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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[626]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/12(水) 01:05:03 ID:??? …と、言ったところで今日の更新はここまでです。 皆様、本日もお疲れ様でした。
[627]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:12:23 ID:??? 鈴仙(観客席)「今飛び出したのって、陸だったっけ。ああまで凄いと、堪ったモンじゃないわねぇ……」 パスカル(観客席)「そうだな。単独でも恐らく、エイリンさんの『爆宙アポロ』をも防ぎうる威力はあった。 まして今回はメイリンさんやメイド妖精も居た分、さっきの『ドラゴンメテオ』は、間違い無く分が悪かったな」 霞(観客席)「分析データによると、魔理沙さんの高空シュートの最大火力は61。 単純比較はできませんが、星熊勇儀さんの『大江山嵐』や、 蘇我屠自古さんの『ガコウジサイクロン』にも若干劣っている印象ですね……」 輝夜(観客席)「それでも昔は、『幻想郷最強シュート!?』とか恐れられてたんだけどねぇ。 当時の私は魔理沙相手だったら普通のシュートでもゴール許してたから、良く分からないけど」 慧音(観客席)「……とはいえ。そうした事実は本人もきちんと把握済みか。落ち込んでいる様子が無い」 妹紅(観客席)「今のは霊夢と魔理沙的には、軽い小手調べだったのかも。 ……ほら、フィールドを見て」 慧音と妹紅の声に釣られてルナティックスメンバーがフィールドを覗く。 確かに、霊夢と魔理沙は今の一連の攻撃失敗を気にしている素振りも無かった。 想定の範囲内である、いやむしろ期待以上の結果だったと楽しげな風に、 二人は中盤でのボールの奪い合いに参加しようとしていた。 ***
[628]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:13:24 ID:??? ダダダダッ! シュッ、シュシュッ! 針妙丸「えーん! どうして病弱なのに私よりもすばしっこいのー!?」 パチュリー「私はトロいわよ。あんたがチョコマカしてるのを逆手に取ってるだけ。……それと」 ――スッ。クルンッ! ……シュパァァァァァァァッ! パチュリー「相手の隙を突いてタックルするのは良いけれど。技に溺れ過ぎているわ。 自分の技術に対してそうした高いプライドがあるから、いつまで経っても友達ができやしない」 アリス「と、ととと、友達は関係ないでしょう?!」 実況「陸選手がクリアしたボールは一旦パチュリー選手がフォロー! パチュリー選手は巧みなドリブルで、針妙丸選手やアリス選手のタックルを捌いています! 今大会に向け、普段の『芸術的なドリブル』に加え、『華麗なドリブル』もマスターした彼女のドリブルはまさに至宝! 霊夢選手にも負けない足さばきで、試合の天秤をスカーレットムーンズ側へと傾けて行きます!」 魔理沙「だったら……私と霊夢が相手ならどうかな!」 タッ! パチュリー「それは――勝率が余り良いとは言えないわね、降りよ。……小悪魔」 バシュッ……。 小悪魔「は、はい! 頑張りますっ!」 タッ、グワァァァァァッ……!
