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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】
[51]森崎名無しさん:2014/12/15(月) 00:05:16 ID:??? 聖徳の弱点、アイテムの案外大したことない世界の理を使うと弱くなるよ
[52]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:32:16 ID:??? こんばんは、更新していきます。 >>50 乙ありがとうございます! >>51 戦闘だったら確かに弱くなりますねw
[53]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:33:52 ID:??? ★パチュリーのヒント→ ハートA ★ ハート→スペード+ホウリューズの影の主役・岬の特徴について。 パチュリー「……まず。 一番大きいかつ分かり易い弱点から挙げてみようかしら。 ホウリューズの弱点の一つ。 それは『守備陣に、ドリブルやパス等の攻撃的能力を持つ者は皆無』である…と、いう事ね」 鈴仙「――そうでしょうか。 確かに一芸特化の高杉……とか、大丸……とかはそうかもしれないけど、 少なくともA番のちょっとボケてる仙人(布都)とかは、中々屈指の実力者のように見えましたよ?」 パチュリー「……いえ、それは違うわね。 ――彼女には非常に大きな穴がある」 鈴仙「……それって、性格的な意味で?」 鈴仙はかつて、妖夢が物部布都という少女について話をしていた事を思い出す。 確か、異変を解決しに行った時、勝手に尸解仙と勘違いして来たとか何か。 他にも色々と話を聞いたが、弾幕ごっこで態々的の大きい舟に乗っていたとか、 太子様の復活を祝福しに来たと勘違いされたとか、あんまり頭の良さそうな話を聞いた事が無い。 しかし――パチュリーはそれを即座に否定した。 パチュリー「違う。 確かに彼女の人格には色々と難があるとは聞いた事があるけれど……。 ――豊聡耳神子の第一の弟子を名乗る彼女……物部布都の知力自体は存外に高い。 実際、彼女は惚けた様子を見せながらも、最終ラインをキッチリと守っていたわ。 ……問題は、もっと単純なところ。 彼女は、守備は全般的に一流クラスだけど、攻撃力は総じてスカスカの可能性が極めて高いわ」 鈴仙「……えっ? そんな事、現実的に考えてあり得るんでしょうか?」
[54]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:35:06 ID:??? パチュリー「……それを言い出したら、一芸特化も現実的にはあり得ないのだけどね。 ――まぁ、結論としたら十分あり得るわ。 というか、今日の試合の細かい動きを見ると、そうとしか説明が付かないところが多々あるの。 あの銀髪の仙人、ボールをカットする確率は非常に高かったんだけど、 近くに仲間が居ても、絶対にショートパスはしない。 ほぼ必ず、前方にボールを蹴りだすのみ。 まるで、それしか教えられていないかのように、愚直にね」 鈴仙「……でも、確かに言われてみればそうですね。 それにイメージにも合ってるような。 人里とかでのストリートバトルでも火属性で赤いイメージだったし。 どうして赤いと守備が出来て攻撃ベタなのか分からないけど、うん。 分かる気がします」 パチュリー「……後半は私も良く分からないけど、たぶんそんな感じね。 ――さて、お次に伝えたい事は……あの岬というMFね。 私にマリーシア――いや、『マランダラージ』と言っても良いようなえげつ無いプレーを浴びせて来た、人間の少年よ」 鈴仙「ま、まら……? どういう意味ですか?」 パチュリー「葡萄牙〈ポルトガル〉語で、悪とか極道とか言う意味ね。 具体的にはドリブルとかで敗北した時、腹いせ半分に肘打ちやら蹴りを放つプレーよ。 普通の『マリーシア』が、本来のずる賢さという意味に加えて、知性とか機転とかも意味するのに対して、 こっちは専ら悪意そのもの……って感じの用法かしらね」 鈴仙「はぁ。 流石お詳しいですね」 パチュリー「……まぁ、ただこれは本人もどこか嫌がっている風だったから、『上司の命令が無いとやっては来ない』と思うけれど。 ――ただ、奴の『マリーシア』はかなり上手だったわね。 憎らしいくらいに。 鈴仙も気を付けなさい。 それと――」 パチュリーはここで一旦言葉を切った。
