※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【天ぷら】鈴仙奮闘記26【大好きです。】
[832]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 21:00:16 ID:??? ★観客席より→ ハート5 ★ ハート→霊夢「あら……鈴仙。今日はケガしないでね」鈴仙「あんた……私をバカにしてるでしょ」 鈴仙「あっ」 霊夢「……あっ、ってのはヒドいんじゃないの」 鈴仙と目があったのは、大きな赤のリボンで後ろ髪を束ねた大きい目の少女――霊夢だった。 周囲の熱狂にも流されず、年齢らしからぬ達観したような風で妖怪然としているが、 それはたんなるものぐさによるものだと鈴仙は知っていた。 プロジェクト・カウンターハクレイの構想を聞いてはいるが、鈴仙は霊夢自身の事はそこまで嫌いでは無い。 むしろ以前『呪いのハチマキ』の解呪に関するヒントを教えてくれた恩もある。 霊夢「まだ試合前だっていうのに、何一人でぷらぷらしてるのよ。ルナティックスに友達居ないの?」 鈴仙「よ、余計なお世話よ! そういう霊夢だって、今日は一人じゃない!」 霊夢「あら、私は一人じゃないわよ。……ほら、ここに」 霊夢はそう言うと、ヒョイと懐から騒がしい友人を取り出した。 身の丈15センチ程の少女は霊夢の指に摘まれて、忙しなく四肢を動かしている。 永琳が実験動物として飼っているモルモットのようだと、鈴仙は思った。 針妙丸「……ちょっと、そんな雑に摘まないでよー! 服がほつれちゃうじゃない!」 霊夢「こないだ拾ってきた小人……針妙丸って名前らしいわ。 今は当分寄る辺が無いから、ウチに居候させつつ、チームの数合わせに使ってるの」 針妙丸「私は数合わせなんかじゃないよ〜! 小さいからってバカにするな〜〜!!」 直情的な性格らしい針妙丸は、霊夢の言葉に対して怒ってぷらぷら揺れるが、霊夢は全く気にしない。 良いおもちゃにされているようだった。
[833]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 21:01:54 ID:k1G+Pwok 鈴仙「……ぷっ。何だかウチのウサギにもこんな感じの子が居るけれど。 霊夢がこんな子と一緒に暮らしてるなんて、ちょっと意外かも」 霊夢「私だって、好きでこんな事してるワケじゃないのよ。 ……妖怪やら怪異やら異変やらをぶっ倒すのが、本来の私の仕事なんだし」 そう冷たく言い放つ霊夢だったが、その表情は柔らかい。 こうして話してみると、鈴仙は自分の中での霊夢像と、 今ここで小人とお喋りしている霊夢とでは、少し違ったような印象を受ける。 鈴仙「(なんというか、昔みたいな隙の無い感じじゃなくって。 ちょっとだけ優しくなったような、年相応の女の子っぽくなったような……)」 とはいえ、迂闊な事を言って霊夢の機嫌を損ねたくなかった鈴仙は、 その様子を微笑ましげに見守るだけにとどめる。 鈴仙「(……藍さんの話だと、八雲紫は霊夢に凄く肩入れしているみたいだけど。 そうだとしたら、霊夢も裏では私の事を敵扱いしているのかな。 ――色々霊夢には聞いてみたい気もするけれど……)」 霊夢をもっと知りたい欲求と、知ってはいけないような予感とに困惑しながらも、 鈴仙は霊夢(か、じたばたしている針妙丸)に向ける話題を考え出した。その内容は――。 A:「……ねえ、ちょっと一緒にお喋りしてくれない? どうも緊張しちゃって」普通に雑談する。 B:「……守矢みらくるずって、どう思う? なんか色々怪しくって怖いんだけど……」守矢チームについて。 C:「……ねえ。霊夢は――八雲紫についてどう思う?」それとなく、霊夢が紫をどう思っているか。 D:「……午前の試合、どう思った? 神子達って結構ヤバく無いかしら……?」神子の計画について。 E:「……ところで、一体どうやって拾ったのよ、その小人」霊夢と針妙丸との関係について。 F:その他 自由選択枠 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[834]森崎名無しさん:2015/03/01(日) 21:05:45 ID:XLjeGSHE C
[835]森崎名無しさん:2015/03/01(日) 21:06:12 ID:hVFpCqmM E
[836]森崎名無しさん:2015/03/01(日) 21:07:03 ID:D5kBM91c E