[629]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:15:12 ID:??? 実況「暫く中盤の乱戦を落ち着いて処理して来たパチュリー選手は、 霊夢選手と魔理沙選手の最接近を受けて一旦ボールを後ろに。 ボールを預かったのはボランチの小悪魔選手! 小悪魔選手はパチュリー選手に代わり、前線のレミリア選手目がけて脚を振り上げて……!」 小悪魔「――『トップスピンパス』です!」 実況「小悪魔選手、パス! ――伝家の宝刀・『トップスピンパス』だ〜〜〜〜!!」 バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!ギュルルルルルルルルルルルルルルル! 衣玖「くっ……! こんなに凄いパス、私の管轄ではありませんね!」 実況「パスカットに出たのは……博麗連合の左サイドハーフの永江衣玖選手! ですが、身軽な彼女を以てしても、ダイナミックに軌道を変える小悪魔選手のパスには追いつけない! しかし、レミリア選手へとボールを渡す前に、博麗連合の忍者サイドバック・中里正人選手が飛び出します!」 中里「中の里の名誉に掛けて防いで見せよう! ぬうううんっ!」 ブンッ! ブウウウウ…………ウウウウ……ン! 中里「『縮地法』!」 バッ! ……パシッ!! 小悪魔「そ、そんな! 私の『トップスピンパス』が……!?」 実況「そして中里選手、パチュリー選手のパスにも引けを取らない威力の『トップスピンパス』を、 自慢の忍術で器用にカットしてしまいました!! ボールは再び博麗連合です!」
[630]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:16:48 ID:??? 小悪魔「すみません、パチュリー様。私が力不足だったばかりに……」 パチュリー「気にしないで。あそこまでのパスカット技術があるんだったら、 私が魔理沙達のタックルを掻い潜ってパスを出していた所で、きっと弾かれていたわ。 確率的には、決して分が悪い勝負では無かった」 中里「――そしてご婦人。理論はまさしく完璧のようでゴザるが……。 実戦では雑談をする一瞬の隙が命取りになると心得よ! 『分身ドリブル』!」 タッ、ギュウン! ブウウウウウンッ! パチュリー「ご指摘ありがとう。だけどその内容は本で読んだ事があるわ。……火符・『アグニシャイン』」 タッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアッ!ゴオオオオオオオオッ! ……バチイイッ、ポロッ。 中里「……むう。完璧に隙を突けたと思ったのでゴザるが。 理論もここまで敷き詰めれば盤石となるのか。……恐ろしや、でゴザる」 パチュリー「(とはいえ、彼に仕事をされちゃったわね。私を退けつつ、ボールを前に押し出すという大事な仕事を。 ……まあ、霊夢達が前線に戻らない限り、まだ大丈夫だとは思うけど)」 実況「ボールを奪った右サイドバックの中里選手は、 そのままオーバーラップで果敢にボールを運びにいきましたが、 これはパチュリー選手により阻まれます! ですがボールはこぼれ球となり前方へと向かい……右サイドハーフのアリス選手がフォローしました!」
[631]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:18:05 ID:??? アリス「(紅魔の十六夜咲夜はパスカットにやや弱い筈。だったら……)針妙丸ちゃん。 ここから一気にワンツーで前線まで向かいましょ」 針妙丸「えー、いいけど大丈夫? アリスって確か、友達居ないんでしょ?」 アリス「少ないだけよ。私は群れるのが嫌いだからね。でもしょうがないわね、あんたがそこまで言うなら……」 針妙丸「まあアリスはパス霊夢の次に上手いから大丈夫だよね。やろっか!」 アリス「………(ど、どうしてそこで話を切るのよぉ……! ここは孤独な私の魅力に惹かれ友達になろうとするが、私が一旦それをクールに断るような。 友情ドラマとかでも大事な、出会いの場面でしょうがぁ……!)」 パシッ、パシッ……。 メイドF「タックルしか練習してないから、取れな〜い!」 メイドG「な〜い!」 咲夜「……流石に、パスでは貴女には敵いませんわね」 実況「中里選手が弾いたボールをフォローしたアリス選手は、 得意の個人技ではなくここは敢えて、近くの針妙丸選手とワンツーで連携し、タックルに長けた紅魔の最終ラインを突破!」 実況「そしてアリス選手は最後に、バイタルエリアにて針妙丸選手へとグラウンダーのパスを渡しました! 針妙丸選手、陸選手と美鈴選手のみが守るゴールに向かって右脚を素早く振りかぶります!」
