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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[533]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:42:27 ID:mVCLQ89E こんばんは、更新します。 >>532 乙ありがとうございます。 ドイツ戦は結構厳しい塩梅になってますし、浮き球アップなど他のメニューも良いかもですね。 A:このままパスワークで試合を終わらせる。(確実に試合が終了します) 鈴仙「(……私としたら、このままゴールも決めて試合終了と行きたいところだけど。 ――でも、無理して攻めるリスクを皆に強いる訳にもいかない。だから、ここは――) ……パスカル君。ボールを回しましょう」 バシッ……ポムッ。 パスカル「……そうか。賢明だな、レイセン。――それっ、エイリンさん!」 バシッ……。 実況「――そして、ボールを奪ったルナティックスはこのままパスワークに。 これ以上の得点よりも、手堅く今の点差を堅守したい意図でしょうか! そして聖徳ホウリューズもパスカットに向かいますが、今の立て続けの失点で士気が削がれたのか、 中々上手く攻め入る事ができません! そして時間が経過していき……!」 ――ピッ、ピッ。……ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 神子「………………」 永遠亭ルナティックス 3 − 2 聖徳ホウリューズ 試合終了!
[534]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:44:35 ID:mVCLQ89E 実況「試合終了〜〜〜〜〜!! 3−2で永遠亭ルナティックスが聖徳ホウリューズを下しました! 試合開始から後半の半ばまで、聖徳ホウリューズ優勢な展開が続きましたが、 鈴仙選手が佳歩選手、てゐ選手と協力した新必殺シュートを編みだし同点に追いついてからは、 試合の趨勢は大きくルナティックスに偏り……そして今、辛うじてではありましたが、勝利を掴みました!」 鈴仙「(……苦しい戦いだったわ。試合前の盤外戦術、特殊な戦略に一芸特化選手。 それを潜り抜けたと思ったら、勝負運に見放された上に強力な新選手。 ――何というか、ここで勝てたのが奇跡みたい。……というか、今も何だか釈然としないわ。 あれだけ勝ちに拘っていた筈の聖徳ホウリューズが、いざ負ける段になっても……あんなに、静かなんて)」 神子「………………負けたか」 布都「申し訳ございません、太子様! 我が不甲斐ないばかりに! こうなったら、我は 投扇興 しますぞ!!」 こころ(喜)「はぁーあ。やっぱり太子はダメだなぁ。やっぱり私みたいなエースが傍に居ないと」 鈴仙「(……いや、静か……でもないか。だとすると、流石に考えすぎかなぁ……)」 ――今回の勝利は、鈴仙にとってもっとも大きく得難いもの……である筈だった。 眼前に聳える幾つもの困難を乗り越え、仲間と結束を固め合った末の勝利。 それは本来どうしようも無く劇的で、達成感を覚えざるを得ない。 にも関わらず、今の鈴仙はどうしても心から、この勝利を喜べない。 目の前の困難はあくまで目くらましで、どこか地中深くに真の試練が待ちわびているような。 そんな感触を拭いきれないでいた。
[535]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:48:32 ID:mVCLQ89E 永琳「――ウドンゲ。あんたの考える事。多分正解よ」 鈴仙「えっ? 師匠? というかどうしてナチュラルに私の思考を読んでるんですか?」 永琳「それは貴女の脳内に埋め込んであるICチップでね……」 鈴仙「い、何時もの電極じゃないんですか!?」 永琳「……悪かったわね。同じネタを使い回して。 ――兎に角、そうやって聖徳ホウリューズへの警戒を怠らないのは正解よ。 試合中にあんたが言った通り。……聖徳ホウリューズは、『ここで終わるチーム』じゃあないからね」 鈴仙「…………?」 そして、そんな鈴仙を諭してくれたのは永琳だった。 彼女は鈴仙を軽く労いつつ、可愛らしい冗談を飛ばしながらも、鈴仙に適当な警告を送る。 鈴仙はポカンとした表情で永琳の発言をかみ砕こうとしていたが。 ―――ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアンッ! ――その思考は、妖怪の山モリヤスタジアムの外壁を大きく開けた爆音により遮られた。
