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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】
[181]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 18:23:15 ID:gdMJhXp2 B
[182]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 18:30:33 ID:??? Wのおやっさんの台詞が思い浮かんだ
[183]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:44:23 ID:WbgK50x2 B:「中途半端って言うけれど……中途半端で、一体何が悪いって言うの?」 鈴仙「……私は、正直ほとんど部外者だし。 だから、的外れな事を言うかもしれないけれど」 鈴仙はどうしても言いたくなった。 鈴仙「……中途半端って言うけれど……中途半端で、一体何が悪いって言うの!?」 影山「えっ……?」 鈴仙「――私も、凄く中途半端だから。 昔働いていた場所でも、色々良くしてもらっていたのに、途中で逃げ出したり。 いや……。 今だって、私は冷静にも徹しきれず、かと言って情に全てを投げ打つ自信は無い。 だけど、私は自分で……こんな自分も悪くないと思っている。 大事なのは、中途半端だとか許されるとかじゃなくって……自分で自分の事が好きで居られるか。 どうせ完全に正しい人間……とか妖怪とか……も居ないんだから、汚い自分も綺麗な自分も認めること。 それが大事なんじゃないの!?」 影山「それが出来るなら、苦労はしていないさ……。 良いよなぁ、お前は。 自分に自信があるみたいで。 お前だって、あのサトリと一緒という事か」 さとり「……私はあの方と違って、好き好んで男子更衣室にインする趣味は無いですけどねぇ」 鈴仙「さとりさん。 余計な事言う位なら黙っていて下さい」 さとり「失礼。 ……では、余計では無い事でも言いましょうか。 ――例えば。 私だって、昔は自分に自信が無かったんだ……と、いう話とか」 鈴仙「あっ、そういう話だったら私にも―――! ……っていうか。 やっぱり、何でも切欠があるんだと思うわ! だから、松山君。 貴方だって、このまま生きていればきっと……!」
[184]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:45:58 ID:WbgK50x2 さとりと鈴仙は、互いに地獄を知り、それを乗り越えて来たという点で共通していた。 そうした意味では、この松山の葛藤にも何らかの共感を覚えていたのかもしれない。 影山「……」 影山は影のまま、黙って静かに鈴仙達の言葉に耳を傾けていた。 恐らくは、こうした慰め文句も彼の中では一度考えた内容ではあるだろう。 しかし、それでも、同じ事を自分で考えるのと他者から言われるのとでは意味合いは大きく異なる。 現に影山の影は次第に薄くなり、世界の破片とともに砕けた松山の身体は次第に再構成を始める。 松山「…………すまない」 松山の心象世界にある白と黒は……ほんの少しだけ彼の中心で混ざり、グレーの背景を作り出す。 松山「……俺は人一倍不器用だから、お前達が言いたい事を行動にすぐ移す事はできない。 だが……ああ。 そう言ってくれる人が居るというのは……幸せなのかもな」 さとり「……私の所――というか、地底では、貴方みたいな手合いの変人は沢山居ますから。 もしもそれで思いつめていたのならば……。 そうね。 一度オーバーラップでもしてみたら良いでしょうか。 ……前の試合の私みたいに」 松山「…………ふん。 アレのせいで、試合に負けたんじゃないのか?」 さとり「仰る通りで。 ……でも。 想いは口にするよりも、行動で示した方が伝わり易いのではなくて? ねぇ、鈴仙さん?」 鈴仙「ど、どうしてここで私に振るんですか……? ――まぁ、でも。 そうね。 悩む事も立派だけど――やっぱり、中途半端でも、前に進んで行った方が私は良いと思う、かな……?」 松山「…………」 ―――パァァァァ……ッ!
[185]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:47:18 ID:WbgK50x2 ――鈴仙がそう言ったのと同時に、松山の影の上に本来の松山の輪郭が現れ、周囲は白夜のように光る。 その白色は、塗料のように気持ち悪い白では無く。 適度に黒と入り混じった、薄く幻想的で。 とても美しい白色だと鈴仙は思い――意識はそこで途切れた。 *** 鈴仙「う、う〜ん……」 ??「――目が、覚めたか」 ――鈴仙が意識を取り戻した先は、再び地霊殿の暗い牢獄だった。 鈴仙「あれ。 私――戻って来たんだ……。 ――って! あ、あんたは!?」 矢車「折角介抱していたのに、目が覚めるなりあんた呼ばわりされる。 はぁ……どぉせ俺なんか……」 さとり「……そのネタはもう良いですから。 ――鈴仙さん。 矢車君に代わって礼を言わせて頂きます。 本当にありがとう」 鈴仙「えっ。 その……さ、さとりさんが牢獄に居て。 ……え〜っと?」 さとり「――私達は、松山君の心の世界から脱出しました。 彼の心を僅かにでも慰めてね」 こうした精神的状態変化に慣れているのか、さとりは鈴仙よりも先に目覚めていたようだ。 相変わらずやさぐれた様子の矢車と並んで、倒っぱなしの鈴仙の様子を見ていたらしい。
