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【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
[733]森崎名無しさん:2014/11/02(日) 22:09:36 ID:??? あなたは何度我々の前に立ち塞がろうというのだ!松山光!
[734]森崎名無しさん:2014/11/02(日) 22:23:17 ID:??? >てゐ「わ、私の技だ!」(例の松山君ポーズで) >松山「(あにきぃ……俺のポーズがパクられてるよぉ……)」 ここのところを想像したらウケタw
[735]森崎名無しさん:2014/11/02(日) 22:27:20 ID:??? ゴール空っぽ→パスでゴールはXで誰もが通る道
[736]森崎名無しさん:2014/11/02(日) 22:28:39 ID:??? さとりと1対1やっても必殺パスを使えば簡単にゴールできるよね
[737]森崎名無しさん:2014/11/02(日) 22:30:11 ID:??? イタリア戦でヘルナンデスから点を取ったあの技の出番かな?w
[738]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 00:54:48 ID:dDZFc3Ho ★さとり→想起「エンシェントデューパー」 53 ( ハートK )( 4 + 5 )=62★ ★パスカル→パスカット 48 ( クラブJ )( 1 + 6 )+(人数補正+1)=56 永琳→パスカット 51 ( ハート10 )( 6 + 4 )+(人数補正+1)=62★ =1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そしててゐがフォロー さとり「(……一体、私は何をしているのでしょうね)」 いざ放たれた、我ながら不可解な軌道を描くパスを見ながらさとりは、内心でそう呟いた。 さとり「(確かに私の想起技は、今のように相手を選べれば強力ですが。 しかし私の基礎技術がそれに追いついていない以上、体力を浪費してしまう危険性の方が高い。 こいしも、無意識を操るセービングはあらゆるシュートを三割弱で受け止めはするけれど、 そうしたら最終ラインでのボールカットが出来なくなる。 ……ふふ、圧倒的に不利で無謀な作戦でしたね)」 後半も5分を過ぎ、間もなく10分に達しようとしているが……まだ、博打を撃ってまで攻めるべき時間では無い。 さとりのオーバーラップは、本人が自覚していたように、元から無謀かつ効果の低い悪手だった。 ――では、どうしてそこまで冷静で聡明な彼女が、このような特攻を行ったのか。 さとり「(……嫌われ者の仲間が笑われたから、自分も一緒に笑って貰おう。 ――そんな理由で突貫したなんて、絶対に言えないわよね。 ……普段から、上から目線で矢車君に接して来た癖に)」 見ると、永琳がさとりの放ったパス以上に不可解な動きで飛び出し、ボールに足を引っかけ零そうとしていた。 恐らく、この永琳の行動は実り、自分のオーバーラップは失敗するだろう。 さとりは苦笑しながら、現実逃避がちに過去を回想し始めていた。 さとり「(……矢車君に松山君。 あの二人を見ていると、私はどうしても、昔の事を思い返さずにはいられない。 そう。 あれは私がサッカーを始める前。 地霊殿の私室に引き籠り、孤独に耽っていた時の事を――)」
[739]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 00:57:28 ID:??? 〜回想シーン〜 ――あれは幻想郷にサッカーが流行し、地底にも少し間を置いてその余波が届いた頃だったろうか。 この頃には既に例の間欠泉や怨霊騒ぎはひと段落しており、地上の人間の興味が空飛ぶ宝舟に移っていた。 そのため、元々嫌われ者の集まりだった地底の住人を態々気にする地上の妖怪や人間も殆ど消え去っており、 つまりその中でもとりわけ嫌われ者だった地霊殿の一門については、誰からも干渉されない状況が再び続いていた。 さとり「――『その言葉を聞き、少年は少女の事が堪らなく愛おしくなった。 そして……』。 そして……この場合、少年はどう思うのかしらね……」 地霊殿のさとりの私室は、いわゆるお伽噺に出て来る王侯貴族の娘が住む部屋に近いが、 可愛らしい服飾は一切無く、その代わりに本棚が並んでおり、ちょっとした書斎のようにも見える。 誰も近づくこと無い個室で、地霊殿の主たる古明地さとりは一人紙に文章を書き込んでいる。 