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アク規中代理カキコ依頼スレその3
[338]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:02:28 ID:Fd9n/2Hw ドイツメンバー「あ…」「そ、そんな…」 ブラジルメンバー「よ、よし…!」「やっと…!」 どんどん先細りしつつあったブラジルユースの命運を盛り返す起死回生の一撃が決まり、 スタジアムがほんの短い間だけ静寂に包まれる。 グッ! カルロス「見たか!これが世界を制する為に編み出した俺の切り札、ファントムシュートだ!!」 ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! それは天高く拳を突き上げたカルロスの雄叫びをキッカケに破られた。 放送「決まった!ゴール、ゴール、ゴォオオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜ルゥウウウ!!! 前半ロスタイム直前にカルロスくんの新必殺シュートが炸裂!その名はファントムシュート! ミラージュシュートを上回る恐るべき分裂ぶりでドイツの雷神を惑わしたのです! 0−2のまま終わってしまうかに見えた前半終了間際のこの一撃はブラジルの息を吹き返す 値千金の会心の一撃と言って良いでしょう!意地を見せましたカルロス・サンターナ!」 観客「よっしゃあ!」「ようやくかよ!」「信じていたぞ我らがカナリア軍団よ!」 「やっとミューラーがミスしやがったぜ!」「違う、カルロスがやってくれたんだ!」 「このまま後半さっさと逆転しろよ!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」 ロベルト「(ふーっ…ようやくやってくれたか。本来は後半まで出さない筈だったんだけどなあ)」 コインブラ「(やっと1点か…だがこれで勝てる訳じゃない。どうするつもりなんだ)」 ルディ「(うぬっ…まだ大きな切り札を隠し持っていたとは…この1点は仕方がないな)」
[339]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:03:44 ID:Fd9n/2Hw 松山「い、今のどうやって撃ったんだ?ツインシュートよりもブレていたぞ?」 三杉「ミラージュシュートの発展形だとは思うけど、詳しい原理は分からないな」 中山「DFの立場からすれば、速くて曲がって更にブレまくるなんて酷いシュートだぜ」 日向「フン、今更この程度のシュートにビビっている訳にはいかねえだろうが」 翼「だけど、無いと思われていた大砲があったのは大きい…流れは変わったよ」 森崎「このタイミングで得点していなけりゃブラジルは大変な事になっていたな…」 ブラジル人が圧倒的大多数を占める観客は当然狂喜乱舞したが、全日本ユースの面々は 比較的冷静にこの流れを眺めていた。カルロスが切り札を隠していたのは それ程の驚きは呼び起さず、むしろこの1点が試合の後半にどう影響するかに興味津々だった。 シュナイダー「(なるほど…これが奴らの心の支えだったのか。確かにとっておきの新技が 残っていると言う事実は劣勢時に闘志の下限を保ってくれる。そして奴らは見事にその新技を 決めてみせた。それも前半終了間際と言う良いタイミングでだ…流石はブラジルだ。だが…)」 失点したドイツユースの面々は流石に多少は動揺していたが、その中でシュナイダーは 一際冷静さを保っていた。ブラジルユースの選手達とすれ違いながら ドイツ陣内にゆっくり歩み戻るその姿にはいささかの怯えも見えなかった。 シュナイダー「(こちらも元からブラジル相手に無失点で勝てるなどと楽観はしていない。 俺達は1−0の勝利を至上とするイタリアじゃないんだ。打撃戦で相手に打ち勝つドイツだ。 それを皆に思い出させなくてはな)今のは止められただろう、ミューラー」 ミューラー「………フン!」
