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【私が決めなきゃ】鈴仙奮闘記18【誰がやる!】
[318]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/12(木) 00:12:01 ID:??? 幽香「フフ。 皆、私もすぐに行くわ」 普段は孤高の大妖怪である幽香も、こうした集団生活は嫌いでは無かった。 むしろ、久しぶりに味わうその感覚に心をときめかせる程。 彼女は鼻歌混じりで朝食を囲う、大きな向日葵テーブルへと歩いていく。 レティ「はい、幽香。 今日は粘り強く試合に向かう為に……「なっとう」を用意したわ」 幽香「あら、貴女が験を担ぐ事もあるのね?」 レティ「――私だからこそ、よ。 貴女と違って私は、しがない木端妖怪だもの。 こうして神頼みでもしてないと、到底気が持たないわ」 レティは幽香に軽口を叩きながら、最近河童が開発したたしい「パック入りの納豆」を手渡す。 幽香は悠然としたカリスマ溢れる態度でそれを受け取ると箸を掴み、 早速パックをはぎ取り「たれ袋」を出し、フィルムをとって納豆をかき混ぜる。 百八回。これが幽香流・納豆の風味が一番引き立つかき混ぜ回数だ。 かくして、その拘り通りに納豆をかき混ぜ終えた幽香は一仕事を終えたような満足気な笑みを浮かべ、 最後の仕上げに取りかかろうとする。 ふんわりメレンゲのように幾重にも重なった納豆に、かつおと昆布のダシが利いた「たれ」を入れる至福の時。 幽香はそのしなやかな小枝のように細く白い指を「たれ袋」に絡ませ、力を籠める。 ……悲劇は、ここから始まった。 ピリ…… ぴゅっ、ぴしゃっ! ルーミア「……あっ」 ルーミアがご愁傷様、といった無表情で幽香を見やる。 そして気付いた。 幽香が心を籠めてかき混ぜた納豆にかかる筈だった「たれ」。 それが本来の居場所ではない「何処か」に紛れてしまったのだと。
[319]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/12(木) 00:14:31 ID:??? 幽香「…………」 幽香は無言で自分の指に絡みつく液体を見つめ、 それから艶やかで小さなその唇に、そっとその指を近づけ、舐める。 ……かつおとこんぶの旨味が良く効いていた。効きすぎていた。 幽香の納豆の「たれ」は、見事にこぼれてしまい、彼女の指とテーブルを穢していたのだ。 レティ「ああ、もう……! 余所見なんてするからよ。 ホラ、ティッシュよ、拭きなさい!」 呆けたような幽香の様子を見たレティは、気を利かせて新品のティッシュ箱を投げつける。 幽香は黙ったまま、そのティッシュから紙を一枚取ろうとして……。 サッ……ビリイッ! 幽香「…………」 ミスティア「幽香くん、上手くティッシュがやぶけな〜〜〜い! これはミスったぞ〜〜♪」 ――上手く、ティッシュから紙が取れなかった。レティの気配りは立派だったが、 新品のティッシュは紙が取り出し辛いという事実を彼女は忘れていた。 ……ビキィッ!! ――そして、当事者たる幽香は深い悲しみに包まれていた。 納豆のたれ袋が上手く破けなかった上に、ティッシュを箱から上手く出せなかった。 どっちかだけだったら耐えられた。どっちかだけだったら耐えられたのに、どっちもだなんて。 こんなにも悲痛で、悲しくて、凌辱的な出来事が自分の身に降りかかるなんて……!? ――子どもたちの見ている手前、幽香は気丈にも笑顔を壊さなかったが……。 その笑顔は、うっかり直視してしまったわかさぎ姫が、ショックで泡を吹いて失神する程度には怖かったという。 *幽香の怒りゲージが+10されました。 0→10 *幽香の怒りゲージは試合中などの選択で理不尽に伸びていきます。ゲージが100を超えたら……?
