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【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
[770]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:29:39 ID:??? さとり「はっ!」 ガシッ! 魔理沙「なっ!(……ウソだろ。 サッカー初心者が四度目で私の『マスタースパーク』を弾いて見せるなんて! そりゃあ、私の狙いが正面過ぎたのもあるが。 ……それでも、やっぱりどうしても妬ましくなってしまうぜ)」 ――霧雨魔理沙との三度目の対峙、とうとうさとりは吹っ飛ばされずにボールをその中央で受け止めた。 ……しかし、文字通り血の滲むような努力を重ねて来た『主人公』が編み出した最強の技は、 心を読むという才能だけに溺れた、哀れな妖怪には決して敗れぬ代物だった。 さとり「(……駄目! やっぱり、重さとノビが違う! 人間で、勇儀さんや空よりもか弱いのに、どうしてこんな力強いシュートを……!?)」 ポロッ……! 名無し妖精「す、隙アリよっ!」 バシッ、バシュウウウウウウウウウウッ! ……ズバァアアアアアアアアアアアアアアアッ!! さとり「(そ……そんな!)」 地底妖怪FC 3 − 4 霧雨恋色マジック ――さとりが奇跡的にも弾いたボールは、しかし実らない。 桶に入っている為に動けないキスメは、ねじ込みに向かっていた名も無き妖精を止める事が出来ず、 見事に転んでしまっていたさとりは、そのボレーシュートに反応する事も出来ず……。 後半開始後5分足らずで、お燐達が懸命に築いた同点を無駄にしてしまった。
[771]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 00:32:05 ID:??? すみません、今日の更新はどうしてもここまでです。明日にはきっと回想終わります。 話としても、あまりグダつかない方が面白いとは分かっているのですが、分かっていても中々バランスが取れません(泣) それでは、また明日もよろしくお願いいたします。
[772]森崎名無しさん:2014/11/05(水) 20:39:27 ID:??? にとりが なかまになりたそうに さとりをみている! なかまに してあげますか?
[773]森崎名無しさん:2014/11/05(水) 20:54:15 ID:??? ニア黙って親指を下に向ける
[774]森崎名無しさん:2014/11/05(水) 22:37:29 ID:??? にとりはそのうち地獄行だよ。ブリッツボール的な意味で
[775]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 23:52:20 ID:??? こんばんは、今日も更新します! >>772 確かに仲間っぽい感じですね…名前も似てますし。 >>773 にとり「そんな ひどい…」 >>774 みとりの反対を押し切り、討伐隊に入ってシンを倒しにでも行くんですかね…(異界行き)
[776]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 23:53:22 ID:??? ――ブウゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!! ……そして、さとりの予想通り、名無し選手相手の無様な失点で、 荒っぽくマナーの無い地底の住民たちの怒りは頂点に達した。 もはや言葉も聞き取れず、心を読むまでも無く憎悪の感情が一点に集中しているのが分かる。 お燐「あ、あっちゃぁ〜。 ……大丈夫かな、さとり様」 普段は能面のような笑顔を心がけるお燐も、この時は主の精神が不安で、その顔に不安を滲ませる。 空「どうして皆、さとり様に酷い事言うの? 悪いのは私達だって一緒なのに……!」 ヤマメ「とどのつまり、さとりサマが分かり易い戦犯だからだよ。 しかも、勇儀姐さんはあれで気前が良くって、地底の人気者だからねぇ。 姐さんの活躍を帳消しにするような失点…って事もあって、今のさとりサマは観客達にとって、敵チームの選手以上に悪だ」 空「そ、そんな……!」 ……ピィイイイッ! さとり「(…………私は、一体何の為にこんな事をしているのかしら。 ――ううん。 一体私は、何の為に、こんな風に生き永らえて……)」 ――やがて、さとりの葛藤は消えないままに、次のキックオフが始まった。 ボールを持ったのは勇儀、真っ直ぐなドリブルで名無しの妖怪を吹っ飛ばして行くが、 やはり中盤を司るアリスのボールカットにはどうあっても敵わない。 そこから流れるような縦パスには、ヤマメが僅かに触れかけるが……。 当時からして、因幡てゐや小悪魔をも上回り、風見幽香にも匹敵するとされていた精度を誇るアリスのパスは、 ビギナーズラック如きでは潰せない。 ボールは四度、いや五度、……数えきれないが、兎に角魔理沙へと渡り。
