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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[46]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/26(火) 07:17:28 ID:6Em72nYc >B 「今日、俺達日本は狙う立場から狙われる立場になりました」強気なスピーチを行う。 森崎「ご来場の皆さん、そしてテレビ等で見ている全世界の皆さん、日本キャプテンの森崎有三です。 今日、俺達日本は狙う立場から狙われる立場になりました。この大会の優勝を持ってして。 俺達の目標は大会前から一貫してワールドユース優勝でしたが、それを信じた者は居ませんでした。 しかし俺達は信じつづけました。俺達の力と可能性を。そして結果は見ての通りです。 サッカーは何が起きるか分かりません。強いチームが弱いチーム相手にコロッと負けたりします。 思いもよらない展開で点が入ったりもします。そして弱小国が下剋上を成し遂げる事もあるのです。 こうすれば絶対に勝てるなどと言う正解は存在せず、どんな戦術も方針も必ず穴があり、 確率論上最も妥当な選択を重ねてもそれが良い結果に繋がるとは限らないが、 だからと言って無謀な博打に頼るだけでは長期的に見れば身の破滅を招くばかりです。 それはまるで人の生涯の様。誰もが保障なんかない選択を繰り返し、ゴールを目指す人生の如き。 だからこそサッカーは面白い。だからこそ世界中がサッカーに夢中になるのだと思います。 俺はこのスポーツをもっともっと面白くしていきたい。最前線でその面白さを味わう為に! 日本が今大会で優勝した事で今日、サッカーそのものが新時代を迎えました。 いわば乱世の幕開けです。南米でも欧州でもなく、日本が世界一になれたのだから 我々だってそうなれる筈…そう夢と野心を掻き立てられた国はいくつもあるでしょう。 そして勿論、既存の秩序を乱され栄光を奪われる形となった既存の強豪国は この革命を抑え込み王座を守りきろうとするでしょう。特に俺達日本は大きな賞金首として 狙いを定め、これ以上の躍進を防ごうと死にもの狂いで立ちはだかってくるでしょう。
[47]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/26(火) 07:19:11 ID:6Em72nYc どうです、ワクワクしてきませんか?俺は既に胸の高鳴りが止まりません。 たった今俺が受け取ったトロフィーを糧に、更に上へ上へと跳び上がれるのですから! 俺は走り続けます。数多の敵に狙われながら走り続けます。次の目標、ワールドカップ優勝に向けて! 俺を応援する人にも、俺の敵を応援する人にも、このサッカー戦国時代は極上の エンターテイメントとなるでしょう。どうかこの俺の、そして日本の、戦いをお見逃しなく! 以上、全日本ユースキャプテンの森崎有三でした!有難うございました!」 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!! 森崎「(フフッ、多少ヤケクソ気味な拍手の雨だな。気持ちいいぜ)」 見上「(ふぅ…ギリギリセーフか。何時挑発しだすか冷や冷やだったぞ…)」 陽子「(全く、結局もう次の事を考えているんじゃない。何処かに連れ回して強制的に休ませましょう)」 放送「森崎くんの非常に強気なスピーチでした!何が起きるか分からないからサッカーは楽しい。 そしてこの新時代の風雲児がサッカーの世界の秩序を崩しつつあるのです! 果たして彼がその野望を叶えワールドカップまで日いずる国に持ち帰って凱旋するのか? それとも他の国がその野望を阻み別の秩序を作り出そうとするのか?それはこれから始まる物語です。 さて、いよいよ放送時間が残り少なくなってしまいました。大変名残惜しい事ながら、 そろそろご視聴中の皆様と一旦お別れせねばなりません。また会える日まで、御機嫌よう、さようなら!」 こうして1991年ワールドユース選手権ブラジル大会は終わった。 これは一つの物語の終わりであり…そして新たなる伝説の始まりである。
