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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】
[790]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:25:05 ID:??? ★2回目のチャンス→ スペード2 ★ ハート・スペード・クラブ→パスを出す前に、咲夜が猛然とタックルに向かう! 咲夜「(相手――射命丸は恐らく、私のタックルを極力避けたいと思っている筈。 それよりも、まだまだ余力有り余るFW陣へのアシストに回りたいと。 ……ならば、それを徹底的に邪魔するのが、私の務めですわね)」 ダッ! ――ズザアアアアアッ! 実況「おっと! ここで咲夜選手、前がかりに飛び出した! ここはブロックやパスカットよりも、先に射命丸選手を抑えようとしたのでしょうか!」 射命丸「ちいっ、流石に読まれていますか。 ――ですが、それはそれで好都合! 幻想郷最速のドリブルで、貴女なぞちょちょいのちょいで……!」 射命丸の思考を先読みし、予めPA内やや高めの位置についていた咲夜は、 彼女が左サイドに切り込もうとするのを見計らい、猛然とプレスを掛けに向かっていた。 射命丸は、その強靭な足腰から放たれるタックルの鋭さに一瞬だけ目を瞠り、 射命丸「…抜きさって差し上げましょう!」 ダッ! ビュウウウウウウウウウウウン!! ――風のような速度の高速ドリブルで、咲夜の進行方向とは逆へとターン。 そのまま悠然と抜き去ろうとするも――――。 咲夜「……貴女がどんなドリブルをしようが、関係ないわ」 クルッ! スッ―――ズッ、ザアアアアアアアアアアアアアアッ!! 咲夜は全く慌てる様子もなく、紅魔館の広い空間(咲夜自身の能力が原因だが)で、 鍛えられた下半身の力を存分に使い、左脚を軸にして大きく月時計のように回転。 そしてそこから、さっきとは全くの反対方向――即ち、射命丸の進行方向へと、二度目の強烈なタックルを放つ。
[791]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:26:06 ID:??? 射命丸「さて、ここは一体誰に……」 咲夜の強烈なプレッシャーを一旦はくぐり抜けた射命丸はその時、 安堵からアシスト先の選定に思考を奪われてしまっており――。 咲夜「あら、ボールなら私に寄越して頂戴な」 ズザアアアアアアアアアッ! 射命丸「(に、二度めのタックル!? それも、相当無理な方向から!? これじゃ、この位置でも―――!)く、くぅううううっ!?」 タッ! ビュウン! 咲夜の気配に気づいて再び高速ドリブルを始めようとした時には、 既に咲夜は射命丸のすぐ近くにまで到達しており、回避するスペースを完全に奪われていた。 射命丸「は――はたて! すみませんが頼みます!」 バシュッ! はたて「え、ええっ、ちょっと、文!?」 咲夜「(……詰めが甘かったわね。 私の悪い癖だわ)」 それでも咄嗟の判断で、何とか後方のはたてにバックパスを送る事には成功した射命丸。 本来ならば咲夜に奪われていた筈の局面から、瞬時に次善の判断が出来たのは 射命丸の判断能力・身体能力の高さと評価しても差し支えはないだろう。 だがしかし、スカーレットムーンズ側もそれで攻撃の手を緩める事は無く――。
[792]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:27:17 ID:??? メイドA「ぼ、ボールを!」 メイドB「よこして!」 メイドC「くださーい!」 咲夜の後ろに控えていた、妖精メイドのDF3名が素早くはたてに対してプレスを掛けに来る。 タックルが比較的得意な者が多い紅魔スカーレットムーンズのDF陣にとっては、 撃たせる前に取る方が安全だという判断に基づいていた。 はたて「(こ、ここはドリブル突破も良いけど、弾いてからのねじ込みを期待して―――!) 寄越す前に―――決めちゃうんだからッ!」 グワアアッ! バシュウウン! そして、前線に攻撃陣を多く置いている妖怪の山のFCのトップ下・はたては 彼女達のねじ込みに期待して、短い振り足から素晴らしい速度を誇るシュート「ラピッドショット」を放つ。 その速度とシュート精度は、反町や椛のミドルシュートと比較するとかなり見劣りするものであったが、 それでも弱小〜中堅選手クラスの選手相手には中々の威力であり。 美鈴「な、舐めないでくださいっ!? この位は私でも――って、早いっ!?」 ブウン! チイィッッ! セービングにおいては(これでも努力はしていたのだが)3流に近い実力しか持たぬ美鈴は、 そのシュートを完全にパンチングする事に失敗してしまい―――。
