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【滅びの】俺inキャプ森8【バーストマグナム】
[625]森崎名無しさん:2015/02/21(土) 20:55:43 ID:??? 浴びせ蹴りクラスは無理だろうけど クリア技はDFに覚えさせたいね。 早田は当然として、中西も有力かな。
[626]森崎名無しさん:2015/02/21(土) 21:20:01 ID:??? 井沢も高いクリアなら素質はあるはず
[627]森末(仮):2015/02/22(日) 00:44:55 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!? 実況「き……決まったァーッ!! なんとなんと! イタリア、先取点ーっ!! 決めたのはイタリアのストライカー、チェザーレ=ストラットくん! ゴールまで30メートルはあろうかという位置から、問答無用のシュートでアルゼンチン守備陣を吹き飛ばし! あっさりとゴールを決めてみせましたーっ!! 今大会、シュナイダーくんを筆頭に幾多のストライカーが得点王を争っていますが、 どうやらこのストラットくんもその一員になりそうな気配があります! それほどまでに凄いシュートでした!」 観客「すげぇ! あんな距離から入るのかよ!!」「何人吹っ飛んだんだ!?」「こりゃまた凄いFWが出てきやがったぜ……」 超長距離、遠く離れた位置からのとても入るとは思えないシュートを――しかし決めてみせたストラットに対し、 観客たちはその大歓声をもってして応える。 如何にフリーの状態だったとはいえ、通常ならばそれだけ距離が離れていれば入る筈がないのである。 どれだけアルゼンチンの守備陣が、脆弱であろうと。 にも関わらずあっさりと得点を決めてしまったストラットの決定力というものがどれだけ優れているかという事を、 観客たちはすぐさま理解をしていた。 ランピオン「ナイスシュート、ストラット!」 ストラット「ああ、ランピオンもアシストサンキュー」 バンビーノ「(この距離からでも十分入るな。 やはりアルゼンチンは守備が穴だ)」 ヘルナンデス「よくやった、ストラット! その調子で頼むぞ!」 そして、この歓声を受けながらイタリアメンバーは歓喜に沸きあがった。 ディアスの突破を止めただけではなく、そこからのカウンターで即座に得点。 しかもストラットのシュートならば遠かろうとも決まるという事が確認出来た上での得点とあれば、喜ばない筈がない。
[628]森末(仮):2015/02/22(日) 00:46:00 ID:??? カルツ「こりゃ大したもんだぜ。 どうだいシュナイダーちゃん、これでライバルが4人に増えたな」 シュナイダー「……純粋なキック力は相当なものだな、あのストラットという男は。 だが、それでも俺のファイヤーショットの敵ではないさ」 ビクトリーノ「チェッ、面白くねぇ」 ナポレオン「凄いFWですね。 僕も負けないようにしなければ」 アモロ「あ、あばばばばば」 ピエール「(アモロがナポレオンとストラット、両者に別の意味で恐怖を覚えてる……)」 反町「お、恐ろしい……(やっぱり板野だけじゃない。 世界にはこんな化け物がゴロゴロいるんだ……)」 滝「若林さん……止められますか?」 若林「俺を誰だと思っていやがる。 PA外からのシュートならば、俺は必ず防いでみせるぞ」 若島津「(ふん、PA外からでなければ危ういという事だろうが。 俺は違う、どこからだろうと止めてみせる)」 板野「(メガロゾーン程じゃないけど、とんでもない威力だ……俺のマグナムボレーより少し落ちるくらいかな?)」 そして、当然ながらこの試合を観戦していた実力者たちもストラットのキック力に戦慄する。 チェザーレ=ストラット。 本編で主人公を大いに苦しめた世界最高のストライカーが、 未だ発展途上ながらもその実力の片鱗を見せつけた形である。 翼「うわぁ、凄いなぁ。 ゲームの俺はあの選手とチームメイトだったのか。 10アシストがすぐつきそうだね」 森崎「(ええい、忌々しい!)」 因みにその本編で主人公をしていた男は、歓声を受けるストラットを憎しみを込めた目で睨みつけていたという。
