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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】
[164]森末(仮):2014/03/09(日) 00:26:05 ID:??? その後、攻める時間もなかった為に南葛は後半に反撃の力を残す為に流し、前半戦は終了。 ハーフタイムへと突入をし、試合を観戦していた板野達も一息つく事となる。 三杉「前半で東邦リードか、沢田も実力を上げたみたいだね。 中々の突破だった。 惜しむべくは最後のツメを誤った所くらいだな。 (それにしても思ったより小池が活躍してないな。 昨日の負傷の影響か?)」 松山「追いかける展開だと南葛は苦しいな。 昨日戦った俺達もそうだったが、やっぱり相手が若島津となると焦りが出てくるんだ」 弥生「(なんか私にわからない話ばかりになりそう……)淳、喉乾かない? 今の内にジュース買ってきましょうか?」 三杉「ああ……すまないね、弥生。 ありがとう。 君たちはコーヒーでいいかい?」 松山「あ、ああ……後で金は払うよ(弥生か……名前で呼ぶような仲なのか。 っていうか三杉、彼女いたのか)」 松山達が前半を終わっての感想を述べ合い、弥生がその空気に耐えきれず席を外していた中。 板野は前半戦を見ての井沢の能力について脳内で纏め、数値化しようとしていた。 板野「(大体こんな感じかな)」 選手名 ド パ シ タ カ ブ せ 総 高/低 ガッツ 井沢 52 51 49 52 52 49 52 357 3/2 700/700 板野「(って、強っ!? え、何これ!? 井沢だよね!? ブロックとシュート以外全部50超えじゃないか! なんだこれ!? 松山とかには及ばないけど! けど! 十分過ぎる程強いぞ!?)」 特に守備力に関してはブロック以外殆ど穴が無いと言えるだろう。 キャプテンとして皆を引っ張り、また翼がいない事で対抗意識を燃やさず守備力も伸ばせた影響なのだろうが、 それにしても本編を考えればあまりのレベルアップぶりに板野は驚きを隠せない。 マグナムシュート、マグナムボレーという大技を持ち、 全日本代表Jrユースでもスタメンはほぼ確定だと自身では思っているものの、 やはりまだまだ自分も甘い所があるという事を自覚する板野なのであった。
[165]森末(仮):2014/03/09(日) 00:27:56 ID:??? 片桐「やあ、板野。 昨日は惜しかったね」 板野「えっ……あ、片桐さん!」 松山「(ん? げっ、なんだこの人、この真夏に背広なんか着て……)」 三杉「(おまけに趣味の悪いサングラスだ……)」 そんな折、不意に板野に対して何者かの声が届く。 一体なんだろうと振り向けば、そこには相変わらずサングラスをかけ表情が見えないサッカー協会の偉い人。 板野に対してちょっと贔屓をしちゃうお茶目さんな片桐の姿があった。 当然、彼と面識のない三杉と松山は一体何者なのかと不審な目を向けるのだが、 片桐が自己紹介をし板野もまた説明をすると、相変わらず訝しがる目をしながらも警戒は解く。 板野「お久しぶりです、片桐さん。 それで、何かお話が?」 片桐「ああ、だが今日は君にじゃない。 ……武蔵中学の三杉くんだね? 今日は君に話があるんだ」 三杉「? 僕に? なんですか?」 まさか自分に話があるとは思ってもいなかったのか、三杉は最初驚いたような反応を見せるものの、 すぐさま冷静さを取り戻しコホンと咳払いを一つしてから片桐の話を聞く。 片桐の持ってきた話の内容は、当然ながら板野にはわかっていた。 三杉淳を全日本Jrユースのコーチとして勧誘をする――そのイベントは本編でも原作でも、この決勝戦で観客席で行われたのだから。 三杉「コーチ、ですか……。 ですが、大会には参加していない選手をコーチとはいえ招集していいんですか?」 片桐「君も知っているとは思うが、大友の中山くんがいるだろう。 それに……浪速の中西くん。 まだ決定はしていないが、彼らも選手として招集する可能性があるんだ。 それに比べれば、コーチとして招集をするのは何ら問題がない」 三杉「えっ、中山や中西も……?(……中山はともかく、中西が選手として登録されて僕はコーチか?)」 松山「……三杉を選手として集めるのは何か問題があるんですか? はっきり言って三杉の実力の高さは誰もが認める所です。 ……プレイ時間の制限はありますけど、実力的に中山や中西が選ばれるのなら問題は無いと思いますけど」