[48]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/26(火) 07:28:21 ID:6Em72nYc 〜十数分後、イタリア某所〜 ??????「ユーゾー・モリサキ…ワールドカップ優勝が目標、か…」 森崎は知る由もない。彼の優勝スピーチを彼がリアルタイムのTV中継で聞いていた事を。 彼は森崎のスピーチを聞き終えてからすぐにスパイクを履き、所属クラブの練習用グラウンドに立っていた。 ??????「ワールドユースを制した君には確かにその資格がある…いや、義務と言って良いだろう。だが」 ペナルティエリアの外に立ち、ゴールを見据えた彼の視界の中に森崎のイメージが浮かび上がる。 リーサルツインを止めた時の森崎のセービングの一挙一動を何度も何度もシミュレートする。 グワァアアアッ…! バッギュォゥウウウウウウウウウウウッ!!! やがて彼はおもむろに足を振り上げ、足下のボールを思いきり蹴った。 シュウウウウウウウウウンッ!! バスウウウッ! コロコロコロ… 彼のイメージした森崎は彼のシュートを取れなかった。 森崎の勝気な表情が驚愕に染まる所までイメージ出来た所で彼はシミュレートを止め、想像の姿を消す。 ファンベルグ「列に並びたまえ。その悲願は我々オランダが先約済だ」 彼の名はマルコ・ファンベルグ。セリエAのACミラン所属FWにしてオランダ代表現キャプテン。 現役の世界最高のサッカー選手を挙げよと言われれば多くの人が彼の名を挙げるだろう。 彼と森崎が一戦を交えるまで後どれ程の時が残されているか。それは誰にも分からない。
[49]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/26(火) 07:31:24 ID:6Em72nYc いったんここまで。
[50]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:27:14 ID:81NtpcmE そしてしばしの時が流れ、いよいよこの物語も終焉を迎える。 最後に主演を務めた全日本ユースとその関係者達、そして主なライバル達のその後を語って締めくくろう。 〜中西 太一〜 高校卒業後屋台を引きながら各地のうどんの味を学習し取り入れる放浪の旅に出ていたが、 北海道で突如客が訳の分からない事を怒鳴り出して殴りかかり、屋台を破壊されてしまうと言う憂き目に会う。 尚その客から示談金は取れたので屋台を直す事自体は可能だった。 中西「きゃ、客商売ってこんな目にも会わなアカンのか…」 〜小田 強〜 実家の寿司屋で若くしてツケ場に立ち、評判は上々である。 ただし時折彼の握る寿司ではなく彼が南葛中の伝説のメンバーの一員だった事を 目当ての者がやってきて困ってしまうらしい。 小田「実はスタメンの中で断トツのザコでした…なんて正直に言う訳にもいかないしなあ」 〜浦辺 反次〜 相変わらず南葛で豆腐屋を営んでいるが、以前はヒットしていた「ギャラクシートウフ」が ブームが終わって売上が縮小し、量産設備に投資していたのが仇となって頭を抱えている。 サッカーに復帰する事も考えているが、1年以上ボールから離れていた影響は小さくない様だ。 浦辺「あーどうしよどうしよどうしよ!…はぁ。サッカーしたいなぁ。今からでも出来るかなぁ」
[51]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:29:42 ID:81NtpcmE 〜井出 保〜 全日本ユースに帯同しデータ収集と作戦立案に励んだ功績を認められ日本サッカー協会に就職。 そのまま地域、国籍、年齢問わずありとあらゆる選手やチームの分析に勤しんでいる。 世界中のサッカービデオを思う存分鑑賞する毎日は充実しているが、目も充血しているとの事。 井出「あれっ、今日何日だっけ…まあそんな些細な事はどうでもいいんだな!次のビデオを見るんだな!」 〜吉良 耕三〜 日向のツテで納まった東方学園高等部で監督業を続けており、スパルタなしごきで悪名高い。 しかし黄金世代以降期待出来る才能の持ち主が出てこないのを嘆いており、 このまま平穏な隠遁生活を続けるのは嫌気が差している模様。 吉良「ぬぅ、どいつもこいつも…ワシもそろそろプロクラブの監督を目指してみるかのう」 〜賀茂 港〜 相変わらず日本サッカー協会で役職不明の仕事をしている。情報収集及び操作、そしてスカウト業に 関しては評価されているのだが自分が優秀な指導者だと思い込んでいるのも相変わらずである。 日本サッカー協会が彼を雇っているのは指導者として醜態を晒させたくないからかも知れない。 賀茂「ったく、今日も地球の裏側までひとっ飛びかよ。ああ、早く俺の真価に気付くチームが出てこねえかなあ」
[52]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:31:30 ID:81NtpcmE 〜片桐 宗正〜 ワールドユース優勝によって日本中に湧き上がった急激なサッカーブームを最大限利用すべく 寝る暇も惜しい程動き回っている。一度片桐総合グループの会長に面会をしたそうだが 具体的に何を話しに行ったのかは日本サッカー協会のトップシークレットである。 片桐「ふぅ、やっと3時間眠れそうか…何時になったらこの忙しさが減るんだ…?」 〜見上 辰夫〜 Jrユース大会に続きワールドユースでも予想外の大金星を得た功績で今日本で最も有名な スポーツ指導者と言ってよく、テレビ出演にサッカー理論講座にと連日忙しい。 次の監督業は日本代表なのかそれとも別の道を目指すのか、大いに注目されている。 見上「ええい、また芸能番組か!ぶくぶく太った芸能人にサッカーの真似事などやらせて何の意味がある!」 〜西尾 浩司〜 一時は高卒のまま最早サッカーには縁の無い生活を送るかと思われたが、 滑り込みでなんとかJSLのチームに滑り込む。しかし何かと同世代の華やかな 選手達に比較されてしまう為あまり居心地は良くない様である。 西尾「お、俺だって、翼みたいに活躍したかったよ…うう」
