※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【滅びの】俺inキャプ森8【バーストマグナム】
[663]森末(仮):2015/02/23(月) 02:05:40 ID:??? ディアス「………………」 ジェンティーレ「(フン、子ザルが。 下手糞なマリーシアにこの俺が二度もかかると思ったのか?)」 何が起きたか理解出来なかったディアスは、不意に視線を横に向けジェンティーレを見やった。 そこには――危険なスライディングタックルではなく、立ちあがった姿勢のままボールを確保しているジェンティーレの姿がある。 ジェンティーレは決して頭に血が上り、平静を失ってディアスに突撃をした訳ではなかった。 彼はもう一度ディアスがマリーシアを仕掛けてくると考え、妙案を編み出していたのだ。 それは案というにはあまりにも滑稽で、案とすら言えない程の陳腐なもの。 『圧倒的な実力でどこからどう見ても文句の無いプレイでボールを奪い、ディアスが過剰に痛がっているのを露呈させる』 ただ、それだけだった。 無論、それが出来れば誰も苦労はしない。しないからこそ、ディアスに対して手を拱く者達ばかりだったのだ。 だが、ジェンティーレは違った。彼は世界最高峰のDFだった。 この大会、一対一の対決でディアスに一番勝つ可能性が高い選手はと問われれば、間違いなく彼が上がるだろう程に。 よって、彼はこの案を考えつくと同時に実行に移した。 まずジェンティーレはDF達に、自分は『あえて怒ったように見せかけ突撃するからフォローに来るな』と言い含めた。 これはDF達が影となってプレイが審判に見えなくなるのを恐れた事が1つ。 彼らも同時にディアスに向かえば、ディアスがこの演技を見抜いてしまうかもしれないと考えたのが1つだった。 次にジェンティーレは自分がディアスに接触する直前、審判のいる位置を知らせるようにともDF達に伝えておいた。 より正確に足がボールに行っている事を証明する為に審判の位置に気遣う。 それはディアスの突破をただ止めるだけではなく、マリーシアを発覚させる為には必要な情報だった。 最後にジェンティーレはスライディングに行くと見せかけ、直前で手でブレーキをかけてその反動で立ち上がり、 足の先だけでディアスの持つボールを抑えた。 その一連の動作は、口で説明するだけならば簡単であるが実際に行うのは難しい。 しかし、中学生離れしたパワーを持つジェンティーレの腕力ならば地面を叩いた反動で起き上がる事も、 また、足の先だけでディアスの持つボールを捉え吹き飛ばす事も十分可能だった。
[664]森末(仮):2015/02/23(月) 02:06:42 ID:??? 結果、ジェンティーレは作りだした。 どう見てもジェンティーレの足はボールに行っており、ディアスはその反動で吹き飛ばされた――。 否、わざと大仰に吹き飛ばされ、ジェンティーレに反則を"させよう"とした状況を露呈させる舞台を。 一対一の為に周囲には誰もいなかった。 よって彼らの攻防の一部始終はフィールドに立つ者――それだけではない、観客たちにすら筒抜けだった。 そして、この攻防を見た誰もが疑いようもない事実に気づいた。 『ディアスはわざと吹き飛ばされ、怪我をしたように振る舞った』と。 ディアス「………………」 それを理解した瞬間、ディアスは怒りの余りジェンティーレを睨みつけた。 罠にかけたつもりが、実際には罠にかけられていた。 これ程屈辱的な事を、ディアスは今までの人生の中で経験した事がなかった。 ディアス「(サルバトーレ=ジェンティーレ、か……)」 今日の試合、ファーストプレイで彼に止められた際、もっと早くに気づいておくべきだった。 彼は今まで自分が戦ってきた自称・天才を止められるDFとは全く違う男であるという事に。 本当に、天才を止められる力を持つ世界最高峰のDFであるという事に。 だが、どれだけ後悔をしても後の祭りだった。 ディアスに提示されたのはジェンティーレに提示された黄色の札ではない。 今ディアスが口の中の肉を噛み締め、悔しさを静かに発散させたときに生じた血の色と同様。 その札は真紅に染まっていたからである。
[665]森末(仮):2015/02/23(月) 02:08:04 ID:??? >>648 乙ありです。 一旦ここで区切らせていただきます。 続きは一応書きますが、眠くなったら寝ますので今日中に更新出来るかはちょっとわかりません。
[666]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 02:19:37 ID:??? 乙です。退場だゼェェェェェェェェェェット!
