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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】
[112]森末(仮):2014/03/07(金) 01:46:04 ID:??? 森末「それに関しては……少なくとも、記憶の件に関しては、一応僕としても考えがある」 板野「!! な、何それ!? どうすればいいの!?」 森末「ゲームクリアだ。 このゲームを終わらせる」 板野「えっ……」 この板野の疑問に出した森末の答え。 それはこの世界にやってくる際、板野に提示した条件――。 『ゲームクリアするまで、家には帰れない』としたものと全く同じものだった。 一体今更、何故念押しをするような事を言うのか――問題は家に帰った時に、記憶があるか否かだというのに。 思わずそう問い返す板野であったが、森末は首を振って板野の疑問に答えていく。 森末「ゲームクリアをすれば、その時点で、この世界もまた終わるんだ。 物語は続かない、めでたしめでたしで幕を閉じる。 ……その時点で、キャラクターは解放をされる筈だ」 板野「つまり……キャラクターじゃ、なくなる。 記憶が戻ってくる、って事?」 森末「その通りだ……けど、話はそう単純には終わらない。 ただのキャラクターのままなら、『ログ』として永遠に君は残ってしまう。 続かない物語の中で。 だから、君は『プレイヤー』に戻らないといけない」 板野「…………」 森末「主人公に戻るんだ、板野。 もう一度……この世界の中心になるんだ」 そう、あくまでもただのキャラクターとして物語を終えてしまったら、板野はこの世界の住人として認められてしまう。 故に板野は、もう一度森末が設定をした最初の予定通り――プレイヤーに戻らなくてはならなかった。 この物語の中心に、主人公として。 森末「はっきり言おう、今の時点で君はかなり出遅れている。 全国中学サッカー大会はベスト4止まり……主人公としては、かなり微妙な成績だ」 板野「うぅ……」 森末「ここから、盛り返すしかない。 ジュニアユース、海外留学、ワールドユース。 全てで活躍をして、全てでメインとなって、君は主人公になるんだ。 そうすれば物語を終えた時、きっと記憶は戻ってくる。 ……元の世界に戻れるんだよ。 最高の形で」
[113]森末(仮):2014/03/07(金) 01:47:07 ID:??? 板野「本当に……活躍をすれば、主人公に戻れるの?」 森末「その筈だ。 今の君は、世界に認められすぎて一旦キャラクターへと変化をし、 ベスト4という半端な結果を出したせいで主人公とあまり認められていないんだと思う。 だから念話だって使えなくなった。 リセットも使えなくなった」 板野「うぐぅっ……半端とか言わないでよ。 俺も頑張ったんだ! 皆、ふらのの皆、頑張ったんだよ!」 森末「……ごめんよ。 ただ、もっと成果を上げなきゃいけないんだ」 板野としては少し心に突き刺さる言葉も多分にあったが、 それでも森末は心を鬼にして板野を発奮させる為にあえて厳しい言葉を選んだ。 とにもかくにも、板野はこれから今まで以上に活躍し、目立ち、主人公とならなければならない。 そうでなければ、元いた世界にも帰れないのだから。 板野「……とにかく、わかった。 要するに……もっともっと、活躍をして。 もっともっと、サッカー上手くなって……そうすればいいんだね?」 森末「飲み込みが早いね」 板野「少し……ううん、凄くショックだった。 お母さんとお父さんの名前も、顔も思い出せない。 住んでいた場所も、通っていた学校も、友達の名前だって思い出せない。 怖かった……でも……やる事は、今までと同じだよ。 このゲームを、ううん、今は俺は『操作者』―プレイヤー―じゃないんだっけ。 ……この日本で、誰よりも優れた『選手』―プレイヤー―になる。 それを目指す、そういう事だろう?」 森末「そうだ。 その通りだ」 板野「大丈夫……確かにお母さんもお父さんもいないけど、この世界には松山達がいてくれるんだ。 心細くない……森末だって、いてくれるしね」 それは少しだけ強がりも含まれていたが、板野の本心でもあった。 記憶を失くした事は確かなショックである。 だが、それが取り戻せる可能性があり――そして、仲間がいてくれるのなら。 記憶を失った恐怖も、幾分かは和らぐ。
