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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[84]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:04:42 ID:hifgRM4U 〜新田 瞬、ダヴィデ・ランピオン〜 一方別のセリエA上位クラブでは奇妙な組み合わせが発生していた。 ランピオン「ん?お前は…日本のニッタ、か?」 新田「あ、アンタはイタリアの…そうか、このクラブ所属だったのか」 新田がイタリアユースのFWだったランピオンと出会っていたのである。 ワールドユースでの試合では新田の出番はランピオンの退場後であった為 二人の面識はなくお互いの名前を知っているだけの関係だ。 ランピオン「そういえば今日新しい選手が入るって聞いていたけど…お前だったのか (しかし何でこんな奴を?ドリブルだけはかなりの物だったが、それだけじゃな…)」 新田「(むっ…こいつ今俺を見下したな。退場してチームに迷惑かけただけの癖に)」 二人の第一印象は良くなかった。ランピオンは新田のワールドユース大会に置ける パフォーマンスを高く評価していなかったし、新田の方もランピオンが 対日本戦で大した事もしないまま退場してしまった間抜けと言う印象が強かった。 このまま放置されていれば二人は喧嘩を始めていたかも知れないがそうはならなかった。 ジョアン「来たな、ニッタ。ランピオンも居たか、丁度良い」 新田「あ、ジョアンさん!」 ランピオン「監督!」
[85]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:05:47 ID:hifgRM4U 新田「えっ…この人、スカウトじゃなくて監督?」 ランピオン「当たり前だ馬鹿!何勘違いしているんだ!」 新田「す、すみません!すみません!」 ジョアン「なあに、今回だけは見逃してやれ。ニッタはワシがローマに誘ったのだから勘違いもしよう」 ランピオン「え…監督が直々に?」 ワールドユース大会でまずまずの成績を出した事(イタリアではあの立て続けの退場劇さえ 無ければ日本にだってブラジルにだって勝てていただろうと言う声が強かった)を評価され、 ASローマの監督に就任出来たジョアン・デ・ラセルダ・アパレシーダが割り込んできたからである。 ジョアン「そうじゃ。予め言っておこう。ワシはお前たち二人に大いに期待している」 ランピオン「こ、光栄です…(俺が?あんな醜態を晒した俺に…?)」 新田「ど、どうも…(えー…何で?俺、殆ど目立てていなかったよな?)」 ジョアン「腑に落ちん顔じゃな。何故わざわざ自分などに…と」 ランピオン「…はい」 ジョアン「だがお前たちはこう考えているじゃろう。このまま日陰者で終わって堪るか、と」 新田「!!」
[86]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:07:00 ID:hifgRM4U ジョアン「ランピオン。お前が“あの4人”に劣等感を感じていたのはワシが良く分かっている。 今更それを隠す愚を犯すなよ?ワシを誤魔化せるとは思ってはいまい?」 ランピオン「…その通りです。俺はあいつらに比べれば脇役に過ぎなかった…」 ジョアン「ニッタよ。お前のチーム事情は知らんが、起用法や出番から大体推測はつく。 お前は多くの者から侮られただろう?大して期待される事も無かっただろう?」 新田「…はい。俺は何時も見下されました。結果さえ出せば、と思い続けて…でも…!」 ジョアン「良い。理由等お前たちだけの物じゃ。それがどんな感情や目的であろうと お前達の中にあるかも知れない金脈を掘り当てるエネルギーになるのなら理由等どうでもいい」 新田・ランピオン『………』 ジョアン「ワシはお前達が見る目に恵まれなかった未完の芸術品だと思っている。 ここで力と技を身につけよ。お前達を影にした者達を照らし返せるまでな…」 新田・ランピオン『はいっ!!』 秘めたる才能はあると目されていた新田はこうして今一度それを発掘するチャンスを与えられた。 彼が遅咲きの桜になれるかはこれからの彼とランピオンとジョアン次第である。 新田「(少なくともこの背が高いだけの退場野郎には負けないぞ!)」 ランピオン「(こんな足が速いだけのヘタレストライカーはどうでもいい!)」 ジョアン「(む…この二人、プレイスタイルの相性とは裏腹に性格は合わなさそうじゃな)」 ただし、簡単に前途洋々とはいかないのもまた人生である。
[87]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/02(火) 07:08:45 ID:hifgRM4U いったんここまで。
