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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/27(水) 10:37:49 ID:81NtpcmE いったんここまで。
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/28(木) 10:03:04 ID:TNrrR3c+ 栄光の23人。ワールドユース優勝を成し遂げた全日本ユースの選手達はそう呼ばれた。 その称号は上記の選手達の様な“24人目以降”にとっては羨望以上の感情の的であったのは言うまでもない。 しかしその23人の中でも栄光を遠慮なく堪能出来たか、それとも己を頭数合わせの様に感じたかは 選手にとって天と地ほどの差があり、その後の進路には少なからぬ差が生じていた。 ここで少し説明しておこう。 日本のワールドユース優勝がサッカーの世界史にとってどれほど驚天動地の出来事であったかは 既に何度も述べた通りだが、特に大きかったのはプロサッカービジネスへの影響であった。 世界で2番目の経済大国である日本の空前のサッカーブームを、そしてそれに釣られて発生する アジアとアフリカでの副次的なブームをビジネスチャンスと見なさないサッカー関係者など存在しない。 それは欧州各国のプロリーグも同様で、今まで欧州人と南米人以外を見下してきた事など忘れたかの様に 外国人選手枠を急遽広げてアジア人とアフリカ人の選手をスカウトし始めた。 そして全日本ユースの選手達は当然熱い視線を注がれたのだが、お眼鏡に適う確率は選手によってまるで違う。 元全日本ユースの選手達の中でも“地”に属する者たちは世界に羽ばたく“天”の者達を羨むしかなかった。 まずは“地”の選手達のその後から紹介していこう。
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/28(木) 10:05:36 ID:TNrrR3c+ 〜石崎 了〜 石崎母「こら馬鹿息子!アンタ本当にサッカーでお金稼げるんだろうね?」 石崎「何度も説明したじゃねぇか!ちゃんと企業がお金払ってくれるの!」 石崎は全日本で殆ど出番が無かった事が祟り、海外リーグ挑戦など夢のまた夢であった。 それでも彼は腐ったりせず、地道にJSLで戦う覚悟を決めていた。 石崎「(翼…もう俺の手の届かない世界に行っちまったけど…俺は俺で頑張るよ。 何でもいい、どんな形でもいい、俺はお前っていうヒーローの役に立ちたいんだ…!)」 石崎母「だったらしっかり稼いできな!この銭湯を一大レジャーランドに変えられる位にね!」 石崎「無茶言うなーっ!?年棒はそこらのサラリーマンと大して変わらないんだよ!」 後年彼が語る所によると、家族は応援はしてくれたものの理解には乏しかったらしい。
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/28(木) 10:07:26 ID:TNrrR3c+ 〜高杉 真吾〜 高杉「もし、若林さんが森崎に勝っていたら…もし、森崎なんか最初から居なかったら…」 高杉は諦めの境地に入っていた。彼は間違いなく今の日本の現役サッカー選手の中で TOP50に入っている人物である。JSLでも即レギュラーが保障される程の。 高杉「それでも…結局俺なんか目立てなかったんだろうな…」 そんな彼でも次藤や早田には敵いそうにない。そしてそんな次藤や早田ですら苦戦する 世界では彼の出番はない。成人間近になってようやく彼は冷たい現実を受け入れる事が出来ていた。 高杉「せめて、親父とお袋に楽をさせる事を目標にするか…」 上を見ても下を見てもキリがない。故に己を見続けるしかない。殆どの人間はそういう生き方に幸せを見つける。 大抵のサッカー選手は彼を雲の上の存在と見るが、彼もまた雲の上を見上げる事しかできない人間だった。
[59]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/28(木) 10:08:55 ID:TNrrR3c+ いったんここまで。
[60]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/29(金) 08:43:40 ID:D3IANEbQ 〜来生 哲兵〜 来生「ヒャッハー!」 来生は復活していた。 来生「ちょっとオレ〜見な〜♪エースがは〜し〜る〜♪」 ワールドユースで結局最後の最後まで出番が無かった時、彼の自我は一度崩壊した。 来生「怖い物〜無し〜♪街中〜は〜しゃ〜ぐ〜♪」 そして大会の一週間後、彼は復活した。都合の悪い事を忘れたのではなく、 開き直ったのでもなく、ただ単にこの先に栄光があると勝手に思い込んで。 事実、それはある程度は正しい。彼の力量ならJSLでは瞬く間に得点王ランキングの常連になれる。 何時までも落ち込んでいても仕方がないのだから気持ちを切り替えられたのは建設的と言って良いだろう。 子供「ママー、なんであのお兄ちゃんサッカーボールで玉乗りしながら歌ってるの?」 母親「シッ!見ちゃいけません!さっ、行くわよ!」 来生「超々…うぉわっ!?壁、壁〜〜〜っ!?」 ドンガラガッシャーーーーン!!! ただし、その前向きさの原動力は相も変わらず知性の欠如だった。 それが彼にとって喜劇なのか悲劇なのかは意見の分かれる所だろう。
