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【天ぷら】鈴仙奮闘記26【大好きです。】
[117]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/09(月) 23:57:04 ID:??? 鈴仙は思い出す。かつて永琳が鈴仙を守る為に夜を永遠とした異変の全貌を。 あの時鈴仙は確かに、八雲紫と邂逅していた。 永琳の下、色々と強がって見せてはいたが、彼女の放つ異様な印象は今でも覚えている。 おぞましいまでの白い肌に、狂気的に明るい金色の髪。 飢えや恐怖すら忘れて、何時までも見ていたくなるほど魅力的で麻薬的な愛らしい双眸。 そして今鈴仙の前方に居る藍をも遥かに凌ぐ妖力と知力に溢れた、すらっと細長い全身。 月の玉兎としてのエリート意識が抜けきっていなかった当時の鈴仙ですら、 あの地上の妖怪は文句なしに恐怖すべき存在だと本能的に感じていた。 鈴仙は再び疑問に思う。 例えヒューガーが八雲紫という幻想を脅かす存在だったとしても、 そう簡単に、彼女を追い詰める事が出来るのだろうか? しかし、鈴仙が浮かんだある意味核心に近い問いは――。 藍「……すまない。 今はこれ以上思い出したくない。 私にとって、尊敬し愛すべき主が、日ごとに崩れ、歪み……そして、孤立していく姿を見るのは、 あの方から暴力を受ける以上に辛かった。 だから、現時点では、【紫様が乱心したのは、ヒューガーの科学により、存在が否定されたせい】……とだけ、言うのに留めさせて欲しい」 藍が今日一番に苦しそうな表情を見せた事により、遮られてしまった。 藍「――私の思惑は、結論として言うとこうだ。 【紫様がかつて愛した幻想郷を守りたい。しかし、幻想郷らしく全てを受け入れた上で、あるべき姿を見出したい】。 だから、私は君の努力を否定はしないし、それが博麗の巫女をも打ち負かすとしたら、それもまた受け入れるべきと思う。 ……如何に紫様の退廃の原因とは言え、私は、必要ならば、ヒューガーをも受け入れたいと思う。 きっと、紫様を元気にしつつ、望んだ者全てが、それぞれの幸せを抱いて暮らせる道だって、探せばある筈だ。 今からでも、かつての紫様が望み作ろうとして来た幻想郷は――きっと、作れると私は信じている」
[118]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/09(月) 23:58:04 ID:??? そこから藍が紡いだ言葉は、如何にも理想論。幻想的過ぎて聞く者が聞けば失笑ものだろう。 だがしかし、そんなベレー帽を被った酒飲みの妄想のような世界を、この式神は信じていた。 かつて、自分の主人がそれを信じていたから。たったそれだけの理由で。 そんな藍を、鈴仙は笑えただろうか? いや、鈴仙は目を丸くして紫を継ぐ藍の意志を聞き取るしか出来なかった。 藍「RG7メンバーと当初のメンバーとを合体して出来るであろう、 新・全幻想郷選抜は、そのまま大会を勝ち抜いて貰いたいが――優勝してもしなくても、私は良いと思う。 勿論、君たちが優勝に賭ける想いが強ければ、私は全力でバックアップしたいと思う」 そして、ここからは私の勘というか妄想というか願望だが――と、藍は前置きして告げる。 藍「……私は、鈴仙。 君ならば――紫様の冷え切った心をも溶かして。 そして、再び楽園とも呼ばれた幻想郷の姿を取り戻すきっかけを作れるんじゃあないか。 ――私は、そう思って、君の力を借りたいと思ったんだ」 鈴仙「そんな事ないです。 私は、たった一人の友達の気持ちすら、ロクに分かってやれないんですから……」 鈴仙は、藍は自分を過大評価し過ぎていると思った。しかし藍は逆の事を思っていたようだ。 藍「――そうかな。 今日の試合でも、君は様々なコンビプレーを見せてくれた。 あれは、単なる努力じゃない。 互いと互いとを結びつける、絆というか、友情の力があってこそだ。 確かに、君よりも高い能力を持った選手は沢山いるし、君よりも凄まじい努力をしている選手だって、数は少ないがいる。 だがしかし、――あの、仲間同士を繋ぎ合わせる能力。 あれは、今の幻想郷では君以外に出来ないと思うよ。 ……鈴仙。 私が言うのもヘンだが、君はもっと自分に自信を持った方が良い」 【これまで多くの人と繋がって来れた鈴仙ならば、紫の心をもきっと動かす事が出来る】。 藍はそんな期待と希望を籠めて、鈴仙にそう申し出たのだった。
[119]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/10(火) 00:02:30 ID:??? 藍「……無論、それで紫様が元通りになって、ヒューガーの攻撃も断ち切ってめでたしめでたし、 ――とは、ゆめ思っていないさ。 君が指摘した問題――強い妖怪と弱い人間との格差――は、確かに問題だ。 これからでも、私は……いや、私と紫様は、少しでも上手く行くよう努力したいと思っている」 鈴仙「――それが、結局強い妖怪側の傲慢と取られる可能性は?」 藍「あるだろうね。 ……というより、端から私の考えは、【今の幻想郷は良い場所である】という前提に基づいている。 だから、妖怪が人間を支配する……という構造は、結局変わらないと思うし、変える必要すら無いというスタンスだ。 ――ああ、偽善と呼んでくれても構わない。 私は今までさんざ綺麗事を言って来て結局は、 『自分が満足できる世界じゃないと嫌だ』……と、強者であるにも関わらず、子供のようにダダをこねているだけなのだから」 鈴仙「……」 鈴仙は、藍がダダをこねているようには思わなかった。 藍は彼女なりの道を信じて、その道を切り開こうと彼女なりに奮闘しているのだと思った。 つまりそれは、彼女は鈴仙や妖夢と同じ立場である事を意味していた。 藍「……幻想郷は全てを受け入れる。 ……それはそれは、残酷な話だ。 愛する人の死すら、時としては受け入れなくてはならないのだから。 ――しかし、それならば……奇跡だらけでご都合主義の馬鹿げた物語だって、受け入れてくれるに違いないだろう? 失う事は恐いけれど。 私は……変わりゆく幻想郷すらも愛したい。 かつての紫様だったら、きっとそうしていただろうから……」 藍はここまで話して顔を俯き押し黙る。 ここでの鈴仙への宣言は、ある意味では自分自身への決意だったのかもしれない。 確かに、藍の言う事は完全には正しく無いのかもしれない。 しかし、少なくとも藍が、今の紫よりも正しく。そして強く、幻想郷を愛している事だけは真実だと思った。