[55]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:37:30 ID:??? パチュリー「ここからは完全に推測なんだけれど。 ……豪族の三人組(神子、布都、屠自古)に、先の岬以外の選手。 他のパッとしない一芸特化の選手達も、何かを隠していそうな気がするのよね。 あの政治家の性格的に」 鈴仙「何かを隠す……ですか? 実は二芸特化だったとか?」 パチュリー「――あり得るわね。 それか、一芸特化ではあるけれど、他にも気の利いた能力があるとか。 例えば……『ほぼどんな位置からスローインしても、必ずPA内のFWへ高い浮き球を渡せる』とか。 『強力なキック力で、フィードを高確率で敵陣深くまで飛ばせる』とか。 『正確なロングシュートを利用した、距離に影響されないパスを出せる』とか……。 ワンモアプラスの一、五芸位だったら、充分やって来るチームだと思うのよね」 鈴仙「単なる一芸特化と油断させた隙を、グサリ……って感じですか」 パチュリー「実は、個人的にそういう策は大好きなんだけどね。 ――私も、陸の存在を隠したりしてたし。 逆にレミィは大っ嫌いなタイプだわ、ああいう手合いの連中は」 レミリア「――当たり前じゃん。 勝負は常に全力でやらなくちゃ、楽しくないでしょ?」 何時の間にか、レミリアが馴れ馴れしく二人の会話に割り込んでいた。 咲夜が後ろで「安静にしていないとお身体に障ります…」など必死に叫んでいたが、 レミリアは敢えてそれを無視しているようであり、鈴仙は何だか咲夜に酷い親近感を覚えてしまう。 レミリア「……鈴仙とか言ったか。 あんたはとっても良い目をしているね。 色も赤で、私の好みだ」 パチュリーが横で何か言いたげにしていたのを遮って、レミリアは背伸びしてじっと鈴仙の瞳を眺めてそう言った。 背丈としては、永遠亭の名無しウサギや佳歩とそう変わらない(つかさよりはむしろ背が低い)にも関わらず、 鈴仙は何だか、背丈2メートルの巨人と対峙させられたかのような錯覚を覚えていた。 鈴仙「あ、ど、どうも……(パチュリーさんとは親しくなったけれど、 考えてみればこのレミリアさんとはあんまり親しいか、とか言われればそうじゃないのよねぇ……。 前の練習試合のラストだって、なんか殺して来そうな視線向けて来たし)」
[56]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:38:34 ID:??? 正直言って、鈴仙はレミリアがあまり得意では無い。 ……というか、そこまで親交は無い。 まったく無い訳ではないが、少なくともパチュリーと比べるとやや距離感があるのは事実だったが。 レミリア「――あんたには凄い力を感じるよ。 霊夢も、八雲紫も、この私ですらも。 ……今ここに居る誰もが持っていない、トンデモ無い、もの凄い力をね。 あんたはその力をくれた奴に、本当に感謝しないといけないよ」 鈴仙「え?」 レミリア「ううん、何でもない。 カリスマトーク」 鈴仙「か、カリスマ……?(……本当に分からない人だなぁ。 尊大だと思ったら気さくだったり。 今見たく、突然分からない事を言って来たり。 パチュリーさんはある意味分かり易いけど……。 ――やっぱり、吸血鬼。 夜の王者は気まぐれって奴かしら……?)」 レミリアはそんな鈴仙の気持ちなどお構いなしに意味深に笑い……そう告げるのだった。 *** パチュリー「……ちょっとレミィ、邪魔しないでよ。 さっきのは私が鈴仙に賢者の知恵を授けるという、全米が泣いて然るべきシーンだったのに……」 レミリア「いや、あのシーンで泣く奴の感性はちょっとおかしいわ……」 ――そうして比較的和やかなムードの中、鈴仙が部屋を出た後。 やはり気の合う友人なのか、パチュリーとレミリアは特に何も無しに雑談をしていた。 レミリア「……しかし。 本当に悔しい。 ああ……悔しい。 悔しいったらありゃしない」 パチュリー「――私とかフランの仇を取れなかった事が? フフッ、レミィったら可愛い所あるじゃない……」
[57]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:39:36 ID:??? レミリア「フランと、ついでにパチュリーの仇を取れなかった……なら分かるけどね。 ――いや違うわ。 私が悔しがっているのはそれじゃない。 試合に負けた事でも無い。 ……負けはしたが、優勝するのは私達で間違いないし」 パチュリー「なら、何が……?」 無念の内に退場したフランやパチュリーの仇を討つことでも無く、負けた事でも無いならば、何が悔しいのか。 パチュリーがそう口を開こうとした時。 咲夜「……横から失礼します。 消毒液を持って来ました。 今から塗りますね」 レミリア「えっ、ちょっ!? マジで消毒液持って来たの!? 沁みるじゃない!」 咲夜「……お嬢様。 そんな事を言っていては、折角ここまで積み上げて来た威厳がパアになってしまいますよ?」 レミリア「む、むう。 それは恐ろしいわね……。 なんせ信頼と同じで、カリスマとは積み上げるのは難しいが、崩れるのは簡単。 まさしく、賽の河原での石積みに近い苦行なのだからね……」 パチュリー「レミィも、色々大変なのね……」 ――そんな普段通りの、間が抜けた紅魔館でのやりとりが再現されるにつれ、 パチュリーも先程の問いへの答えがどうでも良くなってきた。 なんせ、彼女もまた軽度の負傷と多大な疲労があって満身創痍なのだ。 パチュリー「(……賢者たる者、技術や戦術だけでなく、精神力、スタミナ、フィジカル……。 全てが求められる。 そして何か弱点があれば、徹底的にそこを突かれるのは自明。 ――全く。 したり顔でこんな事を言っていた自分が恥ずかしいわ。 ……はぁ)」
