できると聞いたよ。作文コンクールで入賞したとか、 学区内の朗読コンクールで三位だったとか… そうだ。サッカーに関わるといっても色んな形があるじゃないか。 審判だとか、草サッカーチームの監督とか…」 中山「話を逸らさないでください! 俺がいくらリハビリをしても。 いくら努力をしても、前まで通りサッカーをやれるようにはなれないんですか!?」 外科医「…神経系の多くをやられている。日常生活に必要な動作ならともかく、 サッカーに必要な細かく激しい動作までは、身体が追いつかんでしょうな…」 中山「――! く、くっそおおおおおおお!!」ダッ! カッツ、カッツ、カッツ… 看護婦「ま、政男くん!?」 中山は耐え切れず、病院を抜け出した。最近なんとか使えるようになった松葉杖をつきながら。 中山「(――来年の春? そんなの待てる訳がないじゃないか。 俺がこうして寝てる間にも、森崎や翼は、世界で高いレベルのサッカーをしているというのに!)」
[429]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 22:54:14 ID:??? テレビ「――次のニュースです。サッカー全日本Jr.ユースは、強豪アルゼンチンを4−3で下し…」 中山「くそっ!!」 店頭放送で全日本ユースの勝利が報じられるのを聞き、中山の焦りはいよいよ大きくなる。 中山「(時間がない、時間がない、時間がない!! 俺は動き続けなくては行けなかったんだ! 奇跡なんてものに期待して。俺はなんて悠長だったんだ! 奇跡なんてものは、 人に頼らず自分で起こさなくてはならないと知っていたはずだ!)」 その後中山を追ってきた看護婦達により、中山は再び病室に戻される。 中山はその後一時期、あらゆる民間療法にも手を出したが、やはり報われることはなかった。 そうして、様々な民間療法のルーツにまつわる書物を取り寄せ、読んでいるうちに、 ひとつの新聞記事が目にとまった。 不治の病の男性、山奥の病院で完治? ――●●さんは末期がんと深刻され、自殺を試みるため、某県の山中の樹海に入った。 しかし、●●さんは廃神社の奥に病院を見つけ、その女医に見てもらったところ、たちまち完治した。 彼の主治医は、現代医学ではありえないこととしているが―― 中山「なんだこれは…。怪しすぎる…(だが、もしも。これが真実なら…)」 中山は、直観的にこの記事が気になりだす。この病院の存在は、女医の存在は本物ではないかと。 それ以降、彼は悶々とした日々を送ることとなる。 中山「(普通に。常識的に考えるならば、ずっと入院して回復を信じたほうが早い筈なのに… どうしてだ。どうしてあんな与太話に俺は惹かれている?)」 病院を抜け出して、某県の山奥の病院に行ってみたいという気持ちは、日増しに高まり――。 2月11日。彼の主治医が相変わらず「サッカーは二度とできない。一生君は杖を突くしかない」という結論を 出したことを皮切りに、彼は病院を脱走した。
[430]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/27(水) 23:03:36 ID:??? 中山「サッカーが出来ないなら、できるようにして見せる。――どんな手を使ってでも」 中山の考えは、病的だったかもしれない。 だが、それほどにまで、彼の精神は冒されていた。 中山「俺は、俺自身の手で、止まった時を動かすんだ」 そして…冒頭に至る。 神社の様子は何の異変もなく、奥まで歩いて探してみたが、病院はおろか、 建造物の一つすら伺えない。 中山「(やはりデマ、か。 全く、気が狂っていたな。俺は)」 かぶりを振りつつ、中山は神社を去ろうとする。 ――その時。偶然か必然か、幻想の境界は、偶然にもその力を曖昧にした。 中山「神社が…。入口は廃神社なのに、中には普通の綺麗な神社が見える…?」 もう一度。中山は神社に足を踏み入れる。すると。 中山「(なんて事だ…さっきまでと雰囲気が違う)」 古くなっては居るが、手入れが行き届き、けして寂れてはいない神社。 そこには脇を出した奇妙な巫女服を来た少女が一人、そこに立っていた。
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0ch BBS 2007-01-24