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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[647]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:33:15 ID:??? 実況「決まった、ゴール!! まず先制点を挙げたのは博麗連合! 魔理沙選手を中心とした猛攻の末、霊夢選手が見事なオーバーヘッドキック……いえ! 『巫女サマーソルト』で紅魔のゴールを奪いました! 1−0! 前半6分で博麗連合が1−0でリード! やはり紅魔はこのまま、博麗連合の圧倒的な総合力に敗れてしまうのでしょうか〜〜!?」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 「す、すげぇえええ!」「人間がどうやったら、あんな空高く飛べるんだ!?」「れーいーむ!」「れーいーむ!」 パスカル(観客席)「ただのオーバーヘッドであの威力か。 キリサメマリサの高低隙の無い大砲は勿論厄介だが、彼女のねじ込みにも要注意だな……」 霞(観客席)「データが出ました! さっきの霊夢さんのシュートは高度5、威力58、誤差補正12です!」 てゐ(観客席)「? 高度と威力は何となく分かるけど、誤差補正って何?」 霞(観客席)「えっと。最終威力を出す際に、打ち出した時のコースとか蹴り方とか敵の位置とか。 色々な要素を加味して加えられる補正値の事です。 基本は6か7位で収束するんですが、今回は理論上最大値の12が出ましたね……。 普通、誤差補正で最大値が出るのは36分の1程度なのですが、霊夢さんは絶好調みたいです」 ウサギC(観客席)「(!dice + !dice)のことだよね〜」 霞(観客席)「雰囲気無くなるから言わないでよ、Cちゃん!!」 ***
[648]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:34:55 ID:??? 魔理沙「……くそっ」 数多くのシューターによる乱れ撃ち。一流のゴールキーパーをも崩し得る主砲。 そして、絶対的なトップ下による完璧なゴール。 全ての者が理想的だと頷ける筈のゴールを前に、しかし博麗連合のストライカーは納得していなかった。 魔理沙「……(また、決まらなかった……。小町にもアシストして貰ったのに、また……! しかも、そのミスをまた霊夢に尻拭いして貰って……。私、主人公のクセにカッコ悪すぎだろ)」 魔理沙はこの時、『ブレイジングスター』が必ずや紅魔のゴールを撃ち抜くと確信していた。 ――いや、確信するよう努力していた。 自分は『ファイナルスパーク』が無くとも、博麗連合のCFであり幻想郷きってのFWであると。 つまり、今の自分は「まだ」、長年来の親友とも並び立てる存在であると。そう信じていたかった。 魔理沙「(確かにレミリアの奴も目が高い。あの陸ってのは間違いなく一流クラスのゴールキーパーだよ。 だけど、森崎や萃香に敵う程の一流じゃない。あの程度、私は一人でぶっ倒せないとダメなんだよ……! 今みたいに霊夢に助けて貰っちゃ、ダメなんだよ……! やっぱり、『ファイナルスパーク』が無いとダメなのか……?)」 これまでの試合でも、自分は『幻想郷きってのFW』に相応しい活躍をしていない自覚があった。 同格のライバルだった筈のレミリアには大きく水を開けられ、 ゴール数ではレミリアの妹や案外大したことない射命丸にも負けて。 単純なシュートの威力では、レミリアは勿論、勇儀や幽香などの古豪に敵わなくなってきていて。 しかも最近では、自分とは正反対なヘタレFWの鈴仙が、かつての自分の位置に就こうとしている。 方や自分は、苦労して新必殺シュートを編み出しても、それは自身の寿命を引き換えにして放つ代物だった。 ……そんな背景があったからこそ、今の何でもないシュート失敗を、魔理沙はひどく気にしていた。
[649]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:37:24 ID:??? 霊夢「(……魔理沙のやつ、やっぱし不満そうにしてる)」 そして霊夢は当然、魔理沙がそうした苦悩を抱いている事は知っていた。 知っていたし、友人としてどうにかしたいとも思っていた。 ――しかし、元来他者との深い関わりを好まぬ(知らぬ?)霊夢は、少し不器用でもあった。 霊夢「……あのね、魔理沙。今の局面は別に悪く無かったと思うわよ。 大体、シュートが入る入らないってのは運なんだし、この位気にしない方が……」 霊夢は自分なりに優しさを籠めた言葉で、魔理沙に働きかけたつもりだった。 しかし、同格だと思いたい友人から為された同情は、魔理沙の心を更に惨めにしただけだった。 だから……彼女の口から思いがけずこうした言葉が零れてしまう事も、ある意味では仕方なかった。 魔理沙「――ふん。随分と攻撃的なトップ下様だな、おい?」 霊夢「……え?」 魔理沙「お前はさっき、ねじ込みに備えてPA内に居たようだけど、 今の局面、レミリアがクリアに成功して中盤を省略される可能性もあっただろ。 もしそうなっていたら、お前のせいで点を取られてたのかもしれないんだぞ! お前が良いとこどりをしたいって前に上がったせいで、私達はリスクを負わされたんだ!」 魔理沙は苛々と霊夢の判断ミスを詰る。そこに魔法使いらしい論理性は無い。 単に彼女は、自分自身への怒りを霊夢に転嫁しているだけだった。 そして、魔理沙はそこまで分かっているにも関わらず、口から毒を吐かずにはいられなかった。 魔理沙「最初のプレーだってそうだろ? お前は色々めんどいとか言ってるけれど。 実際は自分が居ないとこのチームは。いや……この幻想郷は成り立たないだとか! 天才の自分が凡人共を導いてやらなきゃだとか思ってるんだろ!」 霊夢「……魔理沙。私が凡人を導くなんて面倒な事、する訳ないでしょ? お金積まれたらどうなるかちょっと自信ないけど。まあとにかく、ちょっと落ち着き――」
