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【Other】鈴仙奮闘記23【World】
[923]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:54:56 ID:??? レミリア「多分、そのパチェが隠し撮りしてた映像を見ると、あいつらはきっとクロなんだろうね。 まぁ、それも汚い魔女の合成映像だ……とか言われると厳しいし、 パチェはそれを見越して、バベルの塔位高いプライドを折ってまで、霊夢に検証を依頼したんだろう。 ――ん、バベルの塔は高さ90メートルで、現代からすると案外高く無かったんだっけか。 ま、いいか。 兎に角、パチェは体を張って、あいつ等――聖徳ホウリューズの反則プレイを告発しようとした……と」 霊夢「……あんたねぇ。 カリスマだか中二病だか知らないけど、もうちょっと分かり易く話しなさいよ。 しかも会話の内容も昨日の展開のおさらいみたいだし。 そういう配慮とか要らないから」 レミリアは勿体ぶった尊大な言い回しで、親しげに霊夢に向かって歩み寄って来た。 霊夢は審判の肩程の背丈しかないが、今近寄って来た吸血鬼の少女はその霊夢の肩程の背丈しかない。 それにも関わらず、一番身体の小さな彼女の態度が一番大きい。 レミリア「……霊夢。 あんたの言う事は何時だって正しいかもしれない。 今の局面だって、多分アイツ等が悪いし卑怯な手を使ったのかもしれない」 レミリアは腕を組んで悩む素振りを見せていたが、霊夢には分かった。 こいつはもう既に自分なりの結論を決めている。 敢えて勿体ぶって、霊夢にこうして語り掛けているのだ……と。 呆れた霊夢の表情の理由を知ってか知らずか、レミリアは訥々と語る。 レミリア「このまま私も黙っていたら、あのイヤミな笑顔の岬犬とやらを退場させる事ができて、 ついでにフランの反則もイエロー位で済むかもしれない。 ――何だ、私達にとって良い事ずくめじゃないか。 さっすが霊夢、私が見込んだ女なだけはある」
[924]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:56:09 ID:??? 霊夢「……そりゃどうも。 で、他に言う事も無ければ、早速パチュリーが作った映像珠でも再生してみようと思うけど。 ――検証と。 曝し上げも兼ねてね」 ――そして、全てを察しつつも霊夢は、観客達にも広く神子や岬達の悪事を周知する意図で、 岬の反則映像が映るらしい魔法の珠を高く掲げようとするが……。 レミリア「……スカーレットシュート!」 バシュッ!―――――――ガ シ ャ ァ ァ ァ ァ ン !! 霊夢「……(ま、予想はしていたけど)」 パチュリー「――はぁ。 馬鹿を友人に持つと、ほんっとに疲れるわ……」 ――その珠は、したり顔のレミリアが放った真紅の弾丸により撃ち抜かれて破壊される。 実況「……ん!? これはどうした事でしょう! どうやら……レミリア選手が、 自身の魔力を練って作った弾丸で、パチュリー選手の作った映像を破壊してしまった!? これで……これでは映像の真贋以前に、聖徳ホウリューズの不正の証拠すらなくなってしまいました〜!」 霊夢「……一応聞いてあげるけど。 どうして、こんな事したの? 黙っていれば、あんた達にとって困る事は全く無かったのにさ」 そう言う霊夢は、心底レミリアにあきれ返っている様子だった。 そろそろレミリアとも永年の付き合いになろうかと思われる霊夢だったが、 それでもこの少女がしばしば行う、突拍子も無い行動だけは理解できなかった。 レミリア「――確かにあいつらは反則をしていたかもしれない。 だが、紅魔の当主たる私は、それに対して一ミリたりとも怒っていない。 ……むしろあいつらのプレーに関心していたのよ」
[925]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:02:55 ID:??? パチュリー「(……ぁあ。 この馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿吸血鬼……! 試合途中で、チルノとすり替わったんじゃないかしら――いや、それは無い! チルノでも、わざわざ自分に有力な証拠を、自分からぶっ壊しはしないんだから……!)」 神子「(……本当は、ここで私が演説をして場を取り戻したかったが――吸血鬼に取られてしまったか。 そうなると、どうしようか……。 こころをこっちに呼び戻すか、それとも……?)」 そんなレミリアの態度に、紅魔スカーレットムーンズのメンバーも、聖徳ホウリューズのメンバーも、 呆気に取られて(一部は更なる謀略に頭を巡らせていたが)、 鎮まり返った場にレミリアは満足して、政治家のお株を奪うかのような、幼くも凛々しい声で演説を始めた。 レミリア「――かつて。 ああ、私がここに居を構える前だ。 ……数世紀前、私は人間に恐怖を抱かせる邪悪なる魔物としてその名を馳せた物だったが。 その時の人間も、本当にありとあらゆる手を尽くして、私を殺しに掛かった。 ある人間は、大量の大蒜が入った袋を盾に取り。 ……あの時は臭いが取れなくて大変だった。 ある人間は、酒で眠らせ寝入りに銀の釘を心臓に打ち付け。 ……そこまでするなら、もっと色々やっても良かったのに。 ある人間は、そう。 ……まだ幼いフランを人質に取ろうともした。 ……まぁ、その人間の末路はお察しだけどね。 ――ここじゃあ言えない。 もっと卑怯かつ残酷な手で、弱い人間は私を――私達を殺そうとしていた。 しかし、私はそれを理由に人間を恨み憎んだだろうか? ――答えは勿論ノー。 何故なら、人間はそうでもしないと吸血鬼に勝てない。 汚くならなければ殺されるからね。 そして、そんな人間を見下す為に――私は常に高潔な淑女たらんとした。 人間の条理が通じぬ、恐怖の権化であり続ける事こそが、我々悪魔の存在意義だから」 フラン「お姉様……。 勿体ぶってて偉そうだって思ってたけど。 ……そんな事考えてたんだ」 陸「(そう考えると、朕が今まで生きて来れたのって軽く奇跡な気がして来たアル)」