[667]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 07:16:30 ID:??? 乙です。ここから何失点してしまうのか…
[668]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 08:05:35 ID:??? 後半入っているから3-1、頑張って4-1といったところかな 5-1になって得失点差で強化されたイタリア相手に 引き分けは問答無用でゲームオーバーというのはさすがに無常だろう
[669]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 08:20:37 ID:??? ストラットさんにはポストに当ててもらうことを期待しよう。 せめてイタリアと引き分けなら予選リーグ突破できるような得失点差になっといて欲しいな。
[670]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 10:52:29 ID:??? 4-1だと総得点すら並んでややこしいね。 くじ引きで進出チーム決定? それなら5-1でいいかも。イタリアも大量得点狙うだろうし。
[671]森崎名無しさん:2015/02/23(月) 17:05:17 ID:??? これ構図的にはまんま本編の翼みたいな感じだな しっくりくる演出だ
[672]森末(仮):2015/02/23(月) 23:36:28 ID:??? 実況「あ……ああああああああああああああああああっ!? これはレッド、レッドカードだァ!! ディアスくん、シミュレーションを取られました! しかしこれは誰の目にも明らか! ジェンティーレくんの足はボールに行っていたのは、この私の目からも見えました! もはや言い逃れ不能! 故意のダイビングとされ、反則を取られてしまいました!! しかし、しかし! あまりにもここでのレッドカードは大きいィイイイイイッ!!」 ピエール「違う……ここで驚くべきは、ディアスに対してレッドカードが出た事じゃない……!」 シュナイダー「幾ら奴が相手を陥れる事に注意を払い、そちらに視線が行っていたとはいえ……。 それでも完璧にボールを奪い取る事など、容易な事ではない筈だ」 早田「あの野郎……相当やりやがるぜ」 松山「俺でも、零れ球にするが精一杯だったのに……」 三杉「(恐らくは早田のタックルよりも頭一つ抜けている……あれが……)」 中山「サルバトーレ=ジェンティーレ……(なんて奴だ……!)」 この時、観客席にいる実力者たちは目立つディアスの退場よりもその退場を誘った原因。 即ち、ジェンティーレに注目を集めていた。 ディアスの突破力の高さについては、既に周知の事実である。 誰もが彼こそが今大会最高のドリブラーであると考えていた。彼を止めるにはどうするべきか、シミュレートする者もいた。 だが、決定的な対抗策というものは中々思いつかない。 仮にストライカーならばマークをつけて無効化する事も出来る、パサーならばキープした所を奪いに行けばいい。 しかし、ドリブラーは純粋にタックルでボールを奪うしか手立ては無いのだ。 結局、多くの者は昨日日本が取った作戦のように二段構えで人数をかけて奪うか。 或いは今日のイタリアの如く最終ラインまで引きこもり多人数で待ち構えるかしかない。 にも関わらず一対一でディアスを止めてみせたジェンティーレ――その実力の高さは、一瞬にして彼らの脳裏に刻まれた。
[673]森末(仮):2015/02/23(月) 23:37:40 ID:??? パスカル「ば、馬鹿な……ディアスが、ディアスが、どうして……!」 一方、動揺にジェンティーレの実力に驚きながらもそれ以上にディアスを心配する者達もいた。 パスカルらアルゼンチンの元主力メンバーである。 彼らは見ていた、審判からレッドカードを提示され、無表情でベンチに歩いて行くディアスの姿を。 それは彼らが願っていた姿からは程遠い――名誉を守る事も、誇りを守る事も敵わなかった英雄の姿。 ディアスの盟友であるパスカルは瞳に涙を浮かべ、ただただその背中を見送る事しか出来なかった。 この時彼が出来た事は、今すぐにでも控室に駆けだしてしまいそうになるその足を手で押さえつける事だけだった。 バティン「…………」 そして、バティンは茫然とした表情でフィールドを眺めていた。 スラム街で暮らしながらも真っ当に生まれ育った彼はダーティーなプレイを好まず、 ディアスが行ったマリーシアにも少なからず苛立ちを覚えた。 だが、それ以上にこの状況を作りだしてしまったのが自分自身であるという責任感も覚えていた。 二つの反する感情が混ざり合った彼の心中は、推して知るべしである。 ガルバン「ディアス……」 この中で唯一客観的に状況を見る事が出来たのは、ガルバンだった。 彼はディアスと不仲という訳ではないが、パスカル程には絆も深くなかった。 よってディアスに同情をしても、深く感傷的にはならなかった。 また、自分の不注意と考えの甘さによる負傷といえど、バティン程には責任感も感じていなかった。 ガルバン「あっ……! ま、まずい!」 その為に即座に気づく事が出来た。観客たちの大きな異変に。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24