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【目指せ】ミサト監督の挑戦3【J2】
[965]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 00:07:35 ID:??? 木工用ボンドを買いに行かされ、木の補修をさせられ… 何故こんな田舎娘に良いようにこき使われなければならないのか。と憤慨したものだ。 「桜は弱い木なんだよ!」 と言われ 「ばい菌で枯れたら、あなたが植え直すの?!」 と怒られ…。 後に仲良くなった時に聞いたが…この子も怖かったという話を聞き、思わず噴き出したものだ。 学内で顔を合わせる機会があり、それまで付き合いのあった女性と異質な彼女が自分の気を引いた。 機会がある度に口説き、それでも頑として受け付けない彼女に負けん気をそそられ… 少なくとも友人というポジションを手にするまで、気が付くと半年かかっていた。 いつしか自分も放蕩をやめて彼女を好きになり、それまでとは違う真摯な態度に出ていた。 周囲は散々コケにしてくれたが。 クリスマスに皆で集まり、打ち上げをした帰り道。 公園で寂しそうに桜を見ていた彼女の姿に、思い切って声をかけてみた。 彼女は自嘲気味に笑いながら… 「ねぇ、桜の染料って何から採れるか知ってる?」 と言うばかりであった。
[966]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 00:22:18 ID:??? 大学を卒業し、就職しようとしていたら、たまたま埼玉で新チームを作るという事になり、そこに入団した。 それが埼玉ガラパゴスだった。 当時の自分としては、好きなサッカーでメシを喰えるというだけだったが… 今考えると、彼女を口説く為に結果を残そうと努力をしてきた結果だった。そう思う。 ガラパゴス入団を彼女に伝えると、彼女はとても喜んでくれた。 またあの公園で花見をしないか、と言ったところ、了承され…気持ちが浮き立った事をよく覚えている。 花見は盛り上がり、彼女を送って帰ろうと申し出たが、そこは断られた。 少し飲み直しをし、帰ろうとした自分の前にいたのは…彼女が男と二人でいる姿だった…。 ペトレスク「(今考えると間抜けだよなぁ。)」 よせば良いものを、わざわざ物陰に隠れ二人の会話を聞いてしまった。 単なるアホだ、と自分でも思うが…若かったのだ。 彼女は桜を見上げながら、男に言った。 「坂口安吾?『近頃は桜の花の下といえば人間がより集って酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思いこんでいますが、 桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になりますので、 能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に 子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう (このところ小生の蛇足)という話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。』 とあるね。」
[967]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 00:43:06 ID:??? 男「春の日に咲く、桜については坂口安吾と同意見だ。桜についてはあまり良いイメージがない。」 男も女も、どこにでもいるような二人だ。楽しそうに会話する二人。 男「それだって花見をしちまうんだからな。人間なんて不思議なもんだ。」 女「桜の染料って何から採れるか知っている?」 男は首を振る。 女「桜の木の皮よ。」 男「……へぇ。」 冬の寒い間に耐え、桜は樹皮に桜色を蓄える。寒梅のような凛々しさではないが、花を咲かす為に耐えているという見方も出来る。 女はそう言うとにっこりと笑い… 女「……私ね。桜って大嫌いなの。」 と言った。男も自分も驚き、女を見る。 女「私にとって桜は別れの象徴よ。大切な人と離ればなれになる象徴。」 男「…あの話していた外人さんか。」 女「いや、そうじゃない。ペトレスクは桜が連れてきてくれた人よ。」 心臓が鳴り響く。ということは… 男「…そうかい。俺にとって桜ってのは… 中学の卒業式の時に離れちまった奴と、今、また再会させてくれた木でな。」 …そこからはあまり覚えていない。 偶々会った風を装いながら、二人を冷やかして別れた事は覚えている。 考えると、最初からノーチャンスの恋愛だったのだ。 彼女は自分を一人の友人としてしか見ていなかった…。 それを形として突き付けられただけだ。 桜舞い散る季節。 苦い思い出と切なさのみ残る、片想い…
[968]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 01:01:56 ID:??? ペトレスクの回想を破ったのは、綾波だった。 綾波「…教えてほしい。」 綾波はボンドを出すとペトレスクを見る。 ペトレスク「これはな、こうして…」 ボンドを消毒した枝の切り口に貼り、桜が舞い散る。 淡いピンクの喝采の中、ペトレスクは再び回想の海に身を浸した。 ペトレスク「(…それから、サッカーを死ぬ程頑張ったな。)」 あの時が自分の立志だったのだろう。 桜が連れて来た男が、桜を好きになった彼女の自慢になってやろう、と。 あれから十年近く、少なくとも自分はサッカー選手として必要とされている。 彼女の住む埼玉から離れたが、現在もサッカーを続けられている。 不器用な男の不器用な片想いの終わらせ方である。 ペトレスク「(女々しい男だ。男の思い出はフォルダだとよく言ったもんだぜ。 それとも、日本在住が長すぎて日本人の感覚が伝染しちまったか?)」 ペトレスクは自嘲気味に笑い、枝の補修を終えた。 先着一名様で。 ★彼女は !card ★ JOKER…未だ独身 赤札…男と結ばれ、ペトレスクを男と一緒に心から応援している。 スペード…ああ、そういやそんなのいたね。 クラブ…俺様には関係ない! クラブA…覚えていない
