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【燃えて】キャプテン森崎47【ヒーロー】
[71]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/05(水) 01:42:28 ID:zDP0ALqc ザガロ「カーハッハッハッハ!これで一番デカい魚を貰ったぜ!!」 ディウセウ「いやーナイスシューだザガロ!おめえやったじゃねえか!」 ブラジル側は当然大喜びである。得意満面で高笑いするザガロを取り囲むチームメイト達は誰もが喜びを隠さなかった。 トニーニョ「ナイスゴールだザガロ。これでお前の力は認められるだろう」 ネイ「俺達の活躍もあっての事だけどな!」 ザガロ「ふん、だったらこの先も俺様にパスを貢げ。アシストを恵んでやるぜ」 ジェトーリオ「もうちょっと敵を作らない言い方は出来ないの〜?」 サンタマリア「お前が言うな。ともあれ、このゴールは非常に有り難い」 ドトール「ここから先は日本も相当焦るだろう。そこを上手く凌げればいい」 アマラウ「頃合いを見計らって3点目でトドメってのが理想だな!」 カルロス「(頼もしいチームメイト達だ…どうだコインブラ。お前の力でも俺の力でもない、ブラジルの力だ)」 コインブラ「……………」 唯一の例外はコインブラだけだったが、彼が今まで見せた笑顔の類は冷笑だけだったので この場面で仏頂面を貫いていてもこの場の喜びの和を乱す要因とはならなかった。 今、ブラジルユースは天国の真っ只中に居た。そして全日本ユースは地獄に叩き落されていた。
[72]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/06(木) 01:03:39 ID:GMye4i7Y 若林「(…馬鹿な。俺は、今のシュートすら止められないのか?)」 失点を食い止められなかったGKとDF達の心は張り裂けそうだった。 中里「(何がスポーツ忍者だ…何が里の復興だ…拙者は、拙者は…)」 前半をリードで終えた後でこの体たらくでは彼らの責任は火を見るよりも明らか。 早田「(チクショウ…チクショウ…弱点を克服できないのが悪いって事なのか…)」 活躍出来ていない自覚がある選手の場合はそれは尚の事。 次藤「(何ばやっちょるタイワシは…昨夜きゃーぶるったのは何だったとね…)」 ここまで勝ち抜いてきた猛者達のプライドがボロボロと崩れていく。 松山「(強い…これが、サッカー王国ブラジル…強すぎる…)」 それは勿論DFに限らず、MFにも等しく発生している現象である。 中山「(俺は己惚れていたのか?世界で戦える事と、世界で勝てる事を取り違えていたのか…?)」 人数的有利がある筈なのに中盤で負けていると言う事実が彼らの自信を奪っていた。 岬「(試合時間は後25分程度…厳しいなこれは。特に精神的ダメージが半端じゃない)」 冷静で頭が良い者が多いと言う事もこの状況では悪影響となっていた。 三杉「(攻略法が見当たらない…!突ける弱点がない…!たった今力押しで負けたばかりなのに…)」 自分達がどれ程絶望的な追い込まれたかをまざまざと思い知らされるからだ。
[73]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/06(木) 01:05:35 ID:GMye4i7Y 日向「(こんな…こんな…こんな馬鹿な!こんな無様に一方的にやられる事が…!)」 誰か一人のミスならまだ良かった。あるいは無謀な作戦の結果こうなったのならまだ修正出来た。 翼「(疑い様もない。完全に実力で上回られた…それもチーム全体で…)」 だがこれは全員の意思が一つになった上で取った作戦で、誰も何も出来なかった事による結果なのだ。 超モリサキ「(ウソだろ…俺がチームを立て直した筈なのに、こんな一瞬で…)」 何か間違えた訳でもなく、誰を責めても何も解決しない。そんな状況ではキャプテン候補達も現キャプテンもショックを免れなかった。 放送「歓喜一色のブラジルに対して日本は一変して重苦しいムード!先程の同点ゴールではまだ 顔色を変えるだけでよかった!しかし今や敗北と言う刃が彼らの視界に否応なく飛び込んでくるのです! 彼らが激戦を勝ち抜きブラジルを苦しませた強豪である事は間違いありませんが、どんなチームでも 後半中程で逆転ゴールを食らっては焦りと恐怖との戦いを避ける事はできないのです!」 観客「ざまーみろ日本!」「まあそう言うな。奴らはフェアに立派に戦ったんだぜ」「ウチを苦しめたのは自慢していいぞ!」 「よくやった、だがもう諦めろ!」「ワールドユース準優勝なら誇れる成績だ。それで満足しとけよ!」 放送「また観客の大半も彼らを支えてはくれませんし、それは当たり前の事です。 ここからまだ立ち直り果敢に戦う事が出来るのか、それとも儚く崩れてしまうのか?」 シュナイダー「(ブラジルがホームなんだ、これ位の逆境は当たり前だ…)」 この時一人の男がある決断をした。 シュナイダー「(だが…誰もがブラジルを応援しないといけないと言う訳でもないだろう)」 スクッ。
