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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】
[151]森末(仮):2014/03/08(土) 22:33:24 ID:??? 北詰「(よし、それでいい。 まずは相手の戦意を削ぐんだ。 沢田と反町の連携ならば並の中学生ならばまず取れん。 辛うじて井沢が触れられるかどうかという程度だろうが……)」 来生「うげ〜っ、ちょろちょろすんなよ〜!!」 長野「(だ、駄目だ……まるでボールが見えない……)」 山森「(なんてパスの鋭さだ……コースを制限する事も出来やしない!)」 井沢「く、くそぉっ!」 しかし、この沢田と反町の『東邦コンビ』を止められる者は南葛の中盤には誰もいなかった。 確かにボールを奪われては一気に攻め立てられ、東邦は一気にピンチを招いてしまうだろう。 だが、そもそもとしてその止められる――という事自体がありえない。 昨日のふらの戦でも猛威を振るった彼らの連携が南葛の中盤を切り裂けるだけのものである事は予め想像がついており、 だからこそ沢田達は思い切ってこの速攻をする事が出来たのだ。 実況「あ〜っ! 駄目だ、南葛止められない! 東邦の速攻を前に、中盤は崩壊寸前です! そのまま沢田くんと反町くんは一気にゴール前へ! これはいきなり先取点が生まれるか〜!?」 反町「よし、このまま一気に行くぞ!」 沢田「はい! 反町さん、これで決めてください!」 そして、南葛はなすすべもなくこのまま東邦に先取点を決められてしまう――かのように見えた。 シュタタタタタッ バシィッ!! 中里「(中の里が奥義――縮地法!!)」 反町「なっ、なにィ!?」 沢田「えぇっ!?」 彼らは知らなかった。南葛の最終ラインには、今まで実力を隠していた選手が文字通り隠れていた事を。 錘を外し、持ち前のスピードを最大限に生かせるようになった忍者の末裔――中里正人。 彼の持つパスカット能力の前には、沢田達の東邦コンビも決して分のいい勝負であるとは言えないという事を。
[152]森末(仮):2014/03/08(土) 22:34:25 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアッ!? 実況「いや、止めた! 止めました!! なんとここに来て、伏兵の中里くんが沢田くんたちのワンツーをカット! 正に値千金のファインプレーです!」 松山「! 凄い……今の、どこから来たんだ? さっきまでサイドにいた筈なのに」 三杉「(……まぐれ、には見えなかったな。 だが今まで彼の動きは決して目立たないものの筈だったというのに、どうして?)」 板野「(井沢、動きは悪くなかったけど……やっぱ地味だなぁ)」←井沢に注視してる 片桐「ほう……中里、ですか」 見上「(動きだしが既に中学生離れ……いや、高校生でもあれだけ素早いスタートを切れる選手はいないだろう。 ヤマ勘で動いた……? にしては綺麗にカットをし過ぎている。 ……まだワンプレイだけでは判断は出来ないな)」 この中里の動きを見て驚いたのは観戦をしていたサッカー通の者達である。 ここまでの試合では殆ど活躍を見せず、精々がボールのフォローとスペースを埋める役割くらいしかしてこなかった中里。 それがまさか、守備には定評のある井沢ですらカット出来なかった沢田達のパスワークを止めてみせたのだから、驚いても仕方ないだろう。 一方で当の中里と言えば、自身に注目が集まっている事に少しの居心地の悪さを感じていたのだが……。 中里「(否……優勝の為にも拙者は全力を尽くすと誓った! この試合だけは負けられぬ!!)岩見!」 岩見「おう!」 すぐに気を取り直すと、前方の岩見に向けてパス。 岩見はそれを滝へと繋げると、ボールをもった滝は一気にサイドを駆け上がり得意のサイドアタックを見せる。 実況「さァ〜、攻守逆転! ボールは岩見くんから滝くんへと渡りました! 滝くん、ぐんぐんと速度を上げて右サイドを駆け上がる! 東邦、慌ててプレスをかけに行きますが……」 滝「あらよっと」 島野「は、速い……」 小池「ふっ、この東邦学園キャプテン小池秀人様はそう簡単に抜かれはせんぞ! ってあらぁ!?」 滝「(喋ってる暇ありゃさっさと詰めればいいもんを……)」