[629]森末(仮):2015/02/22(日) 00:47:12 ID:??? ディアス「くそっ……!」 一方で、アルゼンチンはというと当然メンバー達の顔色は思わしくなかった。 エースであるディアスがファーストプレイで止められ、しかもそこからのカウンターであっさりと失点。 距離があるのにもかかわらず止められなかったとあれば、笑顔でいられる筈もない。 ルジェリ「ディ、ディアス……どうするんだ?」 ディアス「……とにかく、あの9番(ストラット)にはもう絶対に打たせるな。 2人がかりでマークにつけ」 パルス「わ、わかった(打たれる前に止める、しかないか……)」 ガレヤ「だが攻撃はどうするんだ? またああやってPA内を固められたらいくらディアスでも……」 ディアス「わかってるよ。 少し待て……」 だが、それでも一同はディアスの周囲に集まりディアスに今後の方針を問いかけた。 彼らにとって頼れるのはディアスだけであり、ディアスがお手上げと判断をすればその時点で諦めもつく。 しかし、ディアスが対抗策を講じた所で一同も少しだけ安堵をし……。 それを横目で見ながら、ディアスは顎を一撫でしつつ思案をする。 ディアス「(ノーチェックで行かせてもらえるってんなら楽っちゃ楽だ、体力を浪費する心配は無い。 だがだからといってミドルシュートはキツい。 ドリブルをしないで確保できる体力量とドライブシュートを打つ事での疲弊が割に合わない。 ならやっぱり一対一を狙いに行く方がいいんだが……あのDFが邪魔なんだよな)」 ディアスは冷静だった。自分がシュートを打つ事と、そのままドリブルで切り込む事のリスクとリターン。 メリットとデメリットを天秤にかけながら、どうすれば勝てるか、逆転出来るかを絞り出そうとする。 結局、ドリブルゴールを狙いに行くのが最良だろうとは思えたものの、それにはゴール前で陣取るジェンティーレが邪魔。 彼さえいなくなれば幾らでもゴールを上げられる筈なのだがと考え……。
[630]森末(仮):2015/02/22(日) 00:48:16 ID:??? ディアス「(お?)」 ジェンティーレ「(次は確実に奪い取る! 天才だか何だか知らんが、俺達イタリアの堅き錠前が貴様1人に壊滅されると思うな!!)」 不意にジェンティーレに視線を送った際、ディアスは彼と目が合う。 遠く離れていても尚わかる程にジェンティーレは敵意をディアスへと向けており……。 これを受けて、ディアスは1つの策を思いついた。 ディアス「よし、決まった」 ジェイテス「ど、どうするんだ?」 ディアス「とりあえず俺にボールを渡せ。 そして作戦はだな……」 思いついた作戦を、簡単に一同に説明するディアス。 その時の彼の表情は、悪戯を思いついた悪ガキのように無邪気で―― しかし、敵の僅かな弱点をも見逃さない冷徹な指揮官のそれにもよく似ていたという。
[631]森末(仮):2015/02/22(日) 00:50:13 ID:??? ピィイイイッ!! 実況「イタリアの衝撃的なゴールの余韻を残したまま、再びアルゼンチンのキックオフで試合再開です! アルゼンチン、再びディアスくんがボールを持った! これはまたも中央突破か!?」 ヘルナンデス「(それしか出来る事は無いだろうからな。 試してみるといい、ディアス。 今回は抜けるかもしれない。 いつかは抜けるかもしれない。 だが、その突破に失敗をした分――先ほどのゴールと同じ結果が待っているぞ)」 ストラット「(俺にマークをつけてきたか……だが、それならランピオンが決めればいいだけさ)」 ディアス「(ふん、余裕綽々って顔しやがって。 そういう表情をしていいのは、フィールドではこの俺だけなんだよ!)」 タタタタタタッ! 再びのディアスの突撃に、イタリアはやはりPA内に引きこもる作戦で対応をする。 既に一度ディアスのドリブルを止め、リードをしている彼らには余裕すらあったが、慢心は無かった。 彼らにあったのは過度にディアスを恐れない、平常心である。 だが、その平常心はディアスの取った行動によってあっさりと崩れ去った。 ディアス「(そろそろいいかな? っと)そーれ、ほいほいほいっと」 ポンポンポン ヘルナンデス「ん?」 バンビーノ「な、なんだ……?」
[632]森末(仮):2015/02/22(日) 00:51:44 ID:??? 実況「お、っと? これはどうしたことでしょうか? ディアスくん、バイタルエリアに侵入すると同時にドリブルをピタリとやめ、なんとリフティングを開始した!? い、いったいどういうことでしょうか!? 何が狙いなのか、ディアスくん!?」 ざわ…… ざわ…… 観客「なんだなんだ?」「遊んでる場合かよ、負けてるんだぞ!」「何やってんだ!」 三杉「……一体どういうつもりだ?」 沢田「じ、時間稼ぎ……とかでしょうか?」 佐野「アルゼンチンは負けてるのにか? 必要ないだろ」 松山「いや、ディアスの体力を調整するという意味では……ある程度時間を浪費するのはいいのかもしれない。 ただ、それにしたって早すぎる。 ディアスは殆ど体力を使ってない筈なんだからな」 そのディアスの行動に、誰もが目を丸くし、驚いた。 サッカーの試合中に、リフティング。 しかも敵ゴール前で、無防備に――鼻歌を歌いかねない雰囲気でそれをし始めたのだから。 当然ながら誰もがその行動の意味を図りかね、一体なんのつもりかと口々に話し始める。 時間稼ぎにしろ、体力の回復を図るにしろ、今このタイミングでする必要は無い。 だからこそディアスの考えがわからなかった。 ジェンティーレ「や、野郎! ふざけた真似を……!」 ヘルナンデス「落ち着け、ジェンティーレ。 時間を無駄に使ってくれるなら好都合さ。 ただしいつ動くかわからない……油断はするんじゃないぞ、みんな!」 トリノ「わ、わかった!」 ヘルナンデス「(中盤メンバーも奪いに行かなくていい。 勝手にやらせるんだ!)」 バンビーノ「(動かなくていい、か……ならしばらくは様子を見るとするか)」