[837]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 22:42:29 ID:k1G+Pwok E:「……ところで、一体どうやって拾ったのよ、その小人」霊夢と針妙丸との関係について。 幻想郷の秩序安定を理由に、鈴仙達の奮闘による成長を敵視しているらしい八雲紫。 そんな彼女の暗躍について、霊夢は何か知っているのか。知っていたとして霊夢はどう思っているのか。 鈴仙は質問してみたい衝動に駆られたが、その答えを聞くのが怖い気がした鈴仙は、 鈴仙「……ところで、一体どうやって拾ったのよ、その小人」 ――と、文字通り霊夢の掌の上に座っている針妙丸に話題を移す事にした。 霊夢「――ああ。この子はちょっとね。アンタ達は知らなかったかもしれないけれど、 少し前に、私のお祓い棒やら魔理沙の八卦炉やらが暴れ出す異変?みたいなモノが起きててね」 鈴仙「へぇー。知らなかったわ……」 霊夢はそれから簡潔に、道具達が暴れ出す異変とその顛末について教えてくれた。 どうやら話を聞くに、この針妙丸という少女はその異変の首謀者であったが、 参謀役的な天邪鬼に騙されて後ろ盾を失い、霊夢に退治された後は魔力も何もかも失って、 こうして借り暮らしに甘んじているという事だった。 針妙丸「――ま。ホントは魔力も戻って来たから、何時でも一族の住処に戻れるんだけどねー」 霊夢「……って、いう事なのよ。満足した?」 鈴仙「うん、満足したけれど……その参謀役的な天邪鬼って」 鈴仙はここで、前に読んだ新聞記事――天邪鬼が下らない悪戯で逮捕された――を思い出した。 針妙丸は察してくれて、うんうんと頷いて教えてくれた。
[838]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 22:43:33 ID:??? 針妙丸「そう。あの私を裏切った鬼人正邪はね、ま〜だ何か悪巧みしてるのよ! なんかSISIとかLISIとか知らないけど、ヘンな一人レジスタンスを結成しちゃって。 中身自体は大した事してないし、悪さをするたび道教の仙人に返り討ちにされてるみたいだけどさ」 鈴仙「へぇ〜。やっぱりアイツが。ヘンな奴なのね……。――って、道教の仙人?」 針妙丸の話にヘンな引っ掛かりを覚えた鈴仙に対し、霊夢が補足してくれた。 霊夢「神子の事よ。あいつ、宗教争いが無くなってからも、ちょくちょく人里に自転車漕いで現れて庶民派アピールしつつ、 さっき言った正邪みたいなチンピラ妖怪を退治して、人里の人間からの支持を貰ってるらしいわよ。 ――言いたい事は分かるわ、鈴仙。 ……怪しいわよね?」 鈴仙「……ええ。それって、神子が上手い事天邪鬼を焚き付けて、マッチポンプしてたりとか……?」 霊夢「――証拠は無いけれど。でも、そうだとしたら上手い手段よ。 天邪鬼はダメと言われたら何でもやりたくなるタイプだから、自分の手を汚さず操作しやすい。 神子と鬼人正邪との繋がり――と、いうのは違うけれど。 そうした汚い勢力を手駒にしている可能性も、否定しちゃいけないわね」 針妙丸「そうだよ! ウサギさんも気をつけてね! アイツ、善人顔で擦り寄ってくるけれど、本質は根っからのゲスだから! 最近は裏ルートで下剤を買い集めてるとか聞いたし!」 鈴仙「そ、そうなのね……(――下剤か……。何となく気を付けた方が良いような気しかしないわね……)」 結果として、鈴仙は霊夢と針妙丸との関係を切り口に重要そうな情報を得る事が出来た。 即ち、支持稼ぎの手段としての神子と正邪との繋がり。 そして、正邪が下剤を買い集め何か悪巧みをしているという噂。 鈴仙「とりあえず。次の試合前に、弁当やら下剤やらが出て来た場合は要注意ね……」 *鈴仙が鬼人正邪と神子との繋がりについて情報を得ました。 更に、聖徳ホウリューズ戦前に発生予定だったマイナスイベントの内容が緩和されました。
[839]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 22:44:36 ID:??? −守矢みらくるず・ロッカールーム− ――そして、鈴仙が霊夢や針妙丸と話し込んでいた頃。 守矢みらくるずもまた同様に、フォーメーションについての最終確認を終了せんとしていた。 早苗「……と、言うわけでして。フォーメーションは5−4−1。 GKの若島津さんから、CBの神奈子様。ボランチのピエールさんに、トップ下は私。そしてワントップは諏訪子様です。 攻撃は、蓬莱山輝夜さんの弱点らしい一対一とスタミナ不足を狙う為、ドリブル突破とミドルシュートを織り込みます。 そして守備ですが、恐らく相手はサイドのゆさぶりをしきりに掛けて来るでしょう。 正直、これをされると厳しいのですが……それでも、鈴仙さんさえ抑えれば、充分若島津さん達で完封出来ると思います。 