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【歴史は】俺inキャプ森9【繰り返す】
[902]森末(仮):2015/04/06(月) 02:07:30 ID:??? 西ドイツとウルグアイに入れ替わるように控室へと向かった全日本Jrユースは、 いつも通り見上の第一声からミーティングに入った。 見上「よし、みんなきけ。 ではこれより今日のスターティングメンバーを発表する。 フォーメーションは3−4−3だ。 まずFW。 左に板野、右に新田、右ウイングに滝!」 板野「はい!」 新田「!! は、はいっ!!(スタメン! とうとうスタメンに選ばれた!!)」 滝「はい(出番が来たか……それにしても来生は使われないのか?)」 まず見上は今日のフランス戦におけるスターティングメンバーを発表。 FWの部分が告げられた所でレギュラーは確定的であり、かつ事前に監督と話をしていた板野は淡々と発表を聞くだけだったが、 野心に燃え出番を求めていた新田は必要以上に気合の入った返事をし、 滝は自身の起用を喜びながらも選ばれなかった来生に一抹の不安を抱く。 来生「(ふふ〜ん、なるほど、今日も俺は温存策か。 まあ秘密兵器だしな)」 滝「(……あの顔は全く危機感を覚えてねー顔だな)」 なお、その際ちらりと来生に視線を向ければ彼は能天気に鼻をほじっており、滝は呆れかえったという。 見上「次にMF。 OMFは左に松山、右に岬。 DMFは左に山森、右に井沢だ」 松山「はい(ボックス型か。 山森の守備力は不安だが井沢とのダブルボランチなら安心だな)」 岬「はい(ピエールやナポレオンと極力マッチアップをしていい勝負を繰り広げたいね。 その方が後々便利だし)」 山森「は……はい!(俺がスタメン? 夢じゃないのか……)」 井沢「はい!(よし、スタメンに選ばれた。 今日も必要とされる仕事をこなして見せる)」
[903]森末(仮):2015/04/06(月) 02:09:00 ID:??? 次に発表されたMFの中では、唯一スタメン級とは言えない山森の起用に山森自身が驚いていた。 しかし、多くの者達は松山・中山というそれぞれ本職がOMFとDFである彼ら以外がボランチをするのならば、 井沢の他には適正的に考えて山森以外にいないと考えていた為にさしたる驚きは無かったという。 見上「DFは中央に寄せ、それぞれ左から早田、中山、次藤とする」 早田「へい(3バックか。 この形だとサイドの守備がかなり弱いがいいのか?)」 次藤「タイ(イタリア戦じゃ土台役くらいしか出来んかったばってん、今日の試合こそは活躍せんとな)」 中山「はい(頂点まであと2つだ……)」 DF陣については、殆どレギュラーが確定している者達がいる為に特に大きな反応は無かった。 何より、次に発表されるポジションが誰に決まるかという方に注目が集まっていたのもある。 見上「最後にGKは……」 若島津「…………」 若林「…………」 見上「若島津だ」 若島津「! はいっ!!」 若林「…………(何故だ。 あのアルゼンチン戦の失点が悪かったとでもいうのか? それとも、まさか見上さんはこの俺が若島津にすら劣っていると言うつもりなのか!? キャプテンとして云々ではない、GKとしてすら……劣っていると言うのか!?)」 そして発表されたGK――今日の試合ゴールマウスを守るのは、若島津健であった。 見上の発表を受けて若島津は声は荒立てず……しかし、芯のしっかり通った声で返事をし、 逆に若林は拳を強く握りしめながら、かつての恩師である見上に複雑な感情の籠った視線を向けた。 だが、その若林の視線を知ってか知らずか、見上はあくまでも無表情のまま戦術の説明に取り掛かる。
