※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[128]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:09:07 ID:j1NDR9eE 〜森崎 有三〜 この長い長い物語の最後に、主人公森崎有三の事を語ろう。 彼の得た栄光については最早語るまでもなく、数多のサッカークラブが札束を積み上げたのもまた然り。 そして彼がこれで満足する筈もなく、更に上を目指し更に多くの物を欲したのも周知の通り。 だがそんな彼でもサッカーをしていない事もあるし、サッカーとは関係ない物を求める事もある。 陽子「ごめん、待たせたかしら?」 森崎「何、俺もついたばかりだよ」 最初は日本サッカー協会の一員として彼をサポートしていた陽子は何時しか彼が 欲する対象となり、彼に密かに憧れていた彼女もそれを喜びやがて受け入れた。 この日二人は南葛市の小さな喫茶店で待ち合わせをしていた。 森崎「さ、まずは何か注文しようぜ。何がいい?」 陽子「…それが…ごめん。今は何も喉を通りそうにないの」 森崎「へ?なんでだ、病気か?それなら帰って寝た方が…」 陽子「見せたい物があるって言ったでしょ?…その中身が、怖いの…」 森崎「…なんだよ、一体何だってんだよ」 陽子「………兄さんが…父さんから預かってきた手紙…貴方宛よ…」 森崎「!!!!」 見て貰いたい物がある。そう言って陽子が森崎と会いたがった日だった。
[129]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:11:47 ID:j1NDR9eE 森崎「…分かった。読んでみる」 陽子「…はい、これ」 片桐兄妹を縛り付けたがっていた彼らの父親からの手紙。 森崎はペナルティキックを待ち構える時の様な緊張感みなぎる表情でその手紙を受け取り。 森崎「拝啓…森崎有三殿…」 陽子「………」 まずは手紙に書かれた自分の名前を読み上げ。 森崎「前略………」 陽子「………」 時候の挨拶の省略を読み上げ。 森崎「……………?」 陽子「………」 そこから不可解そうな表情になって押し黙り。 森崎「……………!」 陽子「………?」 黙ったまま焦りと苛立ちを顔に浮かべ。
[130]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:13:44 ID:j1NDR9eE . 森崎「…達筆過ぎて読めねぇ」 ドシャッ! 陽子の顔面をテーブルに打ち付けさせた。 陽子「はぁ〜…私が読み上げるわ」 森崎「お、おう…」 庶民出身で最終学歴が日本の公立中学校と言う悲しさか、日本のビジネス界のエリート階級の 書く字は森崎には判別不能だった。呆れればいいのか責めるべきではないのか悩んだ表情の 陽子が手紙を取り返し、流石は上流階級育ちの才女と言うべき朗朗さで手紙を苦も無く読み上げる。 陽子「拝啓、森崎有三殿。前略。君の事は既に調べ上げてある。大胆不敵にして即断即決を尊ぶ男と聞いたので、 無意味な挨拶や美辞麗句は抜きにして用件のみ書く事にする…うわ、父さんがこんな書き方をしたの初めて見たわ」 森崎「へえ…まあ長々と訳分からない事を書かれるよりは良いか」 陽子「続けるわね…まずはワールドユース選手権優勝おめでとう。私はサッカーは大嫌いだが、 ただの球蹴り遊びと馬鹿にするつもりはない。どんな分野であれ、世界一になると言うのは並大抵の事ではない。 正直な話、陽子の件が無ければ我がグループのCMのオファーを出したい位だ。だが現実として例の件がある」 森崎「……………」
