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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[79]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/01(月) 07:51:07 ID:5kKgHQ8Q そして三杉はクラブの監督を抱き込むべく、あっさりとその野望を明かした。 三杉「フィジカルが要らないサッカー。フィジカルでは対応できないサッカー。 フィジカルをいざと言う時の為に節約しておけるサッカー…」 監督「…君は…まさか!」 三杉「プレミアリーグの中で、リバプールだけがこの武器を上手に使いこなしていたら…どうなると思います?」 監督「……………」 三杉「それが僕の企みですよ。僕がプレミアリーグに合わせるのではない。プレミアリーグを僕に合わせるんです」 監督「………その野望、私以外には口に出すなよ。全ては私の管理と責任で行われなければならない」 三杉「勿論。秘密と言うのも武器の一つですからね」 監督「…詳細は後日聞く。使えそうな部分だけ使うぞ。さあ、チームメイト達に挨拶をしてきたまえ」 三杉「はい。それでは失礼します(…手応えあり、だな。辛抱強く、しかし大胆に事を進めればいずれ…)」 ずっと後の時代にこの監督は語る。あの時、三杉が退室してから冷や汗をかいていた事に気付いたと。 弥生「ああ…もうすぐご主人様が帰ってくる…ベッドシーツは完璧…シャワーも…な、縄も… ああああ、もう待ちきれない!早く、早く可愛がって下さいご主人様…!」 三杉がそんな大それた野望を抱く様になったキッカケは知らぬが華である。
[80]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/01(月) 07:54:03 ID:5kKgHQ8Q いったんここまで。
[81]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 06:59:14 ID:hifgRM4U 〜赤井 止也〜 全日本ユース加入前からイタリアの上位クラブ、サンプドリアのユース部門に所属していた赤井。 彼は念願かなってトップチームに昇格出来ていた。 赤井「…はぁ〜…」 しかしその扱いはとても良い物とは言えなかった。彼には攻撃力がない。絶望的なまでに。 赤井「今日もベンチスタートかよ…」 故に周囲にボールを安心して預けられるDFを配置しなければ彼を起用するのは常に危険が伴う。 そしてそういう選手を起用出来たとしても、赤井の為にリソースを割いていると言う事に変わりはない。 赤井「こないだはベンチ外だったし…」 結果、彼の出番は“もう攻めなくて良いからとにかく守る事だけ考えるべき“と言う場面のみに限られる。 如何にウノゼロを理想とするセリエAと言ってもそう言う場面が頻繁にある訳ではない。 国家の代表チームでならともかく、所属クラブチームで出場機会が限られるのは安心できる事ではないのだ。 赤井「やっぱり守備だけでもいい!って言われる位スンゲー守備力を持たないと駄目なのかな…」 もし彼に敵のエースを高確率で止めてしまえる程絶対的な守備力があれば話は変わっていただろう。 だが現状彼の守備力はチーム内では“役に立つ”レベルであって“なくてはならない”レベルではなかった。 赤井「夢って叶えるよりも、維持していく方が難しいんだな…」 日本代表に選ばれ、憧れのセリエAのプロ選手になれたが、そこには厳しい現実が待っていた。 経歴上は非常に華々しいが、実際は不安に苛まれ苦労を重ねている。赤井はそんな選手だった。
[82]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:02:17 ID:hifgRM4U 〜山森 正吾〜 山森「(やったぞ…!)」 山森はワールドユース大会中はこれだと言えるオファーが来ていなかった。 最良でもブンデスリーガやプレミアリーグの1部リーグ降格圏内の下位クラブ位だった。 山森「(とうとう俺は、世界に出られた…!)」 しかし大会終了後、彼はついにハイレベルな環境を堪能出来そうなクラブに声をかけられた。 セリエAの上位クラブ、ナポリから“君の様な堅実なユーティリティプレイヤーが欲しかった”と 高い評価と共にスカウトされた。山森はこれ以上良いチャンスはないと判断し、即時契約。 山森「(数々の超強豪クラブと戦う事が出来る…その中にはあいつらも居る! 世界屈指の環境で、ライバル達と競い合って…自分が何処までやれるか確かめてやる!)」 こうして彼は喜びと熱意をジャージの中に込め、ナポリ市内の見物を兼ねてロードワークに勤しんでいた。 山森「(それにしても…イタリアってやっぱり金髪美人多いなー。日本人には無い魅力だな…)」 女の群れ「あれ?あそこ見てよ」「あら、あの人って…」「うん、間違いないわ!」「キャー!」 山森「えっ…えっ!?」 女の群れ「ねえねえ、あなたヤマモリでしょ!」「新しくウチのクラブに入ったって言う!新聞で見たわよ!」 「あのジノ・ヘルナンデスからゴールした事もあるんですって!」「マジそれ!?凄い事じゃない!」 そんな折、彼は気が付いたら若い女の集団に囲まれていた。 山森「そ、そうなんですか…有難う。これから頑張りますので、よろしくお願いします」