後は――私達の奇跡の力で、何としても勝ちましょう! みなさん!」 守矢みらくるずのキャプテンにして神社の風祝である東風谷早苗がそう言い切ると、 後ろで見ていた主神の八坂神奈子は誇らしげに胸を張りながら拍手をしつつ、チラリと後ろを振り向いて拍手を促す。 機械と魔法仕掛けの人形達、それと何だかんだでお人好しのピエールはつられて拍手をするが、 もう一柱の神である諏訪子と、神をも捨てた修羅である若島津は拍手に応じない。 諏訪子「……神奈子さ。早苗ももう一人前なんだし、そーゆー親バカ良くないと思うよ。 あたしら親じゃないけど」 若島津「……御託は良い。さっさと殺らせろ」 神奈子「アンタ達ねぇ……。早苗が頑張っているんだよ? もうちょっと祝福しろ。これは神託であるぞ」 諏訪子「神に対して神託してどうすんのさ……」 早苗「あ、あの。神奈子様。そんなに褒められても恥ずかしいです……」
[840]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 22:45:37 ID:??? 神奈子の親馬鹿(親では無いが)に対し、早苗は辟易したようににじり寄る。 神奈子「大丈夫さ、早苗。お前は強い子だからね。 きっと、今日の試合では奇跡を起こしてくれると信じているよ(審判には結構積んだからね)」 早苗「は、はい……」 神奈子「……大丈夫。お前は私達の言う通りにしていれば良いんだよ。 ――今まで私達が早苗に対して、何か間違った事を言ったかい?」 早苗「……ありません」 神奈子「うんうん。そりゃあそうだ。なんせ早苗は、私達の自慢の風祝だからね!」 ピエール「……まぁまぁ、カナコさん。 サナエはどうやら緊張しているようだ、あまりそうやってプレッシャーを掛けるのも良くないぞ」 早苗「……いえ。ピエール君、大丈夫。そんな事ないです。 ――ええ! 勿論です! 私達は守矢の信仰回復の為、更なる躍進が必要! この大会で優勝する事で、私達が他より優れている事をアピールしなくちゃなんですから!!」 諏訪子「……早苗。無理してるよね」 早苗「無理してません! 緊張してません! 何言ってるんですか諏訪子様までっ!」 神奈子から与えられる重すぎる期待、諏訪子やピエールの痛々しい気遣いを知りながら、 早苗は無理して明るい声と表情を作った。そして「信仰の敵を打ち滅ぼす!」……と口では豪語する一方で。 早苗「(みじめ、みじめ、みじめ。 ――ああ、私ったら……ほんとうに、みじめ)」 この時の早苗の心情は、最高に惨めだった。
[841]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/01(日) 22:47:00 ID:??? 〜回想シーン〜 ――早苗は、まだ自分が自分の才能の限界に気付いていなかった頃を思い出す。 早苗「(あの頃はコドモだったなぁ。 ちょっと生まれが特別で、回りの子ども達よりもちょっと勉強やスポーツが出来るからって。 ――あの頃の私は、自分が世界で一番優秀で大切な存在だって、間違いなく信じてた)」 あれは、丁度今から一年か二年程前になるだろうか。 早苗が幻想郷に越してくる前に、外の世界であった大きなサッカー大会。その準決勝である。 女子でありながら、自分の中学のどの男子よりも上手かった早苗は、キャプテンを任されていた。 早苗が入部するまでは一回戦止まりだったチームは、今回破竹の快進撃で準決勝まで駒を進めており、 早苗はこれを自分の満ち溢れた才能のお蔭であると確信していた。 ――しかし。 早苗「(――でも、あの時私は負けた。マグレや奇跡じゃない、純粋に実力で)」 早苗のチームは、準決勝で当たった県内でも屈指の名門校には勝てなかった。 自分と互角な程優秀なトップ下、堅実なボランチ、突破力に優れたセカンドストライカーにウインガー。 全方面での守備力に優れたセンターバック。そして何より、キャプテンだったセンターフォワードの圧倒的な攻撃力。 悔しくて様々な奇跡を使ってみたものの、基本的な実力差からして違ったため、通用しなかった。 早苗のチームは呆気なく敗北した。5−1という大差で。 ――が、これだけならば、早苗もまだ自尊心を保てていたかもしれない。 自分は確かに優秀だった。しかし相手の層が厚すぎた。それに相手は強すぎた。 だから、自分が負けるのもある意味では仕方無い――と、言い訳をする事で。 しかし、早苗にはそんな言い訳すら許されなかった。
[842]森崎名無しさん:2015/03/01(日) 22:48:16 ID:??? どこかで聞いたようなw
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24