[120]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/10(火) 00:03:44 ID:yI2Yu/5M 藍「……さて。 話が何度も飛んでしまって済まない。 ここで少し、事務的な話をさせて貰おうか。 ……現時点での、『リアル・幻想・セブン』プロジェクトの詳細について」 そこから先の藍の口ぶりは、先程までのゆっくりとしたものでは無く、どちらかというと式神らしい、機械的で事務的な話だった。 鈴仙はまず、RG7のメンバーについては、 【現在候補は上がっているが確定では無い】こと、 【もしかしたら、余った数枠は、鈴仙の裁量で選ぶ事が出来るかもしれない】こと、 【RG7メンバーで無くとも、ルナティックスが決勝まで進出した場合、 ルナティックスメンバーは、RG7でなく選抜メンバーの方に引き抜かれる可能性も高い】こと等を聞かされた。 また、監督やコーチ陣については、 【基本的に全幻想郷選抜の監督やコーチと同じ。 強化プログラム中は1名の専属コーチが付く】らしい。 紫は監督役を買って出たとしても、誰がコーチとなるのかについては、その詳細は現時点では不明との事だった。 その次に、RG7計画に関する費用のスポンサーとしては、 【山の神様や天狗連中、稗田家やその周辺など、幻想郷で一定程度の力を持ち、かつ、現行の秩序を維持したい勢力】 ……が付いているという。 (無論、それは紫の計画としてのRG7に乗る者であって、藍の極秘計画に乗る勢力は居ない) ことを補足として聞いた。 ……が、これはあまり鈴仙にとっては有益な情報では無いと思った。 藍「……さて。 要領を得なかったかもしれないが、私が話すべき事は概ね話したつもりだ」 藍は最後に一息つくと、鈴仙にこう切り出した。 藍「――この空間が持つ時間も、人里に張り巡らせた結界が緩むのも、もう時間が無い。 もしも最後に、これだけは聞いておきたい! ……という事があれば、是非言ってほしい。 私だって、言い忘れている事があるかもしれないから」
[121]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/10(火) 00:05:13 ID:yI2Yu/5M 鈴仙「そうですね……」 鈴仙は、藍の問いかけに対して改めて首を捻り、聞くべき事が無いか考える。 そして――鈴仙はこう答えた。 A:……ひとまずは、質問は大丈夫だ。 B:いや、もう少し聞きたい事がある。それは……。(自由選択枠) 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 *今回のイベントはあくまでイベントの概略についての説明ですので、あまり踏み込んだことについては聞けません。 こちらが書き洩らしていたり、趣旨を勘違いしているような質問を補足する形で、Bを選んで頂ければ幸いです。 *NPCパートのことは鈴仙もおおむね知ってるつもりで質問してもいいということですか? というご質問について、質問して構いません。(見えない所で、ざっくりと藍がNPCシーンについて語ってくれたという体です)
[122]森崎名無しさん:2015/02/10(火) 00:06:44 ID:+zAHgN7A A
[123]森崎名無しさん:2015/02/10(火) 00:07:26 ID:xCcmltso B 藍のプロジェクトカウンターハクレイに対する考察を聞かせてほしい
[124]123:2015/02/10(火) 00:09:49 ID:??? とと、あくまで補足としてか。ならこんな踏み込んだことは訊けないかな。 けど他に訊きたいことがある人もいるかもしれないのでもう少し待ちます
[125]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/02/10(火) 00:11:21 ID:yI2Yu/5M ――と、いったところで今日の更新はここまでです。 Bについては、Aより先に2票入った場合は物語の中で回答しますが、 1票だけの場合でもコメント返しにて軽く補完程度は出来れば、と思っています。 藍さんの思惑を三行で言うと、 ・幻想郷は好きだし守りたい。ヒューガーや中山も受け入れたい。 ・しかし、ヒューガーの科学により存在を否定された紫は乱心し、一種の偏執狂となっている。 ・仲間が繋がり合う鈴仙のサッカーならば、紫を守りつつ、皆が幸せな幻想郷を作れるのではないか!? …と、いう感じになると思います。 それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[126]森崎名無しさん:2015/02/10(火) 00:13:41 ID:??? 乙でしたー! なるほど、はっきり言って藍しゃま命懸けだよなあ 師匠や、姫様の期待に応えたい思いはあるけど、心揺らぐわ……
[127]森崎名無しさん:2015/02/10(火) 00:16:50 ID:??? 乙でした。 そうなると、藍にとって一番の敵はハイパーカンピオーネ? とりあえず、仕事ほっぽって出て行った1/4人前をどう愛のささやきをしようか今のうちに考えとこう
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0ch BBS 2007-01-24