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【皇帝は】キャプテン森崎45【王国に挑む】
[297]代理です。:2013/11/22(金) 08:25:34.41 ID:2QEDLwyc クリストフ・ポブルセン。暴力的で自己中心的な性格とプレイスタイルで悪名高い旧東ドイツ出身のMFである。 彼の過去についてはあまり知られていない。 東ドイツの少年サッカーリーグでは記録上かなりの好成績を残していたのだが、その当時から既に 激しい気性を隠さなかったとも証言されている。だが貧しく不安定な東ドイツに見切りをつけ 命がけで西ドイツに亡命したのにも関わらず引き取ってくれるクラブが無かった事、 更に南米に渡っても何処にも買われなかった事が彼の性格を決定的に歪めた原因だと推測されている。 また本人はサッカー等好きではないと何回か公言しており、それもまた彼の歪みの一部だろう。 不幸な生い立ちだが同時に自業自得な人物。彼を知る者は大抵この様な評価を下すだろう。 そして似た様な境遇に負けず前向きに生きる者、例えば同じく東ドイツ出身のフライハイトなどが 居るのだから比較対象として見下し、ごく自然に嫌悪感を抱くだろう。 あるいは下を見たらキリがない、過去よりも未来を重視しろ等と正論を説くかも知れない。 ポブルセンはそう言った良識や正論と言った物が大嫌いだった。 彼にとって何よりも大事なのは自分の恨みと怒り、そしてそれらを堪能する為の暴力だった。 八つ当たりこそが自分の生き甲斐であり存在意義だと開き直っていた。 故に憎い日本やブラジルに翻弄されたり上手く復讐出来ていない 今大会のパフォーマンスに彼は満足していない。満足している訳がない。 ポブルセン「…ゥルルルゥァアアアアアアアアアア!!!」 よりにもよってブラジルユースの選手に怪我をさせられた今、彼は爆発した。
[298]代理です。:2013/11/22(金) 08:26:19.61 ID:2QEDLwyc シィーーーーーーーーーーン… 獣ですら発するとは思えない不気味な怒声をポブルセンが出した時、誰も何も言えなかった。 彼の容態を案じていた審判も、治療の準備をしていたドイツユースも、仕切り直しを考えていたブラジルユースも、 ブラジルを応援していた観客も、成り行きを見守っていた全日本ユースも、そして実況放送も。 スッ。 トサッ… ポブルセン「シェスター、すぐに俺に渡せ」 シェスター「えっ!?」 審判「お、おい、君、血が出てい」 ギラッ! 審判「る…ん…」 そのままポブルセンは自らボールを地面にセットしシェスターにフリーキックを行い 自分にボールを寄越せと要求した。自分が流血しているのにも関わらずである。 審判はポブルセンの怪我を案じて彼を止めようとしたが、 その気遣いで得られたのは殺気に満ち溢れ血走った眼と見難く歪んだ凶悪な表情だけだった。 ポブルセン「笛を吹け」 審判「!!!」 ピ、ピィイイッ! 哀れな審判は本能的な恐怖に逆らえず要求された通りに試合再開の笛を吹いてしまった。
[299]代理です。:2013/11/22(金) 08:27:44.08 ID:2QEDLwyc シェスター「(ゲッ、マジかよ!?…いや、ここでやらせなきゃコイツ確実に乱闘する! ええい、どうせ暴れさせるんだったらインプレー中の方がまだマシだ!)」 バコッ! シェスターはポブルセンを良く知っていた分、ここで試合再開しなかったらポブルセンが 試合を滅茶苦茶にしてしまうだろうと瞬時に判断し要求通りフリーキックを蹴った。 ポブルセン「…シャァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 ダカダカダカダカッ! ザガロ「なっ!?」 