[153]森末(仮):2014/03/08(土) 22:35:30 ID:??? そしてこの滝の突破は誰にも止められなかった。 サイドアタックだけの一芸で小学生時代からそのスタイルを追求してきた滝。 そのドリブルスピードとクロスの精度は一級品であり、それらは王者・南葛の攻撃の起点なのである。 むざむざと安易にボールを奪われるような事はなく、一気にサイドを突破した滝はそのままセンタリング。 これにはゴール前に陣取っていた長野が合わせ、来生にボールを落とそうとするのだが……。 長野「よし、貰った……えっ!」 若島津「何が貰っただ、ザコが!!」 バッキャアアアアアアアアアアアアアンッ!! 長野「ぐわああああああああああっ!?」 滝「なっ、長野ー!?」 井沢「(……流石に若島津を相手に空中戦は分が悪かったか)」 しかし、長野がボールを落とすよりも早くこのボールは若島津がクリアー。 空手の浴びせ蹴りを使ったそのクリアーの余波で、ボール越しに長野は大きく吹き飛ばされ絶叫。 クロスを上げた滝は長野の安否を気遣い悲鳴を上げ、井沢は改めて若島津が守るゴールの堅さを思い知る。 実況「駄目だー! やはり若島津くんが守るゴールはそうそう簡単に奪えない! これまでポストプレイでアシストを遂げてきた長野くんですが、容易く吹き飛ばされてしまいました! 南葛、攻撃失敗です!」 見上「板野を始めとして、私が想定しているFWは軒並み上背が低い。 アクセントをつける意味でも、長野はある程度構想にはあったのだが……」 片桐「国内ならともかく……世界レベルでは、やはり厳しいでしょうか」 見上「若島津の競り合い強さが尋常でない、というのはあるがな。 ただあの程度の高さならば……立花兄弟でも出せる」 片桐「(わざわざ他に特徴のない長野を入れる事はないという事か)」
[154]森末(仮):2014/03/08(土) 22:36:52 ID:??? こうして悪い大人たちが選手たちの評価をしている中、 お互いに一度ずつ攻撃に失敗をした両チームは……しばらく互いに拮抗をした勝負をする事となる。 何度かゴール前まで行き、シュートチャンスを作る自体は可能だったのだが……。 反町「いけェッ!」 中里「(ニンニン!)」 石崎「点をやってたまるかってんだ!」 高杉「南葛DFを舐めるなよ!」 南葛の守備陣――GKの剛田、そして小田という弱点は持つものの、そこはこれまでの大会で主力として戦ってきた石崎と高杉でカバー。 更にはこの試合全力を賭してプレイをする中里はあまりにも強大であり、反町はここまで一本もゴールまで届かせる事が出来ず。 滝「(ポストプレイは無理だ! 多少不利でも直接来生に打たせるしかねぇか?)それっ、来生!」 来生「ヒャッホー! 待ってましたァ! これが南葛の点取り屋、来生哲平様のボレーシュー……」 若島津「ザコは引っ込んでいろと言った!」 バキャアアアアアアアンッ!! 来生「ぎええええええっ!?」 東邦の守護神、若島津の守るゴールはやはり固く、 南葛はストライカーである来生ですらゴールを割れずにどうにも攻めあぐねてしまう。
