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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[105]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:06:07 ID:d18vpdcU 〜若林 源三〜 若林のワールドユースでのパフォーマンスは活躍したとは言い難い物だったが、 彼は少年時代から既にブンデスリーガの名門ハンブルガーSVに所属しており、 ユース部門でも優秀な成績を出してワールドユース本大会前に既にプロ入りしていた。 カペロマン「おい!おい!天変地異だ!ポブルセンに若い女の子がプレゼント渡した!」 メッツァ「えっなにそれこわい」 カルツ「ほー?物好きな女も居るんじゃのう。で、何を貰ったんだ?」 ポブルセン「ケッ!欲しけりゃくれてやらぁ、ゴミ処理しろ!」 カルツ「おい、流石にそれはモラル的に………縄?蝋燭?」 メッツァ「あ…なんか納得…」 カペロマン「良かった…世界は滅びずに済む…」 ポブルセン「クソ野郎どもが。死ね。苦しんで死ね。10回死ね」 カルツ「…スマン。今のはワシが悪かった」 若林「(馬鹿どもが…)」 そして彼と共にカルツ他ハンブルガーSV所属のドイツユースの主力選手達も トップ入りしているのだが…彼の場合、昔馴染みの仲間達と和気藹々の雰囲気になったりしない。
[106]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:08:22 ID:d18vpdcU カルツ「あー、ワカバヤシ。お前さんは女っ気はないのか?」 若林「そんな物はない」 カペロマン「すごい即答だな。日本に残していた彼女とか居ないのか?」 若林「居ないし作る気もない」 カルツ「取り付く島も無いとはこの事じゃのう…」 若林が欲するのは実力、勝利、そして復讐。それ以外は非常にストイックな男である。 そんな彼にも出会いや縁が無かった訳ではないが、彼はそれを選ばなかった。 カルツ達は知る由もない。ワールドユース大会後、嫌々里帰りした若林に何があったかを。 若林は家族から呼び出しに近い誘いを受け一時帰国し、実家に滞在していた。 無論彼が望んだ事ではない。家族達との腹の探り合いと遠回しな嫌味の応酬の為である。 最早彼はそれに慣れっこになっており、面倒くさいと思うだけだった。 若林家女中「…いい加減にしてください!何故そこまで坊ちゃまを苛めねばならないのですか!」 若林「………?」 彼の代わりに感情の奔流を抱き、それを決壊させたのは彼の幼少期から若林家に仕えていた女中だった。 かねてより若林が家族と冷え切った交流を強制されていた事に不満を抱いていた彼女は 勇気を爆発させ若林を庇ったが、それによって彼女が得られたのは若林の怪訝そうな表情。 若林家当主「…君はどうやら暇が欲しい様だね。1時間以内に荷物をまとめなさい」 そして何時の間にか近くにあったゴミに気付き不快になった…そんな表情の雇い主からの宣告だった。
[107]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:10:25 ID:d18vpdcU 若林家女中「!!?」 若林夫人「何を驚いているのです。早く行かねば警備員に摘み出させますよ?」 若林「……………」 彼女に出来る事はそれだけだった。決死の覚悟の苦言は雇い主達には無意味な雑音としか受け取られず、 庇われた若林も彼女を庇い返す素振りなどまるで見せずに黙っているだけだった。 一時間後、誰にも見送られる事なく彼女は屋敷に向かって一度だけ深く礼をしてから立ち去ろうとした。 若林「馬鹿な事をしたな…」 元女中「坊ちゃま!?」 塀の外で待っていた若林が声をかけたのはその時だった。 若林「もう坊ちゃまと呼ばれる歳でもないし、呼ばれる関係でもなくなったがな」 元女中「…そうでしたわね…もう、お呼びしては駄目ですか…?」 若林「したいなら好きにしていいが…そこまで俺の事が特別だったのか?」 元女中「…はい。坊ちゃまにとって私は沢山居る使用人の内の一人にしか 過ぎなかったのかも知れませんが…私にとって、坊ちゃまは特別です」 若林「ますます理解が出来なくなったな。俺はあんたを我儘で困らせた記憶しかない。 ある程度の親近感を抱いていたとしても、俺を親父達から庇おうとするなんて夢にも思っていなかった」
