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アク規中代理カキコ依頼スレその3
[246]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 00:58:24 ID:vl96oUyI ゲルティスがあっさりサイドワインダーをキャッチした事で、当然またブラジルの攻撃が始まる。 ここでシュナイダーは決断を迫られた。 シュナイダー「(…戻るべきか、戻らぬべきか…)」 この試合彼はここまでカウンターに備え前線で張っていた。 基本的に彼は典型的なストライカータイプで、守備は前線では行うが自陣奥深くまで戻る事は殆どない。 こう表現すると人によっては守備貢献をしない我儘なFWと評するかも知れないが、 速攻に備える事で己の攻撃力で敵チームを威圧するのもFWの仕事の一つである。 FWが攻撃よりも守備を重視し自陣に戻れば当然チームの攻撃力は落ちるし 敵チームのDFが攻撃参加を得意とするタイプであれば積極的にそれを狙ってくるであろう。 だがそれらを承知した上でシュナイダーは今は自陣に戻り守備とボールキープに貢献すべきか真剣に悩んだ。 このまま攻撃され続ければ遠からず失点する確率はかなり高い。 少なくとも試合終了まで無失点のまま切り抜けられる事を期待するのは楽観的に過ぎるだろう。 ならば彼も自陣内でボール争いに関わり、試合の流れを変えるべきではないのか? ルディ「(くそっ…私の見通しが甘かったと言うのか?だが、これでは修正する箇所など…)」 同じタイミングで彼の父親であるルディ監督も悩んでいた。昨晩与えた指示が殆ど役に立っていないのはまだいい。 作戦にミスがあったのならそれを修正すれば試合の流れを変えられる可能性があるからだ。 だが相手は攻撃力も守備力も想定していた範囲を優に超えており、しかも何か奇抜な事をしている訳でもない。 両チームが自分たちの得意な戦い方で真正面からぶつかりあった結果ブラジルが優勢になっているだけなのだ。 つまりそもそもミスなどしていないのだから、都合よく流れを変えられる修正箇所などない。 正攻法の修正ではなく奇策ならば話は変わるが、勿論それは多大なリスクを伴う。
[247]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 00:59:40 ID:vl96oUyI ルディ「(ダメだ…!いっそ私が無能ならまだ良かった!それなら打てる手が何かしらあった筈なのに! 今のままでは選手達が耐え抜き、反撃の機会をみつけるまで待つしかない!…なんと無力な監督だ)」 結果、ルディ監督は動きたくても動けなかった。 最初からベストメンバーを出しているのだから流れを変えられるスーパーサブなど居ない。 またドイツユースにはユーテリティプレイヤーが少なく、特に大胆にポジションチェンジ出来るのは フライハイト位の物である。フォーメーションを弄って光明を見出すのも難しい。 ルディ「(いや…今、私が監督としてすべき事は選手達を…特に守備陣を信じる事だ。 ブラジルの攻撃は変幻自在の剣林弾雨。しかし問答無用で装甲を貫ける大砲は持っていない。 もし持っていたらとっくに使っていただろう。先制点が喉から手が出る程欲しいのは向こうも同じ。 故に…勝機はカウンターに有りだ!待っていればチャンスは必ず来る!その為には…)」 焦りに耐え抜いた熟慮の末、ルディ監督は動きたくても動けないのではなく、動きたくても動かない事を決めた。 藪蛇をつつく誘惑に耐え自分の作ったチームとそれを構成する選手達を信じる無策の策。 それこそがこの試合の勝利への道だと信じて彼は何も動かずじっと見守り続けた。 彼の息子であるシュナイダーが万が一誘惑に負けてしまった場合はすぐさま止めるつもりで。 ルディ「(お前だけは守備に下がってはいけないぞ、カール)」 カルロス「(相変わらずシュナイダーは前線に残っているのか?)」 サンタマリア「(ダメだな。ジェトーリオのサインは相変わらずだ)」 ブラジルユースもまた、シュナイダーの動きに注目していた。 それもサンタマリアが直接見るのではなくゲルティスからジェトーリオを経由したサインで。 彼らはシュナイダーに自分が観察されている事を視線で気付かれたくなかった。