[131]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:15:03 ID:j1NDR9eE 陽子「そこで結論から言おう………私は…えっ?」 森崎「な、なんだ?」 手紙の内容は二人に少なくない驚きをもたらした。 陽子「私は…君と陽子の関係を邪魔するつもりはない………ハッキリ、そう書いてあるわ…」 森崎「…マジかよ。続けてくれるか?」 陽子「う、うん。何故なら君は最早日本国民のヒーローであり、そしてこれから大いなるブームとなり得る 日本サッカーと言う産業のシンボルだからだ。片桐総合グループが国民的英雄ともめ事を起こしても 何も良い事はない。秘密裏に事を進めたとしても、一般人はともかくライバル企業には隠し通せない。 そしてそこまでやって上手く行ったとしても、叶いかけた夢と愛する男の両方を奪われた陽子に期待はできない。 魂を失って抜け殻となるか、もしくは歪な復讐を企てるか。どちらもビジネスマンとして許容出来ないリスクだ」 森崎「……………」 陽子「よって、私はただ二つだけ君に頼みたい…時々でいい、私の妻を陽子に会わせてやって欲しい… そしてその際、万が一にも私と鉢合わせしない様前もって知らせて欲しい。ただそれだけだ。 私は二人の子供に逃げられた父親失格だ。せめて夫としては失敗したくない…」 森崎「……………」 陽子「以上…追伸。この手紙は下種なマスコミに嗅ぎつけられない様燃やしてくれ。片桐総合グループCEO…」
[132]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:16:51 ID:j1NDR9eE いずれ敵対してくるのではないかと思われた存在からの唐突な宣告と頼み。 それらを読み上げ終えた時、陽子の目には光る物があった。 陽子「…父さん………」 森崎「父親失格…夫としては失敗したくない、か…」 陽子「…私、馬鹿だったのかな。勝手に父さんを敵だって決めつけて…話し合おうともしないで…」 森崎「それは………分からないな。何かが違っていたら、本当に強引な手段で来ていたかも知れないぜ」 陽子「そう…なんだよね。邪魔しないって言っている理由も、ビジネスの理由だし…」 森崎「だから、これからでいいだろ、これからで。お母さんの協力があれば、その内和解出来るかも知れないしさ」 陽子「…うん。思っていたよりずっと良い結果になったんだから、これから頑張れば良いよね!」 森崎「(ホッ…良かった。陽子相手だとチームメイトみたいに扱う訳にはいかないし、毎回ドキドキもんだぜ)」 古来より男は女の涙に難儀する物である。森崎程悪知恵と度胸を持ち合わせた男も例外ではない。 だが今回は陽子の方が気持ちを切り替えたがっていたのが幸いし、 森崎はこれ以上生卵が敷き詰められた床を歩く様な思いをせずに済んだ。 陽子「これから頑張ると言えば、有三も移籍先のクラブでちゃんとやらなくちゃね」 森崎「フッ、誰の心配をしているんだよ。俺がサッカーで手を抜く訳ないだろう?」 陽子「まあ、そうなんだけど…ほ、惚れた弱みよ」 森崎「(時々フッとこういう恥じらいを見せるから侮れないぜ)」
[133]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:18:58 ID:j1NDR9eE 二人の話題は勿論サッカー。二人の過去も現在も未来もサッカーが占めている。 やりたい事を思いっきりやれて、それで金と名声と達成感を得られる二人は間違いなく幸せなのだろう。 そこに互いを理解しあえるパートナーが居るのなら、きっとどんな苦難にも負ける事はない。 森崎「陽子の方はどうなんだ?今日本サッカー協会は超忙しいんじゃないか?」 陽子「うーん、協会は確かにそうだけど私はどちらかと言えば下っ端だからそこまででもないのよね。 兄さんなんか過労死するんじゃないかって言う勢いで走り回っているから、心配なんだけど… 私は今度は欧州の方を担当する事になったから、実は今はちょっと暇な位よ」 森崎「へえ?欧州でどんな事をするんだ?日本人選手のサポートか?」 陽子「うん、それも仕事の一つだわ。だけどそれは基本的に選手達の代理人任せだから、 それよりももっと重要な仕事があるのよ。欧州のプロリーグをキッチリと参考にしなくちゃね」 森崎「リーグを参考に?…まさか」 日本サッカーの次元その物が変わったこの時代に生きた者達は後に生ける伝説となる。 選手として試合と言う前線で戦った選手達。支持者として競技普及に努めた関係者達。 陽子「そう…遂に日本にもプロサッカーリーグが出来るのよ。その名も、Jリーグ!」 森崎「Jリーグ…!」 陽子「貴方に憧れた少年達が、未来の日本代表を目指して戦う為のプロリーグよ!」 彼らの中でも特に功績が大きく、良くも悪くも大目立ちした一人の男がこう呼ばれている。 森崎「よーし、この日本代表キャプテン森崎有三が後輩達をいっちょ揉んでやるか!」 日本サッカーの歴史に大いなる覇王あり。その名はキャプテン森崎。
