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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[631]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:18:05 ID:??? アリス「(紅魔の十六夜咲夜はパスカットにやや弱い筈。だったら……)針妙丸ちゃん。 ここから一気にワンツーで前線まで向かいましょ」 針妙丸「えー、いいけど大丈夫? アリスって確か、友達居ないんでしょ?」 アリス「少ないだけよ。私は群れるのが嫌いだからね。でもしょうがないわね、あんたがそこまで言うなら……」 針妙丸「まあアリスはパス霊夢の次に上手いから大丈夫だよね。やろっか!」 アリス「………(ど、どうしてそこで話を切るのよぉ……! ここは孤独な私の魅力に惹かれ友達になろうとするが、私が一旦それをクールに断るような。 友情ドラマとかでも大事な、出会いの場面でしょうがぁ……!)」 パシッ、パシッ……。 メイドF「タックルしか練習してないから、取れな〜い!」 メイドG「な〜い!」 咲夜「……流石に、パスでは貴女には敵いませんわね」 実況「中里選手が弾いたボールをフォローしたアリス選手は、 得意の個人技ではなくここは敢えて、近くの針妙丸選手とワンツーで連携し、タックルに長けた紅魔の最終ラインを突破!」 実況「そしてアリス選手は最後に、バイタルエリアにて針妙丸選手へとグラウンダーのパスを渡しました! 針妙丸選手、陸選手と美鈴選手のみが守るゴールに向かって右脚を素早く振りかぶります!」
[632]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:21:11 ID:??? 針妙丸「――いっけぇぇぇっ、これが私の必殺シュート。妖剣・『輝針剣』だ!」 ……グワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ、バシュッ! シュパァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……! 美鈴「う、うひゃあっ! は、早すぎですこのシュート! (――でも、お嬢様のシュートと比べて威力は大した事ない! これだったら、今の陸君なら……!)」 陸「ちぇっ、地上シュートとはめんどくさいアルね。でも、この程度……」 グッ。バッ!――バチイイイイッ! 陸「中国三千年の歴史を使うまでも無いネ!」 バッチイイイイッ! 実況「針妙丸選手が放ったシュートは……陸選手がパンチング! やや我流っぽいきらいはありますが、一流のキーパーにも負けない反応速度でシュートを弾いてみせました。 大会前の練習試合ではパンチングが出来ず、必殺の『雷斬脚』を連発していた時代とは大違いです!!」 レミリア「(アイツ自身は謙遜してるけど、中国の奴は見違えるようになった。技術的にも、人間的にも。 ……この辺り、あの中山やら最近の鈴仙が好きそうな、『努力』ってヤツなのかしらね)」 陸が針妙丸のシュートを危なげなく止めた時、レミリアがしたり顔で頷いていた。
[633]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:23:09 ID:??? アリス「まだボールは生きているわ。食らいなさい、『ドールズウォー』!」 グワァァッ、バシュウウウウウウウウウウッ! 陸「なんのなんのーっ! これもパンチングで充分!」 バチイッ、ポーーーンッ! 小町「……んあ。 起き抜けだけど、良い所にハイボールがあるねぇ。 そんなら一発食らいな! ……これが私の新技、『ヒガンスカイライン』さ!」 グワァァッ! バゴオオオオオオオオオオオッ! 陸「むー。これは流石に『雷斬脚』程度は必要アルか……?」 美鈴「いいえ、その必要はありません陸君! チェスト〜〜! 『彩虹風鈴』ッ!」 バッ! グルンッ! ドガアアアアアアアアアアアアアアッ! 針妙丸「あれ! またボール来た! だったら一対一で……」 咲夜「そうはさせません、『ミスディレクション』!」 バッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアッ、バババッ! ……バシッ。 ――そして陸はそんなレミリアの期待と信頼を知ってか知らずか、 この先に続いたアリスや小町、再び針妙丸によるシュートラッシュを悉く退け続けた。 ……その中には、咲夜や美鈴など他の仲間達の活躍もあったが。