[248]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 01:01:20 ID:vl96oUyI つまり、彼らはシュナイダーに守備に戻って欲しかったのである。 カルロス「(作戦は7割がた成功している。2トップ対策、攻撃権の独占、シュートラッシュ… 全て実現出来ているが、ミューラーが予想以上に固い事とシュナイダーが守勢に 回ってくれていないのが問題だ。奴を自陣に閉じ込めれば9割がた勝利が決まるんだが…)」 シュナイダー「(…戻らない。俺は戻ってはいけない!)」 ブラジルユースの目論見は外れた。わざわざサインを使い気付かれない様配慮したのは無駄になった。 シュナイダー「(ここで戻ってもジリ貧になってブラジルを喜ばせるだけだ。 俺が守備に戻ればキープ率は上がるだろう。だがそれは自陣内のキープ率であり 敵陣に攻め込める時間はむしろ減る。そしてそれはシュートチャンスの減少に繋がるんだ。 ブラジルも見た目程余裕がある訳じゃない。あれだけ撃ちまくっていてもミューラーを 崩せない事は必ず近い内に苛立ちと油断に繋がる!その一瞬のスキこそが反撃のチャンスだ!)」 シュナイダーは熟慮の末にあくまで前線で待ち続ける事を決断した。 この決断が前半と先制点の行方を左右する事になる。 放送「さあここでザガロくんがボールを持ちました!丁度いいシュートレンジです!」
[249]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 01:02:49 ID:vl96oUyI 上記3レスのコピペをお願いします。
[250]森崎名無しさん:2013/10/29(火) 01:13:57 ID:??? 行ってきます。
[251]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:38:22 ID:15HCzSnI 後半23分、またしてもドイツ守備陣を引っ掻き回して作ったチャンスで シュートを撃ったのはザガロだった。 グワァアアアアアアアッ!! ザガロ「そろそろ諦めやがれ!ぬぉおおおおおお〜っ!!」 バッグワァアアアアアアアアアアアアアアン!! ギュルギュルギュルギュル! 放送「ザガロくんのダブルイール!今度こそ決まるか?」 ミューラー「諦めるのは貴様らだ。その程度のシュート、何本撃とうと…」 バッ! バゴォオオオオオオオン! ミューラー「俺には通用せん!」 ザガロ「な、なにィ!この野郎…!」 それは適切なシュートレンジからブロッカーの穴を上手く突いた良いシュートだったが、 ミューラーは衰えぬキレを見せ、これも上手く弾いた。 フライハイト「(ミューラーは良く持ち堪えている…だがこれ以上それに依存する訳にはいかない。 ブラジルも試合開始直後からずっと優勢だった事で緩み始める…流れを変えるならこのタイミングだ)」 ダダダダッ! そしてフォローしたフライハイトがドリブルで上がり始めたのがドイツの反撃の始まりだった。
[252]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:39:33 ID:15HCzSnI 放送「しかしこれも防がれました!まだ得点は…あっと、これをフォローしたフライハイトくん ドリブルで上がり始めた!攻められっぱなしに堪らずオーバーラップで打開を図ったか?」 サンタマリア「(唯一のブロッカーであるフライハイトが上がってきたか…奪えばチャンスだ!)」 フライハイト「(…ドリブル勝負は危険だ。パスがベターだが、ベストな選択は…)」 この時フライハイトは自分がブラジル陣内まで攻め込むつもりはなかった。 パスで味方に託すか、それ以上の事が出来る様味方がフォローしてくれる事を期待していた。 カルツ「フライハイト!俺にやらせろ!」 フライハイト「…ナイスフォロー」 クルッ! ダダッ! サンタマリア「なっ…カルツが!?」 カルツ「(ブラジルユースめ…認めるぜ。お前らは上手い。嫉妬が堪え切れない位にな。 基本も技術も両方とも俺より上だ…だが上手いイコール強いイコール勝てるじゃないんだぜ)」 彼の期待にはカルツが答えた。小柄さを利用してフライハイトを遮蔽に使い、 サンタマリアの視線から隠れてフライハイトの後を追っていた。 それを察したフライハイトはボールを置き去りにしながら反転し、 カルツに攻撃を託して自分は守備に戻って行った。