[969]森崎名無しさん:2014/07/22(火) 01:04:31 ID:??? ★彼女は ダイヤ6 ★
[970]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 01:22:40 ID:??? ★彼女は ダイヤ6 ★ ダイヤ…男と結ばれ、男と一緒にペトレスクを心から応援している 幸せな親子が、ペトレスクのレプリカユニフォームを着てスタジアムにいたら、彼らにペトレスクの事を尋ねるといい。 彼等はペトレスクについて、こう言うはずだ。 「誇り高き男」 だと。 ペトレスクの愛用するバッグには、必ず桜の花弁を模したキーホルダーがついている。 それもまた、彼の心意気なのだろう。 回想の海から出たペトレスクが、綾波の頭に桜の花弁を何枚もつけた。 綾波「…取って。」 ペトレスクはニヤリと笑い、綾波に耳打ちをする。 綾波は頷くと走って寮に戻っていった…。 「シンジに取ってもらいな。」 だがあのペースでは寮につく頃には桜は綺麗に取れているだろう。 大きく伸びをし、ペトレスクは桜を見上げた。 ペトレスク「さて、今日も頑張りますかいのう。」 元埼玉ガラパゴスのバンディエラ。現アルバトロスの精神的主柱はそう呟き、練習グラウンドに向かうのであった…。 END
[971]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 01:37:03 ID:??? …またもや重い…。 恋バナを志したはずが あまとう→地獄行き 由乃→原作スピリットを余す所なく発揮 ペトレスク→不器用な愛 明日こそは、笑えて尚且つ軽いノリの話を書けますように…。 よくよく考えてみると、アルバトロスの面々って一筋縄でいかない連中ばかりですね。
[972]森崎名無しさん:2014/07/22(火) 07:44:49 ID:??? 乙でした! ペトレスクさんには幸せになってもらいたいなぁ。
[973]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 18:54:00 ID:??? >>972 乙感謝です! ペトレスクの場合は、現在登場する女性キャラクターでは無理でしょうね。 こうした男に釣り合いが取れる女でないと、書く意味がありませんので…。 ー東京 961プロー 黒井「…冬馬はどうしたというのだ?」 最近の冬馬のハードワークは異常だ。 三条馬「さぁ…。最近何か『童貞で悪いか、クソッタレがー!』と言っていたような…」 黒井「…全く馬鹿な男だ。あの年頃だとそれで当然であろうに。」 黒井は首を振る。 黒井「第一が、あいつなら女など選り取り見取りだろう。」 三条馬「最初に拘りたいんじゃないんですか?若い時にありがちです。」 黒井「…懐石だろうがファーストフードだろうが、結果は同じだろうに…。」 全く馬鹿な男だ、と黒井は呆れながら冬馬を見た。 あまりのハードワークに、コーチは休憩する冬馬に声をかけた。 コーチ「…冬馬、大丈夫か?」 冬馬「楽勝!だぜ!俺には時間が無い。765も876も皆倒す!」 まさに鬼羅刹。鬼神のような生き方である。 テレビでも精力的に動き、ハードワークをこなす冬馬を見ているのは… 先着一名様で。 ★貴様ッ!見ているな! !card ★ JOKER…お久し振りですねメインヒロイン! ダイヤ…アイドルの卵のモブ女子 ハート…765、876組 スペード…悪徳「…最近頑張ってんじゃねぇか…。」 クラブ…知らなかったのか?大魔王からは逃げられない…! クラブA…りゅんりゅん♪
[974]森崎名無しさん:2014/07/22(火) 19:00:27 ID:??? ★貴様ッ!見ているな! クラブK ★
[975]地獄のミサト ◆lHjY1XBi4o :2014/07/22(火) 19:15:48 ID:??? ★貴様ッ!見ているな! クラブK ★ クラブ…知らなかったのか?大魔王からは逃げられない…! 冬馬を見ているのは…男である事をカミングアウトした涼であった。 涼「……。」 辛そうに目を伏せ、涼は冬馬をやり過ごす。 もしも冬馬に面と向かい罵倒されたら。立ち直れる自信が無いからだ。 これまで涼のファンだった者達が、涼にそうしたように。 視線に気付いた冬馬は、ゆっくり涼に近付いた。 次に来るのは罵倒か、と涼が身を固くする…。が。 冬馬「…よっ。元気か?」 冬馬は友人に向けるような気さくさと声で涼に言った。 涼にとって、その言葉と態度はあまりに意外過ぎた。 冬馬「時間あるなら、少し話そうぜ。」 涼は了承すると、近くの店に二人で向かう。 切磋琢磨する仲間になりたい。 それは冬馬の本音だったのだろうか…。 涼は冬馬の真意を測りかねていた。 仕切りのある部屋に入り、冬馬は ポーション と みのりこ印の石焼き芋 を注文した。 そして… 冬馬「すまなかった。」 と、涼に頭を下げた。
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0ch BBS 2007-01-24