[904]森末(仮):2015/04/06(月) 02:10:09 ID:??? 見上「見ての通り、フォーメーションはサイドがやや空いている緩いものとなっている。 だがフランスにはサイドアタックは無い、相手の攻撃の駒で注意をすべきはピエールとナポレオンだけだ」 中山「ですが流石にがら空きのサイドを突いてこないという真似も相手はしてこないのでは……?」 見上「無論、一度や二度はあるかもしれん。 その場合には多少距離が遠くとも、プレスをかけに行け。 少し攻め込まれるかもしれんが、確実に潰せばいい」 山森「(距離が多少遠くてもか……走り回るだけなら、体力なら松山さん達にだって負ける気はしない!)」 板野「(フランスのサイドハーフとかが突破してきてくれれば中盤の誰かが奪いに行けば取れるだろうって事か……)」 やはり気にかかるのはあまりにサイドを開けすぎたフォーメーションであり、中山はそれについて言及をしたが、 見上はさしたる脅威ではないと言い含めた上で万一にも突破を図ってきたならば中盤で止める方針を示した。 見上「早田、お前はピエールかナポレオンが攻め込んできた場合はPA内を飛び出してチェックに向かえ。 必ず迎え撃つ際は前目で止めるように」 早田「はぁ……」 見上「次藤はいつも通り、壁となれ。 中山、お前については指示は出さん。 早田と共に前に出てプレスをかける、次藤と共に後方でシュートを防ぐ壁となる。 どちらでも構わん、臨機応変に動け」 次藤「はい(ナポレオンとかいう奴のシュートは板野のに比べりゃ可愛いもんタイ。 ばってん……それすら止めれんかったら、何しにヨーロッパまで来たのかわからんな)」 中山「はい(前に出て、か。 今日はやけに強調するな……何か理由でもあるんだろうか?)」 見上「井沢、お前の位置は早田、松山、岬と周囲にタックル、パスカット共に卓越した選手がいる。 上手く連携をし、一つでも多くボールを刈り取れ」 井沢「……はい(サポート役かよ! くそっ、ボランチとしてもそこまで高い評価を受けている訳じゃないのか……!!)」 見上「山森、お前は走り回れ、ルーズボールは全て自分が拾うつもりで動くんだ。 ボールを奪ったら得意とするパスで出せ。 攻撃と守備、その切り替え役を務めろ」 山森「は、はい!(それなら俺の得意分野だ。 よし、やってやるぞ!!)」
[905]森末(仮):2015/04/06(月) 02:11:25 ID:??? 見上「岬、滝、今日の試合の攻撃はお前たちに懸かっていると言っても差支えない。 基本的にはパスワークを中心としてフランスを攻め立て、上手くチャンスをおぜん立てしろ」 岬「はい(パスワークを中心、か。 さっきの早田への注意といい、伊達に欧州研修をしてないようだね)」 滝「はい(パスワーク、か。 岬との連携とかを考えるなら少し下がり目の方がいいか?)」 見上「板野、新田、松山。 お前たちに求めるものはミドルシュートだ。 板野はいつも通りでいいとして、松山もFWのつもりで積極的に狙って行け」 板野「はい!(アモロ相手なら弾丸シュートでも入るかな?)」 新田「はいっ!!(よし、ガンガン狙って今度こそ点を取るぞ!)」 松山「はい(FWのつもりで、か……。 板野との連携も上手く活用したいな)」 見上「若島津、ナポレオンのキャノンシュートについてはお前なら問題なく止められる筈だ。 ただしくれぐれもペース配分だけは間違えるな」 若島津「オス(立て続けに打たれては流石の俺も敵わんからな……)」 こうして改めて戦術を説明した所で見上は一度口を閉じた。 冷静に己の役割を認識する者、ようやく来た出番に奮起する者、不安を抱きながらも前を見据える者。 様々な思いをする彼らを見やりながら、見上は咳払いをすると再びその口を開く。 見上「では最後に1つだけ言っておく。 今日の試合、くれぐれも審判に対し抗議はするな」 全日本メンバー「え?」「ん?」「(どういう意味だ?)」 この見上の言葉を聞き、多くの者達は首を傾げた。 審判に対する抗議というのはご法度だというのは往々にしてある認識である。 それは全日本メンバーも重々承知しており、何故今更になってそのような事を強調するのかと疑問を持つのは当然だった。 だが、見上はこの反応を見て納得しなかったのか改めて一同に告げる。
