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【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
[761]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/04(火) 00:20:41 ID:??? お燐「……様! ……り様!!」 空「聞い……さと……ま!」 さとり「(……お燐、空。 貴女達も私を笑いに来たのね)」 ――何も聞こえない筈の闇の底に向かって、一筋の声が聞こえる。 それは最初、さとりには不甲斐ない主人に失望した従者達の笑い声だと思った。 その声は、意識してしまうと中々頭の中から離れずに響き、こびりついて離れてくれない。 うっとおしくなって、さとりが一瞬だけ目を開いた時――二人の姿とは別に、得点板が見えた。 碌なサッカー設備が無い旧地獄の特設サッカーコートに備え付けられる木製の板。 その板には、こう数字が記載されていた。 地底妖怪FC 3 − 3 霧雨恋色マジック 空「さとり様! 私、決めました! お燐と一緒に決めました!!」 お燐「後さっき、星熊さまもさとり様の為にやってくれたんですよ! こう、カッコ良く……ズバーーっと! これならまだ、さとり様の事をバカにした奴らを見返してやれますよ!!」 さとり「…………!」 ――この時のさとりの心境は、……自分でも良く分からなかった。 これまで自分はただただ暗い絶望の中に居て、そして今もその状況は変わっていないのだが……。 しかし、何故か明るいような気がする。 闇に居ても尚、掴める光があるような。 ――そんな気がするのだ。 この気持ちを、一体どうやって表現すれば良いのだろうか。 さとりはこの時、少しだけ間を置いて。 さとり「(……不思議ね。 まるで……白夜の世界に、やって来たみたい)」 ――と。 本物の白夜を知らないにも関わらず、そんな事を思い浮かべていた。
[762]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/04(火) 00:23:34 ID:??? ――と、言ったところで今日の更新はここまでです(汗) 明日で回想シーンは終わりになる予定です。 読み物としてはともかく、ゲームとしては、試合中に長い回想を入れるべきでは無かったかもしれません…テンポ的に考えて(反省)。 さとりの心情描写だけでなく、ひょっとしたら今後の伏線っぽいセリフもあるかもですので、出来れば読んで下されば幸いです。 それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。
[763]森崎名無しさん:2014/11/04(火) 00:24:45 ID:??? にとり「もうだめだぁ…おしまいだぁ…」さり気なく炎上中
[764]森崎名無しさん:2014/11/04(火) 00:32:49 ID:??? 乙でしたー。 にとり「本当にゴールキーパーは、損な役割だよ……ガクッ」 アリス「にとり……? しっかりしてにとり!」
[765]森崎名無しさん:2014/11/04(火) 21:58:11 ID:??? ヨーロッパあたりだとGKが人気で一人だけだから取り合いになるとか聞くけどね、特にドイツ
[766]森崎名無しさん:2014/11/04(火) 22:09:02 ID:??? 今の日本のGKを見てると、やっぱり川口と楢崎の時代は恵まれてた方なのかね
[767]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:23:53 ID:??? こんばんは、今日も回想します。 >>763 多分さとり様の葛藤の裏で三回くらい吹っ飛ばされてます。 >>764 乙ありがとうございます。アリスさんに友達が出来そうで何よりです(違) >>765 そうなんですね、知りませんでした(汗)お国柄で好まれるポジションが違ってくるんでしょうね…。 >>766 何とか川口は分かります(爆)