[536]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:50:54 ID:??? てゐ「な、なにィ!? いや、『なんだと〜!』的な意味じゃなくって、『これは何?』的な意味でね!?」 岬「……!(――な、何だ今の爆音は……? こんなの、僕が知ってる計画に無かったぞ……!)」 神子「(……始まったか。延長戦まで長引かなくて、結果的に良かったかな)」 中山「(これは……もしや。俺達は最初から、ハメられていたという事だったのか……!?)」 鈴仙「な、な、な……何が起きたってのよ!?」 佳歩「れ、鈴仙さま……ケホッ、コホッ。大丈夫ですかぁ……?」 ――鈴仙が我に帰った時、フィールドは荒野と化していた。 瓦礫の山が地面を抉り、爆炎が天然芝を焼き焦がす。 佳歩の助けを借りて起き上がると、全身には擦り傷が出来ていた。 屠自古「な……何だ。何が起きている……?」 布都「……た、太子様ー!? お助けくだされー!」 こころ(楽)「………………あつい」
[537]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:52:48 ID:??? パスカル「聖徳ホウリューズの選手も、今の状況を分かって無いみたいだな……。 ――すまんレイセン、人間の俺の目には周囲は砂埃しか見えないんだが。 君の瞳だったら、遠くの視界がクッキリ見えたりはしないか?」 鈴仙「えーっ。そ、そんな事言われても……。狂気の瞳はメガネじゃないんだし。 私の視力なんて、精々が2、300メートル先の文字が読める程度よ」 パスカル「自分で聞いといて難だが……レイセンってそう言えば妖怪だったんだな。それも、かなり位の高い」 鈴仙「正確には玉兎だけどね。まぁ、位が高いのは間違いじゃないけど……。 ――って、まぁ、要するに。私の見れる限りで周囲を視れば良いのよね?」 鈴仙はパスカルと会話を交わすと、一瞬で戦場と化したスタジアム。 先ほど壁に穴が開いた先を見ると――。 上級妖怪A「グルル……」 上級妖怪B「……コー、ホー……」 上級妖怪C「グオゴゴゴ……」 鈴仙「……妖怪が居るわ。それも、あからさまなヒト型じゃない。話が通じ無さそうな化け物が、うようよと」
[538]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:54:20 ID:??? 観客A「きゃ、きゃぁぁぁーーー!?」 観客B「こ、怖い妖怪がスタジアムにーー!?」 観客C「俺達下級妖怪じゃあ話になんねぇ、逃げよう!」 カグヤファンB「カグロットォォォオオオオーーー!?」 観客D「ああ! 腹筋が少し強いだけで心優しい少年の、カグヤファンBくんが恐怖のあまり泣いてしまった!」 実況「う、うわああーっ! これはどうした事でしょう!! 永遠亭ルナティックスと聖徳ホウリューズとの試合が終わってみたは良いものの、 突如、謎の妖怪軍団が妖怪の山モリヤスタジアムに乱入してきました! 彼らには理性が無く、手当り次第人間を襲っている模様! 只今、天狗警備隊が応戦しておりますが、数が多く戦況は劣勢! こ、このままではこのスタジアムはおわ……うわぁぁぁっ!」 ――ドゴオオオオオオオオオオオオオオンッ! 鈴仙「う、うっひゃぁぁぁあっ! また爆発したーーっ!」 ウサギB「……何て事でしょう。信じられません! こんなの、データに無かった……!!」 つかさ「……鈴仙さま。このままじゃあ、確実に死者か……そうで無いにしても、けが人が出ます!」
[539]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 00:58:02 ID:??? 輝夜「ぶっちゃけえーりんに任せたら、この程度の妖怪なんとかなりそうだけどね!」 永琳「――そうね。何とかするだけなら……ね」 妹紅「どうしたのさ。そんな渋った言い方をして」 慧音「……恐らく、薬師殿はこう言いたいのだろう。自分が妖怪を駆逐するのは簡単だ。 しかし、そうしたら今度は、自分達が新たな脅威となるのが恐ろしいのだろう」 てゐ「人間ってのは、自分より強いヤツが大嫌いだからねぇ。 この場を解決できても、次はお師匠様が畏怖の対象になっちゃう」 永琳「臆病な話だけど。……そうなった時、私は輝夜を無血で守り切れる自身は無いもの。 姫を守るために、姫が望まぬ殺しをしてしまうかもしれない。……それは、ハッキリ言って嫌だから」 パスカル「お、おいおい……! じゃあ、この場は我慢して、今みたいな『異変』を察知した、 博麗の巫女とやらに全権を委任するしかない、とか言うのか!? まだ来ていないのに!?」 永遠亭ルナティックスのメンバーも、この状況に少なからず混乱していた。 現状を解決するだけならば、永琳や輝夜など、強大過ぎる力を持つ者は多く居る。 しかし、彼女達はこれまで人間に害を為さぬ者として、ひっそりと竹林の奥で過ごして来た。 一度強力な魔力や武力を見せてもなお、人間達は同じ目で永遠亭へと来てくれるだろうか。 そうした理由から、彼女達は彼女達で動けないでいた。 中山「……もしかしたら。これが豊聡耳神子の真の狙いなのかもしれない」 鈴仙「……?」 中山「彼女達は本当は、試合の勝ち負けなんてどうでも良かったんだ。 彼女達に必要なのはひたすら、こっちの意識を試合に逸らし、時間を稼ぐ事一点だったんだ。 ……天邪鬼あたりをけしかけて起こしたであろう、今回の『異変もどき』の解決。 それこそが、奴の目的だった……そうは考えられないか?」