[88]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/03(水) 10:07:47 ID:4rsMByEE 〜葵 新伍、ジノ・ヘルナンデス〜 セリエAのトップ3に入る超名門、インテル。そのトップチームに葵とヘルナンデスは所属している。 だが今の所は所属しているだけである。 葵「…予想はしていたけど…ベンチ外スタート………うわー!!」 ヘルナンデス「仕方がないだろう。根気強くチャンスを待て」 葵「うーうーうーいいなあジノはいいなあ。ベンチ入り出来ていいなあ」 ヘルナンデス「子供みたいに拗ねるな。それに、案外フィールダーのお前の方が 俺よりも早く出番が来るかも知れないぞ?GKは一人しか出られないからな」 葵は昇格虚しくベンチ外で干され中。ワールドユースの奮闘で名声が劇的に上がった ヘルナンデスすらサブGK扱いである。しかしこれはインテルと言う超名門に上がったばかりの 若手選手としては当然過ぎる位当然の事であり、二人に不満はない。 葵「うーん、出られるのかなあ…先輩達、どいつもこいつも化物ばっかりだよ… 翼さんが何人も居るって言う感じで、見ているだけでめまいがしてくる…」 ヘルナンデス「そうだな…ツバサクラスの選手なら昇格直後でも出して貰えるかもな」 なにせトップの練習に参加しているだけで自分たちとのレベルの差を思い知らされるのだ。 同じチームメイトになって初めて本当の意味で分かるその凄さはベンチの内外から 試合を眺める立場になるとますます分かってしまう為、不満など湧く筈がない。 無論何時までもそれでいい訳がなく、今は雌伏の時だと弁えているだけである。
[89]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/03(水) 10:09:56 ID:4rsMByEE 葵「ま、俺達がこうなんだから他所もこうなんだろうなあ。ジェンティーレも俺と同じベンチ外かなー♪」 ヘルナンデス「夢を壊す様だが、ジェンティーレは既にユーベで準レギュラーらしいぞ」 葵「え、えええええっ!?何それ超悔しいんですけど!超悔しいんですけど!」 ヘルナンデス「二回も言うな。言っただろう、フィールダーの方が出番を確保しやすいと。 ジェンティーレは元々実力は疑いようがなかった。性格に難はあったが、ワールドユースのアレは それとは無関係の出来事。そしてその影響でやる気に満ち溢れているからな。評価が上がっているんだろう」 葵「う、うぐぐ…!じゃ、じゃあさ、ミランの方はどう?ストラットとかアルシオンとかゲルティスとか!」 ヘルナンデス「…話すのは構わないが、自分で情報を集める気はないのか…?」 葵「い、いやー俺昔からそういうの苦手で…チームメイトに任せていて…」 ヘルナンデス「全く…ストラットは勝ち試合の後半か終盤に出させて貰える位の様だ。 ゲルティスはカップ戦や練習試合でちょくちょく出ているな。アルシオンはレギュラーになれたが、 主力選手扱いされているとはとても言えない。まだまだこれからだな」 葵「…マジ…?あの3人ですらそんな扱い…?ミランすげー…」 ヘルナンデス「一応突っ込んでおくが、その凄いミランに俺達インテルは勝たないといけないんだぞ? ダービーマッチの前にそんな弱気なコメントをしてみろ、サポーターがフーリガンに早変わりだぞ」 葵「あっやべっ!今のなし今のなし!」 ヘルナンデス「(全く、こいつは本当に俺と一つしか違わないのか疑わしいな… 同じ子供っぽさでもマリーとは大違いだ。ああ愛しのマリー、また会いたいな…お、鬼い様は勘弁だが)」 頂の高さに戦慄しながらも歩みは止めない。この二人がセリエAで活躍するのはまだ先の話である。
[90]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/03(水) 10:11:31 ID:4rsMByEE いったんここまで。
[91]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/04(木) 09:27:27 ID:SuVMKbK2 〜日向 小次郎、サルバトーレ・ジェンティーレ〜 日向小次郎が自分の戦場として選んだのは世界最強リーグとも呼ばれるセリエA。 そして自分の前線基地として選んだのは超名門のユベントスだった。 日向「…と言う訳で、ユベントスはセリエAで優勝した回数が最も多いクラブだ。 現在はミランに勢いで上回られているが、それを許してなるものかと奮闘している」 赤嶺「そ…そうなんですか(だからってあたしが何て言えば…)」 日向「…興味がないか」 赤嶺「(ぎえっ!ど、どうしよう、誤魔化したらヤバそう…!