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【滅びの】俺inキャプ森8【バーストマグナム】
[635]森末(仮):2015/02/22(日) 00:54:59 ID:??? だが、そのヘルナンデスとは真逆とも言える選手が――イタリアには存在した。 ダダダダダダッ!! ジェンティーレ「これ以上コケにされて……たまるかああああああああああああああああっ!!」 ヘルナンデス「ジェ、ジェンティーレッ!?」 プライドの塊のような男にして、傲慢の塊。 純粋無垢と言える葵新伍からすら、明確に『嫌な奴』と呼ばれる男――サルバトーレ=ジェンティーレである。 彼は沸点が低い男だった。 それでも、まだディアスがただリフティングをするだけでいれば我慢は出来ただろう。 猿が猿回しをしている、リードをしている自分たちがそれを見世物にして笑っているだけだと自分を納得させて。 だが、観客から罵声を浴びせられた瞬間、彼の頭には血が昇った。 彼はプライドの高い男である、自分は称賛を浴びるべき人間だという無自覚な傲慢さのある男である。 罵声や非難を浴びるのは、耐え難い屈辱であると考える男である。
[636]森末(仮):2015/02/22(日) 00:56:17 ID:??? ジェンティーレ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 子ザルがぁぁぁあああっ!!」 そんな彼が、弾かれたようにディアスの"狙い通り"にボールを奪いに向かうのは必然であり。 ディアス「(かかった! やっぱり熱くなりやすいタイプだなコイツは。 よし、後はこのまま……!)」 ダダダダッ!! それを見た瞬間、ディアスがリフティングを止めて"予定通り"ドリブルで進撃をするのも必然であり。 ジェンティーレ「見ていやがれ! この俺は……臆病者などでは決してない! 誇り高い、アズーリの一員だァァァアッ!!」 ドガシャーンッ!! ディアス「ぎゃあああああああああっ!!(と、ここまで叫んでも不自然じゃないタックルってのは褒めておいてやるぜ)」 交錯した瞬間、ジェンティーレの鋭いタックルがディアスのボールを完全に捉えてディアスを吹き飛ばしたのも必然だった。 ジェンティーレ「ハーッハッハッハ! 何が天才だ! ただのリフティングが上手いだけの大道芸人の間違いじゃないのか?」 ディアス「(だが、頭は良くないな)」 ピピィーッ!! ジェンティーレ「な……なに?」 ヘルナンデス「しまっ、た……そういう、事か……!(昨日の試合で憶測は出来た筈だったのに……!)」 そして――熱くなりすぎていたジェンティーレのタックルが、角度のせいでディアスの足を削ったかのように見られ、 審判が笛を吹き鳴らしながら高笑いをしていた彼の元に向かってきたのも必然だった。 唯一の偶然は、ディアスの予想以上にジェンティーレが熱くなっていた為、 "故意"であると判断をした審判が胸ポケットに手を持って行っていた事。 当然、これを見てジェンティーレが高笑いを止め顔面を蒼白とさせたのは言うまでもない。
[637]森末(仮):2015/02/22(日) 00:57:51 ID:??? >>595 >>596 乙ありです。 一旦ここで区切らせていただきます。続きは今日中に出来るかはわからないです。
[638]森崎名無しさん:2015/02/22(日) 00:59:28 ID:??? 乙です。ここでレッドだったら今回も矢車の弟行きですねw
[639]森崎名無しさん:2015/02/22(日) 01:04:15 ID:??? 乙です。 本編で遂行できなかった作戦をやってくれるとは
[640]森崎名無しさん:2015/02/22(日) 01:14:51 ID:??? ここでレッド出てくれると次のイタリアでは慈円手入抜きになるが果たして
[641]森崎名無しさん:2015/02/22(日) 01:17:33 ID:??? 退場させてくれたら菓子折りもってお詫びとお礼に行こう
[642]森崎名無しさん:2015/02/22(日) 01:19:03 ID:??? 本当に退場したら矢車さんに連絡して引取りに来てもらおう
[643]森末(仮):2015/02/22(日) 02:01:28 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!? 実況「あーっと! これはジェンティーレくん、鋭いタックルでディアスくんを吹き飛ばしましたが……。 いけない、これはいけません! 反則! 反則を取られました! どうやら審判は苛立っていたジェンティーレくんが故意に足をかけたと判断したようです! これにはカードが出るようですが……おぉっと!?」 スッ…… ジェンティーレ「うっ……!」 ディアス「(ちっ)」 実況「イエロー、イエローカードです! ジェンティーレくん、イエローカードを貰いました!」 観客「レッドカードじゃなかったか」「レッドならイタリアは一気に危なくなってたな」 不幸中の幸いとも言うべきか、ジェンティーレの反則はイエローカードで済んだ。 無論、済んだ――というにはあまりにも大きな代償である。 ジェンティーレという強固な要塞と、ヘルナンデスというヨーロッパNo.1キーパー。 彼らイタリア守備陣の柱が一本でも崩れれば、ディアスに簡単に翻弄されるのは誰の目にも明らかだったからである。 一発で退場ではなくとも、これでジェンティーレが動きにくくなったとなれば、イタリアにとって痛いのは当然だった。 井沢「ディアスの野郎! またやりやがったな!!」 岬「うん……恐らく、そうだろうね。 激しく痛がっていたけれど、動きに支障はないようだし……」 松山「………………」 板野「(ジェンティーレ……お前って奴は……)」
[644]森末(仮):2015/02/22(日) 02:02:39 ID:??? ジェンティーレ「………………」 ヘルナンデス「ジェンティーレ!」 ジェンティーレ「ヘルナンデス……」 ヘルナンデス「……俺から言う事は、何も無い。 お前は傲慢だが、馬鹿ではない。 そうだろう? ならば……俺から言う事は、何も無いんだ」 フィールドではジェンティーレがなんとも形容しがたい表情をしながら、ヘルナンデスの元に歩み寄っていた。 頭に血が上り作戦に背いたという罪悪感、ボールを奪った筈なのにディアスに引っかかり反則を受けた事に対する恥じらい、 何よりもPKを与えてしまったという事に責任を感じながらも――それを素直に謝れない、己のプライド。 それらを混ぜた表情は、形容しがたい――としか表現を出来なかった。 そして、それを受けながら……ヘルナンデスはあくまでもクールに言い放った。 優しい口調でもなければ、厳しい口調でもない。 少々短気なジェンティーレとはいえ、一度覚えた失敗を二度と繰り返すような者ではない事をヘルナンデスは理解していた。 よって、厳しく叱責をする必要は無い。 また、この程度で落ち込みプレイに精彩を欠く程――ジェンティーレは弱気ではない。 よって、優しく慰める必要もない。 ヘルナンデス「この後も頼むぞ、ジェンティーレ」 ジェンティーレ「……ああ! わかっている……わかっているさ!!」 だからヘルナンデスはジェンティーレに対し、今後も頼りにしていると言うだけでよかった。 プライドの高いジェンティーレならば、これだけでいい方向に発奮をする。 頭に血を上らせるのではなく、冷静に、かつ闘志を燃やしてプレイに勤しむ筈だと――。 形容しがたい表情から一変、ディアスに対し敵意をむき出しに――しかし必要以上に熱くならずに睨みつけるジェンティーレを見て、 ヘルナンデスはそう確信をしていた。
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0ch BBS 2007-01-24