ドゴォオオオッ! ザガロ「グワァアアアアアッ!!?」 ブラジルメンバー『ザ、ザガロ〜〜〜ッ!!?』 そしてボールが受け取ったポブルセンが最初に行った事はブラジル陣内への突撃…ではなく 自分を負傷させたザガロをフレームドリブルで撥ね飛ばす事だった。 放送「…ハッ!?な、なんとポブルセンくん治療を拒否!試合がフリーキックで再開し… ザ、ザガロくんをドリブルで吹っ飛ばしたァ!?何が起きているのでしょうかこれは!」
[300]代理1/3:2013/11/22(金) 23:39:31.66 ID:PgrKKzIL 観客「あああ〜っ!?」「おい、プレイ止めるんじゃなかったのよ!」「治療拒否か?」 「つーか今わざとザガロに当たりに行ってたぞ!」「何しやがるこの放火魔野郎!」 翼「あっ…」 若林「あの馬鹿らしいな…」 日向「フッ、良い根性じゃねえか。馬鹿だがな」 カルツ「無茶するなポブルセン!怪我を悪化させる前にワシに…」 ポブルセン「ガァアアアアアアアアアアアアアア!!」 ダダダダダッ! カルツ「だぁ〜っ、聞きゃしねえ!」 ザガロを吹っ飛ばしたポブルセンは更なる奇声と共にブラジル陣内に向かって中央突破を図った。 観客がどよめこうと味方が宥めようと耳を貸す事なく一目散に走るその姿は 誰の目にも彼らしい怒り任せの愚行にしか見えなかった。 怪我をしたのに治療もしないまま単独でドリブル突破を仕掛けるなど、 例えドリブル能力に自信があっても常識的には無謀かつ危険である。 サンタマリア「(馬鹿め、頭に血を上らせて痛みを無視しても怪我の影響は確実に出る。 しかも負傷悪化のリスクを背負ってまでやる事がただの単独中央突破だと?下策の極みだ!) マウリシオ、時間差で左右から挟むぞ!念の為ジェトーリオとドトールも中央に詰めておけ!」 マウリシオ「アイサー!」 ジェトーリオ「了解―っと」 ドトール「任せろ」
[301]代理2/3:2013/11/22(金) 23:40:01.62 ID:PgrKKzIL 当然ブラジルはすぐに対処し、サンタマリアとマウリシオが中盤でボールを奪いに行く。 万全状態ならまだしも負傷したポブルセンならボールを奪える確率は高い筈だった。 しかし彼らは即座に思い知る事になる。狂人は時として人の常識を覆し限界を超えてしまう事を。 ポブルセン「死ね!」 ギュウンッ! ドガガガガッ!! マウリシオ「えっ!?ぎゃああああああああああっ!!」 サンタマリア「な…何だと!?」 ポブルセンの動きは怪我をしていなかった数分前より鋭くなっていた。 彼のドリブルはパワーとスピードの両方が増しており、マウリシオは哀れにも盛大に吹き飛ばされた。 サンタマリア「(馬鹿な!そんな事は有り得ない!何かの間違いだ!)」 サンタマリアはワンプレイでそれが分かった。だが今まで培ってきた彼の常識と理性がそれを受け入れられなかった。 どんな名選手でも怪我をしたらハンデを負うのは当然。精神力や小細工でそれを補う事や乗り越える事なら出来るだろう。 ポブルセン「殺してやる!」 ズガガガガッ! サンタマリア「ぐわああああああああ!!」 だが何処に怪我をしたら逆上のあまり普段より明らかに強くなる選手など居るだろうか? そこまでの怒りと恨みを燃やせる選手などサンタマリアも見た事がなかった。 故に本当にそんな選手が目の前に現れてしまった時、彼にそれを止められる筈がなかった。