[340]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:07:22 ID:Fd9n/2Hw ドイツゴール前に辿り着いた彼がまず行ったのはミューラーへの挑発だった。 あまり仲が良いとは言えないこの二人は共に超がつく程強気な性格であり、負けん気も強い。 慰めの言葉よりも挑発の方がはるかに心地いい人種であり、お互いをそう理解しているのである。 シュナイダー「実に奇妙な増え方をするシュートだったが、威力や速度は俺のネオファイヤーの方が 明らかに上だ。そしてお前は日常的に俺のネオファイヤーを浴びている。二発目は止められるよな?」 ミューラー「誰に言っているんだ。分かりきった質問をするな」 シュナイダー「それなら良い。他の者も、あの程度で萎縮などしていないだろうな?」 カルツ「当然ぜよ。ブラジルならあれ位やってきてもおかしくないしな」 フライハイト「足への負担も大きい筈だ。カルロスはあれを連発できない」 シェスター「まだまだ俺達が1点リード中なんだ。気を取り直せばいいさ!」 カペロマン「向こうだってディウセウがヘバってきてるしな。いけるいける」 シュナイダー「よし。まずは前半を無事に終えて後半仕切り直しだ。いいな?」 ドイツメンバー『おう!!』 幸いミューラーは悔しさを糧にすぐ立ち直っており、顔の汗を盛大に飛ばす事で挑発に挑発で応えた。 他の者もそれに釣られて前向きなムードを作り直し、シュナイダーの気合に一斉に応答した。 シュナイダー「(これでいい。ここからが本当の勝負だ…だが…)」 しかしこの時シュナイダーは一つの不安を感じていた。彼らしい冷徹な表情の下で 正体不明の違和感を感じており、チームメイト達からそれを隠すのに苦労していた。 シュナイダー「(なんだ…?何かを見落としている気がする…この違和感は何だ…?)」
[341]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 12:25:58 ID:Fd9n/2Hw 上記3レスのコピペをお願いします。
[342]森崎名無しさん:2013/12/17(火) 13:14:08 ID:??? 行ってきます
[343]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:18:52 ID:KAjlsIBw ピッ、ピィイイイイイイイイイ!! その後前半は僅かなロスタイム以外は何事もなく終わった。 放送「前半終了です!カルロスくんのゴール以降、両チームとも目立った動きは見せず 約2分のロスタイムは盛り上がりなく終わりました。スコアは1−2、ドイツがリードしています。 ブラジルが序盤からキープ率、シュート数共に明確に上回りながら中々得点できず、 ドイツに上手くカウンターを決められてしまうと言う不気味な展開になっています。 果たして後半、ブラジルの逆転はなるか?緊迫感に溢れるハーフタイムに入ります」 観客「畜生、まだドイツが1点リードか…」「0−2のままよりはずっとマシだが、嫌な試合展開だぜ」 「ファントムシュートもそう何発も撃てないだろうし…マズいな」「後半も前半みたいに支配できるかな?」 「難しいな…ドイツが何も対策してこないハズはないし」「選手達の消耗も心配だ。トバしていたからな」 三杉「流石にブラジルの観客は目が肥えているね。参考になる議論を行っているよ」 松山「そうだな。まだまだリードしているドイツが優位なのを良く分かっている」 中山「ブラジルは積極的に攻撃できるのは良いが、それを前半の内に散々見せちゃったからなあ」 若林「ミューラーの奮闘とカウンターの成功による結果論だが、戦術をミスったかも知れん」 日向「後半序盤が鍵だな。どっちが勝っても手の内を曝け出してくれそうだがな」 翼「ブラジルの落ち着き様を見る限り何かまだ切り札を残しているんだろうか…?」 井出「(切り札…あのブラジルの10番は…未だに出てこないんだな…?)」 後半の展望はスコア通りドイツが有利。ブラジルは何時まで攻勢を続けられるか、そして後半こそ ミューラーの粘りを崩す事が出来るのか?出来たとして、これ以上カウンターの被害を抑えられるのか? 全日本ユースの選手達を含めた観客達は概ねその様なビジョンを共有していた。