[58]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:43:22 ID:??? パチュリーはそう思いながら、暫くの眠りについた。 遠い世界で親友の吸血鬼が、消毒液の沁み具合に悶絶している声が聞こえる。 ……というか、あれって消毒液じゃなくて、対吸血鬼用に作られた退魔の聖水なような。 そんな気もしたが――それは今の彼女にはどうでもよかった。 レミリア「(本当に悔しい。 ……私の運命によると、この次の決勝トーナメント。 聖徳ホウリューズは、私達に当たるよりも前に無様にも負けるだなんて! ――ああ、悔しい。 私たちじゃなくって、永遠亭ルナティックスが……この悪魔の館にのほほんと入り込む暢気な兎が、 あの神子や岬犬に吠え面をかかせるなんて! ――って……)……っイタ! イタタタ……。 咲夜ぁー、なんか沁みるって言うか痛いんだけど、その消毒液……」 咲夜「我慢ですわ、お嬢様(でも、おかしいわね……。 なんだか、塗りたくったところから余計に悪化して溶けてるような。 まるで人の肌に硫酸を塗りたくられたみたいに……)」 美鈴「(どうしよう。 これ、言った方が良いのかなぁ)」ヒソヒソ 陸「(今のメイド長にそれ言っても石に灸、牛に経文アル。 落ち着くのを見計らうのがヨロシ)」ヒソヒソ レミリアの口惜しさの真意も、その身体の安否も、瀟洒に動揺した咲夜がいつ、自らの過ちに気が付くのかも。 泥のような睡魔の前では、すべてが、どうでもよかった。 *聖徳ホウリューズの情報がある程度掴めました。 *パチュリーの評価値が上がりました。 *レミリアの評価値がやや上がりました。 *その他スカーレットムーンズメンバーの評価値がほんの少しだけ上がりました。
[59]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 22:45:28 ID:??? ……と、いったところで一旦ここまでです。 すみません、もう少し文章パートが続きます。 出来れば書きたいですが、駄目なら今日の更新はここまでにしますのでご了承下さい。
[60]森崎名無しさん:2014/12/15(月) 23:09:20 ID:??? オフサイドトラップ覚えたいならパチュリーに教えてもらうでいいかもね
[61]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/15(月) 23:45:06 ID:??? *** 試合が終わって暫く経ち、午後の部までには時間がある。 観客は帰り、選手もまた疲れた身体を休めていた頃。 ――サッカーコートを出てすぐ、人の出入りが少ない路地裏には二人の少年が居た。 岬「……申し訳ないが、僕は少し忙しくって。 君との再開は本当に心待ちにしていたんだけど――」 一人は中性的な顔つき、魅力的な笑顔を絶やさぬ好青年にして稀代の詐欺師・岬太郎。 間一髪で首を繋いだ彼は、内心で酷く苛立ち―――そして疲れていた。 謎のサッカー少年「……落ちぶれたな、岬太郎。 ――残念だ」 そして、彼の疲労の原因を正確に突いてくる、地味なのっぽの少年の言葉は、 今の岬にとって最高に腹立たしく、そして屈辱的なものだった。 岬「あ、あはは……。 やっぱり、君もそう思うよね? でも僕だって本当はあんな卑怯なプレー、やりたくなかったんだよ? だけど、あの仙人達に脅迫されて仕方なく――」 岬は駄目元で通らない筈の方便を試してみる。 神の目線から見たら言い訳にもならない、詰まらぬ責任転嫁ではあったが、 それでもこの限定された場において、それなり以上の説得力と切迫感を与える彼の才能は本物だった。 もしもこの場にいたのが凡庸な若者であれば、この言い逃れですら7〜8割方の成功率を誇っていただろう。 しかし――。 謎のサッカー少年「……俺はお前の抜け目ない機転・知恵――まさしく『マリーシア』は昔から凄いと思っていた。 しかし、今日の試合のお前は単なる小悪党。 品の無い『マランダラージ』に過ぎなかった。 ――長期的な利得に目を奪われ、周囲の好感を切り売りしている。 ……昔のお前は、長期的な利得も、短期的な好感も。 両方を抜け目なく得ている印象だったんだが」
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0ch BBS 2007-01-24