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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】
[794]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/04(日) 23:56:25 ID:??? こんばんは、文章だけですが更新をします。 >>788 乙ありがとうございます。 草サッカーイベントについては、第1章初頭から構想はしていましたが、 カード判定やらイベントの流れ的に出せない状況でしたね。 妹紅の特訓イベントは、単純にこれまでの評価値の積み重ねがようやく実った感じです。 大企業の時価総額を調べてたんですが、どこも数千億〜1兆越えばかりですので、 その半分となってもかなり厳しいのではないかと思いますw >妹紅の能力値について どっからどう見てもFWですね…w 体力も高いですので、FWやオーバーラップを多用するSBとしても使いたいですが、 そうなると単体で威力59を出せる高いクリアが活かせないのが辛いところです。
[795]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/04(日) 23:59:43 ID:??? ★おみくじ→ ハート9 ★ ハート→中吉 アイテム・お守り「交通安全(鈴仙の、試合中での負傷を1度だけ自動無効化。使い捨て)」がもらえる。 鈴仙「(十三番って。 何となく不吉な番号な気がするけど、大丈夫かな……?)」 鈴仙はギュッと目を瞑ってからおみくじを眼前に構えて、カッ、と見開き内容を確認する。 光に慣れておみくじの文字が目に入って来る。 鈴仙「(凶と大凶以外。 ……だったら贅沢だし、大凶以外だったら何でもいい!)」 神的な何かに祈りを捧げながら、鈴仙が文字を良く読むと。 おみくじには―――「中吉」と、恐らく霊夢の手書き(意外と達筆だ)で書いてあった。 鈴仙「やっ、やったぁぁぁぁっ……! 中吉だよ! 紅の巫女さんありがとう!」 霊夢「あー。 うん、良かったわね(中吉でここまで喜んでくれる参拝客も、そう珍しいわよね……)」 喜びの余り、近くに居た霊夢の手を取って上下にぶんぶんと振ってしまう鈴仙。 そんな鈴仙のやり切った表情に、流石の霊夢もこれには苦笑い。 霊夢「――ああ。 そうだ。 ……折角だから、これあげるね。 ちょっと作り過ぎちゃって」 そんな鈴仙の幸薄い様子に同情した様子の霊夢は、 思いついたようにガサゴソとスカートの中のポケットをまさぐると。
[796]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:01:16 ID:??? 霊夢「あったあった。 はいこれ。 『交通安全』のお守り。 「外の世界では、有名なサッカー選手とその周りの人には良く交通事故が起きる」 ――っていう話を聞いて、折角大量作成したのに。 落ち着いて考えてみたら、幻想郷って車が全然普及してないから、在庫が余りまくりでね……」 鈴仙「そりゃそうでしょ……」 ――と、半ば押し付けるように、鈴仙にお守りを一個渡してくれたのだった。 輝夜「イナバー、あんたおみくじどうだった? 私は勿論大吉だけどね!」 てゐ「(大吉出るまで引きまくってたから、当たり前なんだよなぁ……)」 霊夢との会話を終えた鈴仙は、再びルナティックスのメンバーの元に戻っていた。 他の皆もそれぞれ賽銭やおみくじを終えており、それぞれが楽しく談笑をしている様子だった。 永琳「――そういえばウドンゲ。 おみくじの結果は上々だったようだけど。 ……おみくじの本文はきちんと読んだ? たとえ大吉であっても、おみくじに書いてある通りに行動しないと、運気も逃げていくものよ」 鈴仙「あっ、いえ。 読んでないんですけど……確かにそうですね」 そんな中、永琳は鈴仙に呼び止められて、おみくじの本文をきちんと読むように勧められた。 確かに、中吉だった事と霊夢からお守りを譲って貰った事で浮かれていて、 中身をしっかりと良く確認していなかった。 そう思って、鈴仙は何気なくおみくじの中身を読んで行くと――月並みな訓示の中に、こんな一節があった。