[53]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:33:58 ID:81NtpcmE 〜岸田 猛〜 大学受験に失敗してしまったが日本のサッカーブームが爆発した事で JSLのチームに加入出来た。しかし西尾同様同世代の中では落ちこぼれ扱い されてしまうのが気に入らず、日々ストレスを溜めこんでいる模様。 岸田「全く、俺より上手い訳でもない癖に俺を馬鹿にしやがって…!」 〜長野 洋〜 大学サッカーで早速活躍していたが、ワールドユース優勝をきっかけにこれ幸いと 大学を中退してJSL入りする。日本人には不足しがちなポストプレイヤーとして 即戦力扱いされているが、それでも昔の仲間達との差に悩む事が無い訳ではない。 長野「俺も何かがもうちょっと違っていたら今頃は…って思わずには居られないんだよなぁ…」 〜岩見 兼一〜 長野同様JSL入りするが、彼は大学もそのまま続ける事にした。 日本サッカーのブームがいつまで続くかは未知数な事とどの程度の収入につながるかを 不安視した結果医者への道も残しておくと言う彼らしい選択だった。 岩見「俺は俺の器を知っている…高望みはしないさ」
[54]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:36:05 ID:81NtpcmE 〜佐野 満〜 高校卒業後JSLのチームにスカウトされ、これを受け入れる。 高校サッカーでかなりの名声を得ていた彼は既にJSLでも目立つ存在だったが、 それに満足せず日本代表に返り咲く事を目論んでいるのは言うまでもない。 佐野「次藤さん!俺はもう一度やってみせますよ!もう一度あの舞台に立ちたいんだ!」 〜反町 一樹〜 東方学園の大学部にスムーズにスライドし大学サッカーではかなりの名声を得ている。 更にJSLからもいくつも誘いを受けているが、本人は何やら悩みが深い様で 踏ん切りがつかないまま大学サッカーをズルズルと続けているのが現状である。 反町「このままじゃ駄目なのは分かっている。だけど、どうしたら…」 〜沢田 タケシ〜 東方学園高等部の3年生キャプテンとして全国制覇を目指している…のだが 小心者の彼にはそれだけでも重荷なのに更に全日本ユースを率いてワールドユース2連覇を! 等と世間が勝手に盛り上がってしまい、毎日プレッシャーに脅かされている。 沢田「あわわわわわ…な、何とかしてせめてアジア予選は勝ち抜かないと…」
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:37:49 ID:81NtpcmE いったんここまで。
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/28(木) 10:03:04 ID:TNrrR3c+ 栄光の23人。ワールドユース優勝を成し遂げた全日本ユースの選手達はそう呼ばれた。 その称号は上記の選手達の様な“24人目以降”にとっては羨望以上の感情の的であったのは言うまでもない。 しかしその23人の中でも栄光を遠慮なく堪能出来たか、それとも己を頭数合わせの様に感じたかは 選手にとって天と地ほどの差があり、その後の進路には少なからぬ差が生じていた。 ここで少し説明しておこう。 日本のワールドユース優勝がサッカーの世界史にとってどれほど驚天動地の出来事であったかは 既に何度も述べた通りだが、特に大きかったのはプロサッカービジネスへの影響であった。 世界で2番目の経済大国である日本の空前のサッカーブームを、そしてそれに釣られて発生する アジアとアフリカでの副次的なブームをビジネスチャンスと見なさないサッカー関係者など存在しない。 それは欧州各国のプロリーグも同様で、今まで欧州人と南米人以外を見下してきた事など忘れたかの様に 外国人選手枠を急遽広げてアジア人とアフリカ人の選手をスカウトし始めた。 そして全日本ユースの選手達は当然熱い視線を注がれたのだが、お眼鏡に適う確率は選手によってまるで違う。 元全日本ユースの選手達の中でも“地”に属する者たちは世界に羽ばたく“天”の者達を羨むしかなかった。 まずは“地”の選手達のその後から紹介していこう。
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0ch BBS 2007-01-24