[134]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:21:02 ID:j1NDR9eE . . こうして森崎達は日本代表として二度目の世界制覇を成し遂げました。 . 最早彼らを侮る者も日本をサッカー弱小国呼ばわり出来る者も世界の何処にも居ないでしょう。 . 彼らは今や狙う立場ではなく狙われる立場。 . 年齢制限の無い世界で数多の国々の選手達との死闘が待っています。 . ユースでは上手く行ってもプロでは大成出来なかったケースは山ほどあり。 . 未だ未熟きわまる日本のサッカー環境は彼らを孤立無援にし。 . そして日本代表としてはオリンピックとワールドカップと言う二つの頂点が待っています。 . 私の語り手としての力は尽きましたが、彼らの戦いはまだまだ続きます。 . ここから先のドラマと試合でも森崎達はきっと奇想天外な物語を紡ぎ続けてくれるでしょう。 . それらを夢見る余地を残して、ここで筆を置かせて頂きます。 . 長きに渡るご愛読とご参加、誠に有難うございました。
[135]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:22:44 ID:j1NDR9eE . . キャプテン森崎 ワールドユース編 第四部 ワールドユース本大会編 . ならびに . キャプテン森崎 . 完 . 2 ◆vD5srW.8hU .
[136]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:24:20 ID:j1NDR9eE あとがき さて、困りました。あとがきとは何を書けば良いのでしょうか? これ程までに長期間の作品を完結させたのも初めてなだけでなく、それが元は別の方が書いていたと言う事実もあり、 更には読者参加型企画と言う特殊なジャンルなので果たして小説の様なあとがきでいいのやら… 等と頭を捻った挙句、結局は今まで通り書きたい物を思いつくままに書き連ねるしかないと考えたのでそうします。 まずは特にお礼を申し上げたい二人に。最初にキャプテン森崎のスレを立て、物語を始めた 1 ◆BPXgDhLGHkさんと まとめサイトを立ち上げずっと支援し続けて下さった698 ◆wb0CAXq5IAさんに惜しみなき敬意と感謝の念を表したいです。 最初にキャプテン森崎と言う発想と出会わなければ私がそれを書きたいと思う事もなかったでしょうし、 長引きだした物語を持て余していた所をまとめ上げ一つのコミュニティーにして下さったお陰でここまで来れました。 次に各外伝の作者の方々にも勿論大いに感謝を。二次創作が更に三次創作になっていくのはとても嬉しい物だと 自覚でき、時折モチベーションが落ちて更新が滞りがちになってもその度に奮い立たせられる物がありました。 そして勿論、読者にして参加者たる皆様にも沢山の礼を。物書きの最大の報酬は読者からの反応。 ゲームマスターの最大の報酬はプレイヤーの楽しみ。二つの異なる報酬を得られた私は間違いなく幸せです。 そして最後に。恐らくこのメッセージを目にする事ではないでしょうが、原作者の高橋陽一先生にも敬意と感謝を。 あなたがキャプテン翼と言うジャンルを生み出してくれなければ今日の日本サッカーもこのキャプテン森崎も無かったでしょう。 沢山のありがとうを言えるのは、沢山何かを貰えたと言う事。有難うございました。