[344]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:20:58 ID:KAjlsIBw 〜ドイツユースロッカールーム〜 ルディ「ポブルセン、ケガの具合は大丈夫か?」 ポブルセン「問題ありませんっつってんだろ…」 ルディ「よかろう。そこまで減らず口を叩けるのならまだまだ戦ってもらう (限界の見極めは誤ってはならんな…試合終了まで持つかどうかははっきり言って分からん)」 ドイツユースがハーフタイムに行ったのは2点目の殊勲者ポブルセンの負傷のチェックだった。 ポブルセンは確かに負傷している筈なのに動作にも精神にもまるで衰えを見せず、それどころか キレが増していると言う状態を未だに維持していた。その非常識な精神力が何時まで続くか 一抹の不安を抱きながらもルディは彼を使い続ける事にし、次の懸念事項に移る。 ルディ「クランケ、ヨハンセン。残念ながらお前達は試合から消えていたな」 クランケ「うっ…申し訳ありません」 ヨハンセン「す、すみません」 ルディ「ああいや、責めている訳ではない。ブラジルの攻撃パターンの多彩さが私の予想を上回っていただけだ。 ああまでバックパスやミドルシュートを駆使し、逆にサイドアタックをやる気がないとお前達のスタイル上 どうしても出来る事は少ないだろう。だが、修正出来る事は何もない。サイドを完全にフリーにすれば そこに進入し狙いすましたシュートを撃ってくるだろうからな…損な役割になるが後半も縁の下の力持ちに務めてくれ」 クランケ「はい…」 ヨハンセン「…分かりました」
[345]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:23:15 ID:KAjlsIBw ルディ「だが、流石に前半の様にシュートを撃たれまくるのは危険すぎる。なにせ前半だけで11本だ… 後半も11本撃たれたら勝てるものも勝てない。そこでだ、シュナイダー」 シュナイダー「はい」 ルディ「後半は前半よりも守備的にプレイしろ。前半の様にカウンターに専念する必要はない」 ドイツユースにとって後半の最重要課題はブラジルユースのシュート数を減らす事だった。 これを成し遂げる為の対抗策は当然、高いボール奪取力とキープ力を持つシュナイダーの守備参加である。 ルディ「無論隙あらばシュートを狙いに行け。だが後半重要なのはお前が最後までフィールドに立ち、 ブラジルから時間の余裕を奪う事だ。膠着状態になればなる程こちらが有利になるのだからな」 シュナイダー「はい(当たり前過ぎる程の選択だ。故に向こうが最も嫌がる)」 ルディ「他は特に何も変える必要はない。強いて言えばマイボール時は前進よりも支配を心がけて いけと言う位だな。特にメッツァとカルツが役割分担していけば、ブラジルを困らせる事が出来るだろう」 ドイツメンバー『はい』
[346]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:24:36 ID:KAjlsIBw ルディ「指示は以上だ。自信を持っていけ。真のサッカー王国はブラジルではなくドイツ。それを証明してこい!」 ドイツメンバー『はい!!』 シュナイダー「はい!!(だが…何だこの不快感は?まだ何かがある様な気がしてならない…)」 このハーフタイムでドイツユースが行った作戦会議の結果は一言で言うならば堅実にして王道。 リードを奪えたのだからそのアドバンテージを最大限活かしつつ、前半味わった脅威に対策する。 人によっては面白味がないと言うかも知れない程当然な戦い方であり、それ故に穴は無い筈だった。 シュナイダー「(ブラジルにまだ何か切り札や隠し玉があっても、それを過剰に恐れる必要はない筈だ。 だが…俺のサッカー選手としての何かが訴えている。優勢ではない、ピンチだと!一体これは何だ…?)」 それでもシュナイダーは得体の知れない不安を感じていた。いくら考えても分からない物は分からないと 割り切り、余計な不安を味方に与えない為にポーカーフェイスを貫く事は出来たがそれだけだった。 ミューラー「(ちっ…何だ?俺とした事が。カルロスに一点奪われた事でショックを受けた? 有り得ん。俺はかつて自信を打ち砕かれ、それを蘇らせた。今更一点位で動揺するバカじゃない…)」 この時ミューラーも人知れずシュナイダーと同様に訳の分からない不快感に苛まされていた。 彼もまたシュナイダー同様周囲に不必要な弱音を吐くタイプではなく、それを口にする事はなかった。 故に当事者のミューラーも含めてドイツの誰も気付かなかった。ミューラーが疲労している事に。