[74]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:30:39 ID:m0zDp0Cg それは、ドイツの若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーから始まった。 パンッ。パンッ。 シュナイダー「ジャーパーン!ジャーパーン!」 ドイツメンバー「ん?シュナイダー?」「何やってんだ…」 日本の国名を叫びながらの手拍子。簡素な応援だったが、彼がこんな事をするのは極めて珍しい… と言うよりなじみ深いドイツユースの面々の誰もが見た事はなかった。 フライハイト「…日本が負ける所を見たくない、か?」 シュナイダー「いいや。負けるのならそれは弱肉強食の節理だ。だが諦めるのは見たくない」 カルツ「お前さんらしいねえ…どっこいしょ。ジャーパーン!ジャーパーン!」 メッツァ「え、カルツもやるの?」 カルツ「あいつらとは4回もやりあったからのォ。腐れ縁ついでだぜ」 カペロマン「面白そうじゃないか、俺もやるぜ。ジャーパーン!ジャーパーン!」 シェスター「そうだな、どうせならニンジャとサムライ達を応援するか。ジャーパーン!ジャーパーン!」 マーガス「このままブラジルが圧勝するのもイヤだしな。ジャーパーン!ジャーパーン!」 フライハイト「…ジャーパーン。ジャーパーン」 続いてカルツが、カペロマンが、シェスターが、マーガスが、フライハイトが同じ事を始めた。
[75]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:33:50 ID:m0zDp0Cg ポブルセン「ケッ、馬鹿どもが」 メッツァ「ちょっとちょっと、こんな所とタイミングで日本を応援なんかしたら…!」 誰もがシュナイダーに続いた訳ではない。日本嫌いを公言し憚らないポブルセンは当然やらなかったし、 メッツァはブラジルホームでブラジルが逆転した歓喜に沸いている時にこんな事をすればどうなるかを予想し恐れ戦いていた。 観客「あん?なんだこの声は?」「誰だ!日本を応援なんかしてやがるのは!」「あいつらだ!ドイツユースの奴らだ!」 「あの野郎!黙って見ていられないのか!」「折角のいい気分だったのに!」「コラ!黙ってられないんならこれでもくらえ!」 ビュンッ!シュッ! 最初に彼らの行為に気付いたのは近くのブラジル人観客達であり、彼らはメッツァの危惧通りの行動に出た。 祝勝ムードに水を差されたと誰もが感じ、そして数人の酔っ払いが持っていたビール缶をシュナイダー目がけて投げつけた。 メッツァ「(あわわわ、だから言ったのに…!え?)」 シュッシュッシュッ! 観客「え…?」「なっ…」「う、うそ…」 ミューラー「………おい」 ヒュヒュヒュヒュッ! カランカランコロン!! ミューラー「…ゴミはちゃんとゴミ箱に捨てろ」 観客『ヒッ…』 そしてそれらは一番前に立ちはだかったミューラーによっていとも簡単に全てキャッチされ、遠くにあったゴミ箱に 正確無比に投げ込まれた。この威嚇行為で警備員が出るまでもなくドイツユースの安全は確保された。
[76]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:35:29 ID:m0zDp0Cg ドイツメンバー『ジャーパーン!ジャーパーン!ジャーパーン!』 パンッ。パンッ。パンッ。 ドイツユースの数人が手拍子で応援していた所でそれが湧き上がる大観衆の歓声をかきのけて全日本ユースに届く訳ではない。 ヘルナンデス「あれ…あっちは…ドイツユースか?」 ストラット「日本を応援しているのか…」 ジェンティーレ「そういえばドイツの連中は日本と仲が良かったな…」 だが日本の応援団が居る客席サイドには他のユースチームの選手達がそれなりの距離で離れされつつも集められていた。 ブラジル人には人気がない席なのであり、安全上の都合もいいから当然と言えば当然の事である。 そしてこの事実が連鎖反応を起こした。 スクッ。 アルシオン「やるのか?」 ヘルナンデス「ああ…日本には二回負けた恨みがある。だがそれは真剣勝負で日本に勝つ事でしか晴らせない恨みだ。 その恨みを晴らせる前に自信を失われたくない…だから俺はやる。ジャーパーン!ジャーパーン!」 ストラット「…まあ、ツバサには恩もあるしな。ジャーパーン!ジャーパーン!」 バンビーノ「右に同じく。ジャーパーン!ジャーパーン!」 アルシオン「たまにはこういう事もいいだろう。ジャーパーン!ジャーパーン!」 ランピオン「別にどっちでもいいが…ヘルナンデス達だけを矢面に立たせる訳にもいかんか。ジャーパーン!ジャーパーン!」 ジェンティーレ「フン、好きにしろ。俺はやらんぞ」