[302]代理3/3:2013/11/22(金) 23:40:31.76 ID:PgrKKzIL 放送「あああああ〜っ!?更にポブルセンくん中央突破でマウリシオくんとサンタマリアくんを 暴走列車の如く撥ね飛ばしたァ!何故怪我を治療しない状態であんな事が出来るのか!? 彼は痛みを感じないのでしょうか?目の前の光景が信じられません!」 観客「な、なんだそりゃああああ!?」「血を見てキレたのか?それでパワーアップか?」 「バカ野郎、脚の怪我ってサッカーだと致命的なんだぞ!それでパワーアップ出来て堪るか!」 「でも明らかに勢いがさっきより強くなってるぞ!」「ヤバいぞ、守れーーーーっ!!」 ポブルセンがそんな特殊な選手だとは誰も知らなかった。 翼「な…なんなんだアレは若林くん!明らかに動きが悪くなるどころか良くなったよ!?」 若林「知らん!俺もこんな状態の奴は見た事がない!」 日向「…なんだあのキチガイは。どうなっていやがるんだ」 三杉「彼の狂気の為せる技か…?だとしても、こんな事が人間に可能だなんて…」 松山「ブラジルは完全にパニックに陥っているぞ!」 森崎「おいおい、まさか本当にこのまま一人でゴールしたりしねえだろうな…?」 観客と全日本ユースは勿論、味方のドイツユースの選手達でさえ知らなかった。 ただ彼らはポブルセンと日常的に接していた為、誰よりも早く“ポブルセンなら有り得る”と 割り切る事が出来、その割り切りが彼らに先手を打たせてくれた。 シュナイダー「(なんて事だ!まさか奴がこれ程まで狂っていたとは!如何にポブルセンでも 信じ難い…だが、目の前にあるのは現実だ。そう、俺達にとって有利な現実。 ならばその現実から逃げる理由も、この奇貨を逃す理由もない!フライハイト!)」 フライハイト「(ああ、またとないチャンスだ。アレを使う)」
[303]代理1/7:2013/11/23(土) 15:46:33.91 ID:sRJ/rZsa 放送「ポブルセンくんが上がる上がる!相変わらず彼はパスなどしそうにありません! しかし今は彼の中央突破が得体の知れない脅威となっているのです!早く止めないと危険だ!」 観客「わ〜〜〜っ、何やってやがる!」「早く止めろ!止めろってば!」「そいつに撃たせるなーっ!!」 ディウセウ「落ち着け皆ァ!ジェトーリオとドトールはサンタマリアの指示通りに守るんだ! アマラウ、もしもの時はオラ達で意地でも止めっぞ!」 アマラウ「分かってる!あんな奴に好き勝手にさせて堪るか!」 ドトール「行くぞジェトーリオ。パターンDで頼む」 ジェトーリオ「Dかよ〜。全くもう、僕に厄介ごと押し付けて…」 同点ゴールを狙おうとしていた矢先のハプニングにさしものブラジルユースの面々も 動揺を隠せなかったが、それでも状況を制御下に置こうと適切な対処はした。 まずはジェトーリオがカペロマンのマークを離れてドトールより一足先にポブルセンに近づく。 クイッ、クイッ。 ジェトーリオ「(ほら、ほら、掴んじゃうよ〜)」 ドトール「(よし、気がそらされている内に回り込めば…)」 ジェトーリオはつかず離れずの距離を取ってからこれ見よがしに手で何かを摘む仕草をしてみせた。 彼の得意とする審判に見えない様にユニフォームを引っ張りその鋤にボールを奪う 通称ダーティディフェンスを仕掛ける事を暗示しているのである。 そしてそれは実際には囮であり、ポブルセンがジェトーリオに気を取られた所に ドトールが横からスライディングタックルで奪うのが彼らの狙いだった。 だがポブルセンはそんな物に惑わされずに済む方法を思いついていた。
