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【Other】鈴仙奮闘記23【World】
[971]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:33:19 ID:??? レミリア「―――H A!」 ブウンッ、ドガガガガガァァァァッ!! その均衡を最初に破ったのは、レミリアだった。 吸血鬼にとって弱点でもある聖なる光を至近距離で浴び、その身体は現在進行形で酷く焼け爛れていた。 しかし、その痛みをもろともせず、レミリアは左脚で一気に踏み込み、右脚で神子のシュートを中心から正確に捉える。 一連の動きは淀みなく、ごく一部の観客は、かの紅帝が何を狙っているかを明確に理解する事が出来た。 パスカル(観客席)「あの動き、もしや……!?」 霊夢(観客席)「(『カウンターシュート』……か。 ――そういや、何時かの大会で私がやってみせた時、あいつったら悔しさと対抗心で顔真っ赤にしてたからねぇ。 これだけ期間もあれば、レミリアも習得していてもおかしくはないか)」 レミリア「(……私もまた、貴様には負ける訳にはいかん! その動機が貴様の言う下らない過程であったとしても、私はそれを切り捨てたりはしない! だって。 ―――その方が、楽しいからね……!)―――ァァァァァァァアアアッ!!」 ググッ……グググッ…………!! レミリアの怒気に合わせて、空中に制止したボールが少しずつ前に押し返されて行く。 このままでは、レミリアが本当に劇的にボールを弾き返してしまうのではないか? そんな思いが、少しずつ観客達の中にも広がって来ていた。 神子の人気は、元々こころの能力を使って得た一時的な熱狂。 一種の集団ヒステリーに過ぎない。 それ故に、人々の人気を力に放たれた神子の『詔を承けては必ず慎め』は、少しずつその威力を減じていく。 ……かのように思われたが。
[972]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:37:10 ID:??? 神子「……先程も言った筈だ。 私はただの人間では無く――聖人だ! 僅か程度、このシュートを防いだ程度で……!!」 ―――ゴオォオオオッ……!! レミリア「……!(威力が、再び上がって行く……! このシュートは、観客達の人気を拠り所とするシュートでは無かったのか!?)」 パチュリー(ベンチ)「(……集団スキルである『トータルフットボール』もどきに、 弱小選手の一芸特化による戦力化。 そして反則をも辞さないダーティプレイ。 ……これら一連の聖徳ホウリューズの周到な戦略作戦が、私達に一つの誤解を無意識に与えていた! 即ち――『聖徳ホウリューズの集団戦術は高いが、それを統べる豊聡耳神子の能力は、 レミリア・スカーレットや八意永琳。 風見幽香と比べても一段落ちるのではないか?』……という誤解! ……そんな都合の良い事、ある訳が無いのに! 間違いなく、彼女もまた日本史上に残る最高の為政者にして英雄。 ――文句なしに、彼女は幻想郷はおろか世界でもトップクラスの選手! だとすると……) ―――レミィッ!! 危ない、避けてーーーーー!!」 パチュリーは、無駄と分かっていてもそう叫ばざるを得なかった。 吸血鬼の癖に、妖精並みに無鉄砲な彼女が避ける筈無いと、頭では分かっているのに。 そして……そう叫んでいる間にも、神子『自身』から発せられる霊力が凄まじい勢いで膨張しているというのに。 神子「――レミリア・スカーレット! そなたは我の聖徳伝説の礎となるが良い!」 ゴオオォオオオオッ……!! ズッ……! レミリア「(――ちいいっ。 これは悔しいが……私の負けだ。 心の底で奴を侮蔑し油断していた報いかな。 ……でも、何が一番悔しいって。 それは―――)」
[973]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:38:34 ID:??? レミリアの全身は、神子から放たれた燐光により既に灰と化していた。 それでも尚、右の脚でボールを押えていた事はまさに彼女の執念染みた、恐るべき精神力の賜物だった。 だが――運命の悪戯か、それとも必然か。 その抵抗も、あと僅かで無に帰ろうとしていた。 神子「(……もしも彼女の位置取りが少しズレていて、もう一歩早く踏み込まれていたら。 ――そうしたらきっと、私の全力を以てしても、このシュートは撃ち返されていたかもしれない! ……全く、死ぬ直前まで末恐ろしい少女だった……!)」 ガシャッ。 バギィイイイイイイイィィイッ!! レミリア「……フラン、パチェ。 ……ごめん」 咲夜「お……お嬢様ァァァァーーーーー!!」 バギィイイイイッ……!! 小悪魔「さ、咲夜さ〜〜んッ!」 バギイイッ……!! メイドB「きゃ、キャー!?」 ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!