[768]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:25:14 ID:??? さとり「……無駄よ。 どうせ私はザルですから。 貴女達や星熊勇儀が頑張っても、どうせ逆転されます。 ……私のせいでね」 さとりは自らに芽生えた感情への戸惑いを隠すため、わざと後ろ向きに言い捨てたが、 しかし内心では決してそうは思っていなかった。 根拠は全くないし、絶望的な状況は変わっていない筈なのに、何処かに希望があるような気がする。 勇儀「――そうか。 だったらまた点を取らんとな」 ヤマメ「キスメの桶の耐久力が、シュートブロックでマッハだねぇ、こりゃ」 キスメ「………!」(←コクコク頷いている) さとり「貴女達は、どうしてこうも私なんかを庇うんですか。 お燐や空のような私の従者だったら分かりますが、貴女達は私とは無関係。 むしろ、旧都の住民は贅沢暮らしの地霊殿の令嬢を嫌っているのでは?」 無意識では救いがある事を知っていたが、しかしそれでもさとりの理性は 最後までお燐達や勇儀達を拒絶し続けていた。 どうせ裏がある。 おだてられて調子に乗ったところで、また突き落とされるんだ。 過去の経験則を当てはめながら、さとりは覚妖怪らしい醜悪な目つきで、地底妖怪FCの連中を睨む。 後で期待外れと罵られるくらいなら、最初から嫌われている方がマシだからだ。 ……しかし。 空「私は……ううん。 私だけじゃない。 お燐も、鬼さんも、蜘蛛さんも、桶さんも。 その他の名もなき地底の妖怪達も――きっと。 さとり様を、信じていますから!」 さとり「……」 空が純真に言い放った、この安易な励ましに対して、さとりが即座に皮肉たっぷりに言い返せなかったのは。 ――どこかで、地獄の絶望の中でも見える光を、感じたからかもしれなかった。
[769]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:28:17 ID:??? ――ピィイイイッ!! ……暗いのか明るいのかも分からない、白夜のような心情の中、後半戦は始まった。 前半で奇跡的に決まった2点はやはり奇跡だったのか、後半戦が始まって以降、 地底妖怪FCは再び押されっぱなしの状態だった。 空にしても勇儀にしても、シュートは凄いがそれ以外はからきしだし、 お燐はドリブルもパスも中途半端。 守備については当然目も当てられない。 ヤマメはそもそもやる気があるかどうかすら分からないし、 キスメの小さな桶ではブロックに行ってもそもそもボールに当たらない。 ……故に、GKのさとりがCFの魔理沙と何度も対峙する事はもはや必然だった。 さとり「(……考えても無駄と言う事かしら。 どうせ私には何も無いのだから)」 魔理沙「……おっ、良い顔になって来たじゃないかさとり。 正直、さっきまではシュートを撃つ度に罪悪感に駆られていたんだぜ?」 さとり「……その心に嘘は無いようですが。 そう考えていながらも、遠慮無しに突っ込めるあたりが、貴女の凄い所だと思いますよ」 魔理沙「褒めても何も出ねぇよ……っ、と!」 グワァアアアアアアアアアアアアアアアッ! バッ、ゴォオオオオオオオオオオオン!! ビイィィィィィィィィ………………ッン!! さとり「(……コースは読める! 遠慮無しに私のどてっぱら!)止めます……!」 バァアアッ!
[770]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:29:39 ID:??? さとり「はっ!」 ガシッ! 魔理沙「なっ!(……ウソだろ。 サッカー初心者が四度目で私の『マスタースパーク』を弾いて見せるなんて! そりゃあ、私の狙いが正面過ぎたのもあるが。 ……それでも、やっぱりどうしても妬ましくなってしまうぜ)」 ――霧雨魔理沙との三度目の対峙、とうとうさとりは吹っ飛ばされずにボールをその中央で受け止めた。 ……しかし、文字通り血の滲むような努力を重ねて来た『主人公』が編み出した最強の技は、 心を読むという才能だけに溺れた、哀れな妖怪には決して敗れぬ代物だった。 さとり「(……駄目! やっぱり、重さとノビが違う! 人間で、勇儀さんや空よりもか弱いのに、どうしてこんな力強いシュートを……!?)」 ポロッ……! 名無し妖精「す、隙アリよっ!」 バシッ、バシュウウウウウウウウウウッ! ……ズバァアアアアアアアアアアアアアアアッ!! さとり「(そ……そんな!)」 地底妖怪FC 3 − 4 霧雨恋色マジック ――さとりが奇跡的にも弾いたボールは、しかし実らない。 桶に入っている為に動けないキスメは、ねじ込みに向かっていた名も無き妖精を止める事が出来ず、 見事に転んでしまっていたさとりは、そのボレーシュートに反応する事も出来ず……。 後半開始後5分足らずで、お燐達が懸命に築いた同点を無駄にしてしまった。
[771]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:32:05 ID:??? すみません、今日の更新はどうしてもここまでです。明日にはきっと回想終わります。 話としても、あまりグダつかない方が面白いとは分かっているのですが、分かっていても中々バランスが取れません(泣) それでは、また明日もよろしくお願いいたします。
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0ch BBS 2007-01-24