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第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
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【主人公】鈴仙奮闘記【永琳に交代?!】
[450]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:55:36 ID:??? 永琳「さ、というわけで今日はもう寝なさい。睡眠こそが最大の治療薬よ。 ウドンゲ、病室まで案内を」 永琳がそう言って、話を切り上げようとした矢先。 中山「あの…お代は。 ――俺、今実は持ち合わせが殆どなくて」 中学生が、病院を抜け出して県外の山奥まで行ったのだ。 わずかな資産をやりくりして、本当に奇跡のような確率を切り抜け、ここに至ったのだろう。 しかし、中山の総資産は、107円しか無かったのだ。 永琳「ああ。お代ね。その事についてなんだけど――」 ここで永琳は勿体ぶったように言葉を切る。 ここまでの会話の流れは、全てこの一言を言う為にあったのだと言わんばかりに。
[451]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/28(木) 23:56:54 ID:??? 永琳「あなたが私達のチームに入ってくれるというなら、無料でいいわ」 中山「…は?」 永琳「もう一度言おうかしら?『あなたが私達のチームに入ってくれるというなら、無料でいいわ』」 中山は呆気にとられた。否、呆気にとられざるを得なかった。 永琳「私達は来る10月の全幻想郷選抜大会に出場する。そのためには貴方のような優秀な外来人の サッカー選手が必要なのよ。 ――ああ、心配しなくても。この大会に出たからって、全日本の代表に呼ばれないとかはないと思うから」 中山「い、いや。俺が言いたいのはそうじゃなくて。その――。 無料で治療してもいいのか!? お金を取らないと、儲けが――」 永琳「あら、心配してくれるのかしら? ありがとう。でも私達、善意でやってることだから」 永遠亭は実際に、重い病に冒された里人を破格の値段で治療したり、 効き目の高い薬を安値で販売するといったことを行っているため、 (その善意の出所が気になる一部の者は除き)多くの人間に好まれていた。 ――当然、中山はそんな事情や背景を知る訳もないので怪しまざるを得なかったが、 当分の間の食糧と住居の提供、サッカーでの技術向上の保証を(永琳本人が)見せる事で、 なんとか納得を得ることができたのだった。 ひとしきりの紹介の後。 中山「(永琳さん…とてつもない実力者だった。翼を思い出すな)――はい。 そういうことでしたら、俺はこのチーム…永遠亭ルナティックスに加入します」 中山から、正式に加入の一言を得ることが出来たのだった。 *中山政男が、永遠亭ルナティックスに加入しました!
[452]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 00:03:12 ID:??? すみません、結局本日も文章パートを終わらせることができませんでしたが、 今日の更新はここまでにしたいと思います。 明日は、 ・文章パートの最後部 ・チュートリアルイベント を終了させることを目標として行きたいと思います。 今日は判定が1度しかなく、退屈な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。 皆さま、本日も、文章を読んで頂きありがとうございました。
[453]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:28:04 ID:??? こんばんは、今日は沢山更新できたらいいな、と思います。 いつも以上にキャラ崩壊や独自創作設定が激しいかもしれません。 また、一部が鬱な展開になっているかもしれません。ご了承ください。 次のレスから本編に移りたいと思います。
[454]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:29:15 ID:??? ―――――――――――――――――――――――― 中山が永遠亭ルナティックスの一員となった次の日の夜、鈴仙は夢を見た。 自分がまだ月に居たころの事だろうか、 鈴仙は綿月邸で自分と同じようにペットとして飼われていた、 何人もの玉兎達と、他愛もないおしゃべりをしていた。 差し込む白い光は暖かくて柔らかくて、なんとも懐かしい。 玉兎A「レイセンはすごいよね。月の士官学校で成績、トップだったんでしょ? 私達、レイセンがここに来る前から貴女の事知ってたよ。有名人だしね」 レイセン(今の鈴仙)「そんなことないわよ。私だって、色々勉強してたし… (ま、基本的に私とあんたらではおつむの出来が違いすぎるんだけどね)」 その当時の自分は、かなり傲慢だったことを、改めて鈴仙は振り返る。 同期の玉兎の中では、筆記も実技も常に成績はトップ。 更に、他の玉兎以上に『波長』を操る力に長けており、凡愚な教官や友人たちは、 それを『狂気の瞳』と称し讃えていた。 鈴仙は、そんな環境の中で、少なからず慢心していた。 自分から進んでそれをひけらかす性格ではなかったが、心の中では常に他者を見下していた。 玉兎B「ね、レイセンちゃん。 今度皆と一緒に町に遊びに行かない? 依姫様は怒るかもしれないけれど、豊姫様にこっそり口利きしとけば、 きっとなんとかなるよ!」