[253]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:40:39 ID:15HCzSnI カルツ「(強い奴が勝つんじゃない、勝った奴が強いんだ!ってのはウチのキャプテンの座右の銘でな。 俺はその心がけで何もかも俺より上を行く天才に勝った事がある。今回もそうさせてもらうぜ!)」 サンタマリア「くっ、マウリシオ!フォローを…」 カルツ「遅いぜよ!」 ガガガガッ! ドゴオッ! サンタマリア「ぐはぁ!」 不意をつかれたサンタマリアはカルツを止める事が出来ず、自陣内への突入を許してしまった。 ブラジルユースの守りにほころびが出来た瞬間だった。 放送「いや、カルツくんだ!サンタマリアくん吹っ飛ばされた!ドイツ、業を煮やしたか強引な攻めだ!」 翼「カルツが上がってきた…!」 若林「開き直ったか…だが、さっきからカルツは守備であまり貢献出来ていなかった。 ならいっそ攻撃に転じた方が良いかも知れん。なによりカルツはノーマークには出来ない選手だ」 日向「…おい赤井。ブラジルのGKの一対一能力はどんなモンだ?」 赤井「えっ?えーと、ゲルティスは…そうですね、ヘルナンデスに一段劣る位ッスよ。 もしカルツに一対一に持ち込まれちゃったら割とあっさり失点するかも…」 ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 観客「おいおい、攻められているじゃないか!」「早く止めろよ!失点するんじゃない!」
[254]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:46:09 ID:15HCzSnI ジェトーリオ「もう、何やってるのさ!マウリシオ、マーク代わって!フリーにしなきゃいいから!」 マウリシオ「お、おう!」 ゲルティス「シュナイダーとマーガスのマークを外すな。カルツの突破にも備えろ。 カペロマンとポブルセンは撃たせてもいい、俺が止める」 ドトール・アマラウ・ディウセウ『おう!!』 シュナイダー「(対応はしているが、焦り出したな…完璧な守りなどない。 相手がリスクを覚悟すれば尚更の事だ…いける!)」 ここでブラジルは堪らずジェトーリオがカバーに入り、カルツを止めに行こうとした。 このままカルツにみすみす一対一の機会を与える訳にはいかないと言う判断による行動である。 だがカルツが狙っていたのは自力の得点ではなかった。 カルツ「(よし…いい感じに乱戦になってきたぜ。マーガスの位置を確認して…今だ!)」 ボコォン! ディウセウ「おっ、ロブか!アマラウ、オラと来てくれ!」 アマラウ「分かっていらァ!…えっ!?」 カルツ「おっと、ごめんよっと」 アマラウ「て、てめェ!」 ゲルティス「(…計算外!)」
[255]2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:47:17 ID:15HCzSnI カルツの狙い。それは自分のドリブルでブラジルの守備をかき回してからマーガスを使う事だった。 無論ただ単にマーガスに上げるだけではアマラウとディウセウの二人がかりにやられる確率が高い。 放送「カルツくんボールを横に浮かせた!これにマーガスくんが合わせに… あっと、クリアに行っているのはディウセウくんだけだ!?アマラウくんダッシュが遅れている〜っ!!」 ディウセウ「いっ!?オラだけかよ!」 マーガス「(すまんカルツ!これだけお膳立てされたんだからやってみせる!)」 よってカルツは狭いチャンスエリアに駆け込み、タイミングと位置関係を吟味してからボールを浮かせた。 彼自身の体が障害物となり、アマラウが一瞬だけダッシュが遅れてしまう様にして。 バッ! バッ! ディウセウ「やべっ!キャ!ノ…」 マーガス「無駄だッ!俺は世界一のポストプレイヤーだ!」 ガゴゴゴォオッ!! ドガアアッ! ディウセウ「んぐぁああああ〜っ!!?」 マーガス「後は頼むシュナイダー!」 全てはシュナイダーに絶好のチャンスでシュートを撃たせる為である。 放送「ディウセウくん吹っ飛ばされた!ドイツのポストプレイが…成功してしまったーーーっ!!」
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0ch BBS 2007-01-24