こうして匿名で行っている執筆活動は、さとりにとって僅かな趣味の一つであり、 是非曲直庁からの補助金(灼熱地獄跡を管理する事に伴う助成金だ)が、 例年削減されつつある中(地獄の沙汰も金に困っているのだ)で、地霊殿の貴重な収入源ともなっていた。 (ちなみに、さとりが匿名で書いた恋愛小説は人里で隠れた人気を誇っており、人間や妖怪の少女を中心に愛読者が結構居たりもする) さとり「……思いつかないから、書くのは止めて。 お燐からコーヒーでも貰って、読みかけの小説でも読みましょうか」 ――とはいえ、永い間旧地獄の中心に立ち続けた地霊殿の権威は今なお健在であり、土地の賃貸による定期的な収入もある。 小説執筆はあくまで趣味の延長の小遣い稼ぎであるため、あまり根詰める必要はないと、 さとりは一旦席を離れつつ、お燐を呼びつけコーヒーを頼み、 天蓋付きのベッドに腰掛けお気に入りの推理小説の続きでも読もうとした時だった。 ドンドンドンドン! 勇儀「おーい古明地! サッカーやろうぜ!!」 さとり「(またですか……鬼の癖に、本当にしつこいわね)」
[740]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 00:59:12 ID:??? 地霊殿全体が揺れる程のノック。 そして、二階奥の私室に潜んでいてもハッキリと聞こえる程の大声。 さとりは辟易した様子でベッドから立ち上がり、愛用するハート柄のスリッパを履きながらドアを開けてエントランスに向かう。 相手が相手なだけに、使用人やペットに処理をさせる訳には行かない。 社交的では無いさとりだったが、その程度の常識はある。 勇儀「おっ、来た来た。 頼むよ古明地ィ。 ウチのチームにゃ、お前さんの実力が必要なんだ。 な? 頼むよ、ほら……ことわざで三顧の礼とも言うだろう? 意味は知らんが」 さとり「……とりあえず、三回以上私を訪ねてから諺を引用してください。 貴女が来たのはまだ二回目です。 それとも、貴女はとうとう3以上の数値すら理解出来なくなったのですか?」 勇儀「あん? 馬鹿な事を言う、私だって両手で数えられる分位は理解できるよ。 それ以上はどれも沢山で充分だろうが!」 果たして、迷惑な訪問者は、これまでさとりが書いて来た小説には決して登場しない程の単純さと豪放さを持っていた。 賢しい人間よりはペットの動物に近いため、接しやすいと感じるのも事実だったが、 それでも今自分の目の前に居る星熊勇儀という大女は鬼の中でも取り分け豪放で竹を割ったような性格だとさとりは思った。 勇儀「……まぁ良いや、話を戻そう。 ――どうして、そんなにお前さんはサッカーを。 いや、外に出る事を嫌う?」 さとり「……どうせ私は、地底の妖怪にすら忌み嫌われる覚妖怪ですから。 無意味に外に出て、反感を買いに行くほど私も酔狂では無いというだけです」 勇儀「ふーん。 でも、お前の妹さんは――」 さとり「――こいしの事は、お願いですから言わないで下さい。 あれは、あの子が決めた事ですから……」 勇儀「す、すまん」 妹の話題を口に出しかけた勇儀は、さとりの懇願に対して素直に謝罪し頭を掻く。 基本的に他者への配慮が無い彼女だが、それでも義理人情には厚く、最低限のラインは知っている。 そのため、彼女を慕う地底の荒くれはかなり多いという事もさとりは知っていた。
[741]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:00:26 ID:??? さとり「……昨日も言いましたが、私は忌み嫌わられた闇の住人なんです。 勇儀さん。 貴女のように地底に居てもなお太陽のように明るく輝き、人妖に天道を示すような存在には到底理解不能でしょうが。 私は、これ以上人を傷つけたくも無いし、自分も傷つきたく無い。 そんな性根の捻じ曲がった、根暗で醜い女なんです。 だから、私に声を掛けるのは止めて下さい。 代わりに、お燐や空ならばお貸ししますから――」 勇儀「んあ? その二人と、ついでに火焔猫所管のゾンビ妖精共にはもう協力を取り付けているぞ?」 さとり「えっ、それって私も聞いていないんだけど……(――お燐が報告をサボっていたようね。 全く、あの子もあの子で、こうして巧く手を抜く子なんだから……)」 ――途中、ペットの躾に関する話題も挟まりはしたが。 さとりが外界との接触を拒み、小説の世界に傾倒する理由は上述の通りだった。 精神を司る覚妖怪の能力は、当然人間にとって嫌われて然るべきである上に、 肉体で無く精神を基調とする妖怪にとって、その恐怖は更に上回る。 しかし、さとり自身もまた精神を持つ一個の妖怪である以上、他者からの拒絶は時に、自身の精神をも蝕む。 それ故に、地霊殿という殻に引き籠る事は合理的な判断だと、さとりは信じて疑っていなかった。 勇儀「三行以上の長い話は分からんが、要はお前さん。 嫌われたくないから外に出ないって事か?」 さとり「そうです」 勇儀「……じゃあ、逆に言えば。 ――もしも、サッカーがきっかけで、お前さんが皆に好かれたとしたら。 ……その場合は、外に出るっていう事か?」 さとり「ええ。 ……無論、そんな事はありませんが」 勇儀「ふーん。 そうか、成程ねぇ……。 つまりは、サッカーをやって貰って。 それで、お前さんが皆好かれれば良いって事は……つまり……」