[974]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:39:50 ID:??? 陸「……(あんぐり)――い、いかんいかん! ビビって無いアル! ビビッて無いアル! ――チェストーーーーーーーーーッ!!」 ブウン、ガキイッ、 ……ドゴオオオオオオオオオオオッ!! 陸「あ、アイヤーーーーーー!? ば、化け物……!!」 バシュン! ―――ドゴオオオオオオオオオオオオオッ! ………ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 紅魔スカーレットムーンズ 1 − 1 聖徳ホウリューズ 大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ): 6ゴール 鈴仙 4ゴール 勇儀、諏訪子、レミリア 3ゴール フランドール、来生、早苗 2ゴール 射命丸、神奈子、ピエール、星、神子 1ゴール 妹紅、佳歩、咲夜、美鈴、謎の向日葵仮面、赤蛮奇、サニー、リリーB 影狼、反町、藍、メルラン、空、屠自古、霊夢、魔理沙、森崎、天子 大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ): 3アシスト 早苗、ピエール 2アシスト 小悪魔、てゐ 1アシスト 鈴仙、パチュリー、影狼、大妖精、橙、お燐、諏訪子、神子 衣玖、針妙丸、小町、空、リリーW、マミゾウ
[975]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:40:51 ID:??? ……■■■■ーーー!! ■■■■■■ー!! ■■■■■■ー!!■■ーー!! ■■■■■■ー!! 鈴仙「ひ、ひぎゃっ! み、耳が痛い……!!」 てゐ「しゅごい歓声。 大歓声だ……! ぜーんぶ、あの神子に向けた絶賛コールだ!」 佳歩「で……でも、私。 治りましたよ……?」 ウサギB「――もう、小細工を打つまでも無いって事じゃないかな……。 だって何もしなくたって、あの神子さんって人がやったプレーは凄いに決まっているもん」 パスカル「……まさしく、器用万能と言ったところか。 戦術面においても、個人の実力においても、サッカー外の謀略においても。 ……あのミコという女性は一流だ」 ――もはや鈴仙達には、実況の音声も、観客の歓声も、何を言っているのか分からなかった。 分かる事は、豊聡耳神子が先程放ったシュートが、 レミリアを含む紅魔スカーレットムーンズの精鋭を一網打尽に吹き飛ばし、ゴールネットを突き破ったこと。 そして、その純粋に美しい素晴らしいプレーに対し、多くの人妖が心酔していたことの二つだけだった。
[976]森崎名無しさん:2014/12/13(土) 22:41:21 ID:??? 弱点がわかった、神子には森崎が相性がいい 神子は耳がいいから森崎とてつをの俺の青春をモロにくらいすぎて 案外太子たことなく簡単にご臨終するからw
[977]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:46:47 ID:??? 咲夜「お嬢様! 大丈夫ですか、お嬢様ァッ!」 レミリア「何。 体のあちこちが少し炭化しただけよ。 ツバつけときゃ治るわ」 咲夜「そ、そんな……! 唾は雑菌が混じっているから、却って傷の化膿を進めると聞いています! きちんと消毒液を使ってください!」 レミリア「……えっ。 突っ込む所、そっち?」 咲夜「あら。 失礼しました(お嬢様がこうも弱る姿を、私は始めて見た……! 私が、不甲斐ないばかりに……!)」 レミリアは咲夜の簡易的な介抱を受けながら、すっかり毒気の抜けた顔で朗らかに笑っていた。 ……咲夜はその表情の裏で、主人が多くの無念さと自身への怒りに震えている事を知り、敢えて気付かない振りをした。 神子「――みなさん! これが人間の力です! 私がゴールを決める事が出来たのも、 チームの皆と協力しあい、そして観客の皆さんが私を応援してくれたからであり、 これこそが人間の結集! そして解放に繋がるのです!! そして共に、今度は我々が妖怪を……」 遠くでは、神子が汗を滲ませながらもマントを気分良くはためかせ何やら演説をしていた。 しかし、今の咲夜にとって人間の解放も妖怪の支配もどうでも良かった。 主人の身の安否こそが、メイド長にとっての最大関心事だからだ。 レミリア「……私は試合に出る。 このまま私が負傷退場なんてしたら、それこそ憤死してしまうからね。 だから、咲夜……悪いけど。 ――試合終わったら、たぶん、おぶって貰う事になると思う」 咲夜「ええ……その位! 喜んで引き受けます……!(悔しいけれど……私は、彼女達のやり方に怒る訳にはいかない。 私が怒ればそれは、『大差で負けると恰好悪いから、接戦で負けられるよう手加減しろ』…と敵に命乞いをしているも同義。 今の私は、それを好むと好まざると関わらず。 ……彼女達のプレーを、お嬢様の如く寛容に、受け入れなくてはならない)」