[304]2/7:2013/11/23(土) 15:47:05.06 ID:sRJ/rZsa ポブルセン「くたばれ!」 バゴオッ! ジェトーリオ「ぶぼぉおおおお!?」 ドサッ… ドトール「なっ!?」 放送「ジェトーリオくんがここでマークについ…あああっ!?こ、これはシュートだったのか、 それともマーガスくんへのフィードだったのでしょうか?ポブルセンくんが蹴り出したボールが ジェトーリオくんの顔面に直撃!ジェトーリオくん堪らず崩れ落ちてしまったァ!」 観客「なんだとォ!?」「絶対わざとだろ、アレ!」「ジェトーリオより外道な奴が居た!」 ポブルセンはジェトーリオの顔面目掛けてボールを蹴り、その衝撃で彼を倒してしまった。 凶悪ではあるがルール上はファウルにならない行為を食らってしまいジェトーリオは ユニフォームを掴むチャンスすら与えられずに突破され、ドトールは一対一の勝負を強いられる。 ドトール「くそっ!」 ズザザァアアアアーッ! ポブルセン「消えろ!」 ドガアアアッ! ドトール「がはああああああ!」 そしてドトールもポブルセンの突破を許してしまい、いよいよポブルセンがヴァイタルエリアに侵入した。
[305]代理3/7:2013/11/23(土) 15:47:35.55 ID:sRJ/rZsa 放送「ドトールくんもダメだぁあああ!!ポブルセンくん、まさかの5人抜き! まさかまさか本当にこのまま一人でゴールしてしまうのか!?そんな惨劇が起きていいのでしょうか!」 観客「ぎゃあああああああああ!!」「止めろ!止めてくれー!」「何やってるんだ皆!」 「もう頼りになるのはディウセウとゲルティスだけだ!」「2点目なんか入れさせるなーーーっ!!」 ルディ「(ラ、ラッキーな出来事と言えるのかコレは…?)」 ロベルト「(ぎえ〜〜〜!何でこんな事になっているんだ〜!?)」 グワアアアアアアッ!! ディウセウ「(来るっ!…ポブルセンはオラがなんとかする。ゲルティスおめえはシュナイダーを頼む!)」 ゲルティス「(シュナイダーがフォローに走りこんでいる事を確認。要警戒)」 そしていよいよポブルセンがシュートの為に足を振り上げた時、 ブラジルに残された守備陣はそれでもある程度の冷静さを保っていた。 ポブルセンを止めてももっと恐ろしいシュナイダーにねじこまれては何の意味もないのを 彼らはきちんと意識しており、シュナイダーがポブルセンをフォローする形で 走ってきているのを見逃さなかった。無論マーガスとカペロマンの位置確認も忘れていない。 ポブルセン「てめえら全員!死にやがれぇえええええええええええ!!!」 ブワッギュォオオオオオオオオオオオオオオッ!!! そして遂にポブルセンのマーダーショットが放たれた。 フレームドリブルと同様、何時もより一段上の威力が乗せられたマーダーショットだった。 放送「撃ったーーーーー!!ポブルセンくんのマーダーショット!」
[306]代理4/7:2013/11/23(土) 15:48:06.97 ID:sRJ/rZsa ボグォオオオオオオ!! ディウセウ「ぐぅ…ぁあああああ…!!」 約20分前に一本目のマーダーショットを見事トラップしたディウセウも今度は押し負けるかに見えた。 アマラウ「うぉーーーーっ!!」 バッ! ガシイイッ! ディウセウ「アマ、ラウ…すまねえ、なっ!」 ポーーーーン! ドタドタッ! アマラウ「ぐえっ!」 ディウセウ「ゲホッ…」 ポブルセン「ナ…ナニィイイッ!!」 それを救ったのがアマラウだった。彼はディウセウの背中に飛びつき支える事でかろうじて ディウセウにシュートを弾かせる事に成功した。無論その代償は安くなく、ディウセウの下敷きに なる形で倒されてしまうが息を切らしたポブルセンが追撃を加える事は出来なかった。 ダダダダッ! シュナイダー「(よし。ここからなら蹴り込める)」 ただし、追撃はシュナイダーが加える気満々だった。
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0ch BBS 2007-01-24