[777]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 23:55:39 ID:??? 魔理沙「(さて……そろそろ流石の私も疲れて来たが。 ここはそろそろ、私の仮説を実践に移す時かな――?)」 魔法使いらしく一瞬で思考を巡らせた彼女は、これまでとは違った攻撃手段に出る。 すなわち魔理沙は30メートル程度の位置で切り込むのを止め。 魔理沙「久しぶりに頼むぜ、『ナロースパーク』ッ!」 グワアアアアアアアアアアッ、バゴォオオオオオオオオオオオッ!! さとり「弾丸シュート……!?(――距離を離れた上で、先程よりは弱めのシュート! やっぱり彼女は、私の能力の効果範囲を認識している……!?)」 魔理沙「……ふふん、『魔法使いは、敵の弱点に対して常に敏感たれ!』 私があの間欠泉騒ぎの時から、覚妖怪の研究を進めて来たんだ。 こういう時の為にな! (もっとも、様子見と検証で無駄に撃ちまくってしまったのは、反省だがな……)」 魔理沙は自身の師匠と、ついでに対覚妖怪の研究に「協力」してくれた自称賢者 (おだてればすぐに本を貸してくれるから、アリスの次にチョロかったぜby魔理沙) に感謝しつつ、驚愕と絶望で歪むさとりに対してニヤリと笑う。 あくまで無力で才能が無い、普通の人間たる彼女にとって、こうした努力と研究で、 才能や能力のある妖怪を打倒する事が最上の喜びであり、生きる目標だった。 さとり「い、いけない…! えっと、ボールをキャッチしなくちゃ……!?」 この時さとりは失点を覚悟し、魔理沙は駄目押しとなる四点目を確信していたが――。 ガイーーン! キスメ「……!」(←してやったりの表情) 魔理沙「……ちぇっ。 まぁ、こんな事もあるか」
[778]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 23:56:57 ID:??? 実況「あ〜〜っと、魔理沙選手! さとり選手の能力の範囲を見越したか、 敢えてのPA外から必殺シュート! これは間違いなく見事な頭脳プレーでしたが、 しかしこれは偶々キスメ選手の桶に命中してしまいます! ボールはさとり選手の足元にコロコロと転がって……さとり選手が易々トラップ!」 さとり「……フフ。 悪運だけは強いようですね、私は」 さとりは薄く笑いながらボールを足で押さえていた。 思えば幼少の頃(今もあまり成長していないが)から箱入り娘だったからか、こうしたスポーツからは無縁だった。 ボールを足で押さえるというだけでも、新鮮さを覚えてしまう。 ――そして、その純粋に感じた新鮮さこそが、さとりの覚醒のきっかけだった。 さとり「(……思えば、サッカーは自由なものです。 ボールを持ったらドリブルで上がっても良いし、 パスを出しても良いし、シュートを撃っても良い。 ……なんなら、何もしないで止まっていても良い)」 ――最初、さとりは自分の心に芽生えた白夜の光は、チームメイト達による物だと勘違いをしていた。 どんなに情けない自分を見捨てないお燐と空。 陰湿な自分をも包み込んでしまう勇儀。 地底の妖怪らしく、貧乏で爛れた日々をも笑い飛ばして酒の肴にしてしまうヤマメとキスメ。 こんな仲間たちの健闘と励ましを受けて、自分が絶望でも、光を感じられたと思っていた。 勿論、その側面は決して否定出来るものではないが……根源的な理由では無かった。 ……今この局面でボールを持って。 さとりは自分の推測には若干のズレがある事を悟った。 さとり「(違う。 私が本当に希望を感じていたのは、このピッチの自由な雰囲気。 勝利を信じて自由に走り、時には策を巡らせ、時には力と力をぶつけ合う……この匂い。 どんなにリアルな心情描写の小説でも味わえない、今ここに自分が居るという感覚。 これは……誰が私を否定しようとも、私の中では絶対の感覚!)」 ドクン…ドクン… 知らぬ間に、鼓動が激しくなっていた。 これは疲労や絶望による物ではない。 この心地よい鼓動の激しさは、今まで感じた事がない。
[779]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/05(水) 23:58:25 ID:??? さとり「誰に何を言われようとも、私のこのボールは、奪う事が出来ない……!」 観客の罵声は止まらない。 むしろ、前よりも酷くなっている。 地底の住民であり、地底妖怪FCを応援すべき妖怪や獣人までもが、敵の筈の魔理沙を応援している。 獅子身中の虫と言うべきか、そこまでにさとりの事が憎いのだろう。 しかし観客達の誰一人として、そんなさとりからボールを奪う事ができなかった。 スッ…! 気付けばさとりは前進していた。 お燐の真似をしてみたが、しかし明らかに拙いドリブルで。 魔理沙「……何だよさとり。 弱点を看破されて気が狂ったか? 妹さんみたいに」 さとり「……こいしの事は言わないで頂戴。 それよりも貴女、さっき――私を笑ったわよね?」 魔理沙「あー、確かにふふんとか言ってたかもな。 それがどうしたって言うんだ?」 さとり「別に。 ……ただ、聞きたい事が一つだけありまして」 ――他者の評価は気にならなかった。 自身が立たされた絶望的な状況も忘れていた。 間違っても、今の自分が光の住人であるとは思えなかった。 しかし、今の自分が闇に包まれているとも思わなかった。 カッ! 次の瞬間、さとりは皆から忌み嫌われている、覚妖怪としての能力をふんだんに利用していた。 さとりが胸の第三の目を開いた時、観客席から明らかに嫌悪を表す悲鳴が上がったが、 しかしそれでも観客達はさとりからボールを奪う事ができなかった。 さとり「……このドリブルを見ても、貴女は――まだ私を笑っていられますか!?」
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0ch BBS 2007-01-24