[634]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:25:14 ID:??? *** 佳歩(観客席)「う、うわぁ。凄い守備力です! ああまでシュートを撃たれても、びくともしないなんて!」 つかさ(観客席)「『紅魔は攻撃と中盤はともかく、守備陣はイマイチ』……という昔の評価は、 もはや改めるべきかもしれませんね」 てゐ(観客席)「まあ、攻めっぱなしにされてて、カッチリ守り切れてないのはご愛嬌って気もするけど……」 霞(観客席)「そこは博麗連合の必殺シューターの多さもありますし。一概には言いきれませんよ」 *** ――とはいえ、てゐが指摘した通り、スカーレットムーンズはシュートを防いではいたものの、 博麗連合の攻勢に押され気味であったという事実は否めなかった。 事実、上述のメンバーに霊夢と魔理沙が合流した瞬間、中盤低めで拮抗していたボール争いは 一気に博麗連合へと傾き――。 魔理沙「そらっ、観念しな! ボールを私達に寄越すんだ!」 ダダダダダダダッ! ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! 咲夜「……ッ!(駄目、早い。『ザ・ワールド』を使う暇すら無いなんて。 でも、悪魔の荒鷲とも囁かれたこの私が、そう簡単に負けてなるものですか……!)」 バチイイッ! グググッ……。
[635]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:31:28 ID:??? 魔理沙「くそっ、粘るな! メイド業で鍛えた足腰は伊達じゃないって事か。でも、この位置なら……!」 グググッ……ポロッ。 ――ピィイイイイイイイイイイイイイイッ! 実況「おっとここでホイッスル! 魔理沙選手のタックルに咲夜選手は持ち堪えきれず、ボールを後方へと零してしまいました! よってここは、博麗連合のコーナーキックで試合再開となります!」 パチュリー「(……やはりこうなってしまったわね。チーム力の差もあって、 完璧にボールを前に送れない限りは、どうあってもボールを前へと追いやられてしまう。 ――重々想定はしていた展開だけど。やはりこれが続くと……厳しいわね)」 咲夜「(今の場面。一番キープ力のある私がもっと頑張る必要があったのに……!)」 陸「(体力はまだあるけど、なーんか嫌な感じアルな)」 レミリア「(私の勘が告げているわね。この前半5分のコーナーキック。 これがいきなり、この試合における大きな山の一つになると……。 ――はてさて。どっちの有利に傾きますやら)」 審判のジャッジに従い、博麗連合の、スカーレットムーンズのメンバーが集まる。 その中には当然霧雨魔理沙やその他博麗連合の攻撃陣は勿論、別格のオーラを纏った博麗霊夢もまた含まれている。 圧倒的な個を打ち破り、一度は息を吹き返しかけた紅魔スカーレットムーンズ。 彼女達は次に、個では無く集団によって、再び窮地に立たされる結果となった。
[636]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/13(木) 00:33:27 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 まだ前半5分かよって感じですが、このシーンが終わったら、結構時間が経つと思います。 皆さん、本日もお疲れ様でした。
[637]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/14(金) 00:37:29 ID:??? ――ピィイイイイイイイイイイイイイイイッ! そして、スカーレットムーンズメンバーによる懸命の努力も虚しく。 前半6分、彼女達は改めて博麗連合の強さに戦慄する事となった。 ホイッスルと共にアリスから打ち上げられたボールは、 ポストプレイヤーとして覚醒した(本人談)博麗連合のFW・小野塚小町へと届き。 小町「ポストプレイって良いよねぇ……。前線で突っ立ってても怒られないし、 シュートと違って体力もそんな消費しないし。まさにあたいの為に作られたプレーだわ……」 美鈴「そ、そんなふざけた動機でサッカーやってる人なんかに負けられませんよ! 競り合いだったら私だって負けちゃいないんだから……って」 バアアアアアアアアアアア……ンッ! 小町「そ〜〜っれっ! これがあたいの『宵越しポストプレイ』さ! 届くモンなら届かせてみなよ、門番ごときに届くんだったらね!」 美鈴「た、高い……! とどかない……!?」 ――ポーーーンッ! レミリア「見事なポストプレイね。美鈴一人じゃあ、ちょっと荷が重かったか。 まあ仕方が無い、私もクリアに向かわせて貰おうか!」 ダッ! 小町は背の高い美鈴よりも更に高く飛び上がって、 そこから更にオーバーヘッドキックの要領で空中で一回転し、低いボールを前方へと供給する。 そこには数合わせのメイド妖精に加え、前線から守備の為に戻ったレミリアが独特の体勢での新低空クリア ――『レミリアストレッチ』の構えで身構えていたが……。