[906]森末(仮):2015/04/06(月) 02:12:42 ID:??? 見上「今日の試合、対戦相手は地元開催国のフランス。 そして決勝進出がかかった重要な準決勝という舞台だ。 完全なるアウェーで戦うという事がどういう事か、日本という国で育ったお前たちでは今はまだ理解出来んだろう。 よってもう一度だけ言う。 抗議は絶対にするな、これだけは守れ。 いいな?」 念を押すように、再三に渡り注意を促す見上に一同は訳がわからなくとも首を縦に振るしかなかった。 この時、見上の真意を知れたのは4人。 板野「(カードを貰わないようにしないと……誰かが抗議しそうになったら、それを抑えるのも俺の役目だ)」 本編、原作でのフランス戦を読み、知識としてアウェーで戦うむずかしさを知っていた板野。 岬「(言葉で言われてもわからないからね、あれは。 実際に見て、体験するしかないだろうな)」 若林「(……なるほどな、見上さんの言葉の意味はわかった。 しかし、それを知っている俺を外してまで若島津を起用したかったのか、見上さん……)」 このフランスの地で過ごし、サッカーの汚い部分も多く見てきた岬と、 同じく西ドイツというプロリーグのある国で過ごしてきた若林。 三杉「(ホームタウンディシジョン……間違いなく地元びいきの判定はあると見ていいだろうね)」 海外のサッカーに関する情報にも精通をしていた三杉だけである。 見上「……言うべき事は全て言った。 さぁ、行ってこい。 ここはまだ準決勝、明日フィールドに立つ為にも勝ってこい!」 全日本メンバー「「「はい!!!」」」
[907]森末(仮):2015/04/06(月) 02:13:43 ID:??? >>900 乙ありです。ヘルナンデスと違ってランピオンにその気はなさそうですが、どうなるかはちょっと未定ですね。 本日も判定はありませんがここで区切らせていただきます。それでは。
[908]森崎名無しさん:2015/04/06(月) 08:23:17 ID:??? おつです。滝ママ、馬鹿息子に呆れかえる。
[909]森末(仮):2015/04/07(火) 01:37:15 ID:??? ワーワー! ワーワー!! 実況「さぁ本日の第二試合、我らがフランスJrユースと全日本Jrユースの試合開始時間が刻一刻と近づいて参りました! 両チームの選手が、今、入場しています!」 観客「頼むぞピエール! 今日勝って決勝進出だ!!」「ナポレオン、お前のキャノンシュートでニホンを蜂の巣にしてやれ!!」 「絶対に勝つんだぞ!!」「ニホンに負けるんじゃないぞー!!」 両チームのメンバーがフィールドに現れた瞬間、全方位から浴びせられる観客たちの声。 それらのほぼ全てはフランス人の、フランス人による、フランスを応援する歓声であり、 行進をするフランスメンバーは誇らしげに―― 一部はプレッシャーによるものかおどおどとした様子で歩いていた。 響「う、うわ……なんだか凄い空気だぞ」 真「予選リーグの時も凄かったけど、今日はそれ以上に熱狂してるね」 プロデューサー「それだけあちらさんも必死だってこと。 こりゃいよいよきな臭くなってきやがったぜ……」 一方、この異様な空気に飲みこまれたのは観客席で応援していたアイドル達である。 無理もない事だが、日本のサッカー界ではまず味わえないようなこの空気に彼女たちは圧倒され、 普段は明るく日本を応援していた響ですら二の足を踏みそうになる程であった。 響「う、う〜! でも自分は日本を応援するんだぞ! 頑張れ、ニッポン!!」 プロデューサー「(変なのに絡まれんようによく見ておかねぇとな。 まいったねぇ、こんな事まで仕事なんて聞いてないぜ)」
