※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】
[135]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/17(水) 23:54:13 ID:??? 鈴仙「ラーメン、好きなの?」 松山「……昔は好きじゃなかった。 監督の奥さんが作ってくれた、手作りのスタミナドリンクとか。 それと――■■が作って、くれたような……。 いや、なんでもない。 忘れてくれ」 あの辛気臭い松山が、心底愉しみな風にカップ麺を作ろうとするのだから、 鈴仙は少しおかしくなってしまい聞いてみるが――多少心を許したとはいえ、 松山の深層心理には未だ深い傷が残っているようだった。 とはいえ、これまでの様子と比べると充分に会話が成り立っていると言えた。 松山「……俺がかつて居た場所では、お前みたいな奴は真っ先に苛められていただろうなぁ。 集団の規律、普通さ、常識、皆がやっているから……。 皆、みんな、ミンナ。 皆の事を考えられず、マイペースな勘違い野郎は、組織の不協和音だからな」 鈴仙「……貴方も大概にマイペースだと思うけれどね。 ……もしかして、あなたの今の状態は、過去に受けたいじめとかに関係が?」 松山「……違う。 これは俺が受けるべくして受けた罪………」 松山はにべも無く流してみせるが、彼が狂気に囚われるまでには 余程壮絶な出来事があったのではないかと容易に推察できる。 鈴仙「(この波長……! 深い恨みと嘆き。 底の知れぬ後悔と懺悔! これまでは激しい混沌で分からなかったけど、これこそが今の彼の――松山光の本質! けれど、だとしたら……ちょっと、悲しすぎるわよ……)」 そして、過去を語る松山からは、鈴仙がこれまでに感じた事の無いようなマイナスの波長。 行き場を無くし暴走を続ける呪詛が渦巻いていた。
[136]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/17(水) 23:56:43 ID:??? 鈴仙「(――否定されて、否定されて、否定されて。 ――やがて自らをも否定されたせいで、自らが崩壊しかけた骸の男……! 一体誰なら、こんな彼の暗い深層心理を暴く事が出来るのかしら) ……まぁ。 難しい事を考えるのはやめ。 私も、ご一緒に食事させてもらうわ」 松山「……ふん。 勝手にしろよ。 言っとくけど、それは本来兄貴しか食べちゃいけないラーメンなんだ。 お前は……そうだな、姉貴醤油よりは妹豚骨と言った所だな」 鈴仙「(――コイツから見て、私って妹タイプなの? それはそれで、なんとなく下に見られた気がしてムカつくわね……)」 ……松山の事は少し理解できた鈴仙だったが、根本的な解決法までは分からない。 仕方なしに鈴仙は、松山に続いて井戸水をやかんに入れて炎で温めて、 「兄弟ラーメン 兄貴塩」を作る事にした。 先に味噌ラーメンを作っていた松山はこの間、律儀にも鈴仙を待ってくれていた。 案外、素は悪い奴では無いのかもしれないと鈴仙は思った。 鈴仙「(案外悪くない味ね、このラーメン……。 500円も出した甲斐があったわ。 ――と、思ったけど。 これって灼熱地獄跡で拾ったんだっけ……? 賞味期限とかちょっとかなり気になるけど……美味しかったし、いいか)」 ――最初の不安とは裏腹に、ラーメンは存外に美味しかった。 *松山の評価値が大きく上がりました。 *鈴仙と松山の関係が、鈴仙→(敵意は無い)←松山 になりました。
[137]森崎名無しさん:2014/12/17(水) 23:59:05 ID:??? >ライトニングリグルキックの威力は65くらい 強すぎるwいや翼が評価しまくることを考えれば妥当な数値なのか
[138]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/18(木) 00:03:32 ID:??? ――と、言った所で今日の更新はここまでですが、松山のイベントはもう少し続きます。 (前回の試合後にちらっとアナウンスしていたものです) ラーメン効果で松山との親交も深まったので、より鈴仙がイベントに絡める形になると思います。 それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[139]森崎名無しさん:2014/12/18(木) 20:47:47 ID:??? 乙でした。 松山君は今の状況を受けるべくして受けたと思い込んでいるのか。 早く自分を許してやって欲しい。
[140]森崎名無しさん:2014/12/18(木) 23:49:25 ID:??? 聖徳には小田もいたけど高杉もいた 妖精チームと当たるなら来生とも絡むのかー?