[978]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:47:47 ID:??? ――美しい集団プレーも、芸術的な個人技も出来るにも関わらず、 反則まがいのダーティプレイをも辞さない聖徳ホウリューズの、勝利に賭けるおぞましいまでの執念。 それを、レミリア達は、鈴仙達は、……他の多くの幻想郷の住人達は。 ……称賛とは言わずとも、少なくとも認めざるを得なかった。 ――ピィィィィィィッ……! それから後のスカーレットムーンズのプレーは、はっきり言って精彩を欠いていると言わざるを得なかった。 レミリア「……!!(ノン・レッドサン)」 ギュウウウウウウウウウウウウウウッ、ズバァァァアッ! ―――ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ……! 川上「(ちいいっ! フェイントシュートなぞ使いやがって……! 馬鹿正直に真正面から行ってくれれば、充分止められたものを……!)」 ――後半14分。 神子のシュートにより負傷を負ったレミリアが執念の『ノン・レッドサン』を決め、紅魔は再び2−1とリードを得たものの――。 それが、フランドールとパチュリー不在の彼女達が出せた、最後の力だった。
[979]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:49:21 ID:??? 神子「――小田君! 君が磨ききった「アレ」を使ってください!」 バコッ! 小田「…………」 バァァァァァッ! 実況「あっと神子選手、小悪魔選手と『メイド特攻スライディング部隊』を切り抜けて自らセンタリング! 小田選手に高いボールが渡りますが……!?」 小田「…………」 ビュンッ! 陸「す、スルーッ!? ギリギリまでボールを引きついておいてスルーアルか!? この磨かれた一級のスルー。 まさに……『ラブストーリーは突然に』アルね。 ――って、言ってる場合じゃないアルッ!? しゅ、襲爪雷斬きゃ………」 屠自古「遅いっ! 『ガゴウジサイクロン』ッ!」 グワァァァァアッ! バギュウウウウウウウウウッ! バリバリバリッ! ――ズバァァァァァァァァァアッ、ピピィイイイイイイイイイイッ!! 紅魔スカーレットムーンズ 2 − 2 聖徳ホウリューズ
[980]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:50:41 ID:??? 大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ): 6ゴール 鈴仙 5ゴール レミリア 4ゴール 勇儀、諏訪子 3ゴール フランドール、来生、早苗 2ゴール 射命丸、神奈子、ピエール、星、神子、屠自古 1ゴール 妹紅、佳歩、咲夜、美鈴、謎の向日葵仮面、赤蛮奇、サニー、リリーB 影狼、反町、藍、メルラン、空、霊夢、魔理沙、森崎、天子 大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ): 3アシスト 早苗、ピエール 2アシスト 小悪魔、てゐ、神子 1アシスト 鈴仙、パチュリー、影狼、大妖精、橙、お燐、諏訪子 衣玖、針妙丸、小町、空、リリーW、マミゾウ
[981]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:52:51 ID:??? 咲夜「(試合時間はもう少ない! お嬢様の体力も残り少ない! ならば奇襲で――)……時符。 ――『ザ・ワールド』ッ!」 バァァァァァァァァァン! 布都「な、なんじゃ?! なん――」 大丸「しまった。 ここまで切り込まれては、クリ――」 咲夜「(これまでのプレーを見るに。 物部布都はタックル・パスカット・ブロック・クリア全てに優れた、守備のスペシャリスト! それぞれがD番(岸田)、G番(岬)、C番(高杉)、B番(大丸)には及ばないとは言え、高い水準を保っている。 だったら、私が出来る奇襲は彼女を抜ききって――)そして、時は動き出す! 美鈴ッ!」 布都「そ、そこにいたのにいなかったー!?」 バシュウウッ! 実況「あ〜っと、十六夜咲夜選手! 時を止めたと思えば大オーバーラップでPA内に切り込んでいた! そして美鈴選手に一旦渡し、低いセンタリングを供給して貰う。 これは――! 咲夜「(お嬢様や妹様。 パチュリー様のシュートと比べても威力は劣るけれど、不意打ちの状況ならば……) ―――喰らいなさい! 速符・『ルミナスリコシェ』!」 グワァァァァッ、バチイィイイッ! ギュウウウウウウウ……ン!! 実況「出ました! 咲夜選手の新必殺ダイレクトシュート・『ルミナスリコシェ』だ〜! ボールを地面に叩き付けて、その跳ね返りをゴールに目がけるという、咲夜選手らしい技巧的プレー! これには慢心して油断していた高杉選手、必殺のブロックを発揮する事が出来ません! ですが……!」
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0ch BBS 2007-01-24