[793]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:28:43 ID:??? 実況「あ…ああっ! はたて選手の放つミドルシュートを――美鈴選手は弾き切る事が出来なかった! こうなると、事態は非常に深刻であります! 反町選手、右サイド側に跳ねたその低弾道のこぼれ球に動きを合わせ…!」 反町「――このチャンスで、決めなくて……どうするッ!」 グワアッ! バシュウウウウウウウン!! 美鈴「い、いけない! セーブに向かわないと……!?」 反町が、至近距離からボレーシュートを放つ。 一旦バランスを崩してしまい、その上飛び出しにも行けないタイミングで放たれたそのシュートに、 美鈴は……触れる事すら出来なかった。 ――――――ズバアアッ! ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 紅魔スカーレットムーンズ 1 − 1 妖怪の山FC
[794]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:30:19 ID:??? 実況「き、決まった〜〜〜! ゴ〜〜〜〜〜ル!! 妖怪の山FC! 前半15分にして 待望の同点弾です! 雛選手を起点とし、射命丸選手が駆けあがった上で、 はたて選手がフォローしシュ−ト! そしてそれを反町選手が正確にねじ込むという、 まさに高度なチームプレーを魅せました〜! レミリア選手とフラン選手の圧倒的個人技により挙げられた1点目とは全く正反対のこの展開! 果たしてどちらが勝つか、いよいよ分からなくなってまいりました〜〜〜〜!!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」「何だ、意外と良い勝負するじゃん」 「いや、お嬢様の様子が怖いよ……」「というか美鈴さんの命が心配だ……」 レミリア「………ふう」 咲夜「…………」 美鈴「あ……あわわわわ……ごご、ごめんなさい、咲夜さん、お嬢様……」 ――早速、点を決められてしまった。 その事実に罪悪感と処罰への恐怖を浮かばせた美鈴は、逃げ場を失った子羊の如くに プルプルと痙攣し、消沈した表情で自軍へと歩み戻るレミリアと、 氷のような無表情を貫く咲夜へ向かい、全力で許しを乞う。 レミリア「―――この程度の失点自体は、試合開始前から予測出来ていた事。 それよりも貴女は、次の失点を如何に防ぐか。 これのみを念頭に考えなさい」 レミリアは、美鈴の謝罪に対して極めて冷淡に応じる。 そもそもとして、紅魔スカーレットムーンズというチームは 個人個人の実力の高さに反して、チームとしての総合力はそう高くない。 FW・MF・DFの各箇所に当て嵌められるだけのタレントは揃ってはいるが、 今回の失点のように、その隙を狙われた上で猛攻を掛けられると非常に脆い。
[795]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:32:43 ID:??? そんなチームの弱点を良く理解していた以上、 レミリアは美鈴の失態を想定の範囲内と捉え、あまり気にしてはいなかった。 ただし当然、敗北を甘んじて受け入れる程、レミリア・スカーレットはか弱くない。 レミリア「(見事なプレーだった、妖怪の山FCよ……。 だが――次は無いぞ)」 彼女は心の中で小さくそう宣言して、再びキックオフへと備えるのだった。 咲夜「(――今の失点は、私の原因ね。 あの天狗に、僅かながらも逃げ道を残してしまっていた)」 一方で、咲夜は冷静さを装いながらも、内心では自分の失策を恥じていた。 自分が最も得意とするタックルで、ギリギリであるとはいえ射命丸にバックパスの猶予を与えてしまった事に。 咲夜「(……だけど。 時を止める事は出来ても、時を戻す事はできない。 ここは――) 覆水盆に返らず。 次のプレーで挽回しましょう」 だがしかし、瀟洒な従者である彼女には後悔をする暇は与えられていない。 彼女は、自分自身にも言い聞かせるように美鈴に短く告げる。 美鈴「(咲夜さん、そしてお嬢様も……皆、打ち震えている。 私だけじゃない) ――は、はいっ! 紅美鈴! 次こそは全力を尽くしますッ!!」 そんな二人の様子の真意を汲み取った美鈴は―――改めて、自分に与えられた責務を 遂行する、しなくてはならないのだと決意を固めるのだった。