[633]森末(仮):2015/02/22(日) 00:52:54 ID:??? そして、ディアスの考えがわからないのはイタリアの面々も同じである。 普通ならば絶対的なエースの突破が通じず、焦ってもう一度――という場面。 にも関わらず実際にはその真逆、すぐさま突撃をするどころか時間稼ぎをしているというのだから、 観客たちよりも彼らの方が驚きは大きかったと言えるだろう。 だが、それでもヘルナンデスは冷静にメンバー達に指示を飛ばした。 何が狙いかはわからないが、好きにやらせればいい。 こちらがリードをしている状況で時間を勝手に浪費してくれるのならば、それに越した事はない。 そう考えた上で、ヘルナンデスは全員に"奪いに行くな"と命令をしたのである。 これには全員が揃って聞いた。 ヘルナンデス以外のメンバーもディアスの狙いは皆目見当がつかず、ヘルナンデスの指示を聞くしかなかったとも言える。 ディアス「(そう、それでいいんだ。 奪いに来られたらどうしようかと思ったぜ)」 ヘルナンデス「(まさかこちらが緊張の糸を切らせるのを狙っている? 馬鹿な……そんな無様は俺達はしないぞ、ディアス)」 やがて5分、10分と時間が流れる中でも――ディアスは相変わらずリフティングを続けた。 イタリアは、それをただ見守っていた。 ディアスのリフティングショーは、それだけ長い時間続いたのである。 しかし、これはリフティングショーではない。サッカーの試合。 "観客たち"は、サッカーを見る為にこの会場まで足を運んだのだ。 そうなれば、どうなるか――。
[634]森末(仮):2015/02/22(日) 00:53:56 ID:??? ざわ……ざわ…… ざわわ…… ざわわ……! 実況「えー、ただいま……時計の針が20分を過ぎました! それにしても困りました、実況ですが実況をする事がありません! このような事態は、私もこの仕事をして20年になりますが初めての事です!」 観客「いつまでやってるんだー!」「俺達はお前のリフティングを見に来たんじゃないんだぞ!」「馬鹿にしてんのか!!」 「イタリアもイタリアだー!!」「いい加減に奪いに行けよ!」「1点取って満足したのか!?」「臆病者ーっ!!」 当然のように、観客たちからは不満が噴出した。 いつまでも続くディアスのリフティング、それをただ引きこもってみるだけのイタリア。 最初は驚きでざわめいていた観客席は次第に怒号に飲まれていき、一斉に罵声を浴びせ始める。 ヘルナンデス「(やれやれ、簡単に言ってくれる。 ディアスからボールを奪うのは容易じゃないんだ。 個別に行って抜かれたらどうなるか……考えてから言って欲しいな)」 この罵声を、ヘルナンデスはうんざりした気持ちで聞き流していた。 彼は人並みの羞恥心やプライドは持ち合わせていたが、それと同時に冷静な判断力も備えていた。 感情に任せ、勝手な行動を起こしてはどうなるか――よく理解していたと言っていい。
[635]森末(仮):2015/02/22(日) 00:54:59 ID:??? だが、そのヘルナンデスとは真逆とも言える選手が――イタリアには存在した。 ダダダダダダッ!! ジェンティーレ「これ以上コケにされて……たまるかああああああああああああああああっ!!」 ヘルナンデス「ジェ、ジェンティーレッ!?」 プライドの塊のような男にして、傲慢の塊。 純粋無垢と言える葵新伍からすら、明確に『嫌な奴』と呼ばれる男――サルバトーレ=ジェンティーレである。 彼は沸点が低い男だった。 それでも、まだディアスがただリフティングをするだけでいれば我慢は出来ただろう。 猿が猿回しをしている、リードをしている自分たちがそれを見世物にして笑っているだけだと自分を納得させて。 だが、観客から罵声を浴びせられた瞬間、彼の頭には血が昇った。 彼はプライドの高い男である、自分は称賛を浴びるべき人間だという無自覚な傲慢さのある男である。 罵声や非難を浴びるのは、耐え難い屈辱であると考える男である。
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0ch BBS 2007-01-24