[632]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:21:11 ID:??? 針妙丸「――いっけぇぇぇっ、これが私の必殺シュート。妖剣・『輝針剣』だ!」 ……グワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ、バシュッ! シュパァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……! 美鈴「う、うひゃあっ! は、早すぎですこのシュート! (――でも、お嬢様のシュートと比べて威力は大した事ない! これだったら、今の陸君なら……!)」 陸「ちぇっ、地上シュートとはめんどくさいアルね。でも、この程度……」 グッ。バッ!――バチイイイイッ! 陸「中国三千年の歴史を使うまでも無いネ!」 バッチイイイイッ! 実況「針妙丸選手が放ったシュートは……陸選手がパンチング! やや我流っぽいきらいはありますが、一流のキーパーにも負けない反応速度でシュートを弾いてみせました。 大会前の練習試合ではパンチングが出来ず、必殺の『雷斬脚』を連発していた時代とは大違いです!!」 レミリア「(アイツ自身は謙遜してるけど、中国の奴は見違えるようになった。技術的にも、人間的にも。 ……この辺り、あの中山やら最近の鈴仙が好きそうな、『努力』ってヤツなのかしらね)」 陸が針妙丸のシュートを危なげなく止めた時、レミリアがしたり顔で頷いていた。
[633]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:23:09 ID:??? アリス「まだボールは生きているわ。食らいなさい、『ドールズウォー』!」 グワァァッ、バシュウウウウウウウウウウッ! 陸「なんのなんのーっ! これもパンチングで充分!」 バチイッ、ポーーーンッ! 小町「……んあ。 起き抜けだけど、良い所にハイボールがあるねぇ。 そんなら一発食らいな! ……これが私の新技、『ヒガンスカイライン』さ!」 グワァァッ! バゴオオオオオオオオオオオッ! 陸「むー。これは流石に『雷斬脚』程度は必要アルか……?」 美鈴「いいえ、その必要はありません陸君! チェスト〜〜! 『彩虹風鈴』ッ!」 バッ! グルンッ! ドガアアアアアアアアアアアアアアッ! 針妙丸「あれ! またボール来た! だったら一対一で……」 咲夜「そうはさせません、『ミスディレクション』!」 バッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアッ、バババッ! ……バシッ。 ――そして陸はそんなレミリアの期待と信頼を知ってか知らずか、 この先に続いたアリスや小町、再び針妙丸によるシュートラッシュを悉く退け続けた。 ……その中には、咲夜や美鈴など他の仲間達の活躍もあったが。
[634]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:25:14 ID:??? *** 佳歩(観客席)「う、うわぁ。凄い守備力です! ああまでシュートを撃たれても、びくともしないなんて!」 つかさ(観客席)「『紅魔は攻撃と中盤はともかく、守備陣はイマイチ』……という昔の評価は、 もはや改めるべきかもしれませんね」 てゐ(観客席)「まあ、攻めっぱなしにされてて、カッチリ守り切れてないのはご愛嬌って気もするけど……」 霞(観客席)「そこは博麗連合の必殺シューターの多さもありますし。一概には言いきれませんよ」 *** ――とはいえ、てゐが指摘した通り、スカーレットムーンズはシュートを防いではいたものの、 博麗連合の攻勢に押され気味であったという事実は否めなかった。 事実、上述のメンバーに霊夢と魔理沙が合流した瞬間、中盤低めで拮抗していたボール争いは 一気に博麗連合へと傾き――。 魔理沙「そらっ、観念しな! ボールを私達に寄越すんだ!」 ダダダダダダダッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! 咲夜「……ッ!(駄目、早い。『ザ・ワールド』を使う暇すら無いなんて。 でも、悪魔の荒鷲とも囁かれたこの私が、そう簡単に負けてなるものですか……!)」 バチイイッ! グググッ……。
[635]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:31:28 ID:??? 魔理沙「くそっ、粘るな! メイド業で鍛えた足腰は伊達じゃないって事か。でも、この位置なら……!」 グググッ……ポロッ。 ――ピィイイイイイイイイイイイイイイッ! 実況「おっとここでホイッスル! 魔理沙選手のタックルに咲夜選手は持ち堪えきれず、ボールを後方へと零してしまいました! よってここは、博麗連合のコーナーキックで試合再開となります!」 パチュリー「(……やはりこうなってしまったわね。チーム力の差もあって、 完璧にボールを前に送れない限りは、どうあってもボールを前へと追いやられてしまう。 ――重々想定はしていた展開だけど。やはりこれが続くと……厳しいわね)」 咲夜「(今の場面。一番キープ力のある私がもっと頑張る必要があったのに……!)」 陸「(体力はまだあるけど、なーんか嫌な感じアルな)」 レミリア「(私の勘が告げているわね。この前半5分のコーナーキック。 これがいきなり、この試合における大きな山の一つになると……。 ――はてさて。どっちの有利に傾きますやら)」 審判のジャッジに従い、博麗連合の、スカーレットムーンズのメンバーが集まる。 その中には当然霧雨魔理沙やその他博麗連合の攻撃陣は勿論、別格のオーラを纏った博麗霊夢もまた含まれている。 圧倒的な個を打ち破り、一度は息を吹き返しかけた紅魔スカーレットムーンズ。 彼女達は次に、個では無く集団によって、再び窮地に立たされる結果となった。
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0ch BBS 2007-01-24