[186]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:48:35 ID:WbgK50x2 鈴仙「……松山君は、どうなったんですか? 矢車君が今もここに居るというのは、失敗したって事……?」 矢車「それは逆だ。 むしろ、相棒は酷く感謝している。 ――自分を喪いかけ、俺という虚像のヒーローに救いを求める自分を、それで良いと言ってくれた……とな」 さとり「ただ、やっぱり私達の干渉が彼の未熟な精神にとって重荷だったようで。 なので今は、疲れて眠っている状態らしいです」 鈴仙「……そう。 だったら、それはそれで……良かったのかもね」 最初鈴仙は、松山の精神に間借りして存在する矢車は、消えるべき存在と無意識に考えていた。 二重人格は精神の病だ。 そのため、これを直す事こそが松山にとっての幸せなのだ……と。 医療に従事する者としては当然な、しかし傲慢な発想が残っていた事は否めない。 しかし、今の比較的穏やかな矢車の表情を見ると、その思いにも揺らぎが生じる。 さとり「……中途半端である事は、決して罪では無い。 人は清濁、その両方を合わせ持つ存在だから。 そうした考えを弱さや甘えと受け止める者は、きっと多いのでしょうね。 努力によってそうしたどっち付かずの状況を打破し、更なる成長を求めるべきだ……と。 ――ですが、それを押し付けられる方は堪った物では無いと。 そういう話で良かったですかね」 鈴仙「そ、そうだったかしら……?」 矢車「地獄の底こそ至福だと言うのになァ……」 さとり「それはそれで、ちょっと極端過ぎますし。 ……だけど、今の松山君にとっては、貴方の地獄が癒しになっていたのも事実。 ですから……私はそれを、否定はしません。 否定はね」 矢車とさとりとの関係も、より近しい物になっているような気がした。 今回の一件がその原因に関係しているかどうかまでは、今の鈴仙には分からないが……。 ――しかし矢車の様子もまた、先日の試合に比べて随分と優しげになっているような。そんな気がした。
[187]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:49:38 ID:WbgK50x2 矢車「……そこの兎」 鈴仙「は、はいっ!」 とはいえ、突然に精悍で鋭い目線の男に話しかけられても動揺しない程鈴仙の肝は据わっていない。 ピシっと背筋を伸ばして、ある意味当主のさとりに話しかけられた時以上に恐縮しながら矢車の方を向く。 矢車「……次に来た時でも、何時でも良い。 『お前の持っているハチマキを、俺達に譲ってはくれないか』。 ――無論、その際は礼をする。 練習指導でも、戦術指導でも、お前の仲間の技術指導でも。 可能な事ならば、俺も協力を惜しまん。 ……無理にとは言わんが――な」 鈴仙「……は、はい。 それなら(――って言っても、渡しちゃったら姫様への難題プレゼントが出来なくなっちゃうのよね。 一回渡した後、姫様が返してくれるって言うなら別だし、『毘沙門天の宝塔』とかはそれで何とかなったけれど。 今回も上手くいくやら。 矢車……さんも、別に無理にくれ、って言ってる訳では無いし。 ――どっちにしろ、姫様に要相談かしら)」 矢車の申し出が穏健であった事に安心しつつ、会話が一旦途切れたのを見計らって鈴仙は帰宅を申し出る。 精神世界での冒険で親交を深めたからか、さとりは夕飯でも食べて行けば…と誘ってくれたが、今は門限の方が大事だった。 さとり「……まぁ。 宜しければまた遊びに来て下さいな。 お燐もそれなりに貴女に懐いているし、『宝探しの続きまだ〜?』……とか、誘って欲しそうにもしていたし。 矢車君も、こう見えて――結構、貴女に感謝してると思いますよ?」 矢車「俺と一緒に地獄に落ちよう……」(←最大級の親愛表現らしい)
[188]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 22:57:33 ID:WbgK50x2 さとりと矢車の二人に見送られながら、鈴仙は地霊殿を立つ。 矢車が太陽を眩しそうにしていたので(※地底では太陽が見えないが、気配をより近くに感じるらしい)、 二人は入口まで鈴仙を見送るなど殊勝な事もせず、暫く牢獄にて暇を持て余していたが。 さとり「(……しかし。 この一件については間違いなくあの子――こいしが絡んでいる筈なのに。 あの子は試合からして口数が少なかったし、最近は地霊殿にも帰って来ていないみたい。 ――意識か無意識か。 ……何かを私に隠しているわね――あの子)」 ……さとりの思考には依然、何かしらの引っ掛かりを残している様子であり。 矢車「(……当面は俺が相棒を守るが。 ――しかし、『来たるべき時』が来るのも、もうすぐかもしれんな……)」 矢車もまた、鈴仙とさとりの想いを前に、とある覚悟を抱いていた。 *さとりの評価値が上がりました。 *矢車/松山の評価値が大きく上がりました。 *鈴仙とさとりとの関係が、鈴仙→(友好)←さとり になりました。 *今後、「愛のハチマキ」を矢車(松山)に渡した場合、ボーナスが発生します。 内容は、@鈴仙と松山との特訓イベントの発生 A特殊戦術を確実に習得 B能力値の低い仲間選手(名無しウサギ)対象の、強化イベントの発生 ……の3つから選択できるようになる予定です。 *輝夜に渡した場合のボーナス(シュート力+2、ガッツ+50)とは基本的にトレードオフですが、 輝夜との判定によっては両方ボーナスを得られる可能性もあります。
[189]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 23:00:47 ID:??? すみません、ちょっと一旦ここまでです。 残り(6日目ハイライト&新聞選択)は、30分〜1時間後に行います。
[190]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 23:11:15 ID:??? いったん乙でした。 松山君も少しは前に進めたようでなりより。 うーむ、心情的には渡したいがシュート+2とガッツ+50は捨てがたい…… 特殊戦術はなだれ作戦かな? ウサギさん強化イベントもいいね、悩む
[191]森崎名無しさん:2014/12/21(日) 23:30:09 ID:??? 乙です もしDVDが555、龍騎だったら確実に殺しに来てたな・・・
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0ch BBS 2007-01-24