[347]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:26:17 ID:KAjlsIBw 〜ブラジルユースロッカールーム〜 ロベルト「1−2か…2点目は余計だったな…(監督らしい台詞その39、っと)」 ディウセウ「ワリィ、監督。むざむざやられちまった…」 ロベルト「…これ以上の失点が許されないのは当然として、最低でも後2点が必要だぞ。分かっているのか?」 ブラジルユースの方はと言うと、ロベルトの叱責から始まっていた。 攻撃回数で上回っているのにスコアでは下回っていると言うのは失態以外の何でもない。 ロベルトはこういう時は選手達に自主的に改善案を言わせる様仕向ける様にしていた。 コインブラ「……………」 ロベルト「(コインブラが出せればなあ〜…でも皆居ない者扱いしているし、コイツも出るって言わないし…)」 彼自身はコインブラ投入以外の手が思いつかず、その手が実行不可能に近い今内心困り果てていた。 ブラジルユースの恥部であるが、幸いにしてそれを知る者はロベルト本人以外は居ない。 カルロス「分かっています。後半必ず逆転してみます」 ロベルト「ほう。そう言い切る自信の根拠はなんだ?(これで後はサンタマリアとかが説明してくれるな)」 ロベルトは選手達の自主性を煽り自発的に作戦を”提案”や”主張”させる話術に長けていた。 ブレインタイプの選手が複数居るブラジルユースではこのやり方は特に上手く行っており、 普段はサンタマリア、トニーニョ、カルロスなどがロベルトの代わりに積極的に喋ってくれるのである。 ゲルティス「…ミューラーの消耗です」 ロベルト「なにィ!?」 コインブラ「……………?」
[348]2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:28:07 ID:KAjlsIBw しかし今回発言したのはゲルティスであった。予想外の人物から全く予期していなかった指摘が飛び出し、 ロベルトを驚愕させる。同時に誰も見ていなかったがコインブラも疑問符を顔に浮かべていた。 ゲルティス「俺は試合前からミューラーを分析していました。そこで目を惹いたのが ミューラーの極めて特殊な経歴です。アイツは公式戦はおろか、練習試合すらまともな数をこなしていない」 ロベルト「そ、それがどうしてミューラーの消耗に繋がるんだ?」 ゲルティス「言葉で説明するのは難しいですが…実戦と練習は違うとはあらゆるスポーツに関して言われます。 練習通りの動きが出来る様になる為に、そして練習時以上に冴え渡る為に実戦経験の蓄積が問われるのです」 ロベルト「それは分かるし、文句もないが…ミューラーはプレッシャーに苦しんでいる様にはとても見えんぞ?」 ゲルティス「ええ、それ自体は驚異的な事であり、賞賛に値します。ですがそのツケは確実に現れます。 ゴールキーパーは精神力を問われるポジション。そして経験は精神力を支える物。その支えがないミューラーは 精神力を浪費し、体力が尽きた時それを補う為の蓄えを失くしているのです。プレッシャーの耐え方が非効率的、 とでも言うべきでしょうか。本人はとても強気なタイプらしいので恐らく自分も味方も気付いていないでしょうが…」 ロベルト「んん〜…?何だか、シックリ来ないな…」 ゲルティスの主張は話し方その物は論理的だったものの、それが精神力と言う抽象的なテーマだった為 ロベルトはしきりに首をひねる事しか出来なかった。そこでカルロスが無理もないと苦笑し話をまとめにかかる。 カルロス「俺達もゲルティスが最初に言い出した時は半信半疑でした。これはキーパーでない限り 分からない事なのかも知れません。ですがゲルティスの主張を裏付ける物があります。 前半終了間際、ミューラーの動きが僅かながら鈍っていた事です」 ロベルト「(え、そうだったのか?ヤバい、全然分からなかった…)」 サンタマリア「いずれにせよ、後半も積極的に攻めると言う点で俺達のやる事に何も変わりはありません。 ただ当初の予定よりもミューラーの消耗に期待できると言うだけです。お任せください、監督」
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0ch BBS 2007-01-24