[650]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:39:57 ID:??? まくしたてるように、これまでの不安を言葉にしていく魔理沙。 霊夢は最初、そんな魔理沙を止めようと思っていたが……不意に発した魔理沙の一言が、 霊夢の希薄な感情に火を付けてしまった。 魔理沙「落ち着いてられるかよ。こんな蛇女がトップ下のチームでさ! どうせお前は、私みたいな才能の無い無能な奴を無理矢理隣に置いて、優越感に浸りたいだけなんだろ。 ――前に言ってた『友達』なんてのは方便で、結局は博麗の巫女である自分の引き立て役が欲しかった……」 霊夢「……!」 ―――ぱちんっ。 霊夢「――そんな訳、無いじゃない。ばっかじゃないの……!」 クルッ。スッ……。 歓声に沸くスタジアムが、乾いた音を聞いて静まった。 怒り心頭にセンターサークルへと戻る霊夢と、惚けたように立ち尽くす魔理沙を交互に見比べ、 歓声はたちまちどよめきに変わった。 実況が霊夢と魔理沙の仲たがいをセンセーショナルに報じる中。 既に仲間内での打ち合わせを終えて、キックオフの準備を終えていたレミリアは霊夢を嘲笑する。 レミリア「いやぁ、若いって良いねぇ。私も後485歳くらい若かったら、あんたらの輪の中に入れたのに」 霊夢「勘弁してよ。面倒なのが二人になったら、流石の私も面倒を見切れないから」 霊夢は辛うじて、自分よりも首一つ二つ程背が低いレミリアに対して皮肉を言ってのけた。 レミリアはニヤリと笑って、上目づかいに言い放った。 レミリア「本当だったら仲直り出来るよう、パチェか咲夜辺りに場を取り持つよう命令してるトコだったけど。 貴様等の心の弱さが生んだ不和――我らが勝利の為に、精々利用させて貰うぞ?」
[651]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 00:44:37 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 明日は大目に更新できればと思っています。 皆様、本日もお疲れ様でした。
[652]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 07:37:17 ID:??? ストライカーは点を取りたいんじゃ・・・自分でゴールを決めたいんじゃ・・・ それは意地なんじゃ・・・分かってくれ霊夢・・・ ところで魔理沙が地獄行きしそうなんですが
[653]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 07:57:23 ID:??? この魔理沙は後々セーヌ川ダイブをかましてしまいそうだ…… 紺珠伝みたいに新作が出ると物語にも微修正を加えたりしますか?
[654]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 13:05:53 ID:??? なんか魔王の時みたいになってる。 なんで劣等感覚えるキャラにどこもなってるんだろうね。
[655]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 13:31:30 ID:??? 努力を惜しまないからじゃない?
[656]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 17:55:56 ID:??? こんにちは、更新をしていきます。 >東方新作について 紺珠伝については、微修正程度だったらあると思いますが(キャラが登場したり、敵チームにスポット参戦するなど) 大筋だけは変えないようにしたいと思っています。 新作では永琳や鈴仙と深い関係がありそうなキャラが出て来るみたいなので、絡みのあるシーンは作っていきたいですね。 >>652 霊夢はその辺りの気持ちをあんまり理解していない…訳では無いけれど、 他人の気持ちを何となく察するのに慣れてないようなイメージがありますね。 魔理沙まで地獄に行くと、地獄が飽和してしまいそうなので多分なんとかなりますw >>653-655 正直に言って、某スレの魔理沙像をかなり強くイメージしています。 また、強靭な精神を持つ森崎と敢えて対比している所もあります。 内心強い劣等感を覚えつつも、それを普段は臆面にも出さず努力を重ねるというのが魔理沙だと思っていますが、 その『普段』が見えないと、ただ鬱屈してるだけなキャラクターに見えてしまうかもしれませんね。 この辺りの描写は、今後予定している、鈴仙との絡みでも出していきたいと思っています。
[657]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/15(土) 17:57:17 ID:??? ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! 実況「先ほど1点のビハインドを許した、紅魔スカーレットムーンズのキックオフで試合再開です! スカーレットムーンズ、まずはボールをトップ下のパチュリー選手に預け、 手堅くボールをキープして攻め時を見計らっている様子!」 パチュリー「(相手が浮足立った状況の今、こっちは逆に焦らして様子を見るのが吉ね。それに……)」 魔理沙「くそっ……! このボール死ぬまで借りてくぜ、パチュリー!」 タッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ――シュンッ! シュパッ! 魔理沙「……ちっ。お得意の『芸術的なドリブル』か!」 パチュリー「――生憎と、そうカリカリした人間の小娘に分け与えてやるだけの叡智は、持ち合わせていないけど?」 霊夢「馬鹿ね魔理沙。 だからここは一緒にタックルに行こうって言ったのに……! ええいっ、食らいなさい! 『パスウェイジョンニードル』ッ!」 バシュッ! ズバアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ――クルルルルッ…バッ、バババッ! …スパァァッ! パチュリー「腰が浮いているわよ。博麗の巫女が、情けない」 霊夢「……今のは『華麗なドリブル』かしら。中々やるじゃない」
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0ch BBS 2007-01-24