[108]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:11:59 ID:d18vpdcU 元女中「はい、あなたは昔からとても我儘でした。まだ仕事に慣れていなかった私は 幾度も幾度も困らされた物です。そしてその度に、貴方だけはこの家の方でも人間臭く感じた物でした」 若林「…人間臭さ、か…」 元女中「あなたが急にドイツに発って以来、私の胸にはぽっかり穴が開いた様でした。 この寒い寒いお屋敷の中で唯一の暖炉が消えてしまい…そしてたまにお会いする度に あなたが段々旦那様達に似てきて、あの冷たい会話にも耐性が出来ていくのを見るのは とても辛かったのですよ…そんな綺麗な笑顔をしないで、そんなに簡単に嫌味を聞き流さないで、と…」 若林「……………」 ある時は絶対的なガキ大将。ある時はサボリ癖のついた問題児。ある時は復讐に燃える青年。 ある時は諦めと義務感を漂わせる無表情。ある時は見事な作り笑顔と心の籠もらない美辞麗句。 若林が見せてきた顔はそんな物ばかりだったが、それ以外の顔と心を知る者も居た。 ありのままの彼を見知り、ありのままの彼を受け入れた女が今ここに居た。 若林「そこまでさせてしまったのなら、男として責任を取らねばな」 元女中「えっ?」 それを理解した若林は苦笑と共に一枚のカードを差し出した。 若林「ハンブルガーSVで稼いだ金が入っている。親父達がどれ位払っていたかは知らんが、 多分今まで貰った額より多いだろう。ああ、俺の事は心配するな。試合で勝つ度に数百万円貰える」 元女中「えっ?………えっ?」 突然差し出された大金と責任を取ると言う宣言に彼女は驚愕し、やがて少しずつ頬を染めて行った。
[109]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:13:43 ID:d18vpdcU 元女中「…あの。これは、ドイツについてこい、と言う意味で…?」 若林「違う。今までの礼と、さっき庇わせてしまった埋め合わせだ」 元女中「………そう、ですか…」 だが若林は彼女が期待した程の優しさは見せず、彼女を突き放す。 若林「俺は若林源三。あんたが大嫌いな若林だ。そしてそれを変えたくもない」 元女中「…もう、居ないのですか?私に和菓子を強請っていたあの腕白な男の子は…」 若林「ああ、居ない。俺の人生の歩み方は既に決めてあるし、実家や家族の事などどうでもいい。 そしてあんたを俺の人生の一部にする事も出来ない。俺は若林でありたいからな」 元女中「………わか、り、ました…っ…お世話に、なりまし…ひぐっ…ぼっちゃ、ま………」 若林「…さようなら、ねえや」 自分すら幸せにしていない男がどうやって他者を幸せに出来ようか…それが若林の決意だった。 若林「(…どんな形でもいい。人生を上手くやり直してくれ。そして早く俺の事など忘れてくれ)」 カルツ「(時々こいつはやたらと深い表情をするんだよな…何を考えているのやら)」 友の数は少なく、愛は尚得られそうにない。それでも若林は己の生き様を貫く。 若林「(どれだけ泥に塗れようと、どれだけ差をつけられようと…俺は森崎に勝つ)」
[110]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/05(金) 11:17:35 ID:d18vpdcU いったんここまで。
[111]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 07:52:03 ID:CYeeWqvU 〜カール・ハインツ・シュナイダー、ジークムント・フライハイト、?????〜 ワールドユース大会では3位と言う結果に終わったものの、大会単独得点王で 最優秀FWに選ばれたシュナイダーの名声は大会後に更に高まった。 元々15歳と言う脅威の若さでプロデビューしていた彼は今や 誰もが認めるバイエルンの若きエースであり、将来は薔薇色と言えた。 シュナイダー「う、うぉおおお…マリー、マリー、まりぃいいい…」 フライハイト「またか…ハァ」 そんな彼が最近クラブハウスでちょくちょく嗚咽を漏らしていると知ったらファンはどう思うだろうか。 持前のプロ精神で公の場では隠す様にしていたものの、私生活でも同じ時間を過ごす事が多い フライハイトには良い迷惑である。雨が降らない限り淡々とした態度を崩さない彼ですら溜息は堪えられない。 フライハイト「一応聞くが、今度は何なんだ?」 シュナイダー「うううう…マリーが、マリーが口を聞いてくれないんだ…」 フライハイト「なんだ、またヘルナンデスからの手紙を破いたのか?」 シュナイダー「違う!イタリア留学に反対したら…ううううっ」 フライハイト「ふぅ…妹に嫌われたくないのなら我慢して祝福しろと言っているだろう」 シュナイダー「殺されたくないなら自殺しろと言うのかお前は!」 フライハイト「…付き合いきれん」