[455]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:30:28 ID:??? レイセン「本当!? じゃあ、行きましょ! 豊姫様には私がなんとか言っておくし」 玉兎C「うん。レイセンならきっと安心だね! いいなあ。私もレイセンちゃんみたいに、 依姫様達のお気に入りになりたいなあ〜」 レイセン「ふふ。Cちゃんも可愛いし一生懸命だから、きっとなれるわよ (ま、それだけじゃあ私には敵わないけどね)。――じゃ、行ってみるね」 優越感を胸に抱きながら、豊姫の下に向かう、夢の中の自分。 鈴仙「(昔の私って、こんな感じだったなあ。…ホント、身の程知らずで生意気で。嫌な奴)」 鈴仙は、そんな過去の自分が大嫌いだった。
[456]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:31:30 ID:??? ――ふと、そこで夢の中の視界が、一転する。 白い光は不安げな陽炎のように揺らめき、不自然な明るさを感じさせる。 玉兎A「行った? あの口ばっかりで生意気なヤツ」 玉兎B「本当にうざいよね。自信満々なのが見え見えだしさ」 玉兎C「ちょっとおだててあげればすぐに調子に乗っちゃって。 ちょっとお勉強が出来るかもしんないけど、分かんないことがあったらいっつも 依姫様や豊姫様に泣きついて。本当は逃げ出した――『臆病者』のくせにね」 いつしか風景は、綿月邸ですらなくなっていた。 永遠亭、人里、竹林、今日の試合があったサッカーコート。 それらが織り交ざったどこかで。 玉兎達だけではなく、色んな人々が、鈴仙の陰口を話している。 永琳「肝心な所で何時も何時もポカをして…。 ウドンゲ、貴女には失望したわ。これからはパスカル君とコンビを組むから、 貴女はもう用済みよ。どこへでも行きなさい」 輝夜「下手くそのくせに、永琳の相棒とか名乗っちゃって。 全く、恥ずかしいったらありゃしないわ」 てゐ「お師匠様の前では良い子ちゃんぶってるけど、全然仕事はできないし。 あ〜あ、早くどっか行ってくんないかなあ〜」 慧音「あいつは最悪だな。私達をいつも見下したような態度で薬を売っている。 これでは、永遠亭の薬師の人格すらも疑ってしまうよ。――弟子とは違い、 彼女は本当は出来た人物なのになあ」 妹紅「わかるわかる! あいつったら、ちょっと実況が持ち上げてくれてただけで、 実力者気どっちゃってさ。 本当はあんなの、全然大したことないのに!」
[457]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:32:30 ID:??? パスカル「……お前を見ているとイライラする。天才の相棒を自負しておきながら、 いつも天才に甘えて、頼って。そして自分は天才の為に何もしようとしない。 ――そんな存在、いつか天才の方から見限られる」 観客・実況・里人・ウサギ達「臆病者」「生意気」「死ね」「必要ない存在」 「役立たず」「無能」「天才の面汚し」 レイセンは。否、鈴仙は、たまらず駆けだしていた。 鈴仙「(いや、嫌、イヤ! 昔の自分が大嫌いって。 何よ!? 結局今の私だって昔の自分と全然変わっていないじゃない! ちょっと卑屈になっただけで、仕事が忙しいとか師匠が凄すぎるとか環境のせいにして、 変わる為の努力もしてない。けれどその癖に意味のないプライドの塊で! 結局師匠の事とかよりも、自分の面子とか保身とか。そんなことしか考えていない!)」 しかし、駆け抜ける道は光の一点もない、純粋な暗闇。 どこに行けば逃げられるのか、どうすれば助かるのかが、全く分からない状態。 たまらず鈴仙は転んでしまう。 「臆病者」「生意気」「死ね」「必要ない存在」「役立たず」「無能」「天才の面汚し」 鈴仙を傷つける言葉が、雪崩のように鈴仙に覆いかぶさろうとしていた。 鈴仙には立ちあがる気力すらもはやない。絶望に打ちひしがれていた。
[458]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:33:34 ID:??? ―――ふと、そんな時。ある規則的な音が、罵倒に交じって聞こえる。 ポーン、ポーン、ポーン… 鈴仙「(…何かしら、この音は…? サッカーボール、の…リフティング?)」 暗闇の果てに、光が一点だけ見えた。 どうやら、音はその光から聞こえてくるらしい。 鈴仙は立ち上がり、改めてその光の射す方角を目指すことにした。 罵倒は相変わらず、耳鳴りを伴ってガンガンと聞こえてくる。 しかし、鈴仙の心は少しずつ、その規則的な音に支配され、そして――。
[459]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 18:34:36 ID:??? 鈴仙「…夢。かしら」 鈴仙は目覚めた。やけにリアルな感触を伴う、とても嫌な夢だった。 鈴仙「(ホント、嫌な奴。…私って)」 寝巻の一部が透けてしまいそうなまでに、寝汗をびっしょりとかいていた。 人参柄のお気に入りのパジャマ。その可愛らしさ、平和さが、却って先ほどまでの夢の 恐ろしさを想起させられる。 鈴仙「(ちょっと寒いけれど…。外の空気でも浴びて来ようかしら)」 鈴仙はそう思い立ち、愛用のブレザーを外套代わりに羽おり、 襖をあける。すると。 ポーン、ポーン、ポーン…。 夢でも聞こえて来たその音が、今現実のものとして、 鈴仙の耳に入ってくる。 鈴仙「(サッカーボール…のリフティングかしら。夢で聞こえた音だけど…。)」 目覚めた直後は鼓動の音で聞こえなかったのか、その音は完全なる静寂を保つ 深夜の永遠亭の中で、それなりに響いていた。 鈴仙「(音は…中庭かしら。それにしても、一体誰が…?)」 まだまだ寒気の強い廊下を歩き、中庭の見える縁側に向かう鈴仙。 するとそこには…
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0ch BBS 2007-01-24