[320]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/12(木) 00:24:06 ID:??? ――と、いったところで判定もなく恐縮ですが、今日の更新はここまでとします。 幽香の怒りゲージは今回の試合限定の特殊パラメータですが、 わりと理不尽に伸びていきますので、鈴仙は気にしても逆効果になるかもしれません。 ですから、ネタ半分と割り切って頂ければと思います。 それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。
[321]森崎名無しさん:2014/06/12(木) 00:31:28 ID:??? 乙でした。 レティさんゆうかりんのメンタル介護もしなくちゃならんなんて… よし、鈴仙に天道の真似させて思いっきり煽ろうぜ! (フラグを三つくらい立てる)
[322]森崎名無しさん:2014/06/12(木) 01:22:55 ID:??? 乙です 俺が聞いた噂だと怒らせると幽香激情態になって吹っ飛ばされた選手はカードにされるとか・・・ あと浮き球系多そうだしモコシマヅにガンガン吹っ飛ばしてもらわないとね
[323]森崎名無しさん:2014/06/12(木) 17:15:18 ID:??? 幽香の怒りゲージが100を超えたら……相手選手に頭突きして退場とか
[324]森崎名無しさん:2014/06/12(木) 17:43:14 ID:??? 鈴仙「理不尽? ああ、ウチの師匠や姫様ほどじゃないでしょ」
[325]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/13(金) 00:11:25 ID:??? >>321 乙ありがとうございます。 レティは意外に大物なのではないかと勝手に妄想しています。 >>322 乙ありがとうございます。 大体合ってます。 >>323 ヒント:テンプレ >>324 鈴仙も随分逞しくなりましたね…
[326]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/13(金) 00:13:18 ID:??? 〜2日目午前・固定イベント〜 【大会初陣! VS雑魚妖怪チーム!】 永遠亭ルナティックスと雑魚妖怪チームが与するCブロックの試合は、 人里サッカーコートにて執り行われる事となっている。 普段は人里FCや妖精大連合など、比較的強い力を持たぬ人妖達が練習試合等に使うこの場所は基本的に平和。 そのため、豪奢な妖怪の山・モリヤスタジアムと比べても普段の観客入りはイマイチ。 ――しかし、今日という日は違った。 ……ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! 実況「さあ〜! もうすぐ始まります! Cブロック第1試合、永遠亭ルナティックス対雑魚妖怪チーム!! ここ人里サッカーコートも、普段では到底考えられない程の観客が詰め寄っており、 観客席が落ちてくるのではないか、と思ってしまうほどです!」 鈴仙「……ついに、来たわね。 全幻想郷選抜大会――!!」 鈴仙は、これまででは決して味わう事の出来なかった、独特の「熱気」を当てられ震える。 確かに、これまでの練習試合でも、幻想郷の古参・永遠亭ルナティックスのネームブランドの効果か。 それなり以上の観客達が試合を身に来ていた。 特に、紅魔スカーレットムーンズとの対戦に至っては、今日以上の客入りがあったようにも思えるし、 つい昨日の開会式にしても同様に、大観衆が応援に駆け付けて来てくれていた。 ――しかし、それでも今日の熱気には及ばないと鈴仙は感じる。 練習試合やセレモニーとは違う、栄光が懸かった大会特有の狂気。 それは「殺気」とも言う事が出来るだろうか。 生半可な覚悟では、この大会の魔力に取りこまれてしまいそうに思えた。
[327]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/13(金) 00:15:12 ID:??? 実況「――永遠亭ルナティックスは言わずとしれた幻想郷の古豪ではありますが、 同時にこの大会を前にして最も大きく成長したチームの一つであるとも言えます! どうやら、永琳選手の不在はまだまだ長引いているようであり、それだけが不安要素ではありますが……。 それでも、FWの鈴仙選手にパスカル選手やDFの妹紅選手。 そして最近急成長したルナティックスの名物GK・蓬莱山輝夜選手など、 脇を固める強豪選手にも恵まれているのがルナティックスの特徴! 雑魚妖怪チームは、この布陣をどう崩していくかが見ものになります!!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 「鈴仙! 鈴仙!」「パスカル! パスカル! パスカル! パスカル!」「もこたーん! 今日もハットトリックだー!」 「いや、シュートを全完封だ!」「どっちもだー!」「カグヤ カグヤ カグヤ カグヤ」(今はまだ様子見) 「様子見ってどういう事なんだろう……?」「佳歩ちゃーん!」「てゐちゃーん!!」 ウサギB「……凄い、観客!」 ウサギD「でも、怖い……って言ってたら駄目……だよね?」 輝夜「(フフフ……この私をピックアップするとは。あの実況は良く分かってるわね)」 妹紅「(えー。 輝夜をピックアップするなんて。あの実況、良く分かってないんじゃないの?)」 てゐ「アンタら、いい加減にしなよ……」 実況「――ルナティックスに相対するは、今大会のダークホースとも評される雑魚妖怪チーム! MFの風見幽香選手が見せる圧倒的支配力に、CBのレティ・ホワイトロック選手が見せる堅牢な守備力を中心として、 リグル・ナイトバグ選手やメディスン・メランコリー選手など、小粒ながらも将来有望なタレントが揃っているため、 決して油断は出来ない好チームであると言えるでしょう!」
[328]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/06/13(金) 00:17:06 ID:??? メディスン「ふん。 小粒で将来有望って事は、要するに今はザコ、って意味でしょ? すぐにこうやって汚い本音を隠したがるんだから、人間は」 ミスティア「言いたいこともいえないこんな世の中じゃ〜♪」 リグル「そのメロディ良いね、みすちー! 聞いていると自信が湧いてきそう! ハッハァー!」 ルーミア「その超絶頭悪い笑い声は金輪際使わない方が良いと思うよ、リグル〜」 わかさぎ姫「(今日は曇りで過ごしやすいわね……。 あーあ、雨とか降らないかなァ……)」 幽香「…………(どうしてポストって赤いのかしらァ……?)」 レティ「(未だに朝納豆のタレを零した事にイライラしてるわね、あの顔は。 ――全く。今日の試合で死者が出なければ良いのだけれど……)」 両チームともに気合いは充分に入場し顔合わせ。 そうして暫くの間、チームにて最終調整を行い……。 そこから、ミーティングの為にそれぞれのロッカールームへと入っていく。 鈴仙「(――あれは)」 振りむきざまに、鈴仙はふと幽香が目に入った。 幽香は暫し、何か考えごとをしているような雰囲気を浮かべていた。 しかし、やがて鈴仙の目線に気が付くと、ボブカット風に切りそろえた新緑の黒髪を揺らし、 女性的な、しかし爽やかなフレーバーを振り撒きながら――ニッコリと微笑んだ。 その微笑みを見た鈴仙は、声を出す事すら出来ずに立ちつくすしか出来なかった。
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0ch BBS 2007-01-24