[61]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/29(金) 08:47:38 ID:D3IANEbQ 〜滝 一〜 滝「う〜ん…」 チームメイト達「す、すごいじゃないか!」「また抜かれた…どうしてだよ」 「なんて正確なクロスだ…」「噂通り!素晴らしいサイドアタックだ!」 滝「は、ははは。どうも…(うわ〜、なんか違和感が凄い…)」 滝は小学生、中学生、そして高校生の間一貫してウインガーとして名声を得ていた。 それが功を成し、彼は加入したJSLのチームでいきなりサイドアタックの達人として持て囃されていた。 滝「(これが日本と世界の差って事なのかなあ…)」 だが常識人で割と素直な性格の滝もこれを安直に喜ぶ事は出来なかった。 確かに彼はサイドアタックに自信があるが、この分野に置いても彼の上を行く者は 全日本ユースにも何人も居たし、ましてや世界を見渡せば全く威張れた物ではない。 ドイツのカペロマンの様な正にサイドのスペシャリストと言える選手を見てしまった後では 滝は己の唯一の武器と言って良いサイドアタックに何の誇りも持てなくなってしまっていた。 しかしそんな彼のサイドアタックがJSLでは突出した必殺の武器と化す。 しかもそれ以外の分野でも滝が「普通に上手い」レベルとしてカウントされる。 滝「(レギュラーは楽に確保出来そうだけど、これでいいのか日本サッカー… 早くリーグのレベルが上がらないと後々大変な事になるんじゃないのかこれ?)」 ワールドユースでは一度も出番がなかった自分がスターとして持て囃される。 まだまだ日本サッカーの行方は前途多難だと危惧する滝であった。
[62]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/29(金) 08:49:24 ID:D3IANEbQ 〜井沢 守〜 ギャルサポ「キャー!井沢くーーーん!」「こっち向いてーーーっ!」「差し入れ受け取ってくださーい!」 チームメイト達「いやあ、今日もモテモテだなあお前」「羨ましいもんだぜ。どうよ、好みの娘居ないか?」 井沢「いやあ…今は恋人を作る訳にはいかないですね。まずはリーグ戦に慣れていかないと」 井沢は学生サッカー時代同様JSL入りしてすぐに多くの女性ファンが出来た。 こういう存在は彼にとっては迷惑千万以外の何物でもない。 常にチームメイトから嫉妬されるリスクの原因となり、ともすれば練習の邪魔にすらなりかねない。 かと言って邪険に扱う事は厳禁。それどころかファンサービスさえ求められてしまう。 井沢「(全く、ここでも俺はサッカーのいろはも知らない女共に付きまとわれるのか… ああ〜うざったいうざったい!お前ら俺の事を応援しているんなら今すぐ家に帰れ! って叫べたらなぁ…お前らなんかに用はないんだよ!俺が用があるのは…)」 彼にとってそんな女性ファンは障害物以外の何物でもない。遥か空の向こうに旅だってしまい、 何時まで経っても差を広げられるばかりの標的大空翼に集中させてくれない障害物。 井沢「(翼…あの野郎…ああ、思い出すだけで腹の底が熱くなる…!)」 彼がひたすら妬みと恨みをぶつける相手、大空翼はその感情に気付いているかどうかすら怪しい。 井沢はそれが憎くて憎くて堪らなく、嫉妬で己の足を動かし続ける。 井沢「(何年かかってでも、お前のその鼻っ面を…!)」 嫉妬を力に変えひたむきに練習する硬派なその姿がまた女性ファンを増やし、彼を妨害する。 彼はこの後実力でも実績でも話題性でもJSLを代表する選手の一人となるのだが、 それで彼が満足する訳がない。何時の日か奇跡的に翼の力量に追いつけない限り、彼は満たされない。
[63]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/29(金) 08:50:45 ID:D3IANEbQ いったんここまで。
[64]2 ◆vD5srW.8hU :2015/05/31(日) 00:40:19 ID:P9T0pqWk 〜立花 政夫、立花 和夫〜 全日本ユースの選手達の中でも上位の攻撃力を持ちながら、他者との連携が無ければ 力の半分も発揮できないと言う特性の為ワールドユースでは出番の無かった立花兄弟。 政夫「だ〜〜〜っ、やっぱりダメだーーーっ!!」 和夫「最高がスペインの三部クラブかよ…いくらなんでもなあ」 その為彼らに注目する海外クラブは少なかった。そして興味を示した数少ないスカウトも 彼らの特性を良く知るにつれ首を振って立ち去り、マイナークラブが二束三文を出そうとするのが関の山だった。 政夫「しょうがねえな。何時までもブラブラしている訳にはいかないし…」 和夫「諦めてJSLのチームに入るしかないな。全く…」 何時までも試合から遠ざかっている訳にはいかない。止むを得ず、 一旦は誘いを断ったJSLのチームに入る。これが二人の取った現実的な選択だった。 政夫「そうと決まれば山籠もりの総仕上げだ!行くぞ和夫、競争だ!」 和夫「へへっ、いーのか?負けた方が飯奢りだぜ!」 ちなみに彼らは今埼玉県にある通称“無能橋”と言う大変危険な橋の上に居る。 赤錆びたワイヤーとスカスカの細い踏板で構成された地上から数十m上の釣り橋。 彼らはここを勝手に訓練場として使っていた。 ………現実的?
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0ch BBS 2007-01-24