[141]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/18(木) 23:55:06 ID:??? こんばんは、今日も描写だけになりますが更新します。 >>137 オー○ムドライブの威力が67〜68くらいなんで、それほどでもないですね。 >>139 乙ありがとうございます。 松山の心情描写は難しいですが、自分を許したい気持ちと許せない気持ちがせめぎ合っているようなイメージです。 試合時の松山は前者が優位で、今の松山は後者が優位な感じですが、この辺りを上手く書きたいですね。 >>140 高杉と来生については、少なくとも軽くは絡む予定ですね。この二人はある意味対照的な存在だと思います。
[142]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/18(木) 23:56:59 ID:QXAbfd76 *** さとり「……おや。 どこか賑やかとは思えば」 鈴仙「――んげっ」 ラーメンを汁まで啜り終わり、それでもどこか心地よい無言の中で、ノンビリと腰を落ち着けていた鈴仙(と松山)。 そんな二人の前に――乱入者が現れた。 さとり「……貴女の事はお燐から聞いています。 だから、『ふ、不法侵入で逮捕されたらどうしよう!?』……とか、思わなくても大丈夫よ」 鈴仙「あ、あはは……そりゃあ失敬」 地霊殿の当主にして、地霊殿サブタレイニアンローゼスの守護神でもある古明地さとりが、 松山の食事の入ったお盆を手に、牢獄に入り込んでいたのだ。 彼女は相変わらずのぶっきら棒な無表情で鈴仙につかつかと歩み寄り、頼みもしないのに心を読む。 さとり「どうしてあなたが、こんな所に……? ――えっ?『特に理由は無い』……ですって? こいしじゃないんだから、そんな抜けた理由で態々こんな所、来ないで欲しいわね……」 鈴仙「う……うるさいわね。 暇なのよ」 さとり「……暇でも、普通はこんなところ来ませんよ。 ……そう言って来ている私も私だけれど。 どうしても、こんな場所に来たがるペットなんか居なくって。 お燐だったら行ってくれそうだけど、あの子は矢車君を嫌っているから」 松山「……嫌なら、来なくても、良いんだ……」 さとり「……別に好きで来ている訳ではありません。 ただ流石に、野垂れ死にされると寝覚めが悪いのでね。 ――ちなみにこれは本心からの言葉であって、一般的なツンデレ的要素は全く含まれていないので誤解無きよう」
[143]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/19(金) 00:00:30 ID:/mjs3LOQ さとりは慣れた様子で松山の言葉をあしらい、 簡単にではあるが牢獄に散らかったゴミの片づけや、室内用具の手入れを始める。 鈴仙が持ち込んだ二つのカップラーメンについても、何一つ感想を述べる事無く淡々とゴミ袋に入れて行く。 鈴仙「――さとりさんって、毎日この矢車……いや、今は松山なんだっけ……の面倒を見てるんですか?」 さとり「――少し彼に、思う所がありまして。 ……先に言っておくけれど、愛とか恋とかそういうありがちなネタは要らないので」 鈴仙「言ってもないし、思ってもいないってば……」 さとり「……なら良いです。 ――時に、松山君。 最近は、随分と自身の存在を保てるようになったようですね。 まさか部屋に入った時から、あなたがその形態を発現させているとは思わなかったわ」 松山「……何だよ、兄貴でもない癖に恩着せがましいぞ、お前」 さとり「兄貴だったら恩着せがましかった良いのね。 ……爽やかで恩着せがましい感じの矢車君。 私は見たく無いけれど」 無表情で淀みないくせに、何故かどこか必死なさとりの言動を聞き流しながら。 さとりと松山とで同居人らしい会話が始まった事を機に、鈴仙はいよいよ所在無げに牢獄をぶらぶらとし始める。 特に深い理由も無く来たので、より松山と関係の深い人物が現れた以上、 鈴仙がこうして気まずい空気になるのはある意味必然ではあったが。 ガッ……! 鈴仙「きゃ、きゃ〜っ! い、今なんか小石に蹴躓いたっ!」 ……暗い地面にあった何かに足をぶつけた鈴仙は、そんな空気をぶち壊しにする程の間抜けな絶叫を上げた。 松山「おいおい。 ……お前、さっきから一体何なんだよ。 本気で何しに来たんだ?」 鈴仙「わ、私にも正直分からないわよ。 研究したかったような、カウンセリングしたかったような、ラーメン食べたかったような……。 思兼の神にそそのかされて、無理やりやらされたのよきっとぉ……」
[144]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/19(金) 00:02:56 ID:??? さとり「(……松山君の言う通り。 この子は本当に何をしにここに来たのかが良く分からない。 会った時からずっと、心を読んでいるつもりだけど、肝心な本質が掴めない。 さっきまでラーメンでも食べて親睦を図っていたようだけど、それだけの為に遥々地底まで来たとは考えづらい。 松山君を懐柔することによる、何かしらの利益を狙ったのかもしれないけれど、 それなら、もっと投資のし甲斐のある選手なんて山のように居るから、そっちにすれば良い。 ……まるで、精神分裂病の患者のように、非合理的な思考と行動が多すぎる。 ――となると。 ひょっとして彼女の来訪は……自分の意思。 いえ、正確には表層意識によるものでは、無い……? この原因はあの子……? いえ、それとも……彼女が所持しているであろう、「何か」が原因……?)」 午前の試合観戦に続けてお尻をしこたま打ち付けた鈴仙は、泥の付いたスカートを摩りながら、 半分涙目で知性の低そうな台詞をブツブツと呟いている。 さとりはそんな鈴仙の危機感や目的意識が「無さ過ぎる」様子を見て、ある仮説を立てていた。 そして、その仮説の正しさは大した苦労も経ずに、当の鈴仙によって証明された。 鈴仙「はぁ〜。 ハンカチハンカチ……っと。 あれっ、これハンカチじゃない……」 鈴仙は何気なく、本当に何気なく無意識にポケットをまさぐって布きれを一枚取り出していた。 そして。 松山「そ、そのハチマキは……! いや、でも、しかし……それは俺が許されない象徴だった……!」 ガタッ! ガタガタガタッ……!! ――松山がその布きれ――「愛のハチマキ」を見た矢先。 それがトリガーであったがごとく、松山は今日一番の動揺を見せた。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24