[926]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:04:53 ID:??? 観客席の全てが、レミリアが醸し出す生まれついての高貴さに魅了されつつある中。 ――レミリアはここで一旦息を吸って続ける。 レミリア「……そして、そう考えれば。 パチェやフランには悪いが、彼らの行為だって立派な吸血鬼対策。 『銀の弾丸』だ。 なんせ、これまで審判は一度も笛を吹いていない――即ち、ルールを破っていない。 私も昔少し齧ったけど、反則プレイをバレないようにするってのは案外難しい。 例え道徳的に一線を越えた行為であっても、それを一つの技にまで昇華出来ている証拠だ。 ……だから、巫女が出る幕は無い。 サッカーは審判の判断が絶対。 パチェや巫女の言い分が正しかったとしても、審判が笛を鳴らさなかった以上、それは通らない。 紅魔の当主の矜持に賭けて、ルールに反した裁定をされるのは、許せない。 仮に敵が、ルールに「反しそうな」プレーを行っていた可能性が高いとしても、 紅魔の当主たる私は、称賛こそすれど抗議する言われは無いのだから」 霊夢「……相変わらず、良く分かんない考え方ね」 レミリア「私は単にルールに従ってサッカーがやりたいだけよ。 それに、あいつ等が単なる汚い小物集団だったら、霊夢の出る幕無しにすぐに馬脚を露すでしょうしね」 霊夢は呆れを通り越して笑っていた。 恐らく、他のスカーレットムーンズのメンバー……もしかしたら、渦中の聖徳ホウリューズのメンバーすら、 紅帝のあまりに奔放過ぎる物言いに、苦笑を隠せなかったかもしれない。 岬「(……黙っておけば圧倒的に有利になる局面で、敢えて敵に塩を送る行動。 それが吸血鬼なりのノブリス・オブリージュならば、傲慢過ぎると言わざるを得ないが。 ――まぁ。 もう楽観的に思考するのは止めよう、つまり、彼女には自信があるからなんだろうね)」 岬は引き攣った笑みを隠しながら、この次に紅帝が告げるであろう言葉を予測していた。 レミリア・スカーレットは何もお人好しが高じて岬達のプレーを黙認した訳では無い。 そうに決まっている。
[927]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:08:43 ID:??? レミリア「そんな訳で、霊夢はもうお呼びじゃないわ。 帰っていいわよ」 霊夢「……別に、アンタに呼ばれた訳じゃないけどさ。 ……まぁ、またノンビリ試合見てるわ」 ビュウウッ……! ……レミリアは巫女をシッシッと猫のように追い払うと、 未だ状況を呑みこめていないフランと、負傷と疲労により立ち上がれないパチュリー。 そしてそれを取り囲うスカーレットムーンズの従者達を穏やかに見つめると、 レミリアは再び先程の――いや、先程を大きく超える怒気を孕んだ瞳で神子と岬を交互に睨み。 レミリア「……私は『紅魔の当主』として、お前たちのプレーを褒め称えた。 ――だが。『フランドール・スカーレットの姉』及び『パチュリー・ノーレッジの友人』としての私は。 ……簡単には、貴様等を赦しはせんぞ?」 ズッ……! ……研ぎ澄まされた刃のような。 フランドールのようにただただ膨大では無いが、洗練された鋭利な殺意を向けた。
[928]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:10:07 ID:??? ――と、いったところで今日の更新はここまでです。 最近無駄に文章が嵩んですみません……。 明後日には試合描写が終わると思います(汗) それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[929]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:14:29 ID:??? 無駄に、というのは読んで頂く側にとっても失礼な言い方だったかもしれませんね。 ですが、もう少し描写や展開を良い意味で短く、洗練出来ればいいな…とは考えております。
[930]森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:15:58 ID:??? ごく普通に岬犬という単語が使われてるw 893乙
[931]森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:22:04 ID:??? 乙です。 お嬢様かっこいい! これは利は捨てても名は大きく売っただろう。 「博麗の巫女」が審判を覆したということも防いだし、長期的に観れば一番いい結果なんじゃないか? それにしても、レミリアと霊夢のやりとりが、いかにも二人っぽい。 霊夢もレミリアに食い下がったりせずあっさりと立ち去るのも素敵だね。 「中立」として信頼できそうだ、紫の言葉を鵜呑みにしたりはしなさそう。
[932]森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:34:03 ID:??? 乙です 2チームとも逃げる姿勢を全くもっと見せないね どちらも負けたら恥を大きくさらす行動に出てる でもその姿勢、嫌いじゃないわ! さて、これで審判も霊夢も聖徳も紅魔も損せず得せずな結果となったね これで人間&妖怪VS鈴仙という悲劇は避けられた 審判が咎められた場合→紫「鈴仙が狂気の瞳使ったんじゃね」?→これは鈴仙の仕業に違いない! 紅魔が咎められた場合→紫「自分の力が及ばないばっかりにこんなことに」→鈴仙がいなきゃ起こらなかったに違いない 聖徳が咎められた場合→試合が荒れた→紫「鈴仙にかまってる間に・・・これは裏でつながってるに違いない」→全部鈴仙のせいだ
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0ch BBS 2007-01-24