[137]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:25:56 ID:j1NDR9eE 続いて、二つのごめんなさいを言わなくてはなりません。 まず一つ。ワールドユース本大会の組み合わせを予想する企画で、上位者のリクエストを叶えると 言っておきながら何時の間にか放置し、結局取り掛かれる事が無かった事を深くお詫び申し上げます。 幾度か取り掛かろうとはしたのですが、その度に私の情熱がもう本編を完結させられる程度も 残っているかどうか怪しい事を思い知らされました。全ては一重に私の見通しの甘さと情熱の不足による物です。 そしてもう一つは続編を期待させる様な終わり方でありながら、結局続編は書けそうにない事。 何度も何度も悩み、何とかプロ編、オリンピック編と続けられないかと頭を捻った物ですが 結局の所複数の問題を解決できる自信がない為“惜しまれる位のタイミングで終わるのが有終の美”と 自分に言い聞かせ、筆を置く事にしました。以下がその複数の問題です。 1) 物語のテーマに既に決着がついてしまっている事 既に森崎は凄まじいまでもの実力と実績と名声を得てしまいました。 この先日本代表のキャプテンとしての座が揺らぐ事がないのはまだいいとして、 この先選手としてどう成長させよう?と言う悩みが解決できそうにありません。 能力的にはともかく、選手としてのメンタルや“格”はもう完成されていると思います。 2) 世界観的な理由でこの先日本が勝つのが想像できない これは原作のキャプテン翼でも同じ事ですが、森崎達の世代から上は大きく見劣りすると言う世界観です。 つまり森崎達が若手の頃から日本代表として頑張るしかないのですが、それで“上の世代も当然強い” 数多の強豪国に太刀打ちできるでしょうか?もし出来てしまったら、いくら何でも森崎達を贔屓し過ぎではないでしょうか? しかし日本が結局世界一を取れないと言うのは物語としてどうなのか…と言うジレンマにぶち当たりました。 3) システムに大幅なテコ入れが必要 同じ事の繰り返しではゲームは飽きられます。小説もまたしかり。 ワールドユース編ではいくつかルールを改定した上で対戦チームそれぞれに特色を出す様努めましたが、 それでも結局は何処かマンネリ感があったのではないかと後悔が残っています。 もしこの先同じシステムで繰り返していてもきっとそれは面白くないでしょう。
[138]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:27:19 ID:j1NDR9eE ではシステムにテコ入れする手段はあるか?と言えば、いくつかアイディアがあるにはあります。 ・スパロボの精神コマンドに似たシステムを導入し、習得・成長の楽しみと駆け引きの要素を出す ・技の発動率を1/4単位ではなく1/6にして、成長の余地を演出する ・任意のガッツ消費でランダムで発動する技の発動率を上げる手段を作る ・チーム技、作戦などをもっと使いやすく大きなファクターにする ・スルーパス、反則狙いなどプレイの幅を広げる ・コンディション管理、人気度などの新要素を付け加える ・ガッツ管理などのルールに手を加え試合の派手さと柔軟性を増す などが考えられるのですが…殆どが既存のシステムへの追加要素となるのでゲームマスター、 プレイヤー共に負担が増します。文章主体で進行するゲームとしては複雑になり過ぎるのは望ましくありません。 現行ルールでも何度も何度もミスをしていたのに、これ以上追加するのは解決法ではない様に思えました。 かと言って劇的にシステムを作り直すと今までのデータが使えませんし、今までの面白味も失くしそう… そしてなにより追加と作り直し、どちらの場合でもゲームバランスを保つ難易度は跳ね上がります。 今までは我ながら良くもまあ全てがぶっつけ本番である程度ゲームバランスを保てたなと 自画自賛していましたが、ここからはもう全然自信がありません。 4) ネタと情熱がもう足りない 思えば、キャプテン森崎ではとてつもなく多くの事をやってきました。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24