[796]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:33:54 ID:??? そして一方妖怪の山FCは、自分達の一連の攻撃が完全に嵌った事による 華麗な同点劇に盛り上がり、その士気を少なからず高めていた。 穣子「一樹く〜ん! ナイスシュートだよ〜!」 静葉「フフ…流石ね。 これでこそ、頼りがいがあるというものだわ」 反町「よ、良してくださいよ静葉さん、穣子……。 今のはただのごっちゃんゴールですから」 椛「でも今は、巧く私達の連携が続きましたよね! やっぱり、ウチのチーム力は強豪相手にも通用しますよ文様!」 射命丸「……だと良いのだけどね。 相手はまだ切り札を温存しているでしょうし、油断は禁物ですよ皆さん」 ――とはいえ、彼女達は自分達の状況は依然危ういという事実を良く理解しており、 キャプテンの射命丸を筆頭に、浮かれ過ぎを自重する雰囲気がチーム内で上手く熟達している。 はたて「(なんだか、皆良い雰囲気! このまま私達のサッカーだって、捨てたもんじゃないってことを見せつけるのよ!)」 永らく幻想郷を支配してきた、圧倒的な個人によるサッカー。 自分達中堅チームがそれに打ち勝つ事こそが、幻想郷サッカーの新たな時代の幕開けとなる――。 はたては一人そう夢想し、引き籠っていた時には決して見せる事の無かった満面の笑みでキックオフへと向かう。 試合の流れは、必ずしも紅魔スカーレットムーンズのみが支配出来るものでは無くなっていた。
[797]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 01:35:05 ID:??? …と、言った所で今日の更新はここまでです。 皆さま、本日もお疲れさまでした。
[798]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:51:38 ID:??? こんにちは、今日も更新していきますが…。 >>763のフォーメーションに一部誤りがありました。 正しくは、 −−@−− @にとり C−B−A B穣子 A河童 −−−−− −−D−− D静葉 G−−−E G雛 −−I−− Iはたて F−−−− F射命丸 −−H−J H椛 J反町 妖怪の山FC:3−4−3 紅魔スカーレットムーンズ:4−4−2 −J−−− Jフラン −−−H− Hレミリア −−−−− GI−FE I小悪魔 −−−−− −−D−− D咲夜 −ACB− −−@−− @美鈴 になります。レミリアとフランの場所が逆になっておりました。失礼いたしました。
[799]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/17(日) 11:52:38 ID:??? ピイイイイイイイイイイイッ!! 実況「さあ、そして試合再開のホイッスル! 紅魔スカーレットムーンズのキックオフです! レミリア選手がここでボールを持ちますが―――」 はたて「皆! 紅魔スカーレットムーンズはFWの二人を封じてしまえば怖くない! だから前線の二人を徹底マークよ!」 反町「了解!(これだよ……。 これが俺が求めていたサッカーなんだ……! 圧倒的な個の力を、和を大事にした全員プレーで覆すっていうサッカー。 ああ、身体が軽い。 もう何も怖くない―――!)」 椛「了解です、はたて様!(反町さん、生き生きとしてるなぁ…)」 実況「レミリア選手やフラン選手のドリブル突破を警戒し、 妖怪の山FCは人数を掛けたマークを実施! 再びチーム力で、紅帝を封じようとしている〜!」 紅魔スカーレットムーンズは幻想郷きっての名門チームであるが。 その内情は、かつての永遠亭ルナティックス程ではないにしても…… 一部のトッププレイヤーに頼った、バランスの悪さがやはり目立つ。 その逆にトッププレイヤーは居らずとも、そこそこの能力を持った選手が多数所属する 妖怪の山FCとしては、人数を掛けたプレーでの戦況打破こそが勝利の鍵となっていた。 レミリア「(けれど、私とて自らの力を過信し崩れる程愚かでは無い。 むしろ、相手が私達をそう過小評価してくれているのは好機と捉える)」 だがしかし、レミリアはそれを受けてなお、自分の力を誇示しようとはしなかった。 暫くの牽制の後、大量のマークが付き、前線で苛立っていたフランを尻目に―――。 レミリア「(なら……私達のチーム力も、見て頂こうかしら)――メイドE、そのまま駆けあがりなさい!」
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0ch BBS 2007-01-24