[540]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 01:06:31 ID:??? そんな時中山は、一つの仮説を立てた。 果たして彼の宣言通り、慌てふためく聖徳ホウリューズメンバーの中で、 豊聡耳神子だけは帯刀した七星剣の鞘を抜いて、強力な一つ目の妖怪を一閃で斬り伏せていた。 神子「――さあ、人間達よ! ここは我らに任せて逃げるんだ!」 鈴仙「……確かに、途端に生き生きしてるわね、アイツ」 中山「先ほど永琳さんが恐れた、力への恐怖が自分に向く事への不安。 彼女――豊聡耳神子には、そうした不安が一切無いのだろう。 だから、今の機会をむしろ自身の人里での株を上げるチャンスとまで思っている。 いや、俺が言いたいのはそうじゃない。 ……彼女は、恐らく仲間にも秘密で、今回の騒ぎを別に仕込んでいたのではないか? そして、博麗の巫女や八雲紫をも出し抜き、自身が秩序の一角を担うべき存在であると。 洗脳でも無く直接に、人心に刷り込ませようとしているのではないか?」 鈴仙「そ、そんな事……あり得るの? 今現に、彼女の腹心の部下だってケガしてるのに……?」 中山「――彼女なら、やりかねないさ……。 真の目的の為ならば、親友や恋人すら道具として切り捨てかねない彼女なら」 鈴仙「…………」 中山が推測する、神子の恐るべき意図に鈴仙は黙り込む。 そして中山は……そんな鈴仙の気持ちを汲んでか、あるいは始めからこう提案しようと思っていたからか。 彼女の肩を優しくつかみ、こう切り出した。 中山「――永琳さん一人、鈴仙さん一人、あるいは俺一人では、 豊聡耳神子の思惑――試合結果を度外視して、自身の主張をアピールする――がまかり通ってしまうだろう。 そして、八雲紫だとか博麗の巫女だとか、こうした秩序は今現れない。現れるまでの間に、犠牲者が増える可能性がある。 ……だから。俺達は――互いに結束して、この『異変』を解決しなくてはいけない。……違うか?」
[541]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/04(火) 01:10:30 ID:??? …と、言ったところで今日の更新はここまでです。 この唐突なNPCシーンを明日くらいまで挟んで、 明後日くらいにはウサギBの命名イベントをしたいと思っていますので、 名前案を考えて下されば幸いです。 <現在出ている名前案>(>>421さんより) ・因幡 霞(かすみ) ・因幡 椿(つばき) ・因幡 風音(かざね) ・因幡 鈴音(すずね) それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[542]森崎名無しさん:2015/08/04(火) 01:15:03 ID:??? >神子「――さあ、人間達よ! ここは我らに任せて逃げるんだ!」 なんという死亡フラグ・・・ これぶっちゃけここで死ぬなり退場してくれた方が人にあがめられる英雄とかになれるんじゃね? 身を挺して人を守って死んだ英雄・・・うん!生き残って悪事ばれるよりもはるかにマシなラストじゃないか!(外道)
[543]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/05(水) 00:35:35 ID:??? こんばんは、今日も無判定ですが更新していきます。 >>542 割と現金な感じになってしまいましたねw ただ、これも多分考えあっての行動……だと思います。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 鈴仙「私達の……結束……?」 中山「そうだ」 中山は力強く頷いた。 中山「一人の力には限界がある。それが、例えどんなに凄い人物であってもだ。 一方、仲間達が結束すると、それぞれの力は……まさしく無限大になる。 鈴仙さん達が後半に放ったシュート――『真実の友情』――を見て、俺は改めてそう思った。 だから――こういう局面ってのは、皆が力を合わせて、困難を乗り越えていくべきなんだと思う」 鈴仙「皆が力を合わせて……って。――なんか、ヘンな感じねぇ。 幻想郷の異変解決って、色んな奴がやったりするけれど、大体皆が単独行動だから。 ……私らのトコには二人組で来られたけど」 中山「え、そうなのか? ……それは失礼。まぁ、サッカーと同じで、やればなんとかなるさ。 良いじゃないか、自機が5人も6人も同時に出て来るシューティングゲームも、お祭り感覚で楽しそうだ」 結束して、スタジアムを襲撃した妖怪軍団を退治しよう。 中山の提案は、鈴仙にとって何故か突拍子も無い提案のように思えたが。 そんな不安は、彼の快活な笑顔を見ている内に忘れてしまいそうだった。 鈴仙「……うん。分かった、中山さん。私も……やってみる」 ――だから、鈴仙は素直に中山の提案に頷く事ができた。 自分は何時までたっても、中山さんには敵わないなぁ……。 交戦中ながら、鈴仙は暢気にもそんな事を考えていた。
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0ch BBS 2007-01-24