[797]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:02:48 ID:??? ―――どんな道を選んでも、貴女は一度後悔することになるでしょう。 ですが、人生とは後悔の連続。 今ある道を、努々軽んじないことです―― 鈴仙「……どんな道を選んでも、一度は後悔する。 ――か」 過去の選択を思い出しながら。 そして、恐らく自分がこれからすることになる選択に思いを馳せながら。 鈴仙の意識はフワリと初春の神社から浮き上がっていき――。 ****************************************: 鈴仙「……夢、か。 今は10月なのに、なんで初詣の夢なんて見たんだろ」 ――西行寺亡霊連合との対戦を明日に控えた深夜、鈴仙は夢から目覚めるのだった。 鈴仙はぼんやりと起き上がって、少しだけ夢の内容を思い出しながら――。 鈴仙「――ま。 今の私には、兎に角明日がんばるしか……無い……のよね……」 細かい事は後回しと、明日に備えて再び深い眠りに就いた。 *鈴仙がアイテム・「お守り「交通安全」」を入手しました。 鈴仙の、試合中での負傷が1度だけ自動無効化されます。使い捨てです。
[798]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:04:41 ID:??? 〜8日目午後・固定イベント〜 【胡蝶の夢の砂上の楼閣】 鈴仙が初春の夢にまどろむような、そんな夜。 夜を舞台に暗躍する、夜のような妖怪は顕界の空に座り、愛おしげに微笑む。 紫「……幻想郷。 残酷に優しい夢達が住まう、地上で最後の楽園。」 それは、八雲紫が命を賭してまで守りたいこの世界――幻想郷の平穏に対する、慈愛の笑みだった。 この世界は、あまりにも美しい。 無為な争いと不当な競争は存在しない。 人は古き良き教えを守り、妖は血を流さずとも穏やかに暮らす。 奇跡的かつ致命的にまで危ういバランスの上とはいえ、この世界は、あまりにも美しいと紫は信じていた。 紫「私は、この世界を守りたい。 決して誰もが私を受け入れず、憎んだとしても。 それでも――私は、幻想郷を崩壊させる存在を、許してはいけない……」 幽々子「――だけど。 幻想郷は全てを受け入れるのよ。 それはそれは、残酷な話ですわ」 そんな紫の信念に茶々を入れるのは、何時でも彼女の親友だけだった。 夜の帳から浮き上がるのは、死を招く亡霊が一番相応しい。 黄昏の終焉を想起させる、褪せた紅色の死装束を纏う少女――西行寺幽々子は、 いつの間にか紫の隣に座り、かつての紫が言った言葉を、そっくり彼女自身に返してみせた。 紫は、今更幽々子の乱入に驚く様子も無く、淡々と答える。 紫「……確かにそうよ。 ――だけど、その例外を設けても良い程に、中山政男は危険な存在なのよ。 何故なら彼は……凡人にして唯一、神の支配を抜け出して、神の寵愛者を打ち破った英雄と最も近しい存在。 努力と下剋上を良しとするその思想も相まって。 彼は……この幻想郷にとっては、不都合な人物なのよ」
[799]森崎名無しさん:2015/01/05(月) 00:04:54 ID:??? >KMA 殺活からの有情破顔拳をサッカーでどう使うのか見ものだな
[800]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:07:21 ID:??? 幽々子「ふ〜ん。 その辺りの事情は良く分かんないけど。 ……普通に考えたら、現に今、人里で信者を増やしている政治家の方が、よっぽど危ないと思うんだけど。 それに、百歩譲ってその……中山君だっけ? 彼が危ないとしたら、どうして最初っから彼を潰すなり追放するなり、無力化しなかったのかしら〜?」 幽々子は忌憚なく、紫の行動の不自然さを指摘する。 紫は少しだけ苛立たしげに、こう答えた。 紫「……前者については、理由は簡単。 ――仙界の宗教屋達は、私が出る幕も無いから。 それこそ、「幻想郷は全てを受け入れる」……よ。 彼女達には、現状を攪乱すれども、ひっくり返すまでの力は無い。 何故なら、彼女達はあくまで、幻想郷の秩序の内なる存在。 何をやろうが、単なるいつもの「異変」レベルに過ぎない。 彼女達の行為が、幻想郷を脅かす可能性があるとしたら。 ――それは、中山政男が、今の幻想郷の秩序を崩壊させた時のみよ。 ……故に、私が、中山政男を抑えてさえいれば、神子の一派は恐れる必要は無い」 紫はここで一旦言葉を切った。 幽々子は普段通りの何を考えているか分からない笑顔で、紫の話を大人しく聞いていた。 紫「そして、もう一つの疑問。 私が何故、かくも危険視している中山政男。 そして……そんな彼と最も近しい鈴仙・優曇華院・イナバをずっと野放しにしているか。 それは――」 幽々子「それは――。 貴女のバックアップさえあれば。 貴女の大好きな大好きな霊夢が、中山政男達に負ける筈が無いから……でしょ? そして、彼らが散々幻想郷を引っ掻き回した上で、大会の決勝戦。 霊夢が勝利を遂げる事で。 中山政男による浸食は却って、幻想郷の秩序を再確認する上で、最高のワクチンとなるものね。 あれだけ凄い中山政男とその相棒でも、博麗の巫女には勝てない。 こうなった瞬間、中山政男の一派は、件の政治家と同じ、幻想郷の秩序に組み込まれたも同然なんだから。 ――災い転じて福となすとは言うけれど。 貴女らしい、ものぐさな発想ねぇ〜」