[114]森末(仮):2014/03/07(金) 01:48:11 ID:??? 板野「……ところで、俺が主人公じゃないんだったら、誰が主人公なの? それにプレイヤーは?」 森末「主人公は正直な所、松山とか怖すぎるんだけど……。 松山が主人公ならリセットが発動してもおかしくなかったし、若島津? でもこの後すぐ若林が出てくるからなぁ……」 板野「……要するに、わからないって事?」 森末「もしくは、浮き上がってしまってるか……誰が主人公かわからず、宙ぶらりんな形だね。 プレイヤーについても……わからない。 誰が判定して、誰が選択してるのやら……」 絶望の後に希望アリ。 なんとか希望を見いだせた板野は、ふと思いついた疑問を森末に投げかけるが、この答えはあまり芳しくなかった。 森末としても、やはりこの事態は想定の範囲外。 誰が主人公となったのか、誰がプレイヤーとなったのか……それはまるで見当がついていない。 森末「ともかく、気を付けるんだよ。 ぶっちゃけ外伝なんて誰が主人公になってもおかしくないんだ。 下手したら高杉あたりがなっちゃう可能性だって……」 板野「いや、それは流石に無いと思うけど……ん?」 こうしていつものように、少しばかり和やかなムードになってきた所で、 不意に板野は前方の茂みで誰かが動くのを察知した。 森末もすぐにそれに気づいたのか慌てて誰にも見つからないようにと板野の後ろに隠れ、 板野は息を呑んでその人物の正体を見極めようとし――そして、ついに茂みから大きな物音を立てて人影が姿を現した。 板野「お、お前は――!!」 日向「…………………」 板野「ひゅ、日向ぁ!?」 森末「(……訳がわからないよ)」
[115]森末(仮):2014/03/07(金) 01:49:25 ID:??? そう、姿を現したその人物――それは板野達が、よく知る人物であった。 猛虎――日向小次郎。 原作では大空翼の最大のライバルとして立ちふさがり、全日本を代表するFWとして活躍。 翼に次ぐNo.2という地位を収め、ファンからの人気も高い男。 そして本編ではやはり翼や森崎のライバルとしてキャプテン候補として対立。 原作のワイルドさを更にゆがめたかのような性格の悪さと粗野さ、付け加えて悪知恵の働く頭脳を持ち。 全日本のキャプテン候補の中では選手たちの中で森崎と共に好き嫌いが激しく別れる男となっている。 そんな彼は、本来、この世界には存在をしない。 この世界にやってくる際、板野が難易度『むずかしい』を選択した為に森崎、翼、日向の存在は抹消され、 板野は彼らがいない全日本でこの先を戦っていくと提示されたのだ。 当然ながら板野はそのことを覚えていたし、森末に至ってはその設定を自らが行っているのである。 故に、日向はここにはいてはいけない筈――なのだが、実際にいる。 驚いた板野と森末はしばらく声を発する事も出来ないまま、そのまま日向と対峙をしていたのだが――。 いち早く我に返った板野は、改めて日向の姿を見回すと何かがおかしい事に気づく。 板野「(な、なんだこの格好? まるっきり浮浪者みたいじゃないか……)」 そう、日向の今の姿は正しく浮浪者のようなものであった。 元から浅黒かった肌は垢に塗れ、髪は油で嫌なツヤが出ている。 着ている衣服もところどころ破け、或いはほつれており……。 本編のような成金どころか、原作の貧乏状態でもここまで酷くはないだろうという有様であり。 そして、次に板野が気づいたのは日向が先ほどから何も喋らず、虚ろに宙に視線を彷徨わせている事である。 まるで無気力――いや、魂そのものが抜けてしまっているかのようなその姿に、板野は当然ながら戸惑う。 彼のよく知る日向は、誰よりも血気に逸り闘志に溢れる男なのだから。 板野「(一体なんなんだこの状況? ど、どうするんだ!? さっきから色んな事があって正直混乱し通しだけど……こ、ここは……)」