[638]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/14(金) 00:38:37 ID:??? 魔理沙「ナイスだ小町! これで決めてやる!!」 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! そんな中をお構い無しに突っ走る一陣の閃光。構えとしてはダイビングボレーと同じ。 しかし、努力の天才である霧雨魔理沙の脚力は、魔法による強化を合わせれば既に常人をも凌駕しており、 その為に低いボールに動きを合わせる魔理沙の周囲の空気は、摩擦で燃えて光に見える。 魔理沙「『ドラゴンメテオ』がダメなら、お次は低い球で勝負だ! 迸れ閃光、轟け雷鳴! 彗星・『ブレイジングスター』ーーーーッ!!」 カッ! ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッツ!! バギュウウウウウウウウウウウウウウウウンッ! ショットガンの如く押し出された魔理沙のダイビングボレー……と呼ぶには圧倒的すぎる大技、 『ブレイジングスター』。 それはクリアに向かう妖精メイド達を完膚なく打ちのめし、 強靭なフィジカルでぶつかって行ったレミリアすらも退けて陸へと邁進する。 陸「『ファイナルスパーク』とやらを出さずとも、この威力アルか! 全く、コイツ本当に人間カ!?」 魔理沙「のうのうと悪魔の館で暮らせる程図太いお前さんには言われたくないぜ!」 陸「その悪魔の館から私財をかっぱらってくと評判のヤツが、余計なお世話アル! だがまぁ……もう一遍食らうが良いアル、朕の――『襲爪雷斬脚』を!」 バァァァッ! タッ! ダアアアアアアアアアアンッ! ――バギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! ――ガンッ! ……ギリギリギリッ……ポーーーーン!
[639]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/14(金) 00:39:51 ID:??? 魔理沙「ぐぁぁっ!」 陸「あだーーーーっ!」 スカーレットムーンズは、この時点でも辛うじてではあるが堅守を貫いていた。 小町のポストプレイこそ通したものの、そこからの魔理沙の『ブレイジングスター』すらも、 大人数でのクリアとレミリアのフィジカルによる威力減衰もあって、陸は辛うじて弾けてはいた。 ……しかし、これがスカーレットムーンズの限界中の限界だった。 霊夢「……決める!」 咲夜「霊夢……!(――美鈴が敗れ、陸君が飛び出し、お嬢様とメイド妖精達は吹き飛ばされた。 やはり霧雨魔理沙は侮れない存在だった。そして、それ以上に霊夢は危険……!)」 バッ! 霊夢が高いボールに動きを合わせた中、 ただ一人まともに守備に動けるのは、もはや咲夜しか残されていなかった。 咲夜「(あの構えだと……きっと霊夢が放つのは必殺の『夢想封印・瞬』ではなくて オーバーヘッドキック……もとい、『巫女サマーソルト』に違いない。……けれど)」 バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ! ――そして、そんな咲夜が驚嘆する程に、霊夢は自然と高く飛び上がった。 自然。そう表現するのが相応しいまでに、霊夢は空中へと浮かび上がっていた。 1メートル2メートル程度では無い。このモリヤスタジアムを一望できる程度に。
[640]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/14(金) 00:41:33 ID:??? 咲夜「(その『巫女サマーソルト』ですら、私一人では大きく不利! おそらく、『プライベートスクウェア』を上手く放てたとしても勝率は五分以下……! だけど、やるしかない!)……紅魔の名にかけて! ――プライベート……」 霊夢「それっ!」 バギュウウウウウウウウウウウウウウン! ギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ! 咲夜「――スクウェア!!」 バァァァッッ! グルウウウンッ…………! 霊夢が高空からボールを打ちおろし、十六夜咲夜はそのボールに動きを合わせた。 軸足を大きく回転させた反転ブロック――『プライベートスクウェア』で単身霊夢に迎え撃つ。 その動きはプレッシャーの中にあっても淀みなく、まさしく瀟洒と言うに相応しいものだったが――。 ギュウウウウウウウウッ。――ブンッ! ゴォォォォォォオオオオオオッ……! 咲夜「……!(ぼ、ボールが大きく伸びた。――後少しで、弾く事が出来たのに……!!)」 咲夜は大きく絶望した。霊夢が放ったシュートは彼女の胸元で大きく跳ね、 速度を伸ばして急速に変化してしまった。それはまるで神に愛されたかのような幸運。 霊夢が感覚的に撃ち放ったシュートは、偶然か必然か、最も完璧な軌道を正確になぞっていた。 ……そして。 バシュウウウッ、ズバァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ――ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!
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0ch BBS 2007-01-24