[83]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:03:39 ID:hifgRM4U 女の群れ「キャーー!何この人、可愛いー!」「日本人って礼儀正しすぎるわねー」 「こんなにしなやかな体しているのに、顔は童顔なのね!」「おおー、脚もたくましい!」 山森「うぉわぁああ!?(な、なんだこれ…やばい、嬉しい!)」 日本人と言うだけでイタリアでは目立つ。それが噂の新加入選手となれば既に有名人である。 更に本人の真面目で礼儀正しい対応が彼女たちを面白がらせ、山森は複数の女に揉みくちゃにされると言う目に会った。 山森「(よ、よかった、イタリアに来て…!日本では何故かダメだったけど、ここなら…!)」 学生時代全国屈指のヒーローであったにも関わらず何故か女との縁がなく、彼女を作ろうとしても 逃げられまくっていたと言う奇怪な過去を持つ山森は今感激のあまり涙を流しそうだった。 だがその奇怪な過去の原因は未解決のまま彼の後方の物陰に存在している。 女の群れ『………ヒッ!!!?』 山森「え、え、どうしたんです…」 女の群れ「に、逃げるわよ!」「ヤバい!あれはヤバいわ!」「ゴメン!試合頑張ってね!」 ズドドドドドドッ!! 山森「なっ…ちょっ………な、なんで…ここでも…グスッ」 琴音「フゥ、間一髪…イタリアでも私が守るからね、山森くん…」 サッカー選手としての春は来たが、プライベートの春は未だ遠い。
[84]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:04:42 ID:hifgRM4U 〜新田 瞬、ダヴィデ・ランピオン〜 一方別のセリエA上位クラブでは奇妙な組み合わせが発生していた。 ランピオン「ん?お前は…日本のニッタ、か?」 新田「あ、アンタはイタリアの…そうか、このクラブ所属だったのか」 新田がイタリアユースのFWだったランピオンと出会っていたのである。 ワールドユースでの試合では新田の出番はランピオンの退場後であった為 二人の面識はなくお互いの名前を知っているだけの関係だ。 ランピオン「そういえば今日新しい選手が入るって聞いていたけど…お前だったのか (しかし何でこんな奴を?ドリブルだけはかなりの物だったが、それだけじゃな…)」 新田「(むっ…こいつ今俺を見下したな。退場してチームに迷惑かけただけの癖に)」 二人の第一印象は良くなかった。ランピオンは新田のワールドユース大会に置ける パフォーマンスを高く評価していなかったし、新田の方もランピオンが 対日本戦で大した事もしないまま退場してしまった間抜けと言う印象が強かった。 このまま放置されていれば二人は喧嘩を始めていたかも知れないがそうはならなかった。 ジョアン「来たな、ニッタ。ランピオンも居たか、丁度良い」 新田「あ、ジョアンさん!」 ランピオン「監督!」
[85]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:05:47 ID:hifgRM4U 新田「えっ…この人、スカウトじゃなくて監督?」 ランピオン「当たり前だ馬鹿!何勘違いしているんだ!」 新田「す、すみません!すみません!」 ジョアン「なあに、今回だけは見逃してやれ。ニッタはワシがローマに誘ったのだから勘違いもしよう」 ランピオン「え…監督が直々に?」 ワールドユース大会でまずまずの成績を出した事(イタリアではあの立て続けの退場劇さえ 無ければ日本にだってブラジルにだって勝てていただろうと言う声が強かった)を評価され、 ASローマの監督に就任出来たジョアン・デ・ラセルダ・アパレシーダが割り込んできたからである。 ジョアン「そうじゃ。予め言っておこう。ワシはお前たち二人に大いに期待している」 ランピオン「こ、光栄です…(俺が?あんな醜態を晒した俺に…?)」 新田「ど、どうも…(えー…何で?俺、殆ど目立てていなかったよな?)」 ジョアン「腑に落ちん顔じゃな。何故わざわざ自分などに…と」 ランピオン「…はい」 ジョアン「だがお前たちはこう考えているじゃろう。このまま日陰者で終わって堪るか、と」 新田「!!」