[155]森末(仮):2014/03/08(土) 22:38:19 ID:??? 何よりもこの試合、いつも以上に白熱をしたのは中盤での激戦である。 前回大会までならばそれでも何度か若島津に対して攻撃を続けていれば、どこかで必ずゴールを奪えていた。 中盤を制すればそれだけ攻め込まれず、こちらが一方的に攻め続ける事が出来る。 それにより反町を無効化し、若島津を攻略してきたのが去年までの南葛だったのだから。 沢田「それっ!」 井沢「通すか! 山森、フォローしてくれ!」 山森「は、はいっ!」 小池「そう簡単に主導権を奪われてたまるかー! この小池秀人がいる限り!」 しかし今年はそうはいかなかった。 その最たる原因は、やはり沢田の加入と小池の成長である。 これにより南葛は圧倒的優位で中盤を制するという事が出来ず、若島津を思うように攻略が出来ないという事態に陥っていたのだ。 三杉「やはり東邦は去年に比べれば弱点を潰せている分有利だね。 (小池もよくやっているが……惜しいな、もう少し有効に動けるのなら今頃は先取点を取れているだろうに)」 松山「だけど、あくまでも中盤の争いで五分五分になった……ってだけだぜ。 東邦の守備は若島津1人で担っててその実力の高さは俺達もよくわかってる。 けど、南葛も今日は中里って奴がいい動きをしてるぜ……高杉、石崎だけじゃなくあいつも攻略するっていうのは難しいだろう」 三杉「確かにね……前線の反町、来生も実力的にはほぼ五分だ。 どちらに転ぶか……」 板野「(井沢、沢田の強引なドリブル零した! え、マジで!? 井沢なのに!)」←井沢を注視してる そして前半も20分を過ぎ、お互いに決め手を欠いたままハーフタイムを迎えるのかと思いきや……。
[156]森末(仮):2014/03/08(土) 22:39:20 ID:??? 先着1名様で、 ★前半の山場→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER→若島津「来い、俺に持って来い!」 あー! こいつ超攻撃的GKだ! ダイヤ→反町「(普通のシュートじゃ抜けないのか……?なら……)」 反町が活躍! ハート→沢田「(あの中里さんって人を抜ければ決めるのは難しくない筈だ!)」 沢田が活躍! スペード→小池「(見せるより他にない……この小池秀人の真の実力をな!)」 小池が活躍! クラブ→来生「見える……そこっ!」 若島津「ふんっ!」 来生「ふがっ!?」 来生が活躍出来ない!
[157]森崎名無しさん:2014/03/08(土) 22:39:43 ID:??? ★前半の山場→ ハート10 ★
[158]森崎名無しさん:2014/03/08(土) 23:10:50 ID:??? 井沢すげー
[159]森末(仮):2014/03/09(日) 00:18:43 ID:??? >★前半の山場→ ハート10 ★ >沢田「(あの中里さんって人を抜ければ決めるのは難しくない筈だ!)」 沢田が活躍! =================================================================================== 何度目かの攻撃成功時、沢田はボールを持ちながら考えた。 ここまで何度か突破には成功をしても先取点に持ちこめていないのは、やはり中里の存在がある為である。 彼さえかわす事が出来れば、残っている石崎と高杉はボールカットは決して得意とはいえない。 そのまま一気に抜き去る事が出来れば残るはパッとしないGKである剛田のみ。 沢田の実力ならば十分にゴールを割れるだろう。 沢田「(問題はあの人を僕で抜けるかどうかという事だ……だけど……やるしかない!)」 中里「むっ!?」 そして沢田は決断をした。 中里を抜き去り、自分がそのままゴールを決めてしまうという選択を取ったのだ。 かつての気弱な彼ならば或いは逃げの選択を取ってしまっていたかもしれないが、 吉良監督による猛烈な特訓は彼に足りなかった闘争心というものを少しばかり増幅する効果もあったのだろう。 単身で挑みかかってきた沢田に対し、中里は一瞬怪訝な表情を浮かべるもすぐさまチェック。 中里「そう簡単には抜かせん!(でゴザル!)」 沢田「抜きます!」 シュタタタッ ガガガッ! 実況「おーっと!? これは激しい鍔迫り合い! 東邦のゲームメイカー、沢田くん! そして南葛左サイドバックの中里くん、ボールを奪い合う! それにしても凄まじい動きです、中里くん! 沢田くんがいかにかわそうとしても、しつこく追いすがる! たまらず沢田くん、体を当てますが……中里くんも負けてはいないぞ! これはどうなる!?」 沢田「くっ……(駄目だ、吹き飛ばされてくれない!)」 中里「(シノビに必要なのはスピードだけにはあらず。 強靭な肉体は修行を繰り返すのに必要なものでゴザル。 しかししつこいボールキープ……安易に足を出せば反則を食らいかねぬ……)」
[160]森末(仮):2014/03/09(日) 00:20:06 ID:??? 沢田と中里、両者の争いは正に互角であった。 沢田のパワーに任せた強引な突破は中里の鍛え上げた鋼の肉体を吹き飛ばすには及ばず、 しかし中里の瞬発力を生かしたボールカットも一分の隙もない沢田のキープを前に手が出せない。 しばらくはそのままボール争いが続き、周囲もフォロー以外には迂闊に近寄れない状況が続いてしまうのだが……。 沢田「(こうなったら……)ふっ!」 中里「隙あり!」 シュパッ 必ずどこかで集中力、緊張感というものが途切れる時はきてしまう。 この時、それが先にやってきた……ように見えたのは沢田の方であった。 それを察知した瞬間、中里は鋭くボールへ向けて足を伸ばし、ボールを奪ってしまおうとする。 沢田「………………」 サッサッ ダーッ!! 中里「なっ、なにィ!?」 石崎「げ、げぇーっ!? 中里ー!?」 だが、それこそが沢田の読み通りであった。 お互いに手を出せなかった、というのは沢田にとっても同じである。 どれだけ力強く当たっても吹き飛ばされてくれない中里、しかし安易に突破を狙ってはその隙を狙われる。 ならばこちらも相手の隙を突くしかない――そう考え、あえて沢田は自身に"隙"に見える動きを作った。 そこを狙いにやってきた中里には、当然ながらボールを奪う動作に入る時にこれまた"隙"が出来る。 後はその隙を突き、一瞬にして振り切るだけ……力だけではなく、技術だけでなく。頭脳を使ってサッカーをする。 これもまた、吉良監督による教えの賜物であった。 ※沢田が「頭脳的なドリブル」を習得しました。
[161]森末(仮):2014/03/09(日) 00:21:06 ID:??? 実況「あーっ!? 抜いた、抜いたーっ!! 沢田くん、突破ー!! 中里くん、最後は倒れ込むようにして抜かれてしまいました! 南葛、慌ててDF陣がプレスをかけるが……」 バキャキャンッ! 石崎「ぶべらっ!?」 高杉「まそっぷ!?」 小田「いくらっ!?」 実況「とめられなーい! このままではGKと一対一! 東邦、決定機を迎えたー!」 そして沢田は見事にGKとの一対一の状況を作り出す事に成功をした。 中里のいないDF陣は沢田の突破を止める事は出来ず、そして残るGKは明らかに周囲に見劣りをする選手。 この状況で怖いのは緊張のし過ぎでポストに当ててしまう事くらいだが、今の沢田は自分でも驚くほどに落ち着いていた。 沢田「(決める……僕が決めるんだ!)」 しかし、沢田は自らがゴールを決める――そのことにとらわれ過ぎていた。 ……言い方を変えれば、周囲に目を向けきれていなかったとも言える。 岩見「うおおおおおおっ!」 沢田「えっ!? ああっ!?」 バチィッ!! 故に気づけなかった、中里との勝負が長引いた為に中盤のメンバーが戻れる時間を与えてしまっていたという事。 岩見、彼が自身の背後まで即座に詰め、ボールを奪い返そうと躍起になっていた事に。 普段ならば抜けたかもしれない、頭脳的にプレイをする事を覚えた今ならばなおさらである。 だが、彼もまだまだ中学一年生――如何に技術に優れようと、精神的な面で油断をしてしまうというのは致し方ない事だったかもしれない。 そんな彼を支えるのが、頼れる先輩たちの役割である。
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0ch BBS 2007-01-24