[742]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:03:40 ID:??? その日、勇儀はこれ以上話さなかった。 そして次の日、さとりは後悔する事となった。 「もしもサッカーをやって人気が出たら、外に出るようにする」 ……鬼を相手に、軽はずみにそう口約束をしてしまった事を。 また、さとりは考慮していなかった。 自分のペットは自分を慕ってくれてはいるが。 それが即ち、彼女たちが自分のイエスマンであるとは言えないという事を。 ――その結果、勇儀が来訪して来たその次の日。 ***** −旧都郊外 仮設サッカーコート− ――ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! 実況「――さあ! 間もなく始まりますエキシビションマッチ! 地底妖怪FCに対抗するのは、なんと! 地上で有名な魔法使い・霧雨魔理沙選手率いる、霧雨恋色マジックです! 霧雨魔理沙選手は、地上でも有数のストライカーですが、その脇には彼女の友人を自称するアリス・マーガトロイド選手も控え、更に…」 さとり「ねぇ、お燐。 ……私は自室のベッドで寝ていた筈だけど。 どうして、目覚めた私は、地底のサッカーコートのベンチに居るのでしょうね……?」 空「えっとですね、さとり様! それは、私が夕べ頑張ってさとり様をおんぶし――むぎゅっ!?」 お燐「いやぁ。 寝相が悪かったんじゃないですかねぇ〜」(←空の口を押えて) 勇儀「だって。 お前さんがサッカーで人気者になれたら、これからも外に出て、 私らの助っ人とかをしてくれるんだろう? だから、きっかけを与えてあげようと思ってね」 さとり「……無理です。 運動なんてここ数十年した事ありません。 ――弾幕ごっこなら、この前少ししたけれど」
[743]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 01:04:51 ID:??? ――勇儀に加えて、ペット達の陰謀もあって無理やりにサッカーコートへと連れ出されたさとりは、 当然、帰りたい気持ちで一杯だった。 お気に入りの小説も読み切っていないし、新作恋愛小説の執筆もまだ途中なのだ。 勝手に自分を連れ出したお燐と空にもお仕置きをしたい所だが、それ以上に人混みに対する不快感が優っていた。 さとり「帰ります」 さとりはスッ、と立ち上がってサッカーコートから抜け出そうとしたが、ここで根本的な問題に気付く。 お燐は既にさとりの行動を予測していたのだろう。 普段よりも三割増しで意地悪な笑顔を作り、 お燐「あれ、さとり様。 ここって、旧都から結構離れた郊外にありますけど。 さとり様……ご自分で帰れます? あたいとお空は残念ながら、星熊さまに誘われた以上、エスコートはちょいと立場的に難しいですが」 さとり「………」 さとりは、自分の顔が意図していないのに赤くなるのを感じた。 確かにお燐の言う通りだ。 自分は長らく地霊殿に引き籠っていたので、旧地獄の地理がイマイチ分からない。 無論、空を飛んで行けばいつかは地霊殿に辿り着けるのだろうが、それには時間と手間がかかる。 つまり、サッカーをする以上に、関わりたくない人妖と関わらなくてはならないかもしれないのだ。 空「えっと、さとり様。 お燐は、さとり様と一緒にサッカーとかしたり、旧都に買い物行ったり、 ひょっとしたら地上のお祭りに参加したりしたいから言ってて、絶対意地悪してる訳じゃなくて――」 お燐「……お空、恥ずかしいからちょっと黙ろっか。 どうせさとり様は分かってるっぽいし」 さとり「……ええ。 それはもちろん分かっているわ。 その上で、私は帰りたいのよ。 ――サッカーのルールも、良く分からないし」
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0ch BBS 2007-01-24