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【主人公】鈴仙奮闘記【永琳に交代?!】
[444]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:19:14 ID:??? ★霊夢の返答→ スペード2 ★ スペード→「それなら、今度御賽銭でもしに来てくれない?」 中山「何かと思えば、やっぱりそれか。それならば、やらせていただくよ。 ――今度は、もっと大きい金額で」 中山は霊夢に向かって笑顔を見せる。霊夢もそんな中山に向かって、笑顔を返す。 それは今までのスレた印象とは違って、年相応の、あどけなく可愛らしい少女そのものであった。 霊夢「(大きい金額!? ってことは少なくとも千円。いや、一万かしら? いやいやもしかしたら額面無しの小切手とか!?ウヒヒヒ。当分ウチは飯には困らないわね…)」 …考えていることはさておき。 *中山が霊夢に御賽銭をしに行く約束をしました。
[445]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:20:25 ID:??? 竹林の中にあるという診療所――名を永遠亭と呼ぶらしい――に向かう道中、 妹紅は中山に話しかける。 永遠亭に向かう道中、彼ら二人は会話を交わすことで多少なりとも打ち解けあっていた。 妹紅「でも中山君、あなたってすごいわね。 サッカーの為にここまでするなんて。 こんな無茶苦茶なやる気と気合い。そして実行力のある人間なんて、 私のもう千年くらいにもなる人生の中でも始めてだよ」 中山「ハハ…ありがとうございます(今、千年くらいって言ってたよな…。 きっとジョークだろう…た、たぶん…)」 杖をつきながらの歩行の為、なかなか早くは歩けない。 妹紅はそんな中山の様態を気遣って、休みをこまめにとりつつ。 できるだけ広い道を選びつつ進んでいた。 妹紅「私も、最近サッカーを始めてねえ。 最初は慧音――親友の誘いだったんだけど、 これがなかなかおもしろくて。 最近は大会目指して練習も結構増えたね」 中山「大会? そんなものがあるんですか?」 妹紅「うん、そうよ。 最近では、全幻想郷選抜大会、ってのがあって――」 妹紅から、大会の概要を聞き。そしてそのスケールの大きさを知り、 唖然とする中山。特に、外界の代表選手を集めてもう一度、 Jr.ユース大会を開催する、と言った話について心を惹かれた。 中山「(な、なんだそれは…。でも、これはチャンスでもある。 俺の夢――。森崎と同じ舞台に立ち、同じ栄冠を勝ち取るという。 俺の最大の目標を叶えるための――)」
[446]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:21:26 ID:??? 中山の脳裏には、もうすでに大会の様子が目に映っていた。 森崎と共に、全日本のゴールを守る自分の姿。 かつてはテレビでしか見る事しかできなかった各国の強豪選手達と、 実際にフィールドで戦っている自分の姿。 そして。全幻想郷代表を含めたすべての代表を撃ち破り、 優勝のトロフィーを大きく抱える自分。――自分達の姿。 中山「(森崎。待っていろよ、俺はここでお前達に追いつき、そして肩を並べる。 そして、俺はお前と共に戦えるようになる。なってみせ――)あいたっ!?」 妹紅「ちょっと大丈夫!? もう、余所見して歩いてるから――」 中山「す、すみません…」 竹の節にけつまづき転ぶ中山。その表情は未来を夢見る、 年相応のあどけない少年そのものだった――。
[447]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:22:26 ID:??? いったんここまで。次からは、再び鈴仙に視点が戻ります。
[448]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:53:35 ID:??? 藤原妹紅が永遠亭を訪れたのは、深夜だった。 応対係の鈴仙は、玄関から絶え間なく聞こえる物音にようやく気付き、 ブラウスだけを軽く羽織るように着て、玄関へと飛びだす。 鈴仙「どうしましたか! まさか、急患!?」 妹紅「その通り、急患だよ。薬師を呼んでくれないかしら?」 鈴仙「は、はいっ! 只今っ!」 鈴仙はあわてて師匠――八意永琳の私室をノックする。 永琳「どうしたの、ウドンゲ。こんな深夜に」 鈴仙「きゅ、急患ですよ! 妹紅さんが連れてきました!」 あわててまくしたてる鈴仙。永琳はそれを、 永琳「ちょっと。姫様が起きてしまうでしょう? もう少し静かにしてくれないかしら?」 と、少しズレたような理由を付けて返す。 鈴仙「すみません…。と、とにかく患者を」 鈴仙は患者――フラフラになりながらも杖をつく中山を介抱し、 病室まで送り届けた。