[166]森末(仮):2014/03/09(日) 00:28:57 ID:??? 片桐「勿論、選手としての登録もするつもりだ」 三杉「えっ!(意外とあっさりしてるな……)」 板野「(おや? 本編だとバッサリ切ったのに……なんで、と思ったけど……そっか、翼とかいないもんなぁ)」 板野の想像通り、片桐がやけにあっさりと選手としての登録も認めると言った理由。 それはこの世界に大空翼という日本を代表するMFが存在をしない為であった。 本編では、心臓病が完治をしていない三杉では中学サッカーまでならばともかく、 そこから先もサッカーに入れ込みプロ入りを目指すのはあまりにも難しいと片桐は三杉を突き放していた。 それは比較対象として翼や日向といった優れたフィールドプレイヤーが存在をした為であり、 三杉がいなくても十分に全日本は回ると判断をしての事だったのだろう。 だが、この世界では事情が違う。 翼が存在をしないだけで中盤の支配力という点では大きな不安を抱えるのが今の全日本だ。 松山、そしてヨーロッパ遠征で合流をするであろう岬だけでは心もとない。 その穴を埋められる存在は――やはり三杉淳しかいない。 片桐「(正直言って、これは賭けだ……今から治療をし、リハビリに努めて……。 それで三杉がものになるか、ならないか。 余程の努力を重ねなければサッカーセンスも試合勘も錆びつくだろう。 だが、これほどまでの才能の大器が万全の状態になってくれなくては……日本サッカーに未来はない)」 三杉「……わかりました。 選手兼コーチ、として僕も集められるという事ですね?」 片桐「その通りだ」 三杉「そのお話、御受けします」 松山「やったな、三杉!」 板野「(ふぅ……何かアクシデントがあって三杉が不参加とかなったらどうしようかと思った。 三杉の実力は本物だから、安心のしがいがあるよな……ちょっと性格的に怖そうだけど)」 こうして三杉淳は選手兼コーチとして全日本Jrユースに帯同をする事となった。 あくまでもコーチとして招集をする、という点が微妙に他の面子と差別を与える形になってしまっているが、 これもやはり片桐の自分が期待をする選手に対するちょっぴりの贔屓みたいなものなのかもしれない。
[167]森末(仮):2014/03/09(日) 00:30:16 ID:??? その後、片桐は去り弥生が帰ってきた所で後半の開始時刻となった。 弥生は三杉が全日本の代表に選ばれたと聞くと手を叩いて喜び、三杉もそれに柔らかい笑顔で応える。 松山がそんな2人をどこか寂しそうに見やる中で、 板野は弥生が買ってきたコーヒーを片手に、後半は誰に注目をしたものかと思案をする。 板野「(迷うな〜。 どうしようかな)」 ☆「能力値を見る選手を1人選んでください」 南葛:来生、滝、長野、岩見、山森、高杉、石崎、中里、小田、剛田 東邦:反町、沢田、小池、若島津 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 >>158 一部のキャラクターは強化をしていますが、 その中でも井沢はキャプテン判定で就任をしましたのでボーナスとして更にちょっとおまけしてますね。
[168]森崎名無しさん:2014/03/09(日) 00:30:53 ID:tNnmlwbY 中里
[169]森崎名無しさん:2014/03/09(日) 00:31:28 ID:1Dsenamg 中里
[170]森末(仮):2014/03/09(日) 01:23:00 ID:??? >中里 ======================================================================= 板野「(そうだな、やっぱり中里を見よう。 どう考えても今出てる選手たちの中で1番の実力者だし)」 こうして板野が中里を観察する事に決めた頃。 フィールドでは南葛のキックオフで後半戦が開始されていた。 実況「さァ、始まりました決勝戦! 残り30分、全国の中学校の中でNo.1の中学を決めるこの大会もいよいよ大詰めです! 南葛ボールでのキックオフ、まずボールはコントロールタワーの井沢くんに預けられますが……」 井沢「中里!」 中里「御意!」 シュタタタタタッ! 南葛の攻め手はこれまで滝のサイドアタックによる突破から、来生と長野を使って得点を狙うというものだった。 そのいずれもが失敗に終わり、更に1失点をして後が無くなった南葛が取った手段。 それはこれまで実力を隠していた中里を用い、一気に同点に追いつこうという1個人の実力に頼り切った戦術。 このようなものを戦術と呼べるかどうかという事には色々と意見があるかもしれないが、 事実、来生達ではここまで点を取れていないのだから他の者を使うという点においては間違いはない。 小池「なんだなんだ、DFが上がってきやがったぞ?」 松木「チャンスだ! こいつがいないならもう1点取れるぞ!」 中里「(中の里が奥義……分身の術!)」 ブブブブブブ 小池「ふぇっ!?」 松木「な、なんだぁ!?」 中里「(ニンニン!)」