………あああ黙っている訳にもぉおお!) そ、その、正直な話、あたし、サッカーの事全然分からなくて…ごめんなさい」 日向は現在クラブの練習用グラウンドまで移動しながらこれをイタリアまで連れてきた赤嶺に説明していた。 勿論赤嶺が来たがった訳ではないが、日向への恐怖故に従順な女と化していた。 彼女は日向の機嫌を損ねる事を恐れ彼女なりにサッカーを勉強していたが、付け焼刃で プロ選手の日向との会話についていける訳がない。 日向「まあいい。今までソフトボールばかりだったんだろう。これから覚えていけばいい」 赤嶺「は、はい…頑張ります…(ううう〜、必死で覚えろって意味よねこれ…! で、勿論ソフトボールなんかもうするなって事でもあって…あああ〜、 あたしの人生もうずっとこいつの機嫌取りだけ?沖縄に帰りたいよぉ…)」 このまま日向を失望させてしまっては現地のマフィアに売られてしまうのでは… などと恐怖に焦る赤嶺だったが、彼女の認識はこの日劇的に塗り変えられた。
[92]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/04(木) 09:29:08 ID:SuVMKbK2 日向「イタリアはサッカーが世界屈指に盛んな国だ。自然に覚えていくだろう。 一方でソフトボールと野球はかなりのマイナースポーツで、殆ど見向きもされない」 赤嶺「ああ…日本とアメリカ以外はごく一部の国しか野球をしないらしいですね (やっぱりソフトボールももう無理…ってなんでそんな事知っているんだろ?)」 日向「そうだ。つまり、お前の行動次第では大いに盛り上げる事も可能だぞ?」 赤嶺「………えっ?(なにそれどゆこと?)」 日向「なんだ、ソフトボールはもう止めたのか?所属校には元々なかったチームを立ち上げる程だったから、 ソフトボールが広まっていない国での普及活動なんかやりたがると思っていたんだがな」 赤嶺「…え、えっと、やりたい、です。そりゃもう、すっごく(え?え?え?)」 日向「ならやればいい。資金もある程度なら使わせてやる。普及させようとしているイタリア人からも歓迎されるだろうよ」 赤嶺「(嘘…何で?何でわざわざあたしが喜ぶ様な事させてくれるの…?)」 赤嶺はソフトボールを諦めさせられるとごく当然の様に思っていた。 ところが日向の提案は完全に正反対な物であり、彼女は度胆を抜かれた所ではなかった。 今まで以上にソフトボールの活動を続けてよく、それどころか協力すらしてくれる。 日向「…どうしてそんなに不思議そうな顔をする?」 赤嶺「え、えーと…(どう聞けば良いのよこれ!?下手な聞き方したら怒りそうだし…) 日本代表になって、プロにもなる位だから、サッカー以外のスポーツは興味ないんじゃないかって…」
[93]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/04(木) 09:34:24 ID:SuVMKbK2 日向「ああなるほど。確かに一つのスポーツに専念する奴には他のスポーツを見下したりする事もあるな。 だが俺はそうじゃない。サッカーに専念する前は野球も多少はやっていたし、嫌いな訳でもねぇ。 お前も俺の応援をしているだけじゃ退屈だろう。妻の趣味に金を出してやらん程ケチな夫にはならんぞ?」 赤嶺「(…ツマ?刺身についてくる大根の細切りのアレ?…じゃなくて、妻ァ!? こ、こいつ、ひょっとしてあたしにプロポーズしていたの!?マジで!?!)」 自分は愛人もしくは奴隷として連れてこられたのではなかったのか。 状況的にはごくごく当然な勘違いを日向はいともあっさりと粉砕していった。 それは求愛行動とはとても言えない流れだったが、赤嶺の心境を劇的に変える効果があった。 赤嶺「(えーっとつまり…あたし、大金持ちのイケメンにプロポーズされて、高校生の間だけ だと思っていたソフトボールをお金の心配なく思いっきりやれて…え?あれ?あれ?ひょっとしてあたし幸せ?)」 日向「ただし妊娠したら流石に休めよ。母ちゃんに初孫を無事に見せてやらないとな」 赤嶺「あ、はい…(あ、でも、こいつの奥さんになって子供産まないといけないのよね… や、やっぱり怖い…ヤクザの奥さんに無理やりされるって、こういう事なのかな……… でも想像していたよりは滅茶苦茶マシな扱いだし…で、でも機嫌損ねる訳にはいかないし… でもでも、凄い贅沢させてもらえるし…でもでも………うーん、うーん、うーん…)」 ただしそれら全てが日向の意志による事であり、彼女に自由はない。 金を湯水の様に使えて無理だと思っていた夢にも挑戦出来るが、その代わりに 強引に婚姻関係を結ばされる。赤嶺真紀が日向真紀になる経緯はこういう物だった。
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0ch BBS 2007-01-24