[86]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:07:00 ID:hifgRM4U ジョアン「ランピオン。お前が“あの4人”に劣等感を感じていたのはワシが良く分かっている。 今更それを隠す愚を犯すなよ?ワシを誤魔化せるとは思ってはいまい?」 ランピオン「…その通りです。俺はあいつらに比べれば脇役に過ぎなかった…」 ジョアン「ニッタよ。お前のチーム事情は知らんが、起用法や出番から大体推測はつく。 お前は多くの者から侮られただろう?大して期待される事も無かっただろう?」 新田「…はい。俺は何時も見下されました。結果さえ出せば、と思い続けて…でも…!」 ジョアン「良い。理由等お前たちだけの物じゃ。それがどんな感情や目的であろうと お前達の中にあるかも知れない金脈を掘り当てるエネルギーになるのなら理由等どうでもいい」 新田・ランピオン『………』 ジョアン「ワシはお前達が見る目に恵まれなかった未完の芸術品だと思っている。 ここで力と技を身につけよ。お前達を影にした者達を照らし返せるまでな…」 新田・ランピオン『はいっ!!』 秘めたる才能はあると目されていた新田はこうして今一度それを発掘するチャンスを与えられた。 彼が遅咲きの桜になれるかはこれからの彼とランピオンとジョアン次第である。 新田「(少なくともこの背が高いだけの退場野郎には負けないぞ!)」 ランピオン「(こんな足が速いだけのヘタレストライカーはどうでもいい!)」 ジョアン「(む…この二人、プレイスタイルの相性とは裏腹に性格は合わなさそうじゃな)」 ただし、簡単に前途洋々とはいかないのもまた人生である。
[87]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:08:45 ID:hifgRM4U いったんここまで。
[88]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/03(水) 10:07:47 ID:4rsMByEE 〜葵 新伍、ジノ・ヘルナンデス〜 セリエAのトップ3に入る超名門、インテル。そのトップチームに葵とヘルナンデスは所属している。 だが今の所は所属しているだけである。 葵「…予想はしていたけど…ベンチ外スタート………うわー!!」 ヘルナンデス「仕方がないだろう。根気強くチャンスを待て」 葵「うーうーうーいいなあジノはいいなあ。ベンチ入り出来ていいなあ」 ヘルナンデス「子供みたいに拗ねるな。それに、案外フィールダーのお前の方が 俺よりも早く出番が来るかも知れないぞ?GKは一人しか出られないからな」 葵は昇格虚しくベンチ外で干され中。ワールドユースの奮闘で名声が劇的に上がった ヘルナンデスすらサブGK扱いである。しかしこれはインテルと言う超名門に上がったばかりの 若手選手としては当然過ぎる位当然の事であり、二人に不満はない。 葵「うーん、出られるのかなあ…先輩達、どいつもこいつも化物ばっかりだよ… 翼さんが何人も居るって言う感じで、見ているだけでめまいがしてくる…」 ヘルナンデス「そうだな…ツバサクラスの選手なら昇格直後でも出して貰えるかもな」 なにせトップの練習に参加しているだけで自分たちとのレベルの差を思い知らされるのだ。 同じチームメイトになって初めて本当の意味で分かるその凄さはベンチの内外から 試合を眺める立場になるとますます分かってしまう為、不満など湧く筈がない。 無論何時までもそれでいい訳がなく、今は雌伏の時だと弁えているだけである。
[89]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/03(水) 10:09:56 ID:4rsMByEE 葵「ま、俺達がこうなんだから他所もこうなんだろうなあ。ジェンティーレも俺と同じベンチ外かなー♪」 ヘルナンデス「夢を壊す様だが、ジェンティーレは既にユーベで準レギュラーらしいぞ」 葵「え、えええええっ!?何それ超悔しいんですけど!超悔しいんですけど!」 ヘルナンデス「二回も言うな。言っただろう、フィールダーの方が出番を確保しやすいと。 ジェンティーレは元々実力は疑いようがなかった。性格に難はあったが、ワールドユースのアレは それとは無関係の出来事。そしてその影響でやる気に満ち溢れているからな。評価が上がっているんだろう」 葵「う、うぐぐ…!じゃ、じゃあさ、ミランの方はどう?ストラットとかアルシオンとかゲルティスとか!」 ヘルナンデス「…話すのは構わないが、自分で情報を集める気はないのか…?」 葵「い、いやー俺昔からそういうの苦手で…チームメイトに任せていて…」 ヘルナンデス「全く…ストラットは勝ち試合の後半か終盤に出させて貰える位の様だ。 ゲルティスはカップ戦や練習試合でちょくちょく出ているな。アルシオンはレギュラーになれたが、 主力選手扱いされているとはとても言えない。まだまだこれからだな」 葵「…マジ…?あの3人ですらそんな扱い…?ミランすげー…」 ヘルナンデス「一応突っ込んでおくが、その凄いミランに俺達インテルは勝たないといけないんだぞ? ダービーマッチの前にそんな弱気なコメントをしてみろ、サポーターがフーリガンに早変わりだぞ」 葵「あっやべっ!今のなし今のなし!」 ヘルナンデス「(全く、こいつは本当に俺と一つしか違わないのか疑わしいな… 同じ子供っぽさでもマリーとは大違いだ。ああ愛しのマリー、また会いたいな…お、鬼い様は勘弁だが)」 頂の高さに戦慄しながらも歩みは止めない。この二人がセリエAで活躍するのはまだ先の話である。
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0ch BBS 2007-01-24