[910]森末(仮):2015/04/07(火) 01:38:23 ID:??? こうして双方のサポーターたちが見守る一方で、どちらを応援するでもなく観客席にいた者達もいる。 既に決勝進出への切符を掴みとった西ドイツの選手陣。 敗退が決まりながらも後学の為にと残り観戦に訪れていた他国の者達。 そして、招かれざる客である。 マーガス「フランスとニホンか……どちらが上がってきた方がやりやすいかな」 シェスター「俺はニホンが上がってきてくれた方が嬉しいな! ニンジャと戦う事が出来る!!」 カルツ「お前はそれしかないのかい。 だがまぁ……試合の展開について予想しやすいのはニホンだ。 そういう意味じゃニホンが上がってきた方がやりやすくはあるかなぁ」 シュナイダー「(今日もワカシマヅが出ているな……くれぐれもカードを貰うような真似はするなよ)」 ヘルナンデス「純粋な実力で考えるならば、ニホンがフランスに後れを取る事は無い。 それこそ大差をつけて勝利する事も可能だろうが……」 ストラット「そう簡単には行かないだろうな」 ジェンティーレ「(こんな所で負けるんじゃないぞ、イタノ。 そうでなければ俺達の敗北も無意味なものとなるのだからな)」 ディアス「(ま、なんだかんだでニホンが勝つだろうな。 どれだけ判定をフランス寄りにしたところで覆せる差じゃない。 問題はニホンがカードを貰うかどうかだ。 ここで食らうと明日が辛くなるぜ)」 翼「凄い熱気だなぁ、ああ、俺も早くこの舞台でプレーをしたいよ」 森崎「(ケッ、お前はこの試合出場停止だったじゃねーか。 って、また若島津が出てるのかよ!? やっぱ若林はどこまで行っても若林だな……)」
[911]森末(仮):2015/04/07(火) 01:39:48 ID:??? 敵と味方、そしてそれらとはまた違う第三者。 様々な者達が様々な思惑を胸にして試合を心待ちにする中、その当事者たちはどうしていたか。 山森「うう……す、凄い怒号。 これ全部、敵なんだよな……」 新田「き、気にするな山森! 野次なんていちいち気にしてたらキリがないぞ!」 松山「そそそそそうだぞ、山森! こういう時は手の平に人という字を書いてだな……」 滝「(松山が1番緊張してるんじゃねーか? まあ、試合が始まればちゃんとプレイに集中してくれるだろうけどさ……)」 この試合が今大会初めての出場、しかもスタメンという事もあってか山森は極度に緊張。 よりにもよって完全アウェーの空気の中での出場の為に行進の動作もぎこちなく、 小学生時代からの盟友である新田は自身も緊張しながら励まし、松山もやはりガクガクに震えながら山森にアドバイスを送る。 早田「へへへ、この歓声が全部悲鳴に変わったら気持ちいいだろうなぁ」 次藤「それでこそびっしゃぎがいがあるってもんタイ」 井沢「(相手の要はナポレオンとピエール。 そいつらを止めてブーイングをされるなら、むしろ本望だぜ)」 逆にこのフランスサポーター達の声を聞いて笑みを浮かべていたのは、元来好戦的である早田や次藤である。 彼らはこの空気に緊張をするではなく、むしろ楽しむ余裕すらあった。 それはボランチにコンバートをし、結果を求める井沢にしても同様である。 中山「(ピエールか……見た限りディアスとは違うタイプのMFだな。 是非とも対戦してみたい相手だが、あいつは守備を重視する傾向にあるようだし機会はあるか?)」 若島津「(今日の試合も無失点だ。 そして明日の試合も無失点を貫き、俺こそがNo.1キーパーである事を証明してみせる)」 そもそも観客たちの声に一切感心の無い者達もいる。 純粋に強い相手と戦いたいと闘志を燃やす中山と、己の力を示す事にしか興味の無い若島津。 周囲に対する性格こそ違う彼らだが、根の部分ではある意味似た者同士だったのかもしれない。
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0ch BBS 2007-01-24