[112]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 07:53:17 ID:CYeeWqvU 知る人ぞ知る事実。カール・ハインツ・シュナイダーは病的なシスコンである。 その為ヘルナンデスに想いを寄せるマリーに徐々に嫌われつつあり、 それを何とかしようとして負のスパイラルに陥っているのが彼の最近の日常であった。 フライハイト「(仕方がない、また妹をダシにするか)そろそろ練習時間だ、頭を切り替えろ。 お前はこのクラブのエースでありドイツサッカーの希望の炎。そんなお前が家族とのトラブルで パフォーマンスを落としてみろ、第三者の勝手な言葉を嫌がった妹が即刻イタリアに行くかも知れんぞ」 シュナイダー「くっ………分かった。スー、ハー…よし、大丈夫だ」 それでも彼がサッカーに私情を持ち込まずプロに徹するのは流石の貫禄と言うべきか、 それともフライハイトの操縦の上手さを褒めるべきか。簡単に心機一転したシュナイダーは フライハイトと共にクラブハウスのロビーに向かい… フライハイト「(何故その精神力を妹離れに使えないんだ…おっと、今は話題を逸らさないとな) では行くぞ、今日は新選手の入団もあるんだ。さっきロビーが騒がしかったから、既に来ているかも知れん」 シュナイダー「ん?…ああ、そういえば監督が新戦力を加えるかも知れんとか言っていたな」 フライハイト「ああ、相手がアジア人なだけに首脳陣が躊躇っていたらしい」 シュナイダー「アジア人?…ウチに加われる程のアジア人選手………まさか?」 ??「よう、シュナイダー!」 シュナイダー「な、なにィ!お前は!」 そして今後のプロ生活の頼もしき仲間を得た。 後日地元紙はこう書いた。ブンデスリーガが欧州4番手と言う過小評価はバイエルンと バイエルンのワールドユース三羽ガラスが終わらせてくれるかも知れないと。
[113]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 07:55:15 ID:CYeeWqvU いったんここまで。
[114]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 09:11:43 ID:CYeeWqvU 〜中里 正人〜 スペインのリーガ・エスパニョーラの強豪クラブと言えば大抵の者が バルセロナとレアル・マドリードの2強をまず挙げるだろう。 そしてその2つ以外は?と問われると今度は答えに詰まる者が多いかも知れない。 あるいはアトレチコ、ビルバオ、バレンシアなどを挙げるかも知れない。 中里をスカウトしたのは2強ではなくそれに劣ると評価されるバレンシアだった。 スピーディで派手な攻撃的サッカーが喜ばれるリーガ・エスパニョーラでは中里の DFらしからぬ攻撃力が評価される確率も低くない為、彼にとっては打ってつけのチームと言えただろう。 中里「ムッフッフ…せっかく西班牙に来たのだから、是非ともラテン美女の裸体は拝んでおかねば。 そして短い時間を最大限に有効活用するには質と量両方を確保する…つまり、貴族の家ならば選び抜かれた女中達と 上流階級の女人の入浴両方を覗く事が出来る!後ほど父上にも分けて進ぜよう…」 だが念願のプロ選手になれた彼が今何をしているかと言えば、とある没落貴族の家に 忍び込んで家主の入浴を覗いていた。彼がどんな狼藉を働こうとしているのかは言うまでもない。 中里「ムムム、これはまさしくシャワーの音!しからばごめん、名も知れぬ女人よ。我が狼藉を許したまえ」 ちなみに彼の父親は彼を素質はあるとしながらも下調べを軽視する悪癖があると評価している。 中里「おおお…見える、見えるぞ。蜂蜜色の長い髪。日焼けに乏しいまるで作り物の様に美しい肌に…走る、紫の蛇…? 鍛錬の跡を隠せぬ筋肉質の背中と臀部…蹴られればさぞかし痛いであろう鍛えられた脚…はぁ、またでゴザルか…ぬおっ!?」 シャキーン! 家主「愚かな蛆虫よ。我が比類なき美を理解できた功績だけは認め、私が直々に紅く染めてやろう!」 中里「なっ…鉤爪!?仮面!?こ、こやつまさかスペイン忍者かーっ!?」 スポーツ忍者中里正人。彼は今日もサッカーとは無関係な場所で自業自得な修羅場に陥っていた。
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0ch BBS 2007-01-24