[116]森末(仮):2014/03/07(金) 01:50:37 ID:??? A.「くらえ! マグナムパンチ!!」 主人公らしく敵役っぽい日向を殴る B.「くらえ! マグナムキック!!」 主人公らしく敵役っぽい日向を蹴る C.「よくわからないけど、近くにいたらよくなさそうだ!」 森末を連れて逃げる D.「森末、様子が変だよ。 まるで日向の抜け殻みたいだ」 このまま森末と共に観察を続ける E.「森末、後は任せた!」 気になるけど怖いので後は森末に任せる 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 ※「覚醒pt」の名称が「主人公pt」に変更されました。 本日はここで区切らせていただきます。それでは。
[117]森崎名無しさん:2014/03/07(金) 01:52:59 ID:uS2E5+IY D
[118]森崎名無しさん:2014/03/07(金) 01:55:58 ID:ezM71Nok D
[119]森崎名無しさん:2014/03/07(金) 18:37:52 ID:??? 何者かの介入、謎の日向、世界がいつの間にかホラーに変わった板野君の心境やいかに
[120]森崎名無しさん:2014/03/07(金) 19:38:24 ID:??? キャプテン小池に主人公取られてしまったか
[121]森崎名無しさん:2014/03/07(金) 20:41:15 ID:??? おのれディケ 森末、この世界も破壊されてしまった!
[122]森末(仮):2014/03/07(金) 23:59:25 ID:??? >D.「森末、様子が変だよ。 まるで日向の抜け殻みたいだ」 このまま森末と共に観察を続ける ======================================================================================== 主人公らしく敵役(っぽいの)を倒そうかと一瞬悩んだ板野であったが、 やはり様子がおかしい日向に対し危害を即座に加えるのは良心の呵責に耐えられない。 何よりもあからさまに無防備な板野に対し、今も日向は何もしてこないばかりか、 相変わらず心ここに非ずといった様子で茫然とその場に立ち尽くしているのみだ。 森末「た、確かに……なんかこう、気が抜けちゃってる感じはするね」 板野「……おーい、日向ー。 聞こえるー?」 おっかなびっくりといった様子で近づき、日向の目の前で手を振ってみるがやはり反応はない。 一体これはどういう事なのだろうかと板野と森末は首を捻って考えるも、 そもそも森末としてはこの場に日向がいる事自体が異常事態。 その日向が存在し、茫然としている理由などわかる筈がないのだ。 ただ、どうして日向がこの場にいるのか――それだけは、ある程度推察が出来る。 森末「やっぱり……誰か他の者が、この世界に関与をしているのかもしれない」 板野「他の者? え、だって管理者は森末なんでしょ? 関与なんて出来ないじゃないか」 森末「その筈なんだけどね……僕以上の権限を持つ者なんて、この世界には存在しない筈だから。 でも、実際に他の者の影響と見受けられる事象は他に存在してるんだ」 板野「……うーん」 森末「(何より、日向がこんな風になってる理由がわからない。 存在するとしても、いつものような……というと変かもしれないけど、少なくともこんな魂の抜け殻みたいな形になる筈はない。 一体どういう事なんだろう?)」 板野「それで、どうするのこの日向? ……本当に、何もしないんだけど」 森末「……ここで、この場面で彼が出るという事は……誰かが僕たちと日向を会合させようとしたという事だ。 それにはきっと、意味がある。 ……罠だとしても」 板野「でも、何も言わないんならどうしようもないよ?」 森末「ああ、だから……日向は、僕たちが一旦保護する事としよう」
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0ch BBS 2007-01-24