[449]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:54:36 ID:??? 永琳「―――経過は順調。 明日の朝にはもう、普通に歩けるようになるし。 サッカーとかも、夜にはもうできるようになるわ」 中山「し、信じ、られない…」 ――結論として、中山の手術はいとも簡単に終わった。 鈴仙が大した介助をするわけもなく、局所麻酔を打ち、幹部の神経を つなぎなおし、継ぎ足し、薬で修復し。言葉にすると簡単だが、 常人には到底できないような医療技術をふんだんに駆使した結果。 30分足らずで中山をああまで苦しめた神経の不調を治すことができたのだった。 永琳「まあ、確かに、外界では一般的には用いられないような医療技術も使いはしたけれど。 病は気から、っていうように、肝心なのは本人の意思の力よ」 ああまで科学的な手術をした本人が、急にオカルトチックな事を言い出したので、 中山は思わず口を噤む。 永琳「多分、普通の子だったら、もっと治療に時間がかかっていたわ。 あなた、元々リハビリを良く頑張っていたでしょう? もちろん、無理の出ない範囲で。 そうしたあなたの『治りたい』という意思を、私は最も効率よく引き出しただけよ」 しかし、その言葉には説得力があった。科学では解明できない、人間や世界の持つ ポテンシャル。そういったものすら活用できるからこそ、現代医学を大きく超えた医療が できるのだろう。そう中山は考えることにした。
[450]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:55:36 ID:??? 永琳「さ、というわけで今日はもう寝なさい。睡眠こそが最大の治療薬よ。 ウドンゲ、病室まで案内を」 永琳がそう言って、話を切り上げようとした矢先。 中山「あの…お代は。 ――俺、今実は持ち合わせが殆どなくて」 中学生が、病院を抜け出して県外の山奥まで行ったのだ。 わずかな資産をやりくりして、本当に奇跡のような確率を切り抜け、ここに至ったのだろう。 しかし、中山の総資産は、107円しか無かったのだ。 永琳「ああ。お代ね。その事についてなんだけど――」 ここで永琳は勿体ぶったように言葉を切る。 ここまでの会話の流れは、全てこの一言を言う為にあったのだと言わんばかりに。
[451]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:56:54 ID:??? 永琳「あなたが私達のチームに入ってくれるというなら、無料でいいわ」 中山「…は?」 永琳「もう一度言おうかしら?『あなたが私達のチームに入ってくれるというなら、無料でいいわ』」 中山は呆気にとられた。否、呆気にとられざるを得なかった。 永琳「私達は来る10月の全幻想郷選抜大会に出場する。そのためには貴方のような優秀な外来人の サッカー選手が必要なのよ。 ――ああ、心配しなくても。この大会に出たからって、全日本の代表に呼ばれないとかはないと思うから」 中山「い、いや。俺が言いたいのはそうじゃなくて。その――。 無料で治療してもいいのか!? お金を取らないと、儲けが――」 永琳「あら、心配してくれるのかしら? ありがとう。でも私達、善意でやってることだから」 永遠亭は実際に、重い病に冒された里人を破格の値段で治療したり、 効き目の高い薬を安値で販売するといったことを行っているため、 (その善意の出所が気になる一部の者は除き)多くの人間に好まれていた。 ――当然、中山はそんな事情や背景を知る訳もないので怪しまざるを得なかったが、 当分の間の食糧と住居の提供、サッカーでの技術向上の保証を(永琳本人が)見せる事で、 なんとか納得を得ることができたのだった。 ひとしきりの紹介の後。 中山「(永琳さん…とてつもない実力者だった。翼を思い出すな)――はい。 そういうことでしたら、俺はこのチーム…永遠亭ルナティックスに加入します」 中山から、正式に加入の一言を得ることが出来たのだった。 *中山政男が、永遠亭ルナティックスに加入しました!
[452]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 00:03:12 ID:??? すみません、結局本日も文章パートを終わらせることができませんでしたが、 今日の更新はここまでにしたいと思います。 明日は、 ・文章パートの最後部 ・チュートリアルイベント を終了させることを目標として行きたいと思います。 今日は判定が1度しかなく、退屈な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。 皆さま、本日も、文章を読んで頂きありがとうございました。
[453]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:28:04 ID:??? こんばんは、今日は沢山更新できたらいいな、と思います。 いつも以上にキャラ崩壊や独自創作設定が激しいかもしれません。 また、一部が鬱な展開になっているかもしれません。ご了承ください。 次のレスから本編に移りたいと思います。
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0ch BBS 2007-01-24