[77]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:37:00 ID:m0zDp0Cg ドイツユースにイタリアユースが続いた事で他の国々の選手も立ち上がり始めた。 ディアス「ジャーパーン♪ジャーパーン♪」 ミューラー「…お前、何時の間に。と言うか何故ここに来た?」 ディアス「だって俺ブラジルの恨み買いやすい立場だし?ここにいりゃお前が壁になってくれるだろ?」 ミューラー「…呆れる気にもなれん」 ピエール「ミサキ、頑張れ!サッカーの素晴らしさを忘れるな!ジャーパーン!ジャーパーン!」 ナポレオン「青臭ぇ…ついていけねぇ…」 ミハエル「マイダーリンミスギー!まだ負けていませんよ〜!ジャーパーン!ジャーパーン!」 オワイラン「おお、なんたる美しい光景だ!さあやるぞバルカン!ジャーパーン!ジャーパーン!」 バルカン「貴賓室にしなくて良かったな。アジアの誇りを託して…ジャーパーン!ジャーパーン!」
[78]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:38:30 ID:m0zDp0Cg 肖「まだだ、こんな所で諦めては良い竜は見れないぞ!ジャーパーン!ジャーパーン!」 呉「だからそんなモノが見えるのは最初からお前だけだって…ジャーパーン!ジャーパーン!」 李邦内「横浜育ちのよしみだ!応援しよう、邦坤!ジャーパーン!ジャーパーン!」 李邦坤「アジアサッカーの更なる発展の為にもな!ジャーパーン!ジャーパーン!」 陸「精々頑張って珍が高く買われる確率を上げてくれアル。ジャーパーン。ジャーパーン」 誰もがそうした訳ではない。性格や日本との関係故に日本を応援する気にならなかった者も少なくない。 クライフォート「相変わらず仲が良い様で…ハッ」 クリスマン「俺はやらないぞ。絶対イヤだ」 ドールマン「日本にあれだけやられて応援なんてなァ」 ビクトリーノ「俺パス。日本の奴らと仲良いって訳じゃないからな」 火野「そうだな。今更日本を応援したって意味ないしな」 エスパダス「なんだ、どいつもこいつもジャパンジャパン…日本なんか負けちまえ」 エスパーニャ「(流石に俺だけやったらこいつらのルチャの餌食になるな…)」
[79]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/07(金) 00:39:56 ID:m0zDp0Cg ロリマー「…どうしよう?」 ロブソン「日本とは特に縁がないしな…俺達は中立でいいんじゃないか」 だが彼らの応援は少しずつ大きくなり、観客席のブラジル人以外を味方にし始めた。 そしてなにより勇気づけられた者達が居た。 片桐「こ、これは…」 陽子「今まで戦ってきた相手が…!」 賀茂「…イキな事してくれるじゃねえか」 数少ない日本の応援団である。 骨皮「みなさーん!日本人以外がこんなに応援してくれているのに僕たち日本人が黙っている場合じゃありませんよー!」 早苗「一番辛いのは選手の皆です!こういう時こそ声を張り上げましょう!」 日本応援団『…ぉおおおおおおおおおおおおお!!!』 早苗「テンポを合わせて!旗を振りながら!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」 日本応援団『ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!』 超モリサキ「………えっ?」 こうしてようやく全日本ユースへの応援はブラジル人の歓喜の渦を突破して超モリサキ達の耳に届いた。
[80]2 ◆vD5srW.8hU :2014/11/13(木) 00:29:25 ID:bkuoD94Y この時超モリサキがどんな精神状態にあったかは誰も分からない。 彼自身が後日インタビューされて「頭が真っ白になっていた事しか思い出せない」と答えたのだ。 コインブラと言う巨大な個に前半に築き上げた物全てを覆され、 それでも諦めずに最も現実的に思えた作戦を実行しようとしたら、 その作戦のミスや弱点を突かれたのではなく実力で押し負けた。 それも今度は個人技ではなくチーム力でだ。 ともすれば常勝無敗のイメージを持たれがちな超モリサキだが、彼の経歴にも引き分けや敗北はちゃんと存在する。 如何に強靭なメンタルであろうと、負けのイメージを持たない事は有り得ない。 超モリサキ「(負ける…?俺は…負けるのか…?)」 日本応援団『ジャーパーン!ジャーパーン!』『ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!』 超モリサキ「………えっ?」 もしこの時彼の耳に応援の声が届かなかったら、彼は、全日本ユースは、どうなっていたか? 日本応援団『ジャーパーン!ジャーパーン!』『ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!』 超モリサキ「…骨皮たち…いや、違う。ドイツにイタリアに…他の国の奴らまで?」 全日本メンバー「こ、これは…」「皆…」「あいつら…」 歴史にもしを求めても意味がないとは良く言われるが、 少なくとも全日本ユースの士気が容易に回復しなかったのは想像に容易いだろう。
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0ch BBS 2007-01-24