[801]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:08:54 ID:??? 紫「――分かっているじゃないの。 ……眠いんだから、分かっているなら説明させないで」 紫はここで、幽々子の方に向き直る。 彼女もまた、亡霊の親友に対して話したい事があった。 紫「……私、知っているのよ、幽々子? ――貴女が、私を裏切ろうとしている事を」 幽々子「……妖夢を、中山政男を『送り込んだ』連中への派遣を勧めた事かしら?」 紫「そうよ……。 一体、何を考えているのかしら?」 紫は笑っていた。それは彼女が静かな怒りを潜めている時の表情だと、幽々子は知っていた。 幽々子「……べっつに。 ただ私は、いつもの紫の代理をしてるだけよ。 面白そうな事には適当に顔突っ込んで、引っ掻き回して、後は知らな〜い……って感じのね。 ――私としては、紫こそどうしたの……? って、思うのだけどね」 幽々子は、そんな紫の感情を知りつつ、敢えてその感情を逆なでするように茶化す。 これは、普段の幽々子と紫との会話に近かったのだが、今の紫には気に入らなかったらしい。 紫「――やっぱりそうだったのね。 ……ならば、もう、裏切り者の貴女に話す事なんて無いわ」 幽々子「……そんな事言うなんて、何時もの貴女らしくないわね。 安易なレッテル張りは、賢者のする事では無いと思うけれど?」 幽々子には紫のどんな返答をするか、想像がついていた。 しかし、彼女は今の紫がどこまで追い詰められているか、完全には分かっていなかった。 紫の表情は怒りを超えて、独善的な哀しみに包まれていた。 紫は、最後に寂しげに、こう呟いた。 紫「……貴女も、私を理解してくれなかったと思うと。 ――残念だわ」
[802]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:10:27 ID:??? スウッ。 幽々子「って、ちょっと……! 話が短絡的過ぎるわよ〜? だいたい理解も何も、貴女が何にも話してくれなきゃ理解しようが……って、行っちゃった」 これ以上聞きたくないと、紫は椅子代わりにしていた空中に浮かぶ世界の裂け目――スキマに入る。 そこから幽々子が冥界に戻るまで、姿を現す事は無かった。 幽々子「……はぁ。 なんか、最近の私ったらダメね〜。 妖夢にも、紫にも嫌われちゃって。 ……私はただ、皆がいつも通りにしているのが一番と思うけれど。 ――これは、ただ私が、変化を恐れているだけなのかしらね」 紫が拗ねて戻ってこない様子を見ると、幽々子もそう寂しげに呟いて、再び冥界へと戻る事にした。 残されたのは、ただ綺麗なままの幻想郷の宵の闇。 そして――。
[803]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:11:45 ID:??? 藍「………」 宵に光る金色の星。 八雲紫の忠実なる式・八雲藍ただ一人だった。 彼女は偶然にも、彼女の主とその親友との会話を一部始終を聞いてしまっていた。 藍「(最近の紫様は、何時もあんな感じだ。 幽々子様に限らず、自分の理想に反する者を恐れ、怯え……そして、憎悪している。 あのままでは、紫様はいずれ――完全に孤立するだろう。 この幻想郷を守ろうとすればするほど。 あの方は、幻想郷に忌み嫌われ、そして孤立を強いられるだろう……)」 主の忠実な式――機械の如く冷徹に職務をこなすべき藍は、これまで紫の指示の元、色々な事をしてきた。 たとえ疑問に思える事があっても、藍はひたすら紫の命のみを信じて来た。 しかし、今こうして主が偏執し孤立しつつある現在の姿を見た藍は――。 式では無く、独りの妖怪として、紫の境遇を哀れに思っていた。 藍「(式は必ず、紫様の力にならなくてはならない。 しかし”私”は、紫様がこれ以上道を外し孤立する姿を見たくない……!)」 藍は悩む。 式としての使命と、個人としての想いの狭間に。 外界のどのスーパーコンピューターにも負けない思考力を巡らせ、 彼女は自身が取り得る最善の行動を模索する。 そして――彼女は決意した。 藍「(紫様が孤立し、疑心に駆られ動けぬならば――まずは、私が動いてみるか)」 藍は遥か遠く、竹林の生い茂る西の地平を望む。 夜明けにはまだ遠い空に、月が輝いている。 藍「(『プロジェクト・カウンターハクレイ』のキャプテン候補にして。 大会後に紫様が想定している計画・『リアル・幻想・セブン』のメンバー候補――鈴仙・優曇華院・イナバ! ――明日の試合後にでも、私から彼女に接触してみようか……)」 八雲藍はこの時初めて、自らの意思で主の命を超えた行動を行おうとしていた。
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0ch BBS 2007-01-24