[171]森末(仮):2014/03/09(日) 01:24:02 ID:??? ワーワー! ワーワー!! 観客「な、なんだ今の動き!?」「全然見えなかった……」「なんなんだあいつ?」 三杉「今のは……高速で動く事で相手の意識を読み違えさせたのか? しかし、それにしたって……」 松山「は、速すぎるだろ……あのスピード、比良戸の佐野でも出ないぞ」 板野「(……やっぱり中里のドリブルは卑怯すぎる)」 DFとして登録をされ出場している中里。 彼の特技は忍法を駆使したタックル、パスカット、ブロック、クリアーといった守備能力全般もそうであったが、 何よりもそのスピードと分身の術を使ったドリブルで真価を発揮した。 彼のそのドリブルの前には東邦守備陣は一歩も動けず、まるで追いつけず、 あれよあれよという間にシュートレンジに入った中里はそのまま足を振り抜きシュート体勢に入る。 実況「なんと中里くん、一気に東邦中盤をごぼう抜き―!! そしてバイタルエリアに入ると同時、シュート体勢に入ったぞ!? これは一気に一人で決めてしまうつもりかー!?」 中里「(このまま決める! 拙者のサッカーはこれが最後!)」 シュバッ! ギュオオオオオオンッ!! 若島津「!!」 中里「(悔いなど残さぬ!)破ァァァァァァァアアアアッ!!」 再び影分身の術を使い、自身が高速で左右からボールを同時に打ち据える技――『影分身ツイン』。 実際に中里が1人増えた訳ではなく、ほぼ同時に高速移動をしている中里がボールを蹴りぬくという、 言葉にしてみても非科学的で非常識な技であるが、とにもかくにも中里は渾身の力を込めて必殺の技を叩き込んだ。 先ほどから目の前で起こる予想外の事態に観客たちは唖然とし、東邦メンバー達もまた茫然。 若島津も一瞬気を取られはしたが……ボールがゴールに向かってくる事を確認すると、すぐさま気を取り直しセービングに向かう。
[172]森末(仮):2014/03/09(日) 01:25:09 ID:??? 若島津「(これは……立花兄弟が打っていたツインシュートとかいう奴か! 確かにボールの軌道は不規則、一見すると止める事は不可能に見えるが……)キエエエエエエッ!!」 バチィッ! 中里「なっ、なんと!?」 滝「こ、これでも駄目なのかよ……」 確かに中里の放った『影分身ツイン』は高い威力を秘めていた。 相手が中里の見せる忍法の数々に驚き虚をつかれていた事、中里が殆どフリー状態であった事。 それらを考えれば入っていてもおかしくなかったと言える。 だが、やはり若島津は鉄壁であった。 如何に中里の放った影分身ツインが取りにくい軌道を描いていようと、ボールは1つ。 そして飛んでくるシュートのスピードもパワーも、板野のマグナムシュートに比較をすれば雲泥の差であった。 空手で培った動体神経を使い直前まで見極め、思い切り飛び上がり手刀で弾き返す若島津。 もはや南葛は若島津の絶対的な守護神ぶりに畏怖を感じずにはおれず、対抗策も何も思いつかなかった。 来生「ヒャッホー! 貰ったぜー!」 若島津「なにィ!?」 ただ一人を除いては。
[173]森末(仮):2014/03/09(日) 01:26:35 ID:??? 実況「とっ、止めたー! 若島津くん、中里くんの奇想天外なシュートを弾き……。 あーっ! 駄目です、このこぼれ球には来生くんが詰めていたー! 来生くん、そのまま一気にゴール前になだれこむ! 東邦DF、慌てて止めに向かうが……」 ピキーンッ! 来生「見える……見えるぞ……私にも敵が見える……!」 山辺「やらせるかっ!」 来生「ララァよ私を導いてくれ……」 古田「と、取れないっ……」 来生「まだだ、まだ終わらんよ!」 滝「お、おおっ! いけ、来生! そのままおしこめ!」 井沢「(そうだ、一対一なら若島津といえどもゴールを簡単に守れない筈だ!)」 ここで予想外の活躍を見せたのが意外性だけが売りの男、来生である。 若島津の弾いたボールをいち早く確保した来生は単独でPA内に侵入。 迫りくる東邦DF陣をあれよあれよという間に抜き去り、あっさりと若島津と一対一になってしまったのである。 沢田「あわわ……わ、若島津さーん!」 若島津「ぐっ……(こんな馬鹿に決められてたまるか!)」 来生「選手間の能力の差が、戦力の決定的差ではないという事を……教えてやる!」
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0ch BBS 2007-01-24