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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】
[157]森崎名無しさん:2014/03/08(土) 22:39:43 ID:??? ★前半の山場→ ハート10 ★
[158]森崎名無しさん:2014/03/08(土) 23:10:50 ID:??? 井沢すげー
[159]森末(仮):2014/03/09(日) 00:18:43 ID:??? >★前半の山場→ ハート10 ★ >沢田「(あの中里さんって人を抜ければ決めるのは難しくない筈だ!)」 沢田が活躍! =================================================================================== 何度目かの攻撃成功時、沢田はボールを持ちながら考えた。 ここまで何度か突破には成功をしても先取点に持ちこめていないのは、やはり中里の存在がある為である。 彼さえかわす事が出来れば、残っている石崎と高杉はボールカットは決して得意とはいえない。 そのまま一気に抜き去る事が出来れば残るはパッとしないGKである剛田のみ。 沢田の実力ならば十分にゴールを割れるだろう。 沢田「(問題はあの人を僕で抜けるかどうかという事だ……だけど……やるしかない!)」 中里「むっ!?」 そして沢田は決断をした。 中里を抜き去り、自分がそのままゴールを決めてしまうという選択を取ったのだ。 かつての気弱な彼ならば或いは逃げの選択を取ってしまっていたかもしれないが、 吉良監督による猛烈な特訓は彼に足りなかった闘争心というものを少しばかり増幅する効果もあったのだろう。 単身で挑みかかってきた沢田に対し、中里は一瞬怪訝な表情を浮かべるもすぐさまチェック。 中里「そう簡単には抜かせん!(でゴザル!)」 沢田「抜きます!」 シュタタタッ ガガガッ! 実況「おーっと!? これは激しい鍔迫り合い! 東邦のゲームメイカー、沢田くん! そして南葛左サイドバックの中里くん、ボールを奪い合う! それにしても凄まじい動きです、中里くん! 沢田くんがいかにかわそうとしても、しつこく追いすがる! たまらず沢田くん、体を当てますが……中里くんも負けてはいないぞ! これはどうなる!?」 沢田「くっ……(駄目だ、吹き飛ばされてくれない!)」 中里「(シノビに必要なのはスピードだけにはあらず。 強靭な肉体は修行を繰り返すのに必要なものでゴザル。 しかししつこいボールキープ……安易に足を出せば反則を食らいかねぬ……)」
[160]森末(仮):2014/03/09(日) 00:20:06 ID:??? 沢田と中里、両者の争いは正に互角であった。 沢田のパワーに任せた強引な突破は中里の鍛え上げた鋼の肉体を吹き飛ばすには及ばず、 しかし中里の瞬発力を生かしたボールカットも一分の隙もない沢田のキープを前に手が出せない。 しばらくはそのままボール争いが続き、周囲もフォロー以外には迂闊に近寄れない状況が続いてしまうのだが……。 沢田「(こうなったら……)ふっ!」 中里「隙あり!」 シュパッ 必ずどこかで集中力、緊張感というものが途切れる時はきてしまう。 この時、それが先にやってきた……ように見えたのは沢田の方であった。 それを察知した瞬間、中里は鋭くボールへ向けて足を伸ばし、ボールを奪ってしまおうとする。 沢田「………………」 サッサッ ダーッ!! 中里「なっ、なにィ!?」 石崎「げ、げぇーっ!? 中里ー!?」 だが、それこそが沢田の読み通りであった。 お互いに手を出せなかった、というのは沢田にとっても同じである。 どれだけ力強く当たっても吹き飛ばされてくれない中里、しかし安易に突破を狙ってはその隙を狙われる。 ならばこちらも相手の隙を突くしかない――そう考え、あえて沢田は自身に"隙"に見える動きを作った。 そこを狙いにやってきた中里には、当然ながらボールを奪う動作に入る時にこれまた"隙"が出来る。 後はその隙を突き、一瞬にして振り切るだけ……力だけではなく、技術だけでなく。頭脳を使ってサッカーをする。 これもまた、吉良監督による教えの賜物であった。 ※沢田が「頭脳的なドリブル」を習得しました。
[161]森末(仮):2014/03/09(日) 00:21:06 ID:??? 実況「あーっ!? 抜いた、抜いたーっ!! 沢田くん、突破ー!! 中里くん、最後は倒れ込むようにして抜かれてしまいました! 南葛、慌ててDF陣がプレスをかけるが……」 バキャキャンッ! 石崎「ぶべらっ!?」 高杉「まそっぷ!?」 小田「いくらっ!?」 実況「とめられなーい! このままではGKと一対一! 東邦、決定機を迎えたー!」 そして沢田は見事にGKとの一対一の状況を作り出す事に成功をした。 中里のいないDF陣は沢田の突破を止める事は出来ず、そして残るGKは明らかに周囲に見劣りをする選手。 この状況で怖いのは緊張のし過ぎでポストに当ててしまう事くらいだが、今の沢田は自分でも驚くほどに落ち着いていた。 沢田「(決める……僕が決めるんだ!)」 しかし、沢田は自らがゴールを決める――そのことにとらわれ過ぎていた。 ……言い方を変えれば、周囲に目を向けきれていなかったとも言える。 岩見「うおおおおおおっ!」 沢田「えっ!? ああっ!?」 バチィッ!! 故に気づけなかった、中里との勝負が長引いた為に中盤のメンバーが戻れる時間を与えてしまっていたという事。 岩見、彼が自身の背後まで即座に詰め、ボールを奪い返そうと躍起になっていた事に。 普段ならば抜けたかもしれない、頭脳的にプレイをする事を覚えた今ならばなおさらである。 だが、彼もまだまだ中学一年生――如何に技術に優れようと、精神的な面で油断をしてしまうというのは致し方ない事だったかもしれない。 そんな彼を支えるのが、頼れる先輩たちの役割である。
[162]森末(仮):2014/03/09(日) 00:22:31 ID:??? バッ! 反町「でかしたタケシ! 後は俺が!」 井沢「させるか!」 南葛にとっての不運は、零れたボールは反町の方へと高く浮き上がって流れて行った事である。 当然ながら反町がこの決定機を見逃す筈はなく、合わせるようにして飛び上がりヘディングに向かう。 東邦にとっての不運は、岩見と共に井沢が戻ってきてしまっていた事である。 空中戦に自信を持つ彼は反町に対抗するようにしながら高く飛び上がり、反転をしながらクリアーに向かう。 井沢「(これが俺の……)オーバーヘッドクリアーだ!」 反町「(高い……! が……)俺の方が……僅かに早い!!」 井沢「くっ、くそっ!」 ダイレクトシュートが得意な者と、空中戦に自信を持つ者。 互いの勝敗を分けたのは、零れたボールが僅かに反町に近かった、という事実。 故に反町は井沢よりも早くボールに触れてヘディングをし、 井沢は反転した世界の中で自分の足をすり抜けてボールがゴールに向かうのを見過ごす事となる。 ズバァッ! ピピィーッ!! 反町「よぉおおおし!」 井沢「ああ……」 当然のように、剛田が守るゴールでは井沢に競り勝った反町の『強烈なヘディング』を止める事が出来ず。 こうして後半27分、東邦が待望の先取点を上げる事に成功をした。 得点こそ反町のものとなったが、この先取点の立役者が突破に成功しチャンスを作った沢田であるという事は言うまでもない事だろう。 南葛 0-1 東邦
[163]森末(仮):2014/03/09(日) 00:23:56 ID:??? 実況「決まった~! 反町くん、ゴール!! 東邦、待望の先取点を奪い取りました! 昨日の試合では得点を上げれずにいた反町くん! その汚名を返上するかのような、値千金の先取点です! そしてこの得点を演出したのは、小さなテクニシャン沢田くん! あわや一対一になるかと思われましたが一歩及ばず……。 ですがそのプレイがこの得点に結びついたのは、誰の目にも明らかでしょう!」 反町「やったぞ、タケシ!」 沢田「反町さん! ナイスシュートです! フォローありがとうございます!」 小池「見たか! これが小池秀人様率いる東邦学園の実力ってもんよ!」 若島津「(よくやったタケシ、これで勝ちだ)」 井沢「く、くっそぉ~!(若島津相手に先取点を向こうにやっちまった……!)」 剛田「す、すまねぇ先輩……止められなくて……」 岩見「……気にするな。 俺も沢田を完全に止められなかったのが悪いんだからな」 滝「(どうやって攻めたもんかねぇ……やっぱ来生にやらせるしかねぇか?)」 この得点を受けて、当然ながら両チームの感情の浮き沈みは激しくなる。 東邦からしてみれば、この試合はどうにかして点を奪うという試合である。 若島津がいる限りゴールが脅かされる事はないだろうという考えはあり、だからこそこの1点はいつも以上に貴重な1点だった。 対して南葛にとってもこの1点が重い事は間違いない。 これまで何度も攻め立ててはいるものの、まるで点の取れる気配のない若島津の守るゴール。 ストライカーの来生ですら分が悪い状況で、如何にして点を取るかに頭を悩ませていたというのに……。 1点を奪われた事で、勝利をする為には最悪でも2点を上げなければならない状況となってしまった。 あまりにも絶望的な状況と言えるだろう。 井沢「……中里、上がってくれ。 もうDF云々なんて言ってられる状況じゃない」 中里「されど拙者が上がっては……」 石崎「うぐっ……(やっぱ俺達信用ねーなぁ……)」 井沢「俺が下がって中里が上がる穴はフォローはする。 とにかく点を取らなければならないんだ」 中里「……御意」
[164]森末(仮):2014/03/09(日) 00:26:05 ID:??? その後、攻める時間もなかった為に南葛は後半に反撃の力を残す為に流し、前半戦は終了。 ハーフタイムへと突入をし、試合を観戦していた板野達も一息つく事となる。 三杉「前半で東邦リードか、沢田も実力を上げたみたいだね。 中々の突破だった。 惜しむべくは最後のツメを誤った所くらいだな。 (それにしても思ったより小池が活躍してないな。 昨日の負傷の影響か?)」 松山「追いかける展開だと南葛は苦しいな。 昨日戦った俺達もそうだったが、やっぱり相手が若島津となると焦りが出てくるんだ」 弥生「(なんか私にわからない話ばかりになりそう……)淳、喉乾かない? 今の内にジュース買ってきましょうか?」 三杉「ああ……すまないね、弥生。 ありがとう。 君たちはコーヒーでいいかい?」 松山「あ、ああ……後で金は払うよ(弥生か……名前で呼ぶような仲なのか。 っていうか三杉、彼女いたのか)」 松山達が前半を終わっての感想を述べ合い、弥生がその空気に耐えきれず席を外していた中。 板野は前半戦を見ての井沢の能力について脳内で纏め、数値化しようとしていた。 板野「(大体こんな感じかな)」 選手名 ド パ シ タ カ ブ せ 総 高/低 ガッツ 井沢 52 51 49 52 52 49 52 357 3/2 700/700 板野「(って、強っ!? え、何これ!? 井沢だよね!? ブロックとシュート以外全部50超えじゃないか! なんだこれ!? 松山とかには及ばないけど! けど! 十分過ぎる程強いぞ!?)」 特に守備力に関してはブロック以外殆ど穴が無いと言えるだろう。 キャプテンとして皆を引っ張り、また翼がいない事で対抗意識を燃やさず守備力も伸ばせた影響なのだろうが、 それにしても本編を考えればあまりのレベルアップぶりに板野は驚きを隠せない。 マグナムシュート、マグナムボレーという大技を持ち、 全日本代表Jrユースでもスタメンはほぼ確定だと自身では思っているものの、 やはりまだまだ自分も甘い所があるという事を自覚する板野なのであった。
[165]森末(仮):2014/03/09(日) 00:27:56 ID:??? 片桐「やあ、板野。 昨日は惜しかったね」 板野「えっ……あ、片桐さん!」 松山「(ん? げっ、なんだこの人、この真夏に背広なんか着て……)」 三杉「(おまけに趣味の悪いサングラスだ……)」 そんな折、不意に板野に対して何者かの声が届く。 一体なんだろうと振り向けば、そこには相変わらずサングラスをかけ表情が見えないサッカー協会の偉い人。 板野に対してちょっと贔屓をしちゃうお茶目さんな片桐の姿があった。 当然、彼と面識のない三杉と松山は一体何者なのかと不審な目を向けるのだが、 片桐が自己紹介をし板野もまた説明をすると、相変わらず訝しがる目をしながらも警戒は解く。 板野「お久しぶりです、片桐さん。 それで、何かお話が?」 片桐「ああ、だが今日は君にじゃない。 ……武蔵中学の三杉くんだね? 今日は君に話があるんだ」 三杉「? 僕に? なんですか?」 まさか自分に話があるとは思ってもいなかったのか、三杉は最初驚いたような反応を見せるものの、 すぐさま冷静さを取り戻しコホンと咳払いを一つしてから片桐の話を聞く。 片桐の持ってきた話の内容は、当然ながら板野にはわかっていた。 三杉淳を全日本Jrユースのコーチとして勧誘をする――そのイベントは本編でも原作でも、この決勝戦で観客席で行われたのだから。 三杉「コーチ、ですか……。 ですが、大会には参加していない選手をコーチとはいえ招集していいんですか?」 片桐「君も知っているとは思うが、大友の中山くんがいるだろう。 それに……浪速の中西くん。 まだ決定はしていないが、彼らも選手として招集する可能性があるんだ。 それに比べれば、コーチとして招集をするのは何ら問題がない」 三杉「えっ、中山や中西も……?(……中山はともかく、中西が選手として登録されて僕はコーチか?)」 松山「……三杉を選手として集めるのは何か問題があるんですか? はっきり言って三杉の実力の高さは誰もが認める所です。 ……プレイ時間の制限はありますけど、実力的に中山や中西が選ばれるのなら問題は無いと思いますけど」
[166]森末(仮):2014/03/09(日) 00:28:57 ID:??? 片桐「勿論、選手としての登録もするつもりだ」 三杉「えっ!(意外とあっさりしてるな……)」 板野「(おや? 本編だとバッサリ切ったのに……なんで、と思ったけど……そっか、翼とかいないもんなぁ)」 板野の想像通り、片桐がやけにあっさりと選手としての登録も認めると言った理由。 それはこの世界に大空翼という日本を代表するMFが存在をしない為であった。 本編では、心臓病が完治をしていない三杉では中学サッカーまでならばともかく、 そこから先もサッカーに入れ込みプロ入りを目指すのはあまりにも難しいと片桐は三杉を突き放していた。 それは比較対象として翼や日向といった優れたフィールドプレイヤーが存在をした為であり、 三杉がいなくても十分に全日本は回ると判断をしての事だったのだろう。 だが、この世界では事情が違う。 翼が存在をしないだけで中盤の支配力という点では大きな不安を抱えるのが今の全日本だ。 松山、そしてヨーロッパ遠征で合流をするであろう岬だけでは心もとない。 その穴を埋められる存在は――やはり三杉淳しかいない。 片桐「(正直言って、これは賭けだ……今から治療をし、リハビリに努めて……。 それで三杉がものになるか、ならないか。 余程の努力を重ねなければサッカーセンスも試合勘も錆びつくだろう。 だが、これほどまでの才能の大器が万全の状態になってくれなくては……日本サッカーに未来はない)」 三杉「……わかりました。 選手兼コーチ、として僕も集められるという事ですね?」 片桐「その通りだ」 三杉「そのお話、御受けします」 松山「やったな、三杉!」 板野「(ふぅ……何かアクシデントがあって三杉が不参加とかなったらどうしようかと思った。 三杉の実力は本物だから、安心のしがいがあるよな……ちょっと性格的に怖そうだけど)」 こうして三杉淳は選手兼コーチとして全日本Jrユースに帯同をする事となった。 あくまでもコーチとして招集をする、という点が微妙に他の面子と差別を与える形になってしまっているが、 これもやはり片桐の自分が期待をする選手に対するちょっぴりの